« 上州の山河と共に 第92回 出馬を決意 | トップページ | 上州の山河と共に 第94回出馬を決意 »

2012年1月 8日 (日)

上州の山河と共に 第93回 出馬を決意

 これからは、このプレハブ小屋を拠点として、出来るだけ回数多く会議を開くことにしよう、そして、これと並行して、従来のように、私自身が出かけて行って直接会うという作戦を続け、その中で、会議に出てくれる人を探してゆこう、私はこのように考えをめぐらせながら、新たな作戦に進む決意を固めていった。

 プレハブ小屋での会合は、中村塾の卒業生、妻の教え子、私の中学時代の同級生、宮城村時代の同級生、そして、定時制高校時代の同級生、といった順で開いていった。

 会議に参加するものは、ほとんど選挙に関しては素人であった。だから、具体的にどうやって運動を進めたらよいか分からない。

 中村塾卒業生たちの会合でのこと。

「先生、公職選挙法というのがあって、やたら選挙活動をするのはやばいって、おやじに言われてきたけど、大丈夫なんですか」

 もう二十五、六歳になっている筈のKが言った。

「うん、確かに公職選挙法では、選挙運動が出来る時期は決められていて、それ以外は出来ない。しかし、今我々がやっているのは、選挙運動ではない。中村のりお後援会活動なんだ。我々国民には、憲法で保障された政治活動の権利があるんだ。そういう風に理解してくれないか」

「へえー、そんな、分かったような分からないような事言ってたんでは、ピンとこないぜ、先生。俺の仲間なんか、みな、選挙になんか行ったことがない者ばかりだ。俺が、先生に投票してくれって頼めば、みんな、投票するぜ。後援会に入ってくれなんていう言い方じゃ説得力がねえよなあ」

「馬鹿だなあ、お前、そんなこと、頭で考えて、適当にやれよ」

 Kの同級生Yの言葉である。

 こんな具合であるから、民主主義社会における選挙の意義というようなことから始めて、公選法の説明まで詳しく話そうとすると、

「まるで、昔の中村塾みてえじゃねえか。先生、俺達、月謝払わねえんだから、あんまり細かく教えてくんなくもいいよ」

 誰かが言って、みんながどっと笑った。

それでも、中村塾の卒業生たちは、自分たちが主役となって頑張ってゆこうという気になってくれて、それぞれの立場で、自分の仲間に呼びかけ、支援者の輪を拡げる為に大いに活躍してくれた。

※土日祝日は中村紀雄著「上州の山河と共に」を連載しています。

|

« 上州の山河と共に 第92回 出馬を決意 | トップページ | 上州の山河と共に 第94回出馬を決意 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 上州の山河と共に 第93回 出馬を決意:

« 上州の山河と共に 第92回 出馬を決意 | トップページ | 上州の山河と共に 第94回出馬を決意 »