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2013年6月 3日 (月)

人生意気に感ず「世界遺産と養蚕。憲法は押しつけか。改正の原点」

◇養蚕に企業の参入が増えている。世界遺産登録が近づくのに養蚕がどんどん消えていく状況を心配していた。繭を原料とする化粧品などを作る企業だ。桑園を確保して桑栽培を始めるところが増えだした。

 それを支えるものは、農地法の改正である。企業の農業経営参入が規制緩和により容易になったのだ。

 「富岡製糸場と絹遺産群」の世界文化遺産登録が確実だが、背景には群馬の養蚕と絹に関する壮大な歴史がある。「鎌倉」がかなわなかったのに「富岡」が認められた根本には絹の大衆化がある。

 明治政府は当時世界最大級の模範工場の情報を公開したため器機製糸業は全国に普及した。それまで高級品として上流階級のものだった絹は大量生産で価格が下がり大衆のものになった。

◇シルクには人類文化の長い歴史が伴う。漢の皇女は国の秘密であるマユを髪に隠して辺境の異民族に嫁いだ。貴重な交易品の絹は漢からローマに至り、その間の長大な道筋はシルクロードと呼ばれた。このシルクロードは、近代において、東の果ての日本の群馬に至って新たな発展をもたらした。「世界遺産」をシルクの歴史に位置づけて生かさねばならない。それを支えるものが地域の養蚕業である。

◇憲法改正の論議が騒がしくなっている。軽々に「押しつけ」論を口にする国会議員の姿が気になる。原点を見ようと思って、昨日、県立図書館で第90回帝国議会誌を借りて読み始めた。憲法改正草案が審議された議会であった。

 昭和21年3月に改正の草案要綱が示され4月に衆院の選挙が行われ、その後の議会で約2か月にわたって草案が審議された(貴族院は約1か月半)。それでも人はアメリカに「押しつけられた」と言うが問題はその中味だ。私は基本的に素晴らしいと思う。

 審議録巻頭の幣原善重郎の言葉は胸を打つ。敗戦に至った経緯を反省して、国家再建に臨もうとする決意があふれている。当時の日本国民の姿を代表するものだ。反省して新しい国をつくろう、そのためには新しいルールである憲法が必要だと国民は考えた。憲法改正には、外圧とは別に、このような日本国の内在的要因が大きく働いたことを知るべきだ。亡くなった何百万という犠牲者の遺志もここにあると思う。「前文」のまずさは「読むに堪えない」とある議員が言ったが、底に流れる人類の理想を無視する人の弁である。(読者に感謝)

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