« 人生意気に感ず「運転手逮捕。群馬DMAT。楫取家を訪ねる」 | トップページ | 「上州の山河と共に」第128回 政治家への道 »

2012年5月 3日 (木)

「上州の山河と共に」第127回 政治家への道

大きな拍手と声援が起こった。その声は、塀の外からも起こっていた。

背筋を伸ばし、額の汗をぬぐうと、快い風が頬を撫でる。心も壮快であった。私の演説が終る頃には、人々の数は一段と増えていたのである。私は、そのことに気付いて、大きな喜びと力が身体の奥から湧き上がってくるのを覚えるのであった。

投票日が刻一刻と近づいていた。果たしてどれだけの票が集まるだろうか。一人になって考えると、やはり不安である。短期間ではあるがいろいろな経験を積んで、それに基づいて振り返ると、ああすれば良かった、こうすれば良かった、と反省すべき点がたくさん出てくる。ああ、あと二、三日あれば、という思いにかられながら、ついに投票日を迎えることになった。

審判下る

 昭和六十二年四月十二日早朝、私は、芳賀公民館で投票を済ませた。多くの人が列を作っている。その列を、私は祈る思いで見た。

 その晩、八時過ぎに大勢が判明する予定であった。運命の時は容赦なく近づいていた。もう、賽は振られたのだ、じたばたしてもしようがないことと、頭では分かっていても、気持ちは落ち着かない。これまでも、自分の人生に重大な意味のある結果が出るのを固唾を呑んで待った経験はいくつもある。しかし、今回の私の気持ちは、今まで経験したことのない、重苦しいものであった。

(読者に感謝)※土日祝日は中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。

|

« 人生意気に感ず「運転手逮捕。群馬DMAT。楫取家を訪ねる」 | トップページ | 「上州の山河と共に」第128回 政治家への道 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「上州の山河と共に」第127回 政治家への道:

« 人生意気に感ず「運転手逮捕。群馬DMAT。楫取家を訪ねる」 | トップページ | 「上州の山河と共に」第128回 政治家への道 »