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2012年3月24日 (土)

「上州の山河と共に」 第115回 政治家への道

我が陣営の落胆ぶりは大きく、告示迄の日が短いことも合って、幹部の間にも動揺の色が濃く感じられる程であった。私は、このような差し迫った状況になって、まだ選挙事務所の用地すら確保できないということが世間に広まった場合のマイナス効果を恐れた。福島浩は、さすがに冷静であった。

「新人が選挙に出る時は、こんなものなのだろう。予想されたハードルと考えて乗り越えなければならない」

 彼は、自分自身に言い聞かせるようにつぶやいた。

 八方手を尽くして、次に見つけ出した候補地は、前橋市の建設会社が芳賀に所有する野球のグランドであった。ここは、道路から引っ込んだ所で、宣伝効果については期待できそうになかったが、それを問題にしている場合ではなかった。

 ここは、もう長いことグラウンドとして使用していることであるし、周りの町民も時々借りて使っている所だから、問題はないと考えられた。兎に角、選挙ができるという事が嬉しかった。

 広いグランドの一角には、プレハブ小屋を建設する為に丸太の杭が打ち込まれ、建築資材を運ぶトラックも到着し始め、ことは順調に滑り出したかと思われた。

 私は、グランドに立って作業の様子を見ていた。この時である。グラウンドの隣にある、このグランドを所有する企業の事務所から事務員が走ってきて、本社から私に電話がかかった旨を告げた。

私の胸を不吉な予感が走った。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。

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