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2013年12月31日 (火)

随筆「甦る楫取素彦」第41回

 イギリスを中心にヨーロッパは産業革命を達成させ市場を求めてアジアに迫った。インドを支配したイギリスが次に目指したのは中国で、アヘン戦争に敗れた中国はいくつかの港を開いた。ヨーロッパの船が前にも増して日本海に現われるようになる。鎖国を頑なに続ける日本がこれらの船とトラブルを起こし戦争になったら中国の二の舞になる。例外として日本と付き合ってきたオランダは、日本を開国に導いて救いたかった。これが国書の意図であった。国王ウィルヘルム二世から「日本皇帝」(将軍家慶)に宛てたものだった。

 この国書の要点を挙げてみる。

「観望し難き一大事起これり。貴国の政治に関することである。伏して望む、この忠告によって未然の患を免れたまわんことを」(観望し難きとは遠くから見ていて耐えられない一大事がおきた、ここに書く忠告によって将来の災を免れて欲しい)と書き始め、中国はヨーロッパ流の力に破れて港を開いた、戦いによる、戦死者は数千人にのぼり、いくつもの都を破壊され、その上数百万金の賠償を取られたと説明し、「これより日本海に異国船はより多くなって貴国の船と戦端を開き兵乱を起こすに至るだろう。兵乱は国の荒廃を招く。この災害を避ける策を知って欲しい。二百余年の間、我国の人は、貴国に留居の恩恵をうけた、それを感謝したいために、貴国が災害を免れることを欲する。蒸気船を創造して以来、各国は遠い国も近い国と異らず互いに好みを通ずることになったのだから、自分の国だけ、鎖国して万国と親しまざるは人の好む所でない。殿下に丁寧に告知する。貴国の幸福なる地を兵乱のため荒廃させないことを欲するなら、異国人を厳禁する法をゆるめるべきである」このように懇々と開国を勧めた。要点の意訳である。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月30日 (月)

随筆「甦る楫取素彦」第40回

◇天保14年(1843)、楫取15歳。藩主敬親(たかちか)は、家臣に対し文武奨励の通達を下した。これまで、文武奨励の布達を発しても実践されることが少なかった。そこで今回は、家来各層に稽古掛を任命して、文武に励んでいるかを指導監督させるという徹底ぶりであった。楫取も松陰もこのような極めて実践的な環境で学問に励んだのであった。知行合一の学問の成果を吸収しながら、楫取の心の世界も形成されていった。

◇弘化元年(1844)、楫取16歳。この年、楫取少年は藩校明倫館に入学する。

 この年、オランダ軍艦が長崎に来航し、使節コープスは国書を幕府に提出し開国を勧めた。この国書の起草者は前記のシーボルトであった。この国書は、オランダが日本の危機を救おうとして作ったもので、日本を愛したシーボルトの思いが込められていると思う。起草に当り、シーボルトの胸には、長崎に残した妻滝と実子イネの姿が甦っていたのではないか。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月29日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第39回

 その中でも長州は格別であった。皇室との特別の関係をもち、関ヶ原以来徳川に対しては穏やかならぬ感情を持ち続けた毛利の長州であった。一度び、天下に動乱があれば先ず徳川幕府に楯つく者は長州であると幕府は警戒してきた。幕府の力は衰え、外患は急を告げ、正に天下の動乱は近づきつつあった。従って長州が教育に力を入れたことは当然であった。

〔注〕佐久間象山

  松代藩士。幼児きわめて利発だった。アヘン戦争の情報に衝撃を受ける。藩主に宛てた上書に、戦争となれば西洋に対して勝ち目がない、オランダより船を購入すると同時に教師を招き大船・大砲を充実させるべきだと説いた。これが「海防八策」である。門人に勝海舟や吉田松陰がいた。松陰に密航をすすめたことで罰せられた。禁門の変の7日前、三条木屋町の筋で斬殺された。変に備え天皇を彦根へ遷すことを画作したことが直接の原因とされる。その日、三条大橋に斬奸状の立札が立てられた。「大逆無道天地に容るべからざる国賊につき、すなわち今日三条木屋町にて天誅を加えおわんぬ。ただし斬首梟木(きょうぼく)にかくべきところ、白昼、その儀能わざるもの也。皇国忠義士」。53歳だった。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月28日 (土)

随筆「甦る楫取素彦」第38回

◇天保13年(1842)、楫取14歳。

中国はアヘン戦争に敗れ、この年、中英間に南京条約が締結される。幕府は外国の力を恐れ異国船打払令をやめ薪水給与令を出した。アヘン戦争に衝撃を受けた佐久間象山は「海防八策」を著して老中に出した。

 世界の動きは地方にも伝わり出す。この年の群馬の動きとして、前橋藩主松平斉典は観音先御台場を拠点に相模の沿岸警固を命じられている。世界の動きがこのように群馬にも波及していたことが分かる。情報の共有がない時代だから、一般の庶民には分からなかったであろう。この点、西国の長州は違う。中国の情報が敏感に伝わる地である。少年楫取にも激しい世界の情勢が伝わっていたに違いない。

 厳しい社会情勢、そして、国難の中で全ての藩は人づくりこそ道を開く切り札と考えていた。各藩が他の助けを受けず自己責任で藩政を運営しなければならない当時にあって教育の重要性は今日の比ではない。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月27日 (金)

人生意気に感ず「首相の靖国参拝。飲み会で中国人強制連行を」

◇安倍首相の靖国参拝が大地震のような波紋を広げている。中韓米の反響が日本の国益をどう損ねるか。国の為に命を捧げた人の霊に手を合わせるのは当然ではないか。東京裁判でA級戦犯とされた人も祭られており、首相の参拝はそれに対する慰霊の意味をもつから被害国・中韓の国民感情を傷つける。政教分離の憲法の原則に反するのではないか。また、アジア重視を掲げる同盟国アメリカとの信頼関係はどうなるか。これらの問題点が複雑に対立する高次連立方程式に安倍首相は正しい解答を示したといえるのか。昨夜友人たちと居酒屋で飲んだときもこの話が出た。

◇中国は予想通り猛烈に反発した。やっと納まりつつあった反日の動きに再び火が付くことを恐れる。中国関連企業は皆固唾を呑んで心配しているだろう。

 アメリカ政府が「失望」と正式に表明したことは政権にとって計算違いだったのではないか。中国につけ入れられる点だ。

 「靖国」の最大の問題点はA級戦犯が合祀されていること、及び神社という宗教施設である点だ。後者は私人として参拝することでクリアできるが、前者は難しい。国は、この問題をどこまで引きずるのか。日本人の知恵で解決出来ない問題ではない筈だ。

◇昨夜の飲み仲間の1人、S君が戦争体験の文集を作ろうとして記事を集めている。私も書いた。この事で一つの問題が生じていた。Tさんは、少年時代、中国から強制連行された中国人の悲惨な現実を目撃した。その記述は貴重な戦争体験記である。

 問題というのは中国人の強制連行というのは過激で書き過ぎではないかという点であった。そこで、私はNHKスペシャルで報じられた事実を説明した。ある時、中国人強制連行の確たる証拠が発見されたのだ。太平洋戦争が激化する中で、日本国内では発電所を作ったりトンネルを掘ったりする労働力が不足した。そこで閣議決定により中国大陸から労働力を強制的に集めることになった。その名簿も発見され、NHKは中国の生存者を突きとめ、その証言も得た。畑で働いていたら連行されたという。閣議には安倍首相の祖父岸氏も加わっていた。月夜野の岩本発電、その上流のトンネル工事などで働かされ、ゴミを拾って食べる中国人の姿は悲惨だったとTさんは書く。こういう事実が靖国参拝への抗議の底にある。(読者に感謝)

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2013年12月26日 (木)

人生意気に感ず「八ッ場本体に99億円。共愛とブース大将。新型インフルの恐怖」

◇14年度予算案が決定されたが、本県関係で注目すべきものは、八ッ場ダム本体工事費99億円である。私は八ツ場ダム推進議連会長として関わってきたので凍結された日々の出来事を振り返る時感慨深いものがある。

 この9月県議会で南波議員は本体工事着工を前提に完成後のことも含めいくつかの重要な質問をした。その中には湖畔を桜で埋めて新たな観光の名所にする提案もあった。予算発表に喜ぶ地元住民の姿が目に浮かぶ。半世紀にわたる賛否攻防の歴史に幕が降りる。民主党は「コンクリートから人へ」と言って反対したが人を助けるためのコンクリートである。そして助けられる人は下流都県の膨大な人々だ。最近の超異常気象、下流に広がる0m地帯。八ツ場はその生死を握る。国交省は洪水防止の経済効果は2兆4千億超と発表した。完成は19年度の予定。群馬の新時代を象徴する。

◇昨日、共愛国際大学を訪ね、学長及び理事長と話した。来年6月に行う楫取の講演についての打ち合わせである。廃娼運動の話になり、共愛やウイリアム・ブースの登場など意外な展開となった。

 イギリスのブース大将は救世軍の創始者。救世軍は日本に上陸して廃娼運動に目覚しい活躍をした。運動の総大将ブースの来日は明治40年4月。東京は熱狂して迎えた。日ロ戦争勝利の直後である。政府も人々もこの戦いの勝利を支えた日英同盟を強く意識したに違いない。

 ブースは東京で大歓迎を受けた後、前橋にやってきた。前橋駅では共愛の女生徒が迎えた。話がここまで及んだ時、理事長は壁に掛かった古い写真を指して「あれがブースです」と言った。共愛女生徒と共に写るあごひげに顔を埋めたブースの姿を見て私は驚いた。ブースは来橋の折、上毛孤児院(現愛隣社)も訪れたと言われる。

◇県は、新型インフルエンザ対策の行動計画を24日施行した。現在中国で鳥インフルの深刻な事態が進んでいる。変異して新型になるのは時間の問題とも言われている。

 私は数年前議会で盛んに警鐘を鳴らした。第一次大戦中に発生した新型は全世界を襲って2千万人以上の死者を出し、本県でも4,500人以上の死者を出した。平成21年、ブタ由来の新型が世界を襲い、日本でも多くの被害が出た。幸い弱毒性だったので最悪には至らなかった。今度は強毒性の恐怖が迫っている。(読者に感謝)

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2013年12月25日 (水)

人生意気に感ず「来年度予算と日本の未来。ロボット日本。大川小の分析」

◇来年度予算案が決まった。過去最大の96兆円。子どもの頃昭和20年代、3兆円予算と言ったことを思うと時代の変化と日本の変化の凄さを改めて感じる。予算は日本を動かすエネルギー。それを見れば社会の方向が分かる。

◇私は福島復興、教育、子育て、農業に注目する。先日、福島県の実態を見て除染が未だ進まないことに驚いた。予算案は福島再生に1088億円を。放射線の個人線量計の配布、除染土等のための中間貯蔵施設用土地等に使う。

 教育では、第3子からの幼稚園費無料、小中高の土曜教育補助、国際教育を充実させる大学の支援、世界水準の教育研究に取り組む大学支援等。又、子育て支援では、保育所の待機児童ゼロを目指し保育所の充実を期す。出生率が向上し人口減に歯止めがかかることを期する。農業はコメの減反を18年度に廃止して農家の経営力を強めて農業改革を進める。

◇災害用ロボットコンテストで日本が世界のトップを走っている。福島第一原発事故をきっかけにアメリカで開かれている災害現場用ロボットのコンテスト。東大の研究者らで作った二足歩行ロボット。急な階段を降りる姿が報じられた。

 私は原発事故現場の困難を極める光景を見て人間では不可能と思った。ロボットなら危険な放射能も関係ない。災害現場用ロボットの開発こそ、福島第一原発事故の教訓を活かす最大の課題の1つ。又、日本の技術とお家芸を活かす道だ。

 日本のロボット研究に当たる人々は、皆、心の原点に鉄腕アトムがあることを語ってきた。私も小学生の時から手塚治虫のアトムに熱中してきた。今や、日本のロボット技術は世界のトップ水準にある。多くの産業分野でロボットが活躍し、これからは高齢者等の介護の分野にも一層の進出があるだろう。一漫画家が子どもたちに夢を与えたことが世界を変えつつあることに驚く。ロボットはどこ迄進化し人間に替わり又共存出来るか。

◇福島を訪ねた時、宮城県大川小の情報を得た。児童と職員計84人が津波に呑まれた。全員助かった船越小と比べられる。福島民報は第三者検証委員会の分析を報じた。「避難開始の決定が遅れたため、どのような経路、手段をとっても被災は免れなかった」と学校の対応を批判。一方、船越小では公務員が鬼気迫る様相で裏山に逃げることを進めて全員助かった。いつか又来る災害のために活かすことが死者の霊をなぐさめる。(読者に感謝)

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2013年12月24日 (火)

人生意気に感ず「福島の被災地の今。除染延長に怒る。甲状腺ガン59人」

◇23日、早朝6時に出発して福島県に向った。東日本大震災後の復興状況と原発事故のその後の対策等を目で見、肌で感じることが目的であった。

 福島の海岸線を走ると、青い空と陽光の下にのどかな太平洋が遥かに広がって、あの時の逆まく怒涛が信じられないようであった。随所で堤防を築く工事が行われた。人家のない草原は除染が進まぬ状況を無言で訴えているように感じられた。

 2年9か月が経っても原発事故は終息していない。事故周辺では汚染水漏れの現実が連日報じられているが、原発から離れた地域でも除染が進まない事実をこの日感じとることが出来た。

◇福島第一原発を中心に避難区域になっている11市町村が広がる。これらの地域では国が直轄で除染事業を進めようとしているが予定通り進んでいない。当初本年迄の2年間で除染を完了する計画であったが達成出来たのは田村市都路地区だけ。達成の見込みも楢葉町、大熊町、川内村の3町村のみ。遅れの原因は、汚染土壌を保管する仮置場の確保が出来ないからだ。

 環境省は、遅れている6市町村につき最大3年間終了時期を延期する方針を固めた。これは避難住民の帰還に関わる問題である。これら市町村の首長は、「町民の帰還意識に影響する」、「除染なくして町の復旧はない」、「延長は納得できない」等怒りを現している。

◇私は、この日、農産物を庭先で売る農家に入りおばさんと親しく話す機会を得た。見知らぬ家に入り込み親しく話すのは私の特技である。女性の素朴な笑顔は東北の風土を現している。この人たちを早く救わねばと思った。東北の人たちは怒りをむき出して権利を主張することを好まない。東北でデモの話を余り聞かないのはそのせいだろう。政府はこういう地域の優しい人たちに甘えていないか。こういう地域を最大限優先させることこそ、今、日本の社会を守るために求められることではないか。この日、この感を深めた。

◇福島県の子ども59人に甲状腺がんやその疑いがみつかったことが問題になっている。福島県はこのことにつき、21日、専門家の意見交換会を開いた。原発事故の影響を否定する意見とそれを疑う指摘と両方あったらしい。59人は年間発生平均の数倍から数十倍という指摘も。被曝から5年後に出ると言われている。(読者に感謝)

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2013年12月23日 (月)

随筆「甦る楫取素彦」第37回

〔注〕鳥居耀蔵

  反動の化身鳥居耀蔵は、水野が失脚すると、町奉行を免ぜられ、四国の丸亀藩に送られ無期禁錮に処せられた。弘化元年、48歳の時である。以後、24年間、6帖一問の座敷牢に入れられた。格子の外に投げた枇杷の実が生えて大樹になったといわれる。明治元年ようやく開放され77歳で世を去った。

〔注〕為永春水。

  江戸の人情本、風俗小説家。代表作の「春色梅児誉美(しゅんしょくうめごよみ)」は、情痴的な江戸の男女の恋を描いた。若い婦女子に熱狂的に読まれたが、天保の改革で、風俗に害があるとして罰せられた。憂悶のうちに54歳で死亡した。

〔注〕人返しの法。農村復興のための政策。農民の離村、出稼ぎを禁じ、江戸に住むものも、永年住んで一家をかまえている者以外は強制的に農村に返させた。

〔注〕上知令。江戸、大阪周辺の大名、旗本の領地をとりあげ幕府の直轄領とした。江戸や大阪は生産性が高いので幕府の収入が増えると考えた。しかし、大名、旗本の猛反対をうけ忠邦失脚の原因となった。

〔注〕棄絹令。6年以前のものは帳消しに、5年以内のものは利子を下げて年賦で返させた。札差の倒産など問題にしなかった。札差は金融を拒否したので旗本などはかえって困窮した。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月22日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第36回

 貨幣を大量に出して物価を騰貴させたことにつき、当時の記録には、「黄金はなはだ重く天下軽し」、「小民怨嗟(えんさ)の声貴人に達せず」とある。これは、庶民の窮状が上に届かないことを示すもの。この事態が「内憂」とすれば、「外患」も深刻の度を増していた。外国船が頻繁に近海に現われ、アヘン戦争ではイギリスが勝利し、次は日本かと識者は驚愕した。

 徳富蘇峰は「近海の黒船は天魔の如く我が四境をうかがえり」と記述した。また、幕府が出した「異国船打払い令」を、「あたかも押し寄せる潮に向って退却令を下すのと異ならず」と批判した。

〔注〕水野忠邦は浜松藩主。老中首座となり、将軍徳川家慶の厚い信任を得て天保の改革を断行した。空前ともいえる改革は幕府内でも反対が多く結局罷免され、更に在職中の政治責任を厳しく問われ、領地と屋敷を没収され、隠居、謹慎を命じられた。失意のうちに58歳で没した。

  大変な明敏さにつき有名な逸話がある。水戸藩主徳川斉昭の命を受けた藤田東湖が屋敷に赴いて十三ヵ条の伺いを1度に述べるとその順序通りに誤りなく指示を与え、斉昭、東湖が感服したというもの。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月21日 (土)

随筆 「甦る楫取素彦」 第35回

 長州では前記のように村田清風が長州版天保の改革に取り組んで成果をあげたが、幕府の改革は大変なことだった。

「幕府の天保の改革」

 大塩の乱の4年後、老中となった水野忠邦は直ちに幕政の改革に着手した。彼の施策方針は商業資本の抑圧と自然経済への復帰が中心だった。厳しい倹約令が発せられ、高価な菓子、料理、人形、衣服などは禁止された。役者は庶民より低い階級のものとして町を歩くときは編笠をかぶせられ、人情本の作者為永春水は風紀を乱す者として手鎖50日の刑に処せられた。「世の中、眉に火のつけるが如く、俄に事あらたまりて、士農工商おしからめておののくばかりなり」と評された。忠邦の腹心として働いた町奉行鳥居燿蔵(ようぞう)は江戸市民の怨のまととなり妖怪と称された。農村復興のための人返しの法が行われ、江戸への商品流通を円滑にするため株仲間の解散が行われた。しかし、急激な改革は商人・庶民・大名・旗本から反対を受けまた、財政難を救うために貨幣を増やしたことは、物価高を招き、領地を没収する上知令(じょうちれい)は大名や旗本の激しい反対を受けた。結局水野の改革は2年余で終わる。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月20日 (金)

人生意気に感ず「猪瀬辞任に思う。高齢者の万引き。直下地震と群馬」

◇今年の10大ニュースの1つが東京五輪招致決定だとすれば、それと結びついた大問題は猪瀬知事の辞任である。40分に及ぶ辞任の会見は終始テレビの画面を独占した1人舞台だった。「都政を停滞させるわけにいかない」ことを決断の理由とするが、その都政の中心にオリンピックがある。

 百条委が開かれる直前に辞任したことは自らの説明責任を果たさずに逃げたという批判を免れない。百条委には強い調査権がある。もし開かれたら何が出たか。ホッとしている人もいるだろう。徳洲会の選挙違反事件が猪瀬追求劇の陰に隠れた感がある。

 都知事選は来年2月2日、又は2月9日になりそうだ。この間、主のいない都政となり、オリンピック対策が遅れることになる。国民の注目は誰が候補者になるかだ。関係者は生涯をかけた大勝負を前に夜も眠れない日を過ごすだろう。

◇警察庁は高齢者の万引きの急増を発表した。かつては中学生の遊び感覚の万引きが犯罪人生の入口になることが大きな社会問題であった。それは今も変わらないことだろうが、高齢者の犯罪状況には人間の哀しさと凋落していく日本社会の浮き彫りになった姿が感じられる。

 昨年1年で65歳以上の万引きの送検は約2万8千人。捕まるのは一部だとすれば万引き老人の数はとんでもない数になるかもしれない。

 これまで、高齢者は倫理や社会道徳の守り手であり、崩れゆく社会の防波堤だった。その一角が崩れようとしている。国の危機ではないか。老人は家族に支えられて存在の役割を発揮できる。今日、核家族化が進む中で老人は孤立し、孤独と絶望感の中で生きている。

 迫る絶対的な死を前に心を失った高齢者の姿を象徴する現象が万引きか。死生観を持たぬ人々が続々と地獄の釜に近づく。高齢者対策では心の対策が重要だ。

◇30年以内に70%の確率で起きる首都直下地震は群馬にも直接間接影響を及ぼす重要課題。30年以内は明日かもしれないのだ。

 最悪で死者2・3万人。本県の想定で死者は「わずか」だという。しかし、この数字を鵜呑みにするのは危険だ。本県の課題は「安全神話」にあぐらをかいていること。私はたびたび地震対策を議会で取り上げたが、県の想定は、関東平野北西緑断層に関し最悪3千人超である。活断層も多数あり何が起きるか分らないのだ。(読者に感謝)

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2013年12月19日 (木)

人生意気に感ず「都知事辞任。次の知事は。大沢知事の訪台。」

◇猪瀬都知事が追い詰められ進退窮まった感。議会の内外で辞任を求める声が上がり、もう次の知事候補がしきりに話題になっている。テレビで報じられる都議会は世界が注目する劇場である。東京都の顔であるばかりか、オリンピックを控えて世界の顔になりつつあるからだ。不公平社会に不満を持つ人は他人の不幸は蜜の味とばかりに頂点から転落する人の姿を期待する。最大の人生劇場は、百条委員会という新たな場面だ。辞任は避けられないだろう。

◇このブログをここまで書いて朝刊を開く。一面に都知事辞任の大きな文字が踊るのを見て驚く。既に百条委員会を開くことが決定されており、どう乗り切るか注目していたところだ。今日辞任を表明すると伝えられる。

 徳洲会前理事長が東電病院の取得を知事に伝えていたことも発覚。知事はこれを否定していたので、百条委の追求と知事の対応が山場だと思っていた。

「百条委」は地方自治法に基づいて地方議会が設置する特別委員会で強い調査権限を持つ。関係者の出頭、証言、記録提出を求めることが出来、ここで虚偽の証言をすると5年以下の禁錮刑を科せられることになる。

◇猪瀬氏が議長に辞意を伝えると、議長はそれを5日以内に選管に伝達。都選管はそれから50日以内に選挙を実施する。

 巷では、小泉元首相、舛添要一、東国原等の各氏からビートたけしに至るまでの人が候補として話題になっている。巨大都市の巨大選挙を征するには知名度はもとより様々な要素が求められる。徳洲会グループの大がかりな選挙違反事件が都知事の疑惑問題に波及し、都知事辞任で今年が終わろうとしている。

◇16日に議会が終了した後、大沢知事は台湾を訪ねることになっていた。トップセールスの目的は、県農産物の輸入制限の解除を求めることであった。現在酒類を除いて実施されている規制を早期に解除する要望書を18日台湾政府に渡した。そして、コメや牛肉などの輸出品目全てにつき国の基準値を超える放射線は検出されていないことを説明した。

 会議で意外なことが判明。台湾が根拠にするデータは、厚労省がまとめたもので、輸出対象外の天然のクマやシカの肉に関するものだという。厚労省のミスではないか。本県は莫大な損害を受けている。厳重に抗議すべきだ。(読者に感謝)

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2013年12月18日 (水)

人生意気に感ず「楫取講演をNHKが。全国の体罰。部活と体罰」

◇芳賀中の楫取の講演をNHKが夕方放じた(17日)。1年生90人。彼らが使った小6の教科書からは、下田の黒船、吉田松陰、富岡製糸場などの写真を、また、「鶴舞う形の群馬県」、「県都前橋糸のまち」など上毛カルタも使って工夫した。

「楫取素彦を知っている人は」私の問いに手を挙げる者は皆無。松陰の2人の妹の写真を見せ、共に楫取の妻であったこと、これらの人がNHKの大河ドラマだよと言っても表情は余り動かない。真剣に聞き入る生徒も多かった。今日、テレビで放送されるといったら急に笑顔が輝きだした。テレビの力は凄い。楫取素彦を知るきっかけにはなったであろう。

◇たまに学校の現場を見ると感じることがある。目が輝いているか、声に元気があるかなど。先生の指導が難しい時代である。私の子ども時代、先生は恐い存在で体罰は日常茶飯事。立たされたり座らされたりの常連がいつもいた。あれがいいとは決して言えないが、厳しい指導がやりづらくなって先生が萎縮していないか、甘やかされた生徒がなまくらにならないか等が心配だ。

 私は議会で体罰を取り上げてきた。限界が難しいから先生が萎縮する。最高裁の判例も出て、これを踏まえた基準作りを主張した。県教委、市町村教委、そして現場の連携が重要。学校側に毅然としたものがないといわゆるモンスターペアレントに振り回される。

 文科省の体罰調査が発表された。全国で確認された体罰の教員は5,415人。処分を受けた教員は2,253人で過去最多。県別では最多が長崎の432人で、最少は山形のゼロ。又、岩手と富山の各県が1だという。最多と最少の差がありすぎる。それぞれの実態はどうなのか。ゼロや1の県につき特別の事情があれば知りたいものだ。

 内容的にはわいせつ行為での懲戒処分が186人。内容は、体に触る(59人)、盗撮、のぞき(40人)、性交(35人)、キス(13人)という。わいせつなどは、限界線など考えられない。教員の倫理観の問題だ。なお、群馬の体罰は159件で処分は7人である。

◇体罰が最も多いのは運動の部活動に関してである。この点、私は議会で取り上げてきた。スパルタ、精神主義でなく、信頼に基づく科学的な指導の重要性を訴えた。スポーツ全体に通じることで、スポーツとは何かという問題でもある。(読者に感謝)

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人生意気に感ず「楫取講演をNHKが。全国の体罰。部活と体罰」

◇芳賀中の楫取の講演をNHKが夕方放じた(17日)。1年生90人。彼らが使った小6の教科書からは、下田の黒船、吉田松陰、富岡製糸場などの写真を、また、「鶴舞う形の群馬県」、「県都前橋糸のまち」など上毛カルタも使って工夫した。

「楫取素彦を知っている人は」私の問いに手を挙げる者は皆無。松陰の2人の妹の写真を見せ、共に楫取の妻であったこと、これらの人がNHKの大河ドラマだよと言っても表情は余り動かない。真剣に聞き入る生徒も多かった。今日、テレビで放送されるといったら急に笑顔が輝きだした。テレビの力は凄い。楫取素彦を知るきっかけにはなったであろう。

◇たまに学校の現場を見ると感じることがある。目が輝いているか、声に元気があるかなど。先生の指導が難しい時代である。私の子ども時代、先生は恐い存在で体罰は日常茶飯事。立たされたり座らされたりの常連がいつもいた。あれがいいとは決して言えないが、厳しい指導がやりづらくなって先生が萎縮していないか、甘やかされた生徒がなまくらにならないか等が心配だ。

 私は議会で体罰を取り上げてきた。限界が難しいから先生が萎縮する。最高裁の判例も出て、これを踏まえた基準作りを主張した。県教委、市町村教委、そして現場の連携が重要。学校側に毅然としたものがないといわゆるモンスターペアレントに振り回される。

 文科省の体罰調査が発表された。全国で確認された体罰の教員は5,415人。処分を受けた教員は2,253人で過去最多。県別では最多が長崎の432人で、最少は山形のゼロ。又、岩手と富山の各県が1だという。最多と最少の差がありすぎる。それぞれの実態はどうなのか。ゼロや1の県につき特別の事情があれば知りたいものだ。

 内容的にはわいせつ行為での懲戒処分が186人。内容は、体に触る(59人)、盗撮、のぞき(40人)、性交(35人)、キス(13人)という。わいせつなどは、限界線など考えられない。教員の倫理観の問題だ。なお、群馬の体罰は159件で処分は7人である。

◇体罰が最も多いのは運動の部活動に関してである。この点、私は議会で取り上げてきた。スパルタ、精神主義でなく、信頼に基づく科学的な指導の重要性を訴えた。スポーツ全体に通じることで、スポーツとは何かという問題でもある。(読者に感謝)

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2013年12月17日 (火)

人生意気に感ず「勤続25年肖像画。南波氏松陰と楫取を。月面着陸」

◇議会終了日、勤続25年の表彰式等が行われた(16日)。25年は私一人であるが、他の議員も永年勤続の表彰等を受けた。議員を代表して述べた南波氏の祝辞はタイムリーで格調高いものだった。県議会のレベルの到達点を示すものだろう。

「中村紀雄先生の研究される楫取素彦初代群馬県令の義兄吉田松陰が松下村塾に揚げた教えの『聯』(れん)を御紹介させていただきます。萬巻の書を読むに非ざるよりは、寧(いずく)んぞ千秋の人たるを得ん。一巳の労を軽んずるに非ざるよりは、寧んぞ万民の安きをいたすを得ん」。聯とは詩の対句のこと。

 私は謝辞を述べ、この部分については次のような感想を表明した「ただいまの松陰の言葉は、現代人の心の問題、特に私たち政治に関わる者に、資質の問題を突きつけております。謙虚に重く受け止め感謝し御礼申し上げます」と。

◇勤続25年以上で議事堂に肖像画が掲げられる。私は旧知の茂木紘一画伯に頼んだ。茂木さんは除幕式の挨拶で、中村さんが始めて当選した頃、いつか肖像画を描くといったらそんな先のことは分からないと言っていましたと語った。

 記憶にないが、七期の先まで予想できなかった事は確かだ。激戦の前橋市で上位当選を続けられたのは多くの支持者のお陰。燃焼し尽くして精神力の全てを絞り出した感の妻の姿に頭が下がる。

◇知事は「教育分野のリーダーとして活躍されたことに敬意と感謝を表します」と述べた。長い議員生活で、近代・現代に関する歴史教育の重要性を訴えてきた。歴史を語る「ふるさと未来塾」は、毎回、自ら歴史を自由に語る私の舞台であった。そこで取り上げてきた初代県令楫取素彦がNHKの大河ドラマに登場するとは思わなかった。学校で、又一般社会でも、楫取を通して日本と群馬の近代史を知る絶好の機会にしたい。今日は、芳賀中学で楫取を語る。

◇中国が月面に探査機を着陸させた。1961年アメリカのアポロ、37年前のソ連のルナに次いで世界3番目。日本は先を越された。

 しかし、中国の技術の進歩は非常にアンバランスだ。技術は何のためかを考えさせられる。軍事力と国威発掲を優先させすぎる。環境、医療などで国民の幸せを確保することが第一ではないか。本質的に北朝鮮と変わらない。(読者に感謝)

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2013年12月16日 (月)

人生意気に感ず「人間塾で楫取。国家議員との懇談会。血も凍る北の恐怖」

人生意気に感ず「人間塾で楫取。国家議員との懇談会。血も凍る北の恐怖」

◇「人間塾」の楫取の話をアジアの留学生は真剣に聴いた(13日)。歴史の意味が十分に伝わらないことが予想されたので、ひらがなの文字画面を使うなど工夫した。生徒が乗り、私も乗った。

「松陰先生の2人の妹を妻にしました」、「エーッ」、「昔、一夫多妻ネ」、「同時ではありません、順番です、お姉さんが亡くなったからです」こんなやりとりがあった。

 ここでは、日本の文化、歴史、おもてなし等を教え日本に定着する外国人、真に日本を理解し日本を好きになれる外国人を目的に。第一回の講義は手応えがあった。続けることで成果を上げたい。

◇自民党県連の国会議員・県会議員の合同会議、懇談会がホテル木暮で行われた(15日)。県連規約の改正が大きな議題だった。ここでは国会議員、県会議員の「合同会議」が明文で規定された。合同会議は重要事項決定が主目的であるが、「情報の共有」という文言を入れるべきだという提案があり、私は賛成の発言をした。

 懇談会の冒頭で、富士見中女子の全国駅伝連覇が報ぜられ歓声が上がった。私は挨拶で、育英の高校野球全国制覇に続く快挙は、県民のパワー上昇を感じさせること、しかし、日本は依然として危機にあるから自民は勝ってカブトの緒を締めなければならないと話した。

 山本大臣も出席し、NSCと秘密保護法の必要性を語り、支持率低下は予定したことだと語っていた。世論は民意として重視すべきことは民主主義の大前提。しかし、世論に振り回されずに必要な政策を断固進めることも重要なのだ。

◇世論も民意も血も凍る恐怖で抑え込む隣国・北朝鮮は正に狂気の国だ。ナンバー2で親族でもある張氏に特別軍事裁判で死刑判決を下し、即執行した。軍事裁判へ連行される張氏の顔や手にはひどい拷問のあとがうかがえ、90発以上の銃弾が撃ち込まれ、遺体は火炎放射器で焼かれたらしいと報じられた。このような政治体制が今日、地上に存在することが不思議である。恐怖政治は国民の心をいつまで抑え込むことが可能であろうか。既に民心は離れ追い詰められた政権のあがきと見える。

◇昨日、中国帰国者の人たちと話した。北朝鮮の政治と比べ中国はよい、という考えがあるという。比較の問題ではないが妙な現象だ。(読者に感謝)

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2013年12月15日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第34回

◇天保11年(1840)、楫取素彦12歳。この年、楫取は、儒家小田村吉平に請われて養嗣子となり、小田村伊之介と称した。このことから楫取の才能が幼少から高く評価されていたことが分かる。この年、又、久坂元瑞が生れている。楫取、松陰、久坂は、後に、松陰の2人の妹を介して義兄弟となる。そして、この年の重大事として、アヘン戦争の勃発がある。アヘン戦争こそ、西欧の侵略の波が日本の近くまで押し寄せていることを示した。遠くの雷鳴を心ある人々は極めて深刻に受け止め始めていた。

「アヘン戦争」

イギリスはインド産のアヘンを中国に売り込んで巨利を得ていた。中国(清)が、アヘン輸入に反対しアヘンを没収焼却したことで戦争になった。反対の理由は銀の流出とアヘン吸飲に伴う弊害である。清は破れて南京条約が結ばれ、香港の割譲、上海ら5港の開港などがきめられた。中でも、イギリス官史と中国官憲との対等の直接交渉を認めさせたことが最も重要だと言われる。中国は伝統的な中華的世界観を捨て地上に対等な国家が存在することを認めざるを得なくなったからだ。しかし、その後の上海などの屈辱的状況は、欧米に敗れることの恐怖を突きつけ、現状を見た日本人に強い衝撃を与えた。

◇天保12年(1841)、楫取13歳。この年伊藤博文生る。長州藩は、江戸藩邸に有備館を創建。何よりも注目されるのは、この年、幕府が天保の改革を始めたことである。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月14日 (土)

随筆「甦る楫取素彦」第33回

◇天保10年(1839)、楫取11歳。この年、高杉晋作生れる。また渡辺崋山、高野長英が捕えられる蛮社の獄が起きた。蛮社の獄とは、高野長英、渡辺華山らが、モリソン号砲撃を批判し開国を説いたことで、幕府が彼らを処罰した事件である。また、水戸藩主、徳川斉昭は、前記のように、内憂外患につき十二代将軍家慶に意見書を提出した。

 幕府を批判する思想弾圧の第一が前記シーボルト事件で、その第二は蛮社の獄だった。蘭学者のグループは、進んだ考えを持ち、かつ外国の事情に詳しかったので、外国船攻撃の非なることを知っていた。渡辺華山は「慎機論(しんきろん)」を、高野長英は「戊戌(ほじゅつ)夢物語」をそれぞれ著し、幕府の外国船打払い令を批判した。高野長英は幕臣でない者が幕府を批判した点が厳しく処断され永牢に処された。長英は、牢内雑役夫の非人栄蔵に金を与え放火させた。決まりである3日以内に戻らず逃亡生活を続け、江戸で沢三伯と称して医業を営んでいたが密告され捕吏に囲まれて自殺した。

※土・日・祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月13日 (金)

人生意気に感ず「日中友好協会。関越バス事故。人間塾で楫取」

◇群馬県日中友好協会の理事会が行われた(12日)。今年3月27日に協会設立以来の理事会。冒頭会長として次のように挨拶した。「政府間は、冷えて険悪ですがこういう時こそ民間の交流を進めることが大切です。中国側も、最悪の時に群馬の日中友好協会が、オール群馬で設立したことを非常に高く評価しています」

 新しい理事として、東和銀行頭取、そして、JTB関東、相模屋食料、ロイヤルホテルの各社長が承認された。正式には総会の承認を受けて決まる。その他の議題としては、上海視察訪問団、新春会員交流パーティー、中国語講座、上海市人民対外友好協会の群馬ツアー等が話し合われ実施が決まった。

 雑談の中では、環境の悪化、暴動などの政治的混乱、経済の格差など、中国の末期的状況も話題となった。新春パーティーは、福田元総理、大澤知事、中国大使館等の日程を調整して来年2月上旬行うことになった。

◇昨年4月の関越道高速バス事故は高速交通時代の危険を象徴する出来事だ。記憶が薄れかけた時、遺族の言葉が迫り7人死亡の悲惨な事故が甦る。最近の県議会でも対策が問われた。

 12日、前橋地裁で第12回の公判が行われた。遺族の言葉が伝えられた。「最高の刑罰を与えて」、「人の命を運ぶという意識が軽すぎる」等。高速交通社会にあって被害者は常に加害者になり得る。車は余りにも日常的過ぎるだけに、私たちは慣れの中に埋没してその危険性を忘れがちだ。「関越」は身近な事故だけに改めての警鐘になった。

◇今日、「人間塾」で留学生に楫取を語る。普通の語りでは十分に通じないだろう。かつて大連の外語学院大で明治維新を語った時のことを想像する。講堂に緊張感が流れ彼らの眼差しは真剣で、質問には鋭さがあった。学生のレベルにもよるのだ。

「人間塾」は日本語を学ぶアジアの留学生に日本語を教えるのが目的。しかし言葉を表面的に教えるだけでは言葉を教える真の意味が達せられない。言葉には文化や歴史が結びついている。そこで「人間塾」では茶や礼儀を通して「おもてなし」の心を教え、一環として歴史を語る。楫取素彦の「紙芝居」に工夫を加える。松陰の「至誠にして動かざる者はなし」という言葉の実験でもある。今日が一回。県庁舎南の東西の通りに面して塾はある。塾名は私がつけ塾長も私が努める。(読者に感謝)

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2013年12月12日 (木)

人生意気に感ず「前高OB会。性同一性障害。内柴。東国原」

◇群馬県庁前高OB会懇親会に出た(11日)。出席者は70人。前高OBの職員は500人以上、一大勢力なのだ。私は挨拶で語った「県庁では前高を表に出すのに遠慮があるがここでは本意を語れます。それが前高の力を強くし県政を支えます」又、楫取についても話した。「長いこと楫取で暴走してきましたが、再来年は大河に登場です。群馬を売り出す好機です。来年も暴走する決意です」。会場から笑いが起きた。

◇常識からは不思議な最高裁判決が出た。女性同志が結婚してその間に子が出来、最高裁は親子関係を認めた。外からはそんな風に見える。実は性同一性障害(GID)と非配偶者間人工授精が結びつく。

 GIDで女性から男性になった人が結婚し妻との間に、第三者の精子によって子を設けた。この子を最高裁は法律上の子と認めた。父との間に血縁はないが法律上の父子となった。昔の人は何と奇妙なと思うだろう。

 心と身体の性別が一致せず悩む人は多い。04年に性同一性障害特別法が施行され、性別適合手術を受けるなど一定の条件を満たせば家裁に性別変更を認められることになった。今年3月までに約4千人が変更を認められた。

◇家族が多様化していることの一つの現れ。私は子どもの将来が気にかかる。出生の秘密を知ったとき衝撃を乗り越えられるか。社会には偏見もある。戸籍には元女性と明記されている。心の強い、しっかりとした子どもに育てないと学校でいじめられるかも知れない。

◇内柴に二審も懲役5年が。アテネと北京の金メダリスト。柔道界に関わる者として残念だ。上告したが社会的には栄光の座から転落した。天国から地獄を味わっているだろう。

 泥酔し背負われてホテルに戻った女性は目を覚ましたら乱暴されていたと主張。抵抗不納に乗じて姦淫した場合準強姦とされ強姦罪が適用されるのだ。3年以上の懲役である。

◇東国原氏の決意の表情が写された。維新を離れ議員も辞すという。笑いのタレントにも芯があったかと思わせる。維新の本質が変わったことをあげ石原慎太郎を執行部から外すことを求めたという。比例で当選したことを踏まえ、党からもらった議席は党に返すのが筋と述べた。みんなの代表が、離党した13人に議席を返せといっているのも同じ。有権者は個人でなく党に入れた。13人にも影響するだろう。(読者に感謝)

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2013年12月11日 (水)

人生意気に感ず「マンデラの追悼式。いじめ20万件。野党再編」

◇南アのマンデラ追悼式は空前の規模。マンデラの業績の偉大さを物語る。アパルトヘイト(人権差別)に対する黒人の憎しみは想像を超えるものがあった。27年の獄中生活はその憎しみに耐える毎日だった筈。復讐の鬼と化しても不思議ではない。ところがマンデラは融和の精神を貫いた。

 オバマは、「国家を正義に導き世界中の何十億の人々を揺り動かした」と賞賛、国連事務総長は「許すことの偉大な力を示し真の平和により人々を結びつけた」と表明した。降りしきる雨のサッカー場には数万人の国民が列席した。

 私の子どもの頃、アフリカは暗黒大陸と呼ばれた。少年王者に憧れたが、実態は矛盾に満ちた泥沼と混乱の世界だった。それは今も続くがマンデラの生涯は間違いなく、アフリカに希望の灯を掲げた。皇太子と並ぶ福田康夫さんの姿が見える。名誉県民の顕彰直後だけに県民を代表して出席している姿に見える。

◇学校のいじめが20万件に迫る。全国の小中高の2012年度のいじめの数は過去最多で前年度の2.8倍。県議会でいじめ問題を取り上げてきた者として改めていじめ問題の深刻さに驚く。

 文科省は、いじめ自体の増加というより学校が確認に努めた結果、実態に近づいたのではと指摘。ではその実態とは。鹿児島県が全国最多となっているが同県はどう受け止めているか。

 注目は被災地の状況。宮城、福島両県では他と比べ不登校の増加が目立ち、岩手県では減少した。未曽有の災害が子どもの心を傷つけそれが不登校に影響することは容易に考えられることだ。岩手の現象は子どもたちを支える地域の歴史や文化等社会力の影響かもしれない。

 大変なことは小中高生の自殺者が196人ということ。そのうちいじめが原因と分かっているのは6人のみ。自殺大国と言われる日本で、こんなに多くの子どもたちが自ら命を絶つのは異常という他はない。ほとんどの原因が分らぬ点にいじめ調査の限界がある。

◇野党再編の動きに注目。江田みんなの党前幹事長等の勉強会に85人が出席。弱小がばらばらでは何も出来ないから自然の動きだろう。みんなを離党した13人は比例で当選した。有権者はみんなの党に期待して投じた。どう考えるのか。(読者に感謝)

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2013年12月10日 (火)

人生意気に感ず「安倍急落。猪瀬危うし。みんな分裂。意見ゼロの異常」

◇安倍内閣の支持率が急落して50%を割った。予想した通りだ。特定の秘密を保護することの必要は多数が認める。もっと時間をかけて国会審議を丁寧に進めるべきだったと思う。強硬採決を行った首相の胸には祖父、岸信介の姿があったに違いない。

 当時の岸首相の時の反対の凄さは今回の比ではない。反対を主張して辞任する閣僚が出た。そして、岸は暴漢に刺された。孫の安倍さんはまだ幼く祖父の側で訳も分からずアンポハンタイと叫んでいたという。

 世論調査では、特定秘密保護法に賛成する人も、その64%が今後の修正を求めている。安部政権にとっての救いは景気が上昇に向っていることだ。このことが首相を支えた大きな要素であろう。しかし、景気は一時のことであり、「法律」が抱える問題は国家の存立がかかる。つまり民主主義の危機が問われることである。世論の動向が非常に注目される。

◇猪瀬知事が厳しく追求されている。都議会の総務委員会では自民党議員からも激しく攻撃された。5000万円の提供は選挙のためかという質問にのらりくらりの対応。議員からは「ふざけないでくれ」の声が飛ぶ。興奮して退去させられた傍聴人の姿があった。

 普段強気で鳴らした猪瀬知事は汗を流してひたすら低姿勢である。全国民が、いや東京五輪と関連づけて世界が注目する猪瀬知事の一言一句。どこまで耐えられるであろうか。

◇このところ国会も都議会も劇場さながらである。国会劇場は法律が成立して一つの幕が降りた。続いての上演劇はみんなの党の分裂物語。衆参合わせて35人のうち14人が離党した。離党組みの中心は同党前幹事長の江田憲司氏。

 みんなの党代表の渡辺喜美氏と江田氏の対立はどうにもならないところまでいっていたらしい。江田氏等の離党会見は、この人たちにとって絶好のタイミングだろう。秘密保護法の審議に関して自民党にすり寄ったと批判する。秘密保護法を激しく攻撃する世論とマスコミをすっかり見方にしたように映る。日本維新が早速同調する動きを見せている。強すぎる自民に対抗するには諸弱が連携せざるを得ない。政界再編劇の幕上げは必ずある。

◇県議会では昨日総務部関係の委員会があった。次期行革大網の制定にあたりパブリックコメント実施したが違憲を寄せる人がゼロという。県民産画を求める時にこれは何とした事だと問題にした。(読者に感謝)

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2013年12月 9日 (月)

人生意気に感ず「秘密保護法案。マンデラの死。花燃ゆ」

◇特定秘密保護法が成立した。安保闘争を思わせるデモの高まりの中で、直ぐに想像したのは静かな大学の光景だ。今の大学生には重要な社会問題に対し発言する気力や勇気が感じられない。日本の社会を象徴する姿であるが大学として健全とは思えない。

 同法の問題点は、秘密の範囲があいまい、官僚の恣意的秘密指定、秘密指定の妥当性をチェックする仕組みの不十分さ、以上の結果として国民の知る権利が損なわれる恐れ等である。

◇政府は、恣意的秘密指定がないかをチェックする監視組織の設置に着手。しかし、これは政府内の組織であるから情報隠蔽を防ぐ独立性に乏しいと批判される。そこで、自民党は、このような監視組織を国会に設置することを検討している。

 更に、自民党の石破幹事長は、国会が政府から特定秘密の提供を受けるためのルール整備を急ぐことを表明した。特定秘密保護法には「国会が求め、行政機関の長が支障がないと判断した場合、特定秘密を提供する」と定める。ここでも、行政機関の長の判断が必要とされる点が抜け穴と批判されるだろう。

◇マンデラが死んだ。27年間の牢獄に耐えた不屈の闘志は正に驚嘆に値する。南アフリカの「アパルトヘイト」は「ふるさと塾」でも取り上げた。徹底した白人による黒人に対する人種差別政策はマンデラによって消滅した。白人は報復を恐れたが、マンデラは国を再建するために怒りを克服した。

 人類発祥の地アフリカは、長い間奴隷貿易の犠牲になった。歴史の流れは雄大である。マンデラの生涯は人類の中で光を放つものだ。

◇7日の「ふるさと塾」は、中味は長州の歴史だがタイトルは「花燃ゆ」にして、大河ドラマの関連の話もした。チーフ・プロデューサーの話では、主人公松陰の妹文(美和子)とその家族及び仲間たちのドラマになるとのこと。

 松陰の家族といえば、大きな存在だった母の滝子・長女の千代、次女の寿子、末の妹文子、そして寿子と文子を妻にした楫取などが登場する。久坂玄瑞と文子との間には子がなく楫取の二男久米次郎を養子にした。

 塾では寿子が熱心な浄土真宗の信者であり、楫取の廃娼運動を陰で支えた存在であったことを大河ドラマで取り上げるよう運動すると話した。先ずプロデューサーへの手紙で書いた。(読者に感謝)

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2013年12月 8日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」第32回

 徳富蘇峰は、清風につき興味ある指摘をしている。「村田清風の長州におけるは、島津斉淋(なりあきら)の薩摩におけるがごとし」というのである。斉淋は江戸時代を通じて随一の名君といわれ、先進的な改革を次々に断行し、下級武士西郷を抜擢し手足の如く使った。

 蘇峰は更に、元禄時代に出来た「人国記」から引いて、長州の人情は昔からのんびりしていて、人に応ずるにも一思案して答え、互いに人頼みして遠慮が過ぎる。このような風土からどうして殉難殉国の烈士、松陰の如き人物が出たか。それには先進がいた、その人こそ村田清風だというのである。

◇天保10年(1839)、楫取11歳。この年、高杉晋作生れる。また渡辺崋山、高野長英が捕えられる蛮社の獄が起きた。蛮社の獄とは、高野長英、渡辺華山らが、モリソン号砲撃を批判し開国を説いたことで、幕府が彼らを処罰した事件である。また、水戸藩主、徳川斉昭は、前記のように、内憂外患につき十二代将軍家慶に意見書を提出した。

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月 7日 (土)

随筆 『甦る楫取素彦』 第31回

◇天保9年(1383)、楫取10歳の時、長州藩は村田清風を登用し藩政の改革を始める。長州も、ばく大な借金を背負い藩政は危機に瀕していた。清風は、下級武士が藩政に参加する道を開き、経費節減と負債の事実上の帳消しによって藩の借財を整理し、租税軽減によって農民の不満をしずめ、下関に越荷方(こしにかた―一種の税関)をおいて諸国の廻船から収益をあげ、また洋学の奨励・洋式兵術採用などの革新的政策をとって成果を上げた。私は、革新的下級武士進出の道を開いた点が重要だと思う。この道の先に、楫取、松陰、高杉、木戸、伊藤など若者の生き生きした姿を想像するからである。

 村田清風は天保の改革を前に、藩主に基本方針を出したが、その中で、「選挙の事」として、平時なら別であるが、現在は非常の時であり、人材を抜擢して登用すべきであると提案した。もとより今日の選挙ではない。下級武士の登用や抜擢は、硬直した身分制度を崩すヒントを人々に与えたに違いない。高杉晋作の奇兵隊の創説もこの流れと無関係ではない。今日の言葉で現せば思い切った規制緩和であり行政改革であったと考えられる。

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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2013年12月 6日 (金)

人生意気に感ず「名誉県民。『花燃ゆ』と楫取。ふるさと塾で美和子を」

◇昨日、昭和庁舎正庁の間で福田康夫元総理の名誉県民顕彰式が行われた。この人はいわゆる政治家臭のない人である。地味で静かな人柄がうかがえる。配布された数頁の資料の第一に氏の書がある。墨痕鮮やかに「光而不輝」とある。光ありて輝かさずと読む。老子の言葉。人間は、修養を積むことは大切だがそれをきらびやかに現すものではないという意。福田さんのはったりのない誠実な人柄を示すといえる。

 除幕に移り覆った布が外されると油絵の福田氏が現れた。次は中村さんですねと周囲から声が。実は今月16日、私の肖像画が議会に掛けられる。勤続25年の議員に認められる。友人の画家茂木紘一さんが描いた。

◇席を移して昼食会が行われ、言葉を交わす機会があったので、日中友好協会のことを話し、福田事務所が「楫取素彦読本」を沢山買ってくれた礼を述べた。福田さんは私が会長を務める同協会の最高顧問である。トップは争っているが大丈夫だと語っておられた。

◇「楫取素彦読本」が売れている。大河ドラマ効果だ。県庁の生協では売りきれ、煥乎堂では納品2日で完売、改めて50冊の注文がきた。

 NHKチーフ・プロデューサーの土屋勝裕氏から改めて連絡を頂いた。久坂玄瑞の妻、後に楫取素彦の妻となる文(美和子)が主人公。松陰の志を受け継いで困難に立ち向かい力強く生き抜いていったヒロイン文とその家族、仲間たちのドラマで楫取の活躍も描かれるだろうとある。「家族」には大きな影響力を与えた母滝、又楫取と苦楽を共にして楫取が県令在職中に亡くなった最初の妻で美和子の姉寿子も当然含まれるのだ。そして最後に「群馬県前橋市の皆様にも、大河ドラマ『花燃ゆ』を応援して頂き、楫取素彦をPRして盛り上げていって頂けると幸いです」とある。

◇「ふるさと塾」は11月の予定だったが都合により明日(7日午後7時)となった。今回は「長州の歴史」。幕末維新に焦点をあてる。長州が反幕府、そして基本的には攘夷を貫いたから維新は実現した。そのエネルギーは松下村塾で培われ、そこには楫取、高杉、久坂などの活躍があった。もとより、歴史は男だけでは作られない。彼らを支えた熱い女性達の姿があった。そこを描くのが「花燃ゆ」の目的である。「塾」では久坂玄瑞と文(美和子)も語る。今回、萩と防府を訪ねた「訪問記」もほぼ完成した。小冊子の作成を進める。(読者に感謝)

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2013年12月 5日 (木)

人生意気に感ず「大河ドラマ。オスプレイ。県議会質問」

◇昨日登庁すると、ちょうど県議団総会が始まったところで幹事長はNHKの大河ドラマが決まった、中村県議の長い努力が実ったことに感謝したい、私たちも郷土活性化のために出来る限り応援していきたいと挨拶した。私の力で決めたとは思わないが、議員は、以前からの私の活動を見ている。そして、「楫取素彦読本」の購読を執拗に勧めてきたことなどからそう思うのも無理はないだろう。

 私は、ドラマの主役美和子、その姉の寿子が共に楫取の妻であり、二人とも前橋に住んだことを話した。新聞第一面掲載のインパクトは大きく、多くの人に「おめでとう」と言われ、書店の「読本」は売切れの所が出たし、小学校から講演の依頼もあった。来年は良い年にしたいが、一年来の方針である「楫取素彦読本」の中学生感想文コンクールは必ず実現しようと思う。

◇昨日本会議終了時、多くの記者が知事を待ち受けた。相馬ヶ原のオスプレイ訓練に関する取材。米海兵隊と陸上自衛隊の共同訓練で、来年2月~3月に実施予定。オスプレイは墜落事故が続いたから県民にとって重大関心事だ。大沢知事は、県民生活に支障がないよう強く要望したいと答えていた。

◇昨日の本会議では八ッ場ダム、子宮頸がん、コンベンション施設、漢字教育など注目する発言があった。

 八ツ場ダムは、推進議連の会長として関心を持って聴いた。ダム周辺に国、県、町が桜1万本を植える計画だという。ダムによって景観が壊れるという批判があった。1万本の桜が一斉に咲きダムに映る光景は見事だろう。新たな観光の名所となることを期待する。桜は日本の文化であり、吾妻の歴史と融合するだろう。

◇子宮頸がんで命を落とす女性は多い。質問したのは若い女性議員なので問題点がリアルに伝わってきた。羅患年齢が低下しているのは性道徳の乱れであること、ワクチンの副作用などについて質問していた。

◇漢字の成り立ちを教えることの重要性を訴える議員がいた。同感である。漢字には人類の歴史と文化が結びついている。深い学びと思索には漢字の理解が欠かせない。パソコンの時代になり漢字から離れる傾向にある。韓国は漢字を捨てたことで文化を失った。中国は略字を進め過ぎる。日本はひらがなと併用でいい。(読者に感謝)

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2013年12月 4日 (水)

人生意気に感ず「楫取が大河ドラマに。日本の高校生の学力」

◇昨日午後、内閣府にいる大学の後輩のK君から「おめでとう」と電話があった。NHKの大河ドラマで楫取素彦が取り上げられる動きに同君は私と共に注目していた。彼は山口県防府市出身で楫取の墓が実家の近くにある。

 少し前から情報は流れていたが静かに見守ってきた。NHKのプロデューサーは静かに動いていた。東京の楫取家を訪ね私の「楫取素彦読本」を受け取ったこと、及び、10月26日に行われた県立女子大における楫取のシンポジウムをこの人が聴いたこと等。女子大ではパネルディスカッションの前に私は基調講演を行った。

 長いこと楫取を世に出すことに取り組んで生きた私としては、NHKの大河に楫取が妻と共に登場することに感慨を覚える。

◇初めて私が楫取について語ったのは「ふるさと塾」で奴隷船マリア・ルーズ号事件を取り上げたときであった。明治政府が、ペルー船籍の船から中国人を解放したことでペルーとの間で訴訟となった。政府はこの中で娼妓解放令を出したが、その波紋の及ぶところに群馬の廃娼運動があり、その渦中に県令楫取素彦の姿があった。

 楫取は松陰の2人の妹を妻とした。最初の妻寿子は42歳で亡くなり、その妹美和子は楫取の後妻となった。美和子は久坂玄瑞の妻であったが久坂は禁門の変で破れて自刃した。

 美和子が楫取に嫁したのは明治16年のことで、楫取が県令を辞したのは明治17年であった。2人の女性は共に前橋で県令を支えたのである。大河ドラマでは前橋が舞台として取り上げられることを願わずにはいられない。

 楫取顕彰会としては、従来通り粛々と顕彰運動を続けていく。講演は、紙芝居の実演も含め随時受け入れ、県内どこでも出かける方針である。

 顕彰会の来年の主要行事の一つは、中学生を対象にした「楫取素彦読本」感想文コンクールの実施。図らずも現実となった大河ドラマは、コンクールにとっても追い風となるだろう。

OECDの学習到達度調査で日本はトップレベルの好成績を示した。ゆとり教育の転換の成果といわれるが、ゆとり教育の精神は重要だ。かつての受験地獄に戻ってはならない。

 高1の数学的応用力には課題がある。学力は意欲の問題である。数学は何のための勉強か分らないで取り組んでいる生徒が多い。

 教育委員会がこの点を工夫して指導すれば数学の力も大きく改善されるのではないか。(読者に感謝)

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2013年12月 3日 (火)

「楫取素彦、大河ドラマに決まる」

 今日4時、NHKは遂に「大河ドラマ」を発表する。次の次である。「花もゆ」が題。

中味は、「楫取の妻たち」となるだろう。解禁前なので、強く期待しつつ抑えていた。今、3時30分、間もなく発表される。

 来年は、県・市の教育委員会の協力を得て、「楫取素彦読本」の感想コンクールを、中学生を対象に実施することを決めている。

 楫取を中心に、熱い偉人の生き方を、子どもたちの胸に届ける時が来た。(読者に感謝)

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人生意気に感ず「山本大臣語る。猪瀬辞職か。廃液の水素爆発」

◇山本一太大臣が議会自民党控室を訪れた。2日午前9時、打ち合わせ通り現れた、当選の礼を述べ合わせて時局を語った。大臣の激務に追われ、参院選当選以来、県議全体の場で礼を言う機会がなかった。

 奥の役員会議室が使われた。マスコミは一太氏のサプライズ発言を狙っている。それを防ぐためだ。話は、尖閣の防空識別圏、秘密保護法、TPP、石破発言などに及んだ。

 サプライズはなかった。私は、アメリカが防空識別圏に関して日本と対応が一致していないことは中国の思うつぼではないかと質問した。日本は無視なのに、アメリカ政府は民間機に中国への通告を勧めているというのだから。大臣はアメリカの真意を調べているという答え方をした。

 中国にとってアメリカが中国主調の防空識別圏を認めることは最大の成果。早速、アメリカの措置を高く評価し、それと比べてと、日本を非難した。米副大統領の来日はこのことを日本に説明することが目的だろう。

◇先日、友人の都会議員と話す機会があった。彼の話によれば、都議会関係者は猪瀬知事問題で頭を痛めているという。5000万円をもらった件は私たちが考えるより深刻らしい。

 借用証はいかにも姑息で、あんな紙切れで大金を借りるのかと思わせる、嘘のうわぬりの感を免れないというのだ。

 徳洲会ぐるみの選挙違反の捜査が広がりを見せていることも猪瀬知事を追い詰める要素になっている。東京五輪を進める顔の役を果たせるのかという問題も深刻になっている。世界の信用を失ったらこれも駄目だろう。

 都議会関係では辞職は避けられないとの見方も広まっているという。辞職となれば次の候補者は誰か。前回、石原氏に破れた舛添氏の名があがっているらしい。脱原発でにわかに時の人となった小泉さんはどうなのか。小泉さんなら当確は間違いないだろうし、都知事として脱原発の推進力となるのも面白い。

◇高レベル廃液が水素爆発を起こす恐れがあるという。東海村の再処理施設。原子力規制庁の報告である。施設内には液体プルトニウムと高レベル廃液が多量にある。これらは本来の保管方法があるが、それが現在機器の故障などで機能していない。未処理の廃液などは、事故で安全装置が壊れると水素爆発の恐れがあるという。国民が注目すべき新たな問題だ。(読者に感謝)

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2013年12月 2日 (月)

人生意気に感ず「徳洲会の波紋。石破氏のテロ発言。エイズの恐怖。楫取の講演」

◇徳洲会事件が日本中を震わしていると言っても過言ではない。金を受けとったのは猪瀬知事だけでない。多くの政治家の名が挙がっている。特に鹿児島県の県会議員2人については公選法違反の疑いも出ている。

 猪瀬知事については7年後の東京オリンピックが結びついているので事態は深刻だ。今のような状態で五輪に向けた指揮官の役割を果たせるのか。都の職員が心を1つにしてという理想に水をさすことは明らか。首都直下も迫っているのだ。

◇石破幹事長が「デモ」をテロと変わらないと発言したことに批判が高まり、石破氏は取り消した。大政党の幹事長として見識を疑われる発言だ。憲法の基本的人権に対するしっかりした理解があれば「テロ」の用語は出ない筈。

 憲法21条は集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障する、と定める。民主主義の根幹を支える規定だ。問題の「デモ」は、特定秘密保護法案が国民の「知る権利」を侵害すると叫ぶ。この知る権利も21条に含まれる。

 「デモ」はこの憲法21条によって保護される基本的人権である。反自民の立場に立つ市民の特権と考えるべきではない。今日、民主主義が形骸化しつつあるだけに、デモは民主主義を支える有力な国民の武器である。

 石破幹事長のあの目、あの人相は、しっかりした中味が伴なって凄味を発揮するが、今回の「テロ」発言のようなことがあると、馬脚を現したと言われかねない。自民党のため、日本のために自重を願いたい。

◇12月1日は世界エイズデー。かつて横浜で開かれたエイズの資料展に出て戦慄を覚えたことが忘れられない。あの頃は日本もパニック状態だったが、今日、すっかり騒がなくなった。薬が進歩し命と共存が可能になったと言われる。壊滅的な南部アフリカの猛威もしずまりつつある。この油断の状態が日本では危険な状況を作りつつあるようだ。感染者が増加傾向にあり12年の新たな感染者は1200人という。警戒感がないから無防備、無検査なのだろう。巷に氾濫する乱れた性風俗は目に余る。

◇芳賀地区の教育文化振興会が主催で、私は楫取の講演をした(11月30日)。今月は13日に「人間塾」で、17日に芳賀中で行う。今、「萩・防府訪問記」を作っている。防府の楫取顕彰会長の毛利元敦氏から訪問の礼状が届いた。(読者に感謝)

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2013年12月 1日 (日)

随筆『甦る楫取素彦』第30回

 大塩は蔵書5万巻を売ってその代金千両余りを天保8年の2月6、7、8の3日間、1万戸の窮民に施した。大塩は、檄文をまき、「救民」の旗をかかげ、大砲を放って行進した。参加者は約300人。その大部分は大阪市内の細民(恵まれない貧しい人)と近在の農民であり部落民も加わっていた。大阪の市街の5分の1を焼き払った。大阪の役人の狼狽(ろうばい)と醜態はその極みに達した。鎮圧に当たった2人の奉行は馬から振り落とされ、町民の物笑いの的にされた。「大阪天満の真中で、馬から逆さに落ちた時、こんな弱い武士見た事ァない。鼻紙三帖ただ拾てた」。だらしない武士の様を鼻紙三枚ただ捨てたようなものだと嘲笑したのだ。奉平になれ、飢えた民衆にも心を動かさない幕府の役人の実態だった。権力にあぐらをかく幕府は駄目とみなされ、反幕を貫く藩の下級武士たちが立ち上がる土壌が出来つつあったのだ。

 大塩の叛乱は半日で鎮圧され大塩は自殺した。幕府は大塩ら17人の死骸に対して反逆罪を宣告し、死骸を磔(はりつけ)に処した。

幕府がこの事件にいかに驚愕したかは水戸斉昭が天保10年に将軍家慶に提出した建白書に現われている。その中で「内憂外患」がきわめて深刻な段階であることを指摘し、とくに内憂で最も重大なことは困窮する細民の蜂起と武備のゆるみだとし、「大城(大阪)の奸賊容易ならざる企仕(くわだてつかまつり)」と、大塩の乱をあげている。有名な「内憂外患」という言葉の初発である。外患(外国の圧力)が深刻化するとき内憂(国内の乱れ)があっては、外に立ち向うどころでない。

※土日祝日は中村紀雄著「甦る楫取素彦」を連載しています。

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