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2013年9月 7日 (土)

随筆「甦る楫取素彦」

第一章 最近の出来事

一、私が人々の前で楫取素彦について初めて触れたのは、講演・「奴隷船マリア・ルーズ号事件の波紋」であった。明治5年、横浜沖に停泊中のベルー船籍の船から中国人・苦人(クーリー)が海に飛び込んで脱出した。このことから船の正体が分かり、明治政府は実質奴隷扱いの中国人230人余りを解放した。既に世界の奴隷制度はほぼ終わりを遂げつつあった。開放には、明治の政治家の心意気が示されていたのである。争いとなり、ペルーは訴訟の中で、なんと、女郎の証文を提出して日本の公娼を、これこそ「奴隷制度」だと厳しく指摘した。窮地に立った政府は太政布告によって娼妓の解放を宣言した。波紋の及ぶ先に群馬の廃娼運動がありその中に楫取の存在があった。

 その後、楫取の断片を追ううちに、それらの根底に確かな手応えと共に強く魅かれるものがあることを感じた。しかし、同時に、楫取への思いが深まるにつれ納得いかないものも生まれてきた。(第一回)

(注)リンカーンの奴隷解放布告は、1863年(文久3)

   ペルーの奴隷制度廃止宣言は、1873年(明治6)

   太政官布 第295号

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