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2014年12月31日 (水)

人生意気に感ず「振り込め詐欺よ。三俣殺人の悲哀。今年が終わる」

◇振り込め詐欺は現代社会を象徴する不思議な現象というべきだ。一向に減らない。今年1月から11月までの被害額は既に498億7千万円で、過去最悪だった昨年一年間の被害額を上回った。昔から「泥棒にも三分の理」と言われるが、先のない金持ちの高齢者から奪ってもよいという屁理屈があるのかもしれない。しかし、自分さえよければいい、額に汗して働くのは嫌だ、暴力団の資金源等々、特殊詐欺は社会の病理現象と結びついている。抑えられなければ健全な社会が崩れる。来年は何とかしたいものだ。解決策はないのか。 ◇刑法を改正して特殊詐欺の類型を厳罰化してはどうか。現行刑法の運用によって厳罰にしていることは分かるが、社会に断固とした規範を示すには形の上ではっきりさせるのがいい。  しかし、当面、何より重要なのは、取締りに成果を上げること。この関係で最近注目すべき動きがあった。民事裁判を起こして損害賠償を求めたのである。  神奈川県の60歳の女性が600万円だまし取られた。女性は「受け子」に訴えを提起。警視庁が応援して訴訟は進められ、150万円で和解が成立した。軽い意識で犯罪に加わった20代の「トカゲの尻尾」は驚愕したに違いない。彼らが打撃に感じるのは150万円という賠償額だろうから。この種の犯罪は、「受け子」や「出し子」をとらえても、これらはトカゲの尻尾で、先へ追及が進まないのが通常だが、尻尾が使えなくなることは痛手に違いない。警視庁は今後も支援を続けるという。カギは地方の警察の動き。群馬県警も大いに力を入れてもらいたい。来年は振り込め詐欺に大きな変化が生じることを期待する。 ◇三俣殺人事件の土屋和也の人間像が報じられている。26歳の容疑者は、現代社会の病風に晒される若者らしい。幼い時に両親が離婚、祖父母の下で育ち、職を転々とした。親の顔も知らない哀れな若者は何のために生まれてきたのか。両親はこの事実をどこかでどう受け止めているのだろうか。 ◇今年が終わる。選挙は終わりと覚悟していたら、8月になって萩原ゆうじ君が後継者を目指して名乗り出た。人生最後の選挙をやることになった。長年の支援者の所を連れて歩いている。一人一人との間のドラマが甦る。それは私の県議生活の軌跡である。ゆうじ君がそこから何を学ぶか。私の財産の継承が進む。(読者に感謝)

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2014年12月30日 (火)

人生意気に感ず「金正恩暗殺映画の波紋。長江の水を北京に」

 

◇金正恩暗殺のコメディ映画をめぐる動きは興味深い。俳優が演ずる太った正恩が暗殺されるストーリー。北朝鮮とすれば最大の侮辱。昔、チャップリンがヒトラーを風刺する映画を作った。チャップリンは独裁者ヒトラーが世界の民主主義を破壊することにコメディ映画で立ち向かった。映画の手段による攻撃は大砲や戦車よりもある意味で効果が大である。心に訴えて自国民を勇気づけ敵国民の戦意を挫くからだ。

 

 ソニーの映画も同様な構図に思える。北朝鮮は国を挙げて抵抗を始めた。全米の映画館はこれに屈して一時上映中止に出て、これをオバマ大統領が鋭く批判した。なぜ大統領が。それはアメリカを支える理念である民主主義が北朝鮮に屈することを意味するからである。表現の自由が脅迫・テロに敗けてよいのか。全米の映画館は一転して上映の方向だ。オバマは述べた。「人々は映画について自ら選択できるようになる」。観る観ないの選択の自由が守られることが表現の自由の保障に他ならない。FBIは、サイバー攻撃を北朝鮮の犯行と断定した。従って、今後、上映についてテロ行為があれば、それは北朝鮮の犯行と見られるだろう。だから北朝鮮は何も出来ないに違いない。ソニー側にはそのような冷静な読みがあったはず。映画の反響と効果が楽しみだ。北朝鮮の国民は直接には観られないだろうが、脱北者など多くの関係者が観て伝わるだろう。面白い企画を考えたものだ。

 

◇この映画は公開初日の25日、興業収入が100万ドル(約1億2千万円)を超える盛況ぶりだという。ユーチューブではベストセラーになった。北朝鮮政府のしょっぱい顔が想像できる。

 

◇中国の巨大な水路事業に驚く。北京へ1400キロ、長江流域の水を運ぶ事業だ。27日、水路から正式に送水が始まった。国家プロジェクト「南水北調」。南の水を北に調達する。約13年の歳月をかけた。

 

 巨大事業には約42万人の住民が立ち退きを強制された。日本では考えられない。揚子江をせき止めた三峡ダムでは100万人以上の住民が強大な権力の下で立ち退きを強いられた。中国の土木工事といえば万里の長城。レンガを焼く木のために砂漠が広がったと言われる。強行工事のために多くの人命が失われた。水路工事は現代の万里の長城と言えるかも。(読者に感謝)

 

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2014年12月29日 (月)

人生意気に感ず「三俣事件の解決。人間を物体視する犯罪。今年最後の塾」

◇今年も暮れる。三俣事件が急転解決してよかった。容疑者の26歳男性は23日建造物侵入で逮捕されていた。老夫婦の殺人と殺人未遂を認め、日吉町の老人殺害への関与も認めているという。今後詳しいことが明らかになるだろう。  土屋和也という青年は、報道によればワンルームマンションに住む普通の若者である。強盗殺人ということになれば、3人の殺傷だから極刑も予想される。三俣では過去に一般住民も巻き込んだ暴力団抗争事件があり3人が死刑判決を受けている。近隣住民とすれば今回の事件と合わせて大きな不安の種となっていたに違いない。  殺人が日常の出来事になっている。遺体の発見などが伝えられない日が珍しい程だ。殺人への社会の捉え方が大きく変化している。人を殺すことは、古来、特別の究極の犯罪だった。そういう考えが薄れていると思う。金のために簡単に殺す。人間を物体とみて簡単に殺し遺体を切断する。殺人を犯す人は今や普通の市民なのだ。そういう恐ろしい時代に入ったことを私たちは真剣に受け止めねばならない。 ◇親族の死体を何重ものポリ袋に入れて捨てるという事件があった。葬儀を避けたものと思われる。この事件の示す意味は重大である。死ねば物体と見ているのだ。霊を無視する考えであり、人間関係の希薄化と崩壊を象徴する出来事だと思う。日本の社会が崩壊しつつある。心と道徳を重視する社会の基盤を立て直さねばならない。 ◇27日は、今年最後の「ふるさと塾」だった。テーマは「原爆と原発」。1938年、ドイツ人科学者による「核分裂による膨大なエネルギー発生の発見」から話を始め、原発がはねた場合、その放射線の被害は「風向き」によることを気象庁の資料を使って主な原発について説明した。政府の原発政策は電力会社と共に国民を欺いてきたという結論になった。ほとんどの原発が地震の巣の上にある。そして巨大地震が近づいている。日本はどうなるのか。時間を少し早く切り上げ、パンとコーヒーで座談会に入った。パンは寄附を受けたもの。コーヒーはポットを持ち込んだ。ロの字に座った人々から有意義な意見が出て一年のよい締めくくりとなった。来年も「ふるさと塾」は続けると約束。進化の手ごたえを感じた。(読者に感謝)

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2014年12月28日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第160回

 

◇上毛の青年、立つ。

 

 ここで上毛の青年たちの動きを見よう。新時代の空気を受け止めて新しい社会を築こうとする青年たちは楫取の廃娼決定策に強い期待を抱いた。

 

 ところが、佐藤知事は楫取の決定を守らず、延期策を打ち出した。青年たちは猛烈に反対して立ち上がった。

 

 青年たちは、明治20年1月5日、前橋桑町(現在千代田町)の住吉屋で上毛青年会を発会させた。幹事は、竹越与三郎、高津仲次郎、石嶋良三郎の3名であった。

 

 この青年会に刺激されて県下各地に青年会が結成される。佐藤知事が出した明治21年5月の「廃娼当分延期」は青年たちに衝撃を与えた。これら各地の青年会17団体が集まって上毛青年連合会が結成されたのは明治22年7月14日であった。

 

 青年たちが県会で万歳を叫ぶ迄の歩みは涙ぐましいものであり、また、そこには、明治の若者の清新な気概があふれていた。その中心人物は石嶋良三郎であった。石嶋が後に東京の廃娼大会に招かれて満堂の中で語った様子は控え目であるが熱情にあふれかつその内容は正確であった。群馬の廃娼運動が全国的に注目され、とくに青年の活躍が高く評価されたことを示すものである。その概略を述べる。

 

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

 

 

 

 

 

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2014年12月27日 (土)

随筆「甦る楫取素彦」第159回

◇新鑑札の件について

「議会は娼妓営業に新鑑札を許可しないようにと議決したのに知事は規則を改正して15才以上30才未満の者に鑑札を下した、世論に反して、また、議会の建議を採用せずにこのようなことをしたには余程の理由があるだろう、それをききたい」と質問者が発言。

 番外は次のように答えた。「貸座敷業がある以上は娼妓がなければならず、営業を許してある間は取締をなさねばならないので娼妓には新鑑札を下附し、貸座敷は新に許さぬことにした」

 このような議会のやりとりは議会外にも伝わる。議論の正当性と適否は歴然としているから世論は盛り上がり知事への批判が高まっていく。

このような流れの中でこの議会は再び廃娼の建議を行うのだ。議論百出であったがいくつか注目点があった。それは、それまで廃娼に反対であった者で、考えを変えている者がいること、廃娼を単に風俗浄化や病気予防の理由だけでなく、そのこと自体が悪であることを人民の権利・自由の点から論じる者が現れたこと、そして、廃娼を訴える青年たちの純粋で決然とした活躍が起きたことなどである。

「奴隷のような娼妓の存在を公然と許すことは人民の権利・自由を保護する政治の本分に反する」、「廃娼は正義の論・存娼は不正義の論だ」、「上毛の青年諸氏が廃娼を唱えて各所で演説をなし、なお千百余人の連署で廃娼の建議をなしたのはわが県民のために喜ぶべきことであるばかりでなく、日本全体の公益のため慶賀に耐えない」などの意見が見られた。激しい議論の末に採決が行われ、賛成多数で建議は可決された。この議会では上毛の青年たちの建議が読み上げられた。傍聴席は立錐の余地が無い程の青年で埋まり、可決の瞬間、彼らは思わず万歳を叫んだ。

 佐藤知事の暴挙が、かえって議会と世論を刺激し廃娼が一大運動に発展していく。それは、楫取が播いた種が根を張り勢いよく芽を出し始めたことを示す姿でもあった。正義の芽が若者たちの手に受け継がれていく。

☆土・日・祝日は、「甦る楫取素彦」を連載しています。

 

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2014年12月26日 (金)

人生意気に感ず「レイブで薬物逮捕。防犯カメラの意味。楫取が日の目に」

 

◇9月、下仁田レイブで25人が逮捕された。違法薬物事件として刑事裁判が進んでいる。大麻、コカイン、MDMAなど。2008年にも、みなかみ町と嬬恋村でレイブと呼ばれる野外音楽祭で違法薬物で22人が摘発された。群馬の奥地は絶好の立地として利用される。厳しく取り締まらないと前例となり、群馬に薬物使用の温床が広がる。犯罪が少ない本県に変化が生じないよう警戒すべき時だ。

 

◇朝、西片貝町の知人の家を訪ねたらガギがかかっている。「カギをかけたことはなかったのですが最近不安なので」と奥さんは説明した。隣の三俣町の凶悪事件が不安を広げている。県警幹部は早期解決に全力を挙げていますと語った。高速交通にどこからも容易にアクセス出来る本県の状況が犯罪に使われる。犯人は近くの住民と思うのは間違いかも知れない。群馬が格好の「猟場」という観念が定着しないために、隣県と提携して三俣事件は何としても解決して欲しい。

 

◇このような市民の不安に対応するために前橋市は日吉町と三俣町に2台ずつ防犯カメラを設置する。市は、平成23年度に防犯カメラの設置を始めた。これ迄に商業施設の周辺などに38台を導入した。

 

 今年、文京警察常任委員会で警視庁の防犯カメラシステムを視察した。防犯カメラの威力はすごい。犯罪に科学で対応する一つの象徴である。科学の目の視力は24時間何ごとも見逃さない。監視社会の到来という批判はほとんど聞かないが、個人のプライバシーや基本的人権が侵害される恐れを意識する必要がある。防犯カメラの運用システムについて市議会は議論すべきだ。

 

 一般住宅に防犯カメラが設置されることになったことの意味は、このように単純ではない。安全な地域社会づくりに、今後科学的メカの参加は続くだろう。その際注意すべきことは、機械に人が支配されることでなく、人が適切にこれをコントロールすることの重要さである。

 

◇昨日、寒風が肌を刺す前橋公園で楫取素彦説明版の設置に立ち会った。説明版は楫取素彦顕彰会が作り、文章は私が書いた。県庁西の高浜公園にあったが移すことになった。文の中に楫取の妻寿が松陰の形見の短刀を新井領一郎に渡す場面があるが、この像を並んで設置される。楫取が日の当たる場に登場するのだ。(読者に感謝)

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

 

 

 

 

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2014年12月25日 (木)

人生意気に感ず「想定外と物理の原則。安倍新内閣と憲法。ドクターモンキーの驚き

 

◇私は雑誌「ニュートン」の愛読者である。議会図書室には私の勧めで並んでいる。「ふるさと塾」に備えて、2011年の緊急特集号を開くと編集長の示唆的な発言が目に付いた。ここに紹介する意義があると思う。

 

 あの地震や津波が「想定外」だったと言われたことに関して編集長は言う。「この言葉が発せられる度に長い物理学の歴史の中から生まれた有名な格言を思い出す。それは理論的にあり得るものは必ず自然界に存在する。理論的にあり得る失敗は必ず起こるということ」。こう言ってブラックホールとM9・5のチリ地震を例に出す。その昔、ブラックホールが理論的にあり得ると言われた時、大多数の天文学者はあり得ないと考えた。しかし現在疑う人はいない。1960年チリでM9・5が起きたとき科学者は日本列島で9以上が起きるとは考えなかった。しかし、今回M9・0が起きた。

 

 今、この物理学の格言を前にする時、私たちは、自然の中で生かされている小さな存在であること、自然のしくみにもっともっと謙虚でなくてはならないことを知る。「安全神話」を容易に受け入れるのは人間の思い上がりに外ならない。

 

◇第三次安倍内閣がスタートした。アベノミクス、集団的自衛権、原発、憲法改正等に取り組む姿勢が注目の的だ。中でも、世界が注目するのは憲法改正。首相は記者会見で歴史的チャレンジ」と語った。戦後70年、一度も改正されなかった日本国憲法。すっかり定着し、日本の土台を成し、進むべき方向を示す素晴らしい憲法だ。国民主権、平和主義、基本的人権の尊重はしっかりと堅持しなければならない。国民の間には、これらも変えるという誤解と不安がある。数がそろえば何でも変えられるわけではない。憲法には改正権の限界があり、これらはそれに当たる。しかし中味の一部がじわりと変化するかが問題なのだ。最大の課題は憲法9条。国民はしっかり学び議論に参加しなければならない。

 

◇ドクターモンキーに感動と驚き。インドのこと。感電で意識を失ったサルを仲間が必死で救助活動した。叩いたり、さすったり、そして水に何度もつけた。遂に意識を回復した背をよかったねとばかりに摩った。人間のようだ。2匹の関係を想像した。どえらい体験は受け継がれサルの文化に変化を起こすのか。(読者に感謝)

 

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2014年12月24日 (水)

人生意気に感ず「地震の巣の上の原発。群大病院の暗雲」

◇最近、地震の発生確率が新しいデータに基づいて見直され、各地の確率が大きく上がった。私は、素人の想像だが、「3.11」も影響していると思う。M9.0、地度7の巨大地震は日本列島を東南東に5.3m動かした。これだけの力が働いたのだから、地震の巣に刺激を与えない筈がない。確率が上がった各地の地震マップに原発地点を重ねると、多くの原発が危険地帯の上にあることが改めて分かる。それなのに、停止していた原発が一斉に再稼働の方向に動こうとしている。

◇私たちは、長い歴史の中で、巨大地震と付き合って生きてきた。しかし、現在大きく異なることは、原発の存在である。私たちは、原発によって歴史の上でかつてない状況に立っている。祖先から受け継いできたものを子孫に受け渡す上で、大きな歴史的責任を負っている。あれから間もなく3年。「3.11」を最大の教訓としなければならないことに異論はない。しかし、もどかしさの中で時は過ぎていく。これでいいのか。立ち止まって事実を見つめねばならない。そんな思いで、今年最後の「ふるさと塾」は題を「原爆と原発」とした。私は、「吉田松陰と楫取素彦」に打ち込んでいるが、彼らが甦ったら、今日の状況をどうみるであろうか。

◇映画「楫取素彦物語」の中間試写会を前橋で4回行った。来る1月16日には高崎のシティギャラリーで午後6時から、18日には萩市の映画館で行う。萩市では、先月、明倫小と椿東小で楫取の講演を行ったので、萩の試写会ではこれらの小学生にも見てもらいたいと思っている。なお、この映画はヒューストンの映画祭に出品する準備を現在進めている。萩での「実施」は教育界に一石を投じ、歴史教育の上で一つの扉を開くことになるだろう。

◇天下の群大病院に何やら暗雲が漂っているようだ。小さな傷口からカメラと器具を入れて手術する腹腔鏡手術で8人が死亡して問題になっているが更に同じ助教授が行った普通の開腹手術でも10人が死んだという。この場合、他の病院の手術と比べ死亡率は3倍。腹腔鏡による手術と普通の開腹。医師は結果について悩まなかったのか。日常の仕事として軽い気持ちで執刀し結果は意に介しないという流れだとすれば恐い。習慣が人命尊重を薄めているのか。患者は医師の絶対的力に命を任せているのだ。

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

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2014年12月23日 (火)

随筆「甦る楫取素彦」第158回

 

◇娼妓に新鑑札を出さず。

 

 このように、佐藤知事の「延期」に反対する議論が高まる中、明治21年の議会で議長湯浅治郎は、知事に迫る。ここでは娼妓に新規の鑑札を出さないという「建議」を可決する。この時の議会の状況は面白いものだ。

 

 次のような発言があった。「当分延期となったため妙義町ではわずか5、6戸の貸座敷しかないのに、一大貸座敷が2戸も新築にかかっている。これは当分延期の令が出てから着手したもので当分を永遠と誤認している」議場は賛否両論入り乱れたが採決は多数で建議することに決まった。建議の大要は次ぎのようなものだ。

 

「社会一般の道徳が進まない状況に於いては従来の公許に任せていずれ自滅するのを待つのがよいという。しかし、何の施策もなく待つのでは百年河清を待つようなもの。もし今日廃娼が尚早というなら、せめてこの自滅を促すことを図るべきだ。その策とは、これから以後、娼妓新規出願者に対し断固として鑑礼を下さないことである。そうすれば数年を待たずに娼妓廃絶の実効を見るのは難しいことではない。本会の決議をもって建議す」として、明治21年12月11日づけで、県会議長湯浅治郎の名で知事佐藤与三に提出した。

 

 議会のとれる戦略としては考えたものと思う。娼妓の働ける期間は短いという。新規の参入者がなければ先細りとなって自滅廃業に追い込まれるのである。

 

 この議論は、明治22年11月議会に引き継がれ白熱を帯びるに至る。その流れはこうだ。前議会で娼妓に新鑑札は出さないと議決したにもかかわらず知事は規則を改正してこれを与えた。世論も燃え、議会に火がつく。そして、再び廃娼の建議が激しく議論され、廃娼論者は、遊郭の害は風俗上だけではない、遊廓のあるところでは市が立たない、この問題は狂気の如く論ずべきだと主張した。そこに至る状況を以下記述する。

 

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

 

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2014年12月22日 (月)

人生意気に感ず「キューバ危機を振り返る。三俣事件と平成15年の暴力団事件」

  

◇世界史の舞台が大きく動いた。アメリカがキューバとの関係改善に向け大きく踏み出した。キューバとアメリカの対立といえば直ぐにあのキューバ危機を思い出す。若いケネディと老獪なフルシチョフとの対決は戦争の瀬戸際まで進み世界は息を呑んで事の成り行きを見つめた。

 

 アメリカはキューバにソ連の核ミサイルが設置されることを察知して撤去を要求。ケネディは全軍に攻撃態勢を命じた。全世界が固唾を呑む中、キューバに向かうソ連の船団は反転の航跡を描いて引き返した。私はあの光景を鮮やかに思い出す。ケネディ兄弟は真青になってあの瞬間を迎えたと後に語った。

 

 アメリカとキューバの仲介をした人がカトリックのローマ法王と聞いて大いに驚いた。壮大な世界史の流れと不思議な因縁を感じるからだ。1492年コロンブスは遂に新大陸を発見した。目的は黄金の国ジパングを発見することと、新しい世界にカトリックを広めることだった。そしてコロンブスの偉業は新世界の住民にとっては残酷な時代の幕開けだった。カトリックの布教の名の下に、抵抗する住民は容赦なく殺された。コロンブスはキューバに至ってここを拠点と定めスペインの支配を広げ、その後に布教が続いた。住民の長い抵抗の歴史の先にカストロによるキューバ革命があると私は見る。カストロ政権とアメリカの長い対立の歴史に終止符を打つことにカトリックの総本山が関わった。ローマ法王の胸にはカトリックが歴史の上で犯した誤りが甦っていたのではないか。

 

◇三俣町の殺人事件は不可解である。県警は似顔絵を公開した。先月、近くの日吉町で起きた殺人事件と手口が似ている。同一犯か。私は警察に関する常任委に属するので、議会で治安問題を取り上げてきた。最近本県の犯罪認知件数は大きく減少していた。そのような時に起きた今回の凶悪犯罪。住民の不安は大きい。解決は県警の威信に関わるが住民の協力なしには前に進まない。住民と警察の協力の試金石となる。

 

◇この地域には平成15年1月、暴力団の抗争で民間人3人を含む4人が殺される事件があり暴力団3人が死刑判決を受けている。地域の人は今回、この事件を思い出し不安を増幅させているだろう。犯人検挙こそが最大の治安対策である。県警に少しでも協力しようではないか。(読者に感謝)

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

 

 

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2014年12月21日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第157回

  明治15年の議会のやりとりを再現している感がする。それも知事が廃娼を延期した結果である。 

私は6年経過後の議論として重要な意味があると考える。この間の現実、この間の世論を踏まえ、かつての議論を検証する意味があるからだ。

 

 ここでは、最後に、注目すべき主張として高津仲次郎の言を見る。高津は前記のように、岩鼻河原で毎日、「チョキンチョキン」と首を切られる少年時代の目撃談を語った人。時代の先覚者として多方面で活躍した人で、例えば、前橋に英学校設立、上野新報創刊、上毛青年会を結成、言論・出版・集会の自由を求めた建白書を元老院に提出、県会議長を4回務める等。

 

「21年6月をもって廃娼の令が出たため当時170戸あった貸座敷業が70戸に減った。それなのに理由もなく当分延期とは朝令暮改の見本だ。世論を重んじない結果である。禽獣同様の行為を公然と法律で認めることは奇怪に耐えぬ。すでに外国からも指摘された程で恥辱だ。公娼は決して私娼の防御にならない。公娼もまた梅毒をつくる。一週一度の検梅では防げない。数十歩ゆずって梅毒を防ぐとしても倫理をやぶり国の対面を汚すから断然禁ずべき。僅かな税収に目を眩(くら)ませてはならぬ」

 

 ここで野村藤太を取り上げねばならない。明治14年の議会で廃娼に反対した人。また、自由民権派の中心人物。第5代県会議長。クリスチャンで伊勢崎教会堂を建てた。

 

次のように発言した。

 

「私は急激な禁止を嫌い明治14年の時には反対した。あれから5年を経た今日、直ちに廃娼すると信じていたら延期にしてしまった。理解に苦しむ。直ちに廃止すべきだ」

 

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

 

 

 

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2014年12月20日 (土)

随筆「甦る楫取素彦」第156回

 天野は、高崎藩士の子に生まれ第3代高崎町長、県会議員、初代高崎市会議長を務めた人。「他県で娼妓拡張の状況だから本県で延期というがそれについて調査したのか」、「他県の事だから調べてない」、「そんなあいまいなことでは議事に差しつかえる」。こんなやりとりに続いて、天野は廃娼の本質論を展開するのだ。「売淫、姦淫などの破徳の所業は早晩根絶せねばならぬ。売淫は野蛮時代の旧慣で婦女を奴隷にするもの。公娼は梅毒防御に効能はない。人民の権利自由を保護すべき政治のうえで公許することは姑息(一時のがれ)であって政治の改良を目指すものが取るべきでない」

 天野の発言を機に公娼の是非をめぐる議論が闘わされる。廃止に反対、つまり公娼を続けるべきとする意見には次のようなものがある。「急激な改良は望まない。地方議会に営業権を奪う権利はない。廃止すれば弊害を生じる。また、賦金(郭からとる税金)の収入もなくなる」、「廃娼の結果は弊風を生ずる。埼玉、岐阜、鹿児島などの例を見れば明らかだ。存娼の方が利益が多い。一夫一婦の美風が行われず多妻蓄妾が実際行われており高貴の人でも妾をかかえ恥じない有様であれば売淫を廃することは出来ない。娼妓ほど哀れな者はない。道徳をもって淫欲淫情を制することは出来ない。娼妓は抜け道であり、避雷針であり、社会道徳の保護者である。実業家、政治家、宗教家なども裏面では背徳の獣行をなしているものもいる。娼妓のみ論ずるのは了解に苦しむ。不完全な社会に完璧な法を適用しようとしても出来ない。存娼こそ群馬県の現在に即した責任ある議論である」

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2014年12月19日 (金)

人生意気に感ず「今年最後のふるさと塾は原発。STAP細胞は幻。楫取の取材」

 

◇今年最後の「ふるさと塾」(28日)は「原発と原爆」。原子核の分裂で途方もないエネルギーが発生することをドイツの科学者が発見。このエネルギーを兵器に使用したのが原爆、蒸気にして発電機を回せば原発となった。日本は人類史上初の原爆の洗礼を受けた。同根の原発を深い原理も知らずに国民は受け入れた。それは政府が国民を欺いたと言えるのではないか。そのつけが「3.11」となってめぐってきた。54基の原発のうち、川内原発が最初に再稼働を認められ、今度は高浜原発が「新基準適合」となった。どんどん続いて、元の原発状態に戻るのか。のど元過ぎれば熱さ忘れる、を警戒しなければならない。このような流れの中で、原発とは何かを語りたい。

 

 原発再稼働の流れは、近づく大災害の気配と重なる。首都直下・南海トラフの大地震、そして火山の大爆発と。

 

◇夢の万能細胞は幻だった。心情的に小保方晴子氏を支持し実験に期待していたので残念だ。スタップ細胞は遂に確認出来なかった。「200回以上作製に成功している」と語っていたのは何だったのか。小保方氏を支持する高名な学者の自殺もあった。それでも、実験の結果に期待していた。

 

 マウスの体の細胞を弱酸性の液体で刺激するだけで万能細胞に変化するとされた。「生物学の常識を覆す画期的な成果」と世界中が注目した。評論家の立花隆氏も小保方氏を支持する立場だったが実験打ち切りをどう見るのか。今日の記者会見に小保方氏は出席しない見通しというが彼女の声を是非聞きたい。

 

 監視カメラ付き、第三者の立ち合いの下で実験は進められていた。学者の良心とプライドがあるだろう。このまま黙って世間から消えるのか。日本の科学の信用にもかかわる。

 

◇昨日、産経新聞の取材を受けた。来る1月1日、楫取素彦を大きく報じるという。来年はNHKの大河ドラマに楫取が登場するので、元旦に取り上げることはタイムリーなこと。私は、経済効果だけを期待するのでなく、近代史を掘り下げる機会にすべきだと発言した。

 

 昨日夕、FMぐんまで楫取放送の収録をした。第2回目で松陰との出会い、松下村塾の役割などを語った。毎月最終の金曜日午後4時半からの計4回放送される。今朝は6時から企業の集いで楫取を講演する。「企業に倫理を」と掲げる集団。朝の集会にはいつも気合がみなぎる。(読者に感謝)

 

 

 

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

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2014年12月18日 (木)

人生意気に感ず「子供を殺す狂信集団。花燃ゆの行方。楫取試写会」

 

◇141人の児童生徒が撃ち殺された。マララさんを銃撃した「パキスタン・タリバン運動」が犯行声明を出した。過激なイスラム主義者だというが、正に神をも恐れぬ所業。イスラムの教えに忠実と称し、女子教育の不要を訴え、欧米風の教育を憎むが「あなたたちはコーランを学んでいない」という言葉があてはまる。ノーベル平和賞のマララさんがこのテロ行為を非難したものだ。

 

 床に伏せ、自ら口にネクタイを突っ込んで声を抑え、死んだふりをした生徒は「迫ってくる黒いブーツを一生忘れないだろう」と語った。自爆用のチョッキを着た実行犯は女性教師を撃ち殺して「神は偉大なり」と叫んだ。彼らにとって神とは何なのか。

 

 国連事務総長は「勉強中の無防備な子供を襲うのは卑怯者だ」と非難。オバマは「最大限の言葉で非難する」と声明を出した。

 

 実行犯は世界を敵に回した。一片の正義も見いだせない非道を神の名で平然と行う。このような人々と私たちの世界は日常的に向き合わねばならない。現代の不思議としか言いようがない。

 

◇昨日、「花燃ゆ」推進協議会の第2回総会があった。県と市町村の幹部からなるメンバーが一堂に会して、ドラマ館のことや、県内連携について協議した。文化の推進についてこれだけの体制が出来たことに驚く。同時に、表面的、一過性に終わることを危惧する。「花燃ゆ」のドラマは1年。風と共に去りぬであってはならない。観光だけに力を注ぐのではなく、歴史と文化の根を群馬の大地に下ろす機会にしなければと思うが、メンバーに直接の教育関係者がいないのが残念だ。民間の団体では楫取素彦顕彰会会長の私が顧問として参加。

 

◇「楫取素彦読本」が売れている。現在第10刷だが、昨日は複数の書店から計400冊の注文があった。310円なので利益は薄いが群馬の近代史を広める先兵の役目を果たしている。勝負はこれからで「花燃ゆ」は踏み越えていく一里塚に過ぎない。

 

◇12日、13日に行ったドキュメンタリードラマ「楫取素彦物語」は概ね好評だった。文化の本質には時流に迎合しない反権力の要素も必要だろう。1月18日(日)、萩市の映画館で試写会を行う。萩・防府両市の顕彰会と連携することに。講演をした明倫小・椿東小の生徒たちにも見てもらいたいと密かに胸を躍らせている。(読者に感謝)

 

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2014年12月17日 (水)

人生意気に感ず「小渕優子と田中金脈。宮崎県の悲劇。鳥インフル」

 ◇小渕優子さんの観劇会の問題を後援会幹部が心配そうに語っている姿がテレビで報じられた。選挙で捜査がストップしていたがどうなるのか。文芸春秋で立花隆が、田中金脈事件と比べこの事件を屁のような話と語っている。政治とカネの問題が田中時代と比べ大きく変化したことを振り返っているのだ。政治資金規正法が大きく改正され、政治に金をかけることが制約されることになった結果である。当時の田中金脈事件を私はよく覚えている。「一万円札の段ボール箱が積まれていて、二千万円の束をもらった人が青くなった」などという記事が面白く書かれていた。総裁選に使った金は56億で、角栄は総理の座を金で買ったなどと言われたものだ。金の力で民主主義が動いたことを今更のように振り返る。今の安倍政権を見て、そのようなことは全くないことと思う。この一事を見ても、民主主義は進化していると言ってもよいのではないか。

 

◇宮崎県の農業を気の毒に思う。口蹄疫の惨状の記憶が去らぬうちにまた鳥インフルか。高病原性ウィルス(H5亜型)と確認され、この鶏が出た養鶏場では4千羽が殺処分された。今後どうなるのか心配だ。政府は、関係閣僚会議を開き徹底した防疫措置をとること、国民への正確な情報伝達などを決め、官邸危機管理センターに情報連絡室を設置した。政府がいかに事態を重要視しているかを示すもの。私は鳥インフルから「人から人へ」の新型の発生を恐れる。

 

◇昨年4月、中国で鳥インフルが広がり、死者13名が出て、「新型」かと世界が注目した。中国は情報を隠す。平成15年、サーズの時、中国は情報を隠したため世界に広がった。適切な対応がとれないからだ。今回、日本の政府が情報伝達を重視するのは当然なのだ。ウィルス対策には国の政治体制のいかんが関係していることを知るべきだ。

 

◇宮崎県の口蹄疫事件は記憶に新しい。平成22年4月、5月のことだった。中小企業家同友会の勉強会で、宮崎の同友会の報告を聞き、衝撃を受けた。発生農場から半径10キロの牛や豚が殺処分に。新たに発生すると、そこから10キロの円が対象に。埋める場所がない。県が3週間前の発生を見逃していたことが問題となった。国の口蹄疫指針は、あらかじめ市町村と協議し埋却場所の確保に務めると定める。鳥インフルも市町村との連携が重要だ。高度な研究機関を持つ県の役割と使命が問われる。(読者に感謝)

 

 

 

 

 

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2014年12月16日 (火)

人生意気に感ず「3分の2の意義。民主主義の危機。一票の価値。楫取」

 

 ◇「3分の2」を超える大勝。この数字の意味は余りに大きい。憲法改正に向け大きく前進したからだ。世界で最も改正が難しい部に属する日本国憲法は、「各議院の総議員の3分の2以上」を改正発議の要件と記す(第96条)。 

 こんなチャンスは滅多に来ない。次は振り子が必ず戻るに違いない。憲法改正は安倍政権の悲願だ。憲法改正は日本の運命にかかわる。なのに、ほとんど選挙で議論されなかった。国民は、この点も任せたことになるのだ。

 

◇外国のメディアが冷静にこの大勝を見ているのが気にかかる。「戦後最低の投票率。自民党以外に選択肢がなかった。日本の民主主義を懸念」と。この指摘は正鵠を射ている。

 

 選挙が民主主義の基盤であるのは、主権者である国民の意思が表明されるからだ。52%の投票率で国民の意思といえるか。選択肢がないのに、「選んだ」といえるか。「選ぶ」とは、複数を比較して判断する作業である。だから投票率が極端に低く、選択肢がないことは民主主義を形骸化する。

 

◇更に、民主主義と選挙に関して根本的に重要なことは「平等」ということだ。一票の価値が平等でなければならないことは、小学生でも分かること。民主主義の社会はかつての身分制を否定して生まれた。身分制の否定は人間の平等に立脚する。一票の価値が地域によって大きくことなる憲法の平等原則に反するとして選挙無効の訴えが起こされた。前回の衆院選に関し最高裁は「違憲状態」と判断を下した。この時は最大格差、2・43倍を問題にした。今回は、宮城5区と岡山各区を比べて1.57倍の格差が、あったとして訴訟が始まった。一見、難しい問題だが単純化して考えねばならない。私たちの立つ基盤が崩れようとしているのだから。津波、地震、火山よりも重要な問題なのだ。

 

◇昨日は県議会の最終日。自民党控室の議員の顔は大勝を映して明るかった。その中で、野党の比例復活を残念がる声が聞こえた。一区の宮崎氏、二区の石関氏だ。私たちから見れば小さな芽だが、彼らにすれば大変な成果に違いない。一議席獲得に違いはないのだから。自民が謙虚さを失えば次は大変なことになる。

 

◇昨日夕刻、金融機関の会合で楫取を講演した。新井領一郎が示したビジネスマンの「至誠」に人々は熱心に耳を傾けてくれた。

 

 

 

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

 

 

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2014年12月15日 (月)

人生意気に感ず「選挙の結果。マララは凄い。楫取の映画」

◇嵐が過ぎるように選挙が終わった。群馬1区の佐田さんは遅く9時過ぎに決まった。情報が飛び交ってはらはら。宮崎氏は比例復活、上野氏は消えた。  全国的には興味ある現象が生じた。元「みんな」代表の渡辺喜美、民主代表の海江田、石原慎太郎各氏の落選、小沢一郎は危ぶまれたが当選した。

 沖縄の珍事は何としたことか。全区全員が当選したのだ。「前区で自民敗北、県民は怒っている」とマスコミは報じたが、落選の自民は全員比例で復活当選を果たした。「惜敗率とか、比例復活は分からない。有権者に分からない制度が民主主義なのか」、こんな声が寄せられた。その通りだと思う。選挙は民意を問う制度で、民主主義の基盤だ。だとすれば、有権者が制度を理解できることが大前提ではないか。

 振り返って、マスコミの予想通りの結果になった。マスコミが予測を報じなくても同様な結果となったか。興味あることだ。大勢に流される主体性のとぼしい有権者を考えると、マスコミが流れを作りだしているとも思える。とすれば、マスコミは、民主主義を誤らせる作業をしているのではないか。議論すべきだ 。

◇マララは凄い。世界の共感も凄い。館林第一小学校で楫取を話す中でこの少女に触れると多くの児童が感想文で反応を示した。17歳の少女は神懸かりに見える。「彼らの銃弾は勝てませんでした。私はより強くなった」、「全ての子供が学校に行くのを見届けるまで闘い続けます」、「戦車を造るのは極めて易しいのになぜ学校を建てるのはそんなに難しいの」等々。マララさんの声を日本の教育界はどう受け止めるのか。宗教の名で多くの人命が奪われる熱砂の世界。対極にあって多くの問題を抱える日本の教育界。マララさんのことは限りない教材を提供しているではないか。

◇12日、映画・「楫取素彦物語」の試写会は盛会だった。洋服姿の寿、ジーパンの楫取、そして、全くの普段着でそこらの兄ちゃんに見える松陰の姿を見て会場には静かな笑い声が広がった。しかし映画の中の俳優たちはそれぞれの役を見事に演じきっていた。私は、「楫取は松陰が果たせなかった夢を群馬で実現しようとしました。多くの県民の熱意で甦る楫取が私たちに勇気と希望を与えてくれます」と挨拶。ナレーションには修正すべき表現もあったようだ。 (読者に感謝)

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

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2014年12月14日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第155回

 

 

 

 延期の決定は知事(この時は県令でなく知事と称した)の権限であるから止むを得ないともいえるが、議会無視もはなはだしい。 

 もとより、今日の議会と比べその力は知事に対し格段に低いものであるが、仮にも選挙で選ばれた議員からなる議会である。当然のことながら佐藤知事に対する攻撃の火の手が上がる。それは後述するとして、ここでは明治21年11月議会に出された主な論点を取り上げる。

 

 荻原鐐太郎は「廃娼は前知事が21年6月を期して行うとしたが本年5月になって当分延期となった。当分とあるからには1年以上長引くことはあるまいが、当分という言葉の意味を尋ねたい」と質問。

 

これに対し番外一番は「差しつかえなければ庁議で極めてお答えしたい」と応じた。番外とは議員でない執行部の役人で、ここでは曽我部書記官である。数日おいて別の議員が庁議の決果を尋ねた。「当分」がいつまでかが、検梅費用の多い少ないに関わるからである。

 

 これに対し先程の番外は「廃娼を延期したのは各府県で年々存娼が増加しているので本県のみ廃するのは適当でないから当分延期し世論の動向を見て処置したい」と答えた。議会を馬鹿にしたもので答弁になっていないという他はない。

 

 これに対して31番天野宗忠が質問に立つ。

 

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫素彦」を連載しています。

 

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2014年12月13日 (土)

随筆「甦る楫取素彦」第154回

第四章 楫取が播いた種

 楫取は廃娼を決めて去った。楫取の決定は紆余曲折を辿るが消えることはなかった。それは楫取が播いた種が芽を出し、成長の過程で試練に見舞われる姿であった。やがて群馬は全国にさきがけて廃娼県の金字塔を打ち建てる。そして、この塔の示す先に救世軍の自由廃業運動があった。その後、事態は正に歴史的に展開し人間の尊重、基本的人権を高く掲げる日本国憲法の時代となった。ここで苦難の道を辿った女性解放は正面から脚光を浴びるのである。それは楫取が播いた種が大きく成長し正しく評価されることを意味していた。

 楫取は明治17年に群馬を去った。楫取が実行した廃娼の布達はその後どうなったか。布達の示すところは明治21年6月限りで廃娼となっていた。

◇佐藤知事、廃娼を延期。

 ところが次の佐藤与三知事の時、突然変化が生じた。即ち、明治15年布達の娼妓貸座敷廃止の儀は問題があるので当分の間延期するというもの。明治21年5月26日付で、この命令は出された。楫取が定めた期限の5日前である。あれだけ議論を尽くしたのに何としたことかと思う。佐藤与三は楫取と同じく長州萩の出身であった。

 そこで明治21年11月の通常県会では検黴費(けんばいひ)、つまり梅毒検査費用を認めるか否かをめぐってまた、楫取の時代と同様な廃娼、存娼の議論が行われた。もとより、この梅毒検査費用は公娼存続と不可分の問題である。

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2014年12月11日 (木)

人生意気に感ず「ニュートンを。はやぶさ2。エボラと中国」

 

◇9日夜、選対会議の後で煥乎堂に入ると正面入口付近に私の「楫取」がベタに積まれている。「楫取素彦読本」と「楫取素彦物語―吉田松陰が夢をたくした男―」だ。「読本」は安いことと読みやすいこともあって煥乎堂以外でもよく売れている。第10刷を重ねた。昨日も事務局がある所に270冊を届けた。

 

 この時、私は愛読書の1つ「ニュートン」を買った。表紙の「はやぶさ2」が目についたからだ。雑誌・ニュートンは宇宙の知識の窓口の役割を果たしている。県議会図書室に並ぶのは私が推薦したから。議会で宇宙を語る仲間がいないことはちょっと淋しいのだ。

 

◇話がそれたが、「ニュートン」は「はやぶさ2」の目的を語る。太陽系がつくられた過程と生命の起源を探るというのだ。学生の頃、オパーリンの「生命の起源」を読んだ。あの頃と違って、現在、広い宇宙で生命は普遍的と考えられている。生きているうちに、宇宙の生命体が確かめられるか、私の一番の興味だ。「ニュートン」は語る。太陽は宇宙のガスとチリが合体して出来た。その過程で取り残されて小惑星となった物体には当時の物質がそのままある。「はやぶさ2」はそれを狙って持ち帰る。又、この惑星には水や有機物など生命の材料が含まれていることがスペクトルの分析から分かっている。生命の起源に一歩近づける可能性がある。「ニュートン」によれば小惑星の直径は900mとか。「はやぶさ1」が到達した小惑星は長さ535mのラッコの形だった。6年後の「はやぶさ2」の成果を見たいものだ。

 

◇エボラが中国に広がるか。西アフリカで活動する国境なき医師団は「世界の指導者たちはエボラ出血熱への対応に失敗しつつある」との緊急発表をした。中国が心配である。中国は近年アフリカに勢力を拡大していた。その結果・危険地域から広東省広州だけで20万人超の人が不法滞在。又、アフリカで働く中国人は100万人とも言われる。ウィルスの上陸は時間の問題とも。当局の情報隠ぺい体質が混乱を生み生命の危険を起こそうとしている。表現の自由、報道の自由が人間の生命を支える基盤であることを教える例である。

 

 中国でエボラ熱が広がれば日本が危ない。最近の中国人の観光ブームはすごい。富裕層が日本に押しかけている。水際でウィルスを防ぐことが出来るか非常に心配である。(読者に感謝)

 

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2014年12月10日 (水)

人生意気に感ず「東京五輪でソフトと野球が。終盤の状況は。楫取試写会」

◇次の東京五輪で野球とソフトが採用になりそうだ。IOCの臨時総会が新しい方針を打ち出した。開催都市が複数の追加種目を提案できることになった。2020年東京五輪の大会組織委員会は来年7月のIOC総会での承認を目指して作業を進める。

 開催都市に追加提案権を認めるのは、チケットが売れるなどの経済効果、オリンピックの魅力増大、開催都市の利益などを狙うからだろう。最近、五輪の人気が落ち目で、また、開催のコストが莫大なため手を上げる都市が少なくなっているという事情もあるらしい。

 日本は野球とソフトでは金を狙える。特に本県はソフトボウルで活躍する選手が多い。関係者は五輪の変化ににわかに活気づいている。

 五輪のスポーツ振興に及ぼす影響は絶大。選手は持論、全国の子供たちにとって夢の目標が設定され、輝かしい舞台が手招きしているのだから。20年年の東京五輪の楽しみが増した。教育界は健全なスポーツ振興の機会として東京五輪を大いに活用して欲しい。

◇衆院選が中盤から終盤に入る。1区の情勢はかつてなく厳しい。街頭演説会では人が集まらない。特に地域の女性の姿が極端に少ない等の異常事態が続いている。そんな中、昨日は、朝と夕に選対会議があった。

 夕方6時からの前橋支部の選対会議では12日の総決起大気に向けての協議が行われた。JA農協ビルの大会場に人があふれるだろう。1区から自民の灯を消すな、アベノミクスを地方まで、地方創生を実現させねば、等で逆に危機感と緊張感は高まってきた。直近のデータは意外にも佐田さんの善戦を語る。叩かれて叩かれて佐田さんは地獄の渕に立たされた思いであろう。大変な体験を経て政治家として脱皮できるか私は注目している。

◇12日、午後6時半より市民文化会館小ホールで映画「楫取素彦物語」のシンポジウムと試写会が行われる。入場無料で突然でも入れる。マスコミや一般から私のところへかなりの問い合わせも。厳しい情勢の中で社会への宣伝が出来ない。このブログを見て参加頂ければ幸い。13日はシネマまえばしで11時、14時、16時と放映されるが、12日は夏原諒(楫取)、伊嵜充則(松陰)、渡辺宰希(寿)も参加。映画では私も明治の県会議員としてほんの少し登場する。ヒゲを生やしているので分からないかも。民間の文化の力を示す機会と考えている。(読者に感謝)

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

 

 

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2014年12月 9日 (火)

人生意気に感ず「感謝の集いで楫取を。生涯の弔辞で女性を語る」

◇8日、「中村のりお感謝の集い」を実施。会場は約600人の人々であふれた。冒頭、司会者が「この集会は選挙とは関係ありません」と表明。佐田玄一郎さん関係は一切呼ばず、集会につきものの檄も行わなかった。

 私の挨拶。「振り返ると感無量です。最初の時、ある女性弁士が訴えると会場の人々は涙を流しました。泣かせの笠原と有名になりました。県民会館に駆け付けた元東大総長林健太郎先生は歴史を活かした政治家になれと激励してくれました。私が県議の生活の中で一貫して歴史教育に力を入れたのは林先生の教えを守るためでもありました。十数年前から歴史を学ぶ・ふるさと未来塾を続けたのもそれです。そこで楫取素彦を取り上げてきました。県議会で県政史上初めて楫取素彦を取り上げることもしました」

 約30分のドキュメンタリー映画・「27年の激浪を超えて」を放映した。最前列には、長いこと私を支えてくれた元後援会長福島貞雄さん、名女性弁士だった笠原久子さん、頭痛を押して出席した妻の姿などがあった。私は、振り返って訴えた。「27年間、皆さんと共に積み重ねた成果を人生の次のステージで生かします」

◇金谷政子さんが満95歳で逝った。7日の葬儀で私は生涯の弔辞を行った。青春の一頁を飾る女性であった。「私は夜間高校に通いながら毎日あなたの店にダンゴを卸していました。殺伐とした生活の中で文学を語れることが心の救いでした。あなたは二人の子供を必死で育てていました。おばさん、俺には大望があるんだと語る一途な少年の話にあなたは真面目に耳を傾けてくれました。年を重ねただけでは人は老いない、理想を失う時に老いが来る、歳月は肌のシワを増やすが情熱を失うとき精神はしぼむ、あなたは私が話した、このウルマンの詩のことを覚えているでしょうね。私は今、この詩の本当の意味が分からる年になりました。だが、まだまだです。天命を走り抜いてあなたに再会する日が来るでしょう」遺族のすすり泣く声が聞こえた。往年の美しさを偲ばせる遺影が「待っているわ」と頷いていた。

◇「一区から自民党の灯を消してはならない。アベノミクスを地方に及ぼし地方を創生させるための戦いです」私はマイクで訴えるが街の反応はかつてなく悪い。中盤から終盤に向かう。

 

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

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2014年12月 8日 (月)

人生意気に感ず「また小6の死。萩の講演を説明。はやぶさを教室で」

 

◇5日の常任委員会で私は小6男子の死を取り上げた。伊勢崎の小学生、フィリピン生まれ、学校になじめずトラブルもあった。自殺の可能性有り。私は直ぐに平成22年11月の上村明子ちゃんの自殺を考えた。明子ちゃんも母親はフィリピン。状況が似ている。あの時は学校の事後の対応が悪くて訴訟になり、最近やっと和解となった。私は、「明子ちゃんの死を無駄にするな」と訴えてきた。今回、私は、「学校の責任の有無とは別に男児の親と誠意ある接触をすべきだ」と主張。教委は調査と並行して学校は接触していると答えた。事態の推移を見守りたい。

 

◇この日、もう一つ、萩市の小学校講演を取り上げた。ぶ厚い感想文の束を示して、2つの小学校の状況を説明した。学ぶべき点が多いのである。11月18日、午前に明倫小、午後に椿東小で「楫取と松陰」について講演し確かな手ごたえを得た。歴史を踏まえた校風が教育を支えていること、特に「朗唱」の効果を話した。昔は「素読」をやらせた。例えば論語を意味を考えずに口ずさむことで、子どもの心に何かが育つのだ。現代の「素読」を実現すべきだ。教育委員長と教育長に見解を聞いた。校長会などを通して勧めると、教育長は答えていた。感想文には生き生きとした子どもたちの心の反応が現れていた。

 

◇そうだ、もう一つ取り上げたことがある。「社会が目を見張るような出来事を教材として教室で生かすべきだ」ということ。私は「はやぶさ2」を子どもたちに伝えたい。理科離れの現状に一石を投じる意味がある。それよりも大きいのは、人類の起源と未来に関わることで、限りないロマンと夢を与えることになる点だ。そして、更に、日本人に誇りと勇気を与える事実なのだ。惑星に到達し、物質をえぐり取って返ってくる。6年間、52億キロ。計算し、コントロールする技術は想像を遥かに超える。人類はここまで来た。

 

 1969年人類は初めて月に到達した。この計画の指導者は、ナチスの下で長距離ミサイルを開発したフォン・ブラウンだ。彼は死の直前娘のアリスに語った。「宇宙への飛行は生命の起源を探るためだ。宇宙は生命の故郷だ。生命の起源を知ればガンの治療も可能となる」彼は末期のガンに侵されていた。フォン・ブラウンが目指した先に「はやぶさ2」がある。NASAは、2030年代に火星有人飛行を目指す。宇宙時代の夜明けである。

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

 

 

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2014年12月 7日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第153回

 

 現在の議会の状況は、各会派で課題についての意見がまとめられる。最大会派の自民党でいえば、先ず常任役員会で意見がまとめられ、それが県議団総会にかけられる。常任役員会で決まったことについて、団総会では異論が出ないのが通常である。常任委でも激論が交わされることは稀だ。主要な政策については中央で決められたことには大体従うという流れが出来ているということもある。

 自民党本部県自民党(常任委団総会)という構造は、一種の村社会とも言える。だから通常は波風が立たずに進んでしまう。現実の社会は狂涛逆巻くというのに。

 

明治の議会のような雰囲気が現代の議会に求められている。いろいろな制約の中でも、それは、私たちがやろうとすれば出来ることである。出来ないのは、少数意見を敢えて主張する勇気、素養、勉強、これらの欠如である。

 

明治の議会人は特殊な有産階級から出ていた。従ってそれなりの資質、気概を備えている人が多かったのである。もとより、これは本来の民主主義ではない。

 

民主主義は理想のルールである。現実との間に距離があるのは止むを得ないがなかなかちじまらない。今日、全ての人に選挙権、被選挙権が与えられ平等は実現されたようだが、現実は衆愚政治の危機にある。

 

最大の問題は政治不信である。政治不信が国民の政治に対する関心を妨げている。投票率の低下は増増深刻となり、最近は立候補を志す人も減っている。この悪循環は政治の質を低下させ、民主主義の形骸化が懸念されている。正に民主主義の危機である。

 

 

 

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

 

 

 

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2014年12月 6日 (土)

随筆「甦る楫取素彦」第152回

三八番(星野耕作)

「二四番(湯浅)の村長公選と同じというのは失当の意見である。地方長官は人民にとって至重至大の関係である。どうして一村の長を選ぶのと同じといえようか。代議政体の国といえども総て民選ではない。

米国などは民選のため賄賂の横行など大きな弊害も生じている。だから、法律の点からも事実の点からも建議は到底認めることは出来ない。」

 湯浅治郎の次の発言で終わりとなる。

二四番(湯浅治郎)

「本員(自分)は断じて言います。我々が選べば必ず我々の望みにかなった人を選ぶことが出来ます。そうすれば、これが県民の幸福ではないか」

議長(宮崎有敬)

「各員の弁論も既に十分尽くされたから、決を取ろうと思う。各員、記名投票によって可否を現して下さい」

 この結果、建議を認める者11人、反対者19人で建議案は否決された。

 長々と書いたのは、当時の議会の有り様がよく分かると思うからである。賛成者には、湯浅治郎、眞下珂十郎、野村藤太、斉藤寿雄等、進歩派、理想主義者がいた。議会の対立は、進歩派と守旧派、理想論と現実論の対立だったといえる。論者の発言は、学術的、論理的には至らぬ点があるとしても、信ずるところを堂々と主張する様は立派である。今日の議員も及ばないところがある。

 論理の筋からいえば、番外増田の発言の通りである。増田はいう、法律によって組織された地方議会は法律に従って職分を尽くす。府県会規則7条は、この原則を前提に、その府県内の利害に関することについて建議できるのだと。議会の人々は、その後、論点を整理して学ぶところがあったのではなかろうか。

 130年を経ているが、議会制民主主義はどれ程進歩したか、明治15年の議会には考えさせられる要素が多くある。

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2014年12月 5日 (金)

人生意気に感ず「自民300議席か。大地震の予測。はやぶさ2。楫取試写会」

 

◇昨日の各紙を見て驚いた。符節を合わせたように「自民300議席」と報じられたからだ。公示前勢力は295。多くは、2日3日両日の調査。この数字は何を物語るのか。アナウンス効果はどうなのか。中盤、終盤の変化が気になる。更に驚いたことは1区も佐田さんが優勢という点だ。私たちが肌で感じているのとは異なる。最近の調査はデータの集め方、分析の仕方が科学的に進歩している。競輪、競馬の予想屋とは違うだけに序盤の報道は大いに気になる。選挙戦術上重視すべきことだ。

 

◇県会で群馬の5つの活気山、そのうち要注意の浅間、草津白根など3つが取り上げられたが、質問、答弁共に従来通りで、最近の異常事態との関連が薄かった。日本列島の下で何か不気味な動きがあるように思えてならない。群馬も「想定」を乗り超えた備えをすべきだ。

 

 私は11月22の長野県北部の地震を上海で知った。東大名誉教授・村井俊治氏は最新の土地測量技術からこの地震を予測していた。電子基準点が地震の前に必ず変化するという。

 

 村井氏は測量学の世界的権威。東日本大震災の時、5週間前からデータの異常に気付いたがパニックを恐れて公表しなかった。学者として後悔している。パニックを恐れてとか、観光にマイナスとかの問題ではない。人命の重さと比較すべきではないか。群馬の危機管理管は常識を超えて欲しい。それは先ず、群馬の「安全神話」を乗り越えることだ。

 

◇「はやぶさ2」が宇宙へ船出した。私は平成22年6月15日のブログで「はやぶさが7年間60億キロの旅を終えて帰還。息を呑む瞬間」と書いた。世界をアッと言わせる日本の技術の成果であり、限りない夢と勇気与えた。学校の理科離れにくさびを入れるきっかけにとも訴えた。

 

「はやぶさ2」は、小惑星に達し太陽系初期の物質を、その目と爪でつかみ取って帰る。6年間、52億キロの旅。気が遠くなるような話だ。生命の起源にぐっと近づく。目先の利には直結しないがこういう事業に政府は金を使うべきだ。県教委はこの快挙を活かすべきだ。

 

◇映画「楫取素彦物語」が出来、12日(市民文化会館)・13日(シネマまえばし)にて試写会を行う。12日は夏原諒(楫取役)、渡辺宰希(寿役)、伊崎充則(松陰役)の各氏も出席。映画には明治の県会議員役で私も少しだが出演する。地方の文化の存在感を示したい。(読者に感謝)

 

 

 

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

 

 

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2014年12月 4日 (木)

人生意気に感ず「アベノミクスと中学生。佐田事務所。教育委員会」

◇今回のアベノミクス(安倍の経済)がどこでも議論される。その意味は安倍政権そのものが問われていることだ。安倍政権は経済再生によって日本を取り戻そうとしている。まだ、緒に着いたばかりである。目的を達するには継続させねばならない。だから安倍政権は長期政権を目指す。長期政権を認めるか否かは政治の本質を問うことを意味する。  これまで政権が短期でめまぐるしく変わった。これでは一貫した政権を遂行できない。日本の実力を十分に発揮させて日本を脱皮させる時である。 ◇解散風の中である中学生から「アベノミクス、三本の矢、それが僕たちの地方とどう関わるのですか」と質問を受けた。今、吹き荒れる嵐は学校に於ける絶好の教材だと思っていた私は喜んで応じた。「経済のエコノミクスと安倍をくっつけてアベノミクスだよ」「三本の矢と金融緩和、財政出動、成長戦略のこと。金融緩和は金利を下げること。財政出動は国債の発行だ。この二本の矢でお金がどっと出て、円が安くなって輸出がうんと伸びた。輸出に関わるのは主に大企業だからその収益は莫大なんだ。成長戦略は企業が事業をしやすくするなどだ」と、こんな筋道をかみ砕いて説明。  群馬は99%が中小零細企業だから、ここにアベノミクスが及ぶのはこれからであること、そのために地方創生といって地方を発展させる手を打っていると話すと、頭のいい中学生は、勉強のきっかけになったと言っていた。 ◇昨日は、4時半、6時と佐田事務所で選対会議。選挙日程、演説会、役割分担、法定ハガキなどなど、気が重い選挙だ。「奥さんに泣いてもらうことが最も効果的」という意見が出た。同感である。本人の資質は瞬時に変えられない。会議中、尾身さんが現れた。朝子さんが北関東比例ブロックに出る。33位。前回は、必死になって「尾身朝子」の名を書くことを訴えたが今回は個人名を書くと無効となる。ややこしい。迷う人は多いだろう。あっという間に中盤に入る。大きな流れの中の淀みにはまっている感じ。 ◇昨日の議会では教育委員会の新しい方向が取り上げられた。知事との連携強化である。教委の形骸化が叫ばれて久しい。その改革にはいいだろうが、本質的問題点は教委の政治的中立ということ。質問はこの点に触れなかった。若い議員の質問に議会の進歩を見た。(読者に感謝)

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2014年12月 3日 (水)

人生意気に感ず「佐田候補の場合。県政の課題も判断材料に。北朝鮮は同志でない」

 

◇早朝、寒気の中の祈願祭、出陣式は11時。必勝祈願も出陣式も遠源は戦国時代に遡る。選挙が戦いであることを物語る。かつては負ければ一族の首が飛んだ。佐田候補の表情に悲壮感があった。

 

 出陣式の建設会館は過去と比べてやや少なめの人々。注目点は女性が少ないこと及び尾身幸次氏の姿。尾身さんは「アベノミクスを完成させるために一区の火を消してはならない」と訴えた。長身痩、選挙の名人だった人。

 

 私は県議団を代表して挨拶。「選挙には大義が要ります。今回の大義はやっと奪還した政権をしっかりさせること、アベノミクスを地方に迄及ぼし取り戻した日本を本物にすることです。佐田さんは生まれ変わった気持ちで頑張ってほしい」と。佐田氏は「深く反省し、死にもの狂いで頑張ります」と深く頭を下げた。「死に物狂い」の表現は使わず、その旨が分かる挨拶が欲しかった。

 

◇2日衆院選公示となり、世の中選挙一色、新聞もほぼ全紙面を選挙で埋める。アベノミクスの是非が問われるがこれが地方及び中小企業に広がるのは正にこれからだ。地方創生がアベノミクスと連動する。地方が活性化することが地方の経済発展のカギであるから。

 

 人口減・少子化対策、消滅自治体の問題等県政の課題も地方創生と不可分。選挙の判断材料に県政の課題も加えるべきだ。

 

◇中国軍の元高官が、北朝鮮の崩壊に関して重大な発言をしていることに注目。退役中将の王洪光氏。「北の崩壊時に、中国人は北朝鮮のために戦う必要はない」というのだ。「主体思想を掲げ世襲指導者が治める北朝鮮は社会主義思想を放棄している。社会主義政党間の同志関係はない」と指摘した。

 

 私が注目するのは中国幹部が北朝鮮の崩壊を予測していること及び社会主義国間の同志関係を否定している点。後者の理由として、主体思想と世襲指導者をあげている。主体思想とは儒教の価値観を政治の基礎に据えたもの。儒教は上下の秩序を重んじる。これを政治に結びつけて、金日成、金正日、金正思を国家の父親と規定する。社会主義は身分を否定することから起きた。だから平等こそ社会主義の中心の原理だから、北の主体思想はもはや社会主義ではないというのだ。北は極端だが中国の一党独裁、少数民族無視も社会主義の原理に反するのではないか。

 

(読者に感謝)

 

 

 

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

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2014年12月 2日 (火)

人生意気に感ず「総選挙。安倍首相の業績。萩からの感想文」

 

◇いよいよ告示である。直接の当事者にとっては命がけの戦いであるが、一般の有権者は違う。前回の総選挙は政権奪還、日本を取り戻すという明白な大義名分があった。今回の大義は一般の人にはよく分からない。自民勝利の大勢は動かないが議席数は少し減るだろう。

 

 安倍政権の大きな政策はこれからである。アベノミクスの発展、地方創生、断固とした外交政策などだ。

 

 小選区制はよくないと思う。同じ選挙区で自民党同志が激しく争うかつての中選挙区制が民主主義に適していると思うのだ。

 

◇解散となり、ここで安倍首相の注目すべき業績を客観的に見詰める必要がある。歴代の首相と比べ際立っているのは先ず、国際活動である。トップセールスのための訪問国は50カ国で歴代最多。途上国、新興国へのインフラ等輸出促進は目覚ましい。首相のセールスで受注に結び付いたものに、モンゴルの国際空港建設、トルコの原発建設計画、インドの貨物専用鉄道敷設工事など25件に上る。

 

 現在進行中の大きな企画は、インドの新幹線である。インドのナレンドラ首相が今年日本を訪ね、安倍首相と熱い抱擁を交わし合意した。全長500キロ、日本による高速鉄道。日本が誇る技術の輸出は、「物」だけでなく、日本の文化への理解と友好交流の促進となる。

 

◇ノーベル賞の受賞数ではアジアのトップを走る日本。それは日本の技術への信頼と結びついている。私はインドについては特別な思いと期待を持つ。仏教の原点、長くイギリスに支配された国。ガンジーとネールは「ふるさと塾」でも熱く語った。ネールは獄中からの手記「父が子に語る世界の歴史」で、少年の頃日本がロシアを破ったことに胸を躍らせたと書いている。ナレンドラ現首相は、日印両国のことを「活力に満ちた民主主義国家」と強調。両国の提携強化は中国に対抗する意味でも重要である。

 

◇昨日分厚い封筒が届いた。中味は私をわくわくさせるもの。萩市立椿東小学校5、6年生全員の感想文である。「分かりやすいお話で、吉田松陰先生と楫取素彦さんのことがよく分かりました」、「まゆと生糸は日本一、つるまう形の群馬県という上毛カルタの意味がよく分かりました」「遠い群馬から萩までありがとうございました等」。子どもたちの光る瞳がこのように受け止めていたことを知り胸が熱くなった。

 

 

 

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む。

 

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2014年12月 1日 (月)

人生意気に感ず「解散、5区と1区の動向。本会議で楫取。林健太郎先生のこと」

◇ついに師走。誠にめまぐるしい。県会議員は来年4月の県議選に向けて色めきたっている。そこに突然の解散。全国が注目するのは小渕優子さんの5区。群馬県民が注目するのは佐田さんの1区。2区から5区では当選は自民が確実である。

 

 佐田玄一郎氏は週刊誌で書かれたスキャンダルを引きずっている。支部は公認しない方針を決めたが本部の決定で公認となった。有権者の世論は誠に厳しい。私は選対本部長を頼まれたが断って顧問に就いた。緊急役員会では奥さんの悲痛な訴えが人々の胸を打った。

 

◇先月28日、午後5時から40分間、TBSの取材を受けた。取材の関心はもっぱら小渕優子さんのこと。「女性総理大臣になると言われているが」、「5区の有権者はどう反応するか」、「ビルの谷間のラーメン屋」、「かつての福中対決時代の選挙」等々を聞かれた。12月14日夜9時台、BS・TBSで放映とか。

 

◇同日(28日)の議会一般質問で、私と楫取素彦のことが飛び出して驚いた。橋爪県議は「勇退する中村先生のライフワーク楫取がNHKの大河に取り上げられ」と発言した。群馬が上昇気流にあることを言わんとする流れの中の発言。

 

 平成24年の5月議会(5月31日)で、私は楫取素彦に光を当てるべきだと主張し、大澤知事はそれに積極的に答えた。長い県議会の歴史でこのように楫取を取り上げたのは恐らく初めてのこと。橋爪発言に耳を傾けながら私はこのことを思い出していた。

 

◇昨日、煥乎堂に立ち寄ったら私の「楫取素彦―吉田松陰が夢をたくした男―」が、楫取素彦読本と並んで積まれていた。11月29日を出版日として全国向けに出されたもの。出版日前から出版社には多くの予約注文があった。「読本」は10刷を重ね、更に勢いがある。新しい楫取が全国にどう広がるか胸が高鳴る思いである。

 

昨日、ロイヤルの教会を借りて「中村のりお感謝の集い」の収録をした。私がシナリオを書いた約25分のドキュメンタリー。桜井顕監督が写した。第一回県議選の時、元東大総長林健太郎先生が手弁当で応援に駆け付けた。「私は東京大学で林先生のゼミで歴史を学びました」と私は語る。私、萩原ゆうじ君、降旗ふさ江さんの対談の形で進めた。今月8日、午後6時、日吉町の市総合福祉会館で放映される。ゆうじ君は若者の使命を語っていた。(読者に感謝)

 

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