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2014年9月 7日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第122回

「明治12年 第1回県議会」

 第1回の県会は、県民にとって、また、議員にとって、開闢以来の出来事である。議員は議会に不慣れだが志気は高かった。注目すべき議題は公娼に関することだった。人間の尊重、女性の解放に関わる重大事が、全国に先がけて展開されていく。議会開会は「万機公論に決すべし」の大きな一歩。
第1回の県会招集は明治12年5月12日であった。午前10時開会は、現在と同様。この時、楫取県令は臨場せず、次のような告辞を示した。今日の知事主旨説明に当たる。比べると、県令(知事)と議会との関係の違いが知れて面白い。大要は次の通りである。
「広く民衆の考えを反映させることを目的とする県会の開設であり、当選の議員の責任は実に重い。その質疑のいかんにより無限の福祉の実現となり、或は、全てが小さく滞ってしまう。今回はこれからの模範となるべき第1回の会議なので一層のこと正当で練実な議論を尽くすことを望む。もしそうでなく普段の至らぬ意見を強く主張(平生の薀育の傾倒)したり、狭い一人よがり(一隅の偏見)を述べたり、立場の違いを誇示(立異を以て自ら高しと信認)するようならば、その弊害は、昔の専制時代以上となり県会の実を失い、県民(衆庶)の政治の委託の趣旨に反することになる。議員はこのこともよく理解して欲しい。私は一日の長を以てこの県の県令となった。諸議員に期待するところ、その利点、弊害につき考えるところをあわせて告げたので分かって欲しい」

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

☆私の後継者、萩原ゆうじ君は慶応卒・30歳の公認会計士。知性と信頼をと意気込む

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