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2012年9月 9日 (日)

「楫取素彦読本」第27回

上毛かるたに「昔を語る多胡の古碑」とあるように、多胡碑は、古代の中央政府の支配関係が上野(群馬県)の地にいかに及んでいたかを語る貴重な資料です。

 また、自ら書の達人であった楫取は、多胡碑に刻まれた書の価値を見抜き高く評価しました。 多胡碑の書は、一見、素朴で平凡、そんな素晴しいものに見えません。しかし、県書道界のトップを極めた人があれだけの書は書けないというのです。

 楫取素彦は、この多胡碑の拓本を中国人書家・楊守敬に贈呈しました。そして、揚守敬がその著書「楷法遡源」でこれを紹介したために書道的価値が広く認められようになりました。

【解説】

「古代の群馬は東国の中心だった」

古代の上野国は政府にとって東国支配の拠点として極めて重要な地でした。多くの古墳の存在はそれを物語るものです。また、当時、馬は特別貴重なものでしたが、上野国には国家の「牧」が多数あって、この馬を朝廷に貢納しました。

上野国には、先進の技術や文化が中央からもたらされました。それを担った人々は「渡来人」と呼ばれた朝鮮半島から来た人々でした。

多胡郡とは外国人が多い郡を意味したという説があります。胡人とは中国で昔、辺境の異民族を指したからです。上毛国の古代の謎は国際的で壮大ですね。

※土日祝日は中村紀雄著「楫取素彦読本」を連載しています。

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