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2013年9月29日 (日)

随筆「甦る楫取素彦」

(1)時を超えた歴史的対面 これらの中で、先ず、特に、世上の注目を集めたのは楫取素彦、新井領一郎、この両者の子孫が百年余りの歳月を超え、かつ太平洋を越えて群馬で対面した事である。

 新井領一郎とは、明治9年、楫取の支持の下生糸直輸出の販路を開くためアメリカに渡った青年である。その折、楫取の妻寿子は、これは兄の形見です、兄の魂は太平洋を渡ることで救われますといって、一振りの短刀を領一郎に渡した。その子孫、ティム新井氏は現在カリフォルニアに住んでおられる。顕彰会が交渉して招くことになった。新井領一郎の子孫が松陰の短刀と共に前橋に来るという信じ難いニュースに顕彰会の人々は沸いた。もっとも短刀の件は諸般の事情で実現しなかった。楫取素彦の子孫とは五代目当主の楫取能彦氏及び素彦から別れた小田村家の小田村四郎氏である。

 両者の対面に私たちは不思議な思いを抱いた。時を超えて人間の思いや生きる姿が受け継がれていくというのは当たり前のことかも知れないが、それを自分たちの手で確かめることが出来たと思うと嬉しかった。ティム・新井夫妻と楫取・小田村両氏が親しく語り合う様は、タイムトンネルから現れた幕末維新の人々の姿であり、楫取素彦の甦った光景のように思えるのであった。

 土日祝日は中村紀雄諸「甦る楫取素彦」を連載しています。

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