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2012年4月14日 (土)

「上州の山河と共に」第120回 政治家への道

 妻が聴衆の前で挨拶する機会は、次第に多くなった。妻は、大勢の前に立つと、直ぐに泣いた。涙を拭う左手の白い包帯と共に、彼女の姿は人々の目に印象的に映るらしい。激しく突き上げるものを必死で抑えようとするが、抑えつけようとすればする程感情は乱れ高ぶってしまう。

「皆様に、こんなにお世話になって本当に申し訳ありません。中村は、きっと立派な県会議員になって皆様に御恩返しをします。中村は、きっと、皆様のお役に立つ政治家になると思います。どうか、主人を当選させて下さい!」

やっとのこと、このような挨拶をすると、大きな拍手が起こり、涙を流している人の顔もあちこちに見られる。

「よし、分かった、きっと当選させるぞ!」

会場からは、嬉しい声援も飛ぶ。

このような盛り上がった雰囲気が更に妻を揺さ振るらしく、妻は、感激の涙を流している。

 私は、こんな妻を心の隅で不憫と思いながらも、それを振り返る余裕もなく、私自身次第に大きくなる渦の中に巻き込まれてゆくのだった。

昼間の作戦に続く夜の課題は、出来るだけ多くの座談会を開き、これを如何に盛り上げ、得票につなげるかということであった。

 座談会は、毎晩、六、七ヵ所で行われ、多くの後援会の幹部が手分けしてこれに臨み、立派に弁士を勤めてくれた。そして中でも、笠原久子さんの演説は新鮮、かつ、強烈な印象を与えていた。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。

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