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2014年3月22日 (土)

人生意気に感ず「上海の朝を走る。交流協定書成る。維新を語る」、随筆「甦る楫取素彦」第69回

◇21日、早朝の上海の街路を走った。まだ明けきらぬ路地に中国らしい活気が流れている。超高層ビルの足下で食い物屋の赤い火が揺らぎ急いで食事をする労働者の姿があった。空には明るい半月が輝き空気は気持いい。マスクの人はいない。早朝なのに兵隊が列をなす物々しい一角があった。近づくとイラン領事館の表示があった。数人の走る女性に会う。ニイハオと声をかけると一斉にニイハオの声と笑顔でこたえた。人々の姿に伝えられる対日の緊張感はない。

◇この日の大仕事は友好交流の協定書の作成である。ホワイトハウスと呼ばれる立派な建物に迎えられ、上海人民対外友好協会の汪副会長と私が署名した。

 協定書には「群馬県日中友好協会設立1周年を契機として双方はこれまでの交流の成果を基礎に、より実質的な内容のある友好交流活動を展開し、両地における友好発展のために緊密に協力し合い、引き続き新たな貢献をすることを確認した」という文章に続けて次の3項目が記載された。

一、「友好相互訪問」

 双方は、友好代表団を相互に派遣し両地での友好交流の協力を更に強める。

ニ、「経済、技術、都市防災、医療福祉交流」

 双方は、両地での経済貿易、省エネ・環境保護、都市防災、医療福祉等の領域での交流・協力を積極的に推進する。

三、「文化、教育、スポーツ、青少年交流」

 双方は、お互いに文化、教育、スポーツ、青少年交流などの分野に交流団を派遣し、両地での文化、教育の発展を共同で促進する。協定書は2通作られ交換された。双方の代表は協定締結の意義と思いを熱く語った。

◇この日はハードなスケジュールをこなし、それぞれに成果を感じた。主なことは上海市嘉定区孔子廟での宥座の器贈呈式、自動車博物館及び自由貿易試験区視察等であった。

◇夜は盛大な歓迎の宴が行われた。私は挨拶で明治維新を語った。アヘン戦争で敗れた後の上海を見て高杉晋作は衝撃を受け次は日本だと危機感を抱いた。日本人のこの思いが維新を達成させたのだと。市政府の幹部は中国も維新を迎えようとしていると話していた。

 復旦大学と深い関わりを持つ曹さんとの間で、私が同大で維新の講演をするという話が出来た。文化の交流こそ全ての交流の基盤なのである。(読者に感謝)

随筆「甦る楫取素彦」第69回

 なお、この文久2年という年は、攘夷の嵐が吹き荒れたことを示す事実として薩摩の武士が藩主の行列を妨げたとしてイギリス人を切った生麦事件、朝廷の幕府に対する攘夷命令、高杉晋作等の英国公使館襲撃などがあった。

 朝廷の攘夷命令は勅使三条実美が、幕府に伝えた。これに対して、将軍家茂は攘夷決行を奉答した。

長州の最大の危機に当り、楫取は藩主の密命を帯びて長府、岩国の支藩を訪れ、毛利藩の方針を伝え大変な苦労の末に説得した。いざという時、一致して幕府に立ち向かうための布石であった。楫取の誠意が人を動かした例といえよう。これは、「楫取素彦翁談話」(毛利家文庫)に記されている。この中で、楫取は次のように語っている「その時分、岩国も非常に困難だったが、吾輩が八方説いて、監物公(吉川領主)にも会うて激烈に論争した。それで、本藩の命令だからというので奉ぜられた」

長府、岩国両支藩への説得を終えた楫取に対し、敬親公は小袴を下賜して賞した。

楫取が県令として前橋に来る迄、あと14年、県令を迎える前橋に時代の変化の波はどのように押し寄せていたか。藩主松平直克は、生糸の横浜売込問屋として、遠州屋、野沢屋、吉村屋、大橋屋、永喜屋を指定。前橋の糸仲間の加入者は530人とか。後に、県令楫取は新産業の生糸で群馬を興そうとするが、その下地は、この頃から勢いをつけ始めていた。なお、藩主は、幕府に、この年前橋帰城を願い出た。長く前橋に城主がいなかったことは、前橋の発展に影響を与えた事実であった。

☆楫取がNHK大河ドラマ登場に決定。土・日・祝日は「甦る楫取素彦」を好評連載中です。

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