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2014年9月14日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第124回

「もっと立派なものを購入したい。」県側の提案である。これに対し、星野は議会の役割を踏まえて次のように主張した。

「県会は人民の総代となって費用を議し、民力をはぶくところに主意がある。寄せや見世物と違って、人を集めて聞かせたり見せたりするためのものではない。何も外見を飾るには及ばないことだ。」

 県会の存在意義につき、人民の代表として予算を審議し、人民が審議する手間をはぶくことに主眼があるのだから外見を飾る必要はないと述べている。初めての県会で、星野は議会の意義をこのように考えていたことが分かる。

 県議会史には又更に右のやりとりの中で県の役人が枝葉の発言を把えて「「よく考えてものを言え」と発言した部分がある。星野は格調高い正論で切り返したのだ。明治時代、役人は天皇の臣。そこで人民を見下す態度があった。

このような役人の態度に対して議員が反感を抱くのは当然である。これら役人の上に県令がいる。この県令が中央から任命される点に原因がある。だから県令を地方が自ら選ぶことにすべきだという議論が起きる。後に、地方官選任の建議が出された背景がこのような役人の態度ではなかろうか。後述する。

 当時の県会には新時代の空気を吸って新しい道を開く清新の空気がみなぎっていた。それは主に、廃娼問題に関して現れていた。そこで楫取がどう動くかを含めて、この点に注目して見て行くことにする。

※土日祝日は「甦る楫取素彦」を連載しています。

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