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2013年4月 6日 (土)

『炎の山河』第五章 地獄の満州 第41回

「お父さん、お母さん、お元気でしょうか。突然のことで驚かれるでしょうが、かずでこざいます。中国に来てからもう十年以上がたちました。私は、いま、撫順という所で元気で暮らしています。いつも日本のことを思って生きてきました。お父さん、お母さん、兄さん、姉さん、みな無事でいるでしょうか。私は、皆さんに会いたくてたまらない気持ちです。つらいことがずい分ありましたが、日本に帰りたくてこれまで頑張ってきました。私は、中国人と結婚し、子供もできました。夫は撫順の炭坑で働いている真面目な人です。私は今は無事な生活を送っていますが、いつか、どうしても日本に帰りたいと思っています。日本はどうなっているのでしょう。皆さんは、どうなっているのでしょう。どうか、この手紙がお父さんに届きますように。私は神様にお願いしております。お父さん、お母さん、どうか体を大切にして下さい」

 手紙を書きながら、父や母の懐かしい顔が浮かんで、涙が流れた。手紙を書き終えて、これが果たして父の元へ届くのか心配であった。群馬県吾妻郡原町、この懐かしい地名の古郷は、瞼に焼きついているあの父や母の姿、そして山や川や田畑の情景と共に、果たして存在するのか、不安と期待のなか、手紙は彼女の手を離れて旅立っていった。

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