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2010年9月30日 (木)

人生フル回転「世襲を続ける北朝鮮は21世紀の妖怪。日本海の波高し」

◇北朝鮮では、三男ジョンウン氏が父・金正日総書記の後継者となることが決定的になった。金日成・金正日・ジョンウンと世襲が三代続くことになる。

 軍事優先の国の権力が世襲によって受け継がれていく事は隣国日本にとって最大関心事なのである。なぜなら、それは我が国の安全にとって極めて危険なことだからである。

 世襲制は、民主主義に真っ向から対立する制度である。世界の大勢が民主主義に向かう時、北朝鮮は、ほとんど唯一、この世界の流れに逆らう存在である。18世紀の絶対王制の国が超近代兵器で武装して現代に甦ったようなものだ。私には、21世紀の妖怪のように思える。しかもその背後では、軍事大国にして経済大国になりつつある中国が後押ししているのだから始末が悪い。よほどしたたかな外交力で対応しないと大変なことになる。

 尖閣諸島をめぐる民主党政権の外交は未熟さ故に老練な中国にすっかり舐められてしまった。北朝鮮との間に具体的な問題が生じたとき、どのように対応するのか心配である。

◇北朝鮮の最大の脅威は、軍事優先の独裁国家である事だ。これまでも、権力の危険な独走がいく度も見られた。1983年のラングーン爆弾テロ事件、1987年の大韓航空機爆破事件、最近の硝戒艇攻撃事件などがそれだ。我が国が直接の被害を受けている拉致問題も勿論その中に入る。

 日本は、丸腰だから舐められるとよく言われるがそうではないと思う。それは、毅然とした態度をとれないからだ。政府が弱腰であることの根底には、国民に国を守る気概がないことがある。それには教育にも責任があるというべきだ。

 中国といい、北朝鮮といい、隣国の動きは私たちに国を守ることはどういう事かという重大事を突きつけている。

◇沖縄県・尖閣諸島近辺には緊迫した雰囲気が流れている。赤い中国国旗を掲げた中国監視船に海上保安庁の巡視船が並走している。数隻の巡視船が出動して中国船とにらみ合いの状態らしい。平和ぼけした私たちの目を醒ますような緊迫した光景である。

◇各地の議会で、中国への抗議文や日本政府への意見書を可決する動きが出ている。横浜市議会及び、秋田・香川・和歌山の各県議会などが抗議決議案や意見書を可決した。

 県議会開会日の自民党県議団朝食会に於いても、この議会で、政府に対して意見書を提出すべきだという意見が出た。党幹部も同意見なので、何らかの動きがあるだろう。地方の声を国に届けることには、この際大きな意義がある。国会議員には気迫がうかがえない。(読者に感謝)

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2010年9月29日 (水)

人生フル回転「死の恐怖を支える緩和ケア・重粒子線と共に拠点を作れ」

◇一般質問の2日目は、織田沢、あべ、井田、福重の4人が登壇。あべともよ氏は爽風、福重氏は公明、あとの2人は自民党である。現在、女性議員は、あべさんを含め3人である。

 数多くの質問の中で私が注目したのは、主に次の点である。即ち、「鳥獣被害対策について」、「がん対策について」、「池本副知事就任について」、「県立女子大学について」、「小水力発電による産業振興について」、「電気自動車の普及について」、「群馬県の観光振興について」等である。

 原稿を読まないで、質問者に向かって語りかける議員たち。そこには、自ずと表情や身振りに演技の要素が加わる。すっかり定着した、対面式の一問一答のやりとりの光景である。

 来年4月の県議選を意識した議員の姿には緊張感が漂う。地元の有権者にテレビで生中継されるのだから、自分をピーアールする絶好の機会である。

 この方式は、私が議長を務めた平成17年12月議会で、議会改革の目玉としてスタートした。それ迄の、壇上で作文を読み上げるといった中学生の生徒会のような姿は一変した。この日、当時を振り返る私の胸に熱い感慨が湧いた。

◇あべともよ氏、65分の持ち時間の大部分を「がん対策」に当てた。この項目は、他の議員も取り上げる論点だが、「緩和ケア」と「がんに関する教育について」は、注目する中味があった。

 緩和ケアは、家族も対象として身体精神両面から患者を支えることを目的とする。苦痛と死に対する恐怖を緩和させ、がんと向き合う患者の人間の尊厳を保障しようとするものだ。

 若い頃、妻をがんで亡くした私は、当時はなかった「緩和ケア」の必要性を今、改めて痛感する。健康福祉部長は、本県でも、人材の充実を含め、治療初期からの緩和ケアを一層進めると答えていた。

◇県内で緩和ケア病棟を設けているのは、西群馬、富岡総合、伊勢崎市民の3病院である。

 そして、来年1月から、済生会前橋病院が開設する。ここでは、医師、がん看護専門看護師、薬剤師、臨床心理士ら約20人の専従スタッフがケアに当るといわれる。

 死は人間にとって最大の深刻な課題である。宗教を持たない多くの日本人にとっては、死は何よりの重圧だ。押し潰されて消滅させられるか受け入れるかでは天地の差が出る。

 重粒子線治療の実現で技術の全十塔を建てた群馬県は、がん患者の心を支える治療を充実させることによって、真のがん治療先進県になれる。中学生段階から教室でがんを取り上げることは、「命」を考えさせる上でも重要だ。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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2010年9月28日 (火)

人生フル回転「中国資本の森林買収と尖閣問題。地底からの脱出」

◇一般質問の初日は、1人65分の持ち時間で4人が登壇した。注目した質問項目には次のようなものがあった。「がん対策について」、「外国資本による森林買収について」、「農作業における事故防止対策について」、「急増する高齢自動車運転者を交通事故から守る方策について」、「口蹄疫対策について」、「未婚化の現状と対策について」等である。

 外国資本による森林買収は、最近、北海道の例が報道され注目を集めた。農地と違って森林は法的な規制がないので外国資本に買われてしまうことがあるのだ。北海道の例は、中国資本に買われていたもの。容易に発見できなかったらしい。

 今、尖閣沖衝突問題で中国の正体が明らかになりつつある時、中国資本に日本の森林が買われることは看過できない。北海道で、その事実が発見されたことは、日本中で同様なことがかなり存在する可能性があることを伺わせる。

 理不尽な中国政府のやり方と、いらいらさせる日本の弱腰外交を思い浮かべながら、この問題の質問と答弁に耳を傾けた。環境森林部長は、外国資本による森林買収の有無を調査中だと答えた。全国の自治体は早急に調査し、国は、それを基に、法的整備を行うべきである。

◇「未婚化」は、少子化対策の一環として取り上げられたものだが、50歳にして結婚しない人の割合は、かつて2%だったのに、現在は16%であると聞いて衝撃を受けた。

◇がん対策に関するやりとりを聞きながら、今や、がんは全ての国民にとって他人事でない存在になったと感じた。2人に1人が罹る病で、高齢になる程罹患率が高くなるとなれば、自分は大丈夫と誰もがいえようか。

 一方でがんを克服する技術や薬も進んでいて、それを活かすには早期発見、早期治療が何より重要で、そのためには、検診率を上げることが急務であることが議場で語られた。

◇チリ鉱山の地底の人々はどうなっているだろう。閉じこめられてから50日位になる筈だ。人間の心理は、特殊な状況下でどこまで耐えられるのか。地底の人々には悪いが、壮大な稀に見る実験例となる。

 人間がいかに精神的存在であるかが試される出来事である。カトリックの国だから、キリストが心のひとつの支えになっているに違いない。妻や子や愛する人や、地底の仲間の助けあいも心の支えになっているだろう。

 ナチスの強制収容所で餓死の刑に処せられ信仰の力で生き抜いたマキシミリアンコルベ神父の話が思い出される。地底では、時はどのように流れているのか、地底からの脱出はいつか。(読者に感謝)

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2010年9月27日 (月)

人生フル回転「日本の弱腰外交は世界の笑い物。孔子祭へメッセージ」

◇最近、「日本はなめられている」と怒りをこめた友人の電話があった。中国漁船衝突に関する日本の弱腰外交のことだ。同感である。中国政府の行動は、中国とはこのような国であったかという事を見せつけている。日本の領海内での中国漁船による公務執行妨害なのである。それ以上に納得出来ないことは、日本が毅然とした態度を示せなかった事だ。早々と船長を釈放した事は不当な圧力に屈した国辱ものと受けとられている。

◇民主党政権は、「粛々と国内法に従って進めている」といっているが果たしてそうか。この事件に関する国内法の最大のポイントは司法権の独立である。

 那覇地検は独自の判断で釈放を決定したというがそうは思えない。政府の介入があったとすれば司法権の独立が侵されたことになる。政府の働きかけで起訴、不起訴が動くとすれば政府の都合で国民は法廷に立たされることになり司法は信頼できなくなる。司法の信頼を守るために司法権の独立はある。民主主義の根幹である。

 明治24年に大津事件というのがあった。日本訪問中のロシアの皇太子を巡査が襲って負傷させたのである。ロシアの報復をおそれた政府は死刑に処するよう司法に圧力をかけたが、大審院長児島惟謙はこれを拒否した。司法権の独立を守った例として教科書にも書かれている。

◇各国のメディアも厳しい目で日本の弱腰を批判している。サムライの国はどこにいったと、日本は世界の物笑いになっているのだ。

 例えば、ウォールストリートジャーナルは「日本の屈服は早すぎた。民主党は統治能力がない」、ニューヨークタイムズは、「屈辱的な日本の譲歩」、韓国のメディアは、「日本が白旗をかかげた」等と報じている。

◇戦争を放棄した平和国家日本が試練に見舞われている。軍事大国中国の圧力に屈することなく、平和的駆け引きで堂々と対応することこそ、サムライ日本ではないか。民主党政権がいかに弁明しようとも、日本の譲歩は早すぎたと思わざるを得ない。

◇今回の日本の行動は、世界の信頼を大きく失墜させるものであるが、その点は、中国の思い上がった行動についてもいえる。中国は遅れた野蛮な国だという事を世界に示してしまった。振り上げた拳をどのように下ろすのか見物だ。

◇このような時、中国との民間の文化交流は重要である。私たち日中議連は、昨年11月中国山東省曲阜を訪ね、「宥座の器」を孔子研究院に贈呈した。

 今年9月の孔子祭には是非参加すると約束していたが、9月議会と重なって不可能となった。私は日中議連の会長として、孔子を通した日中の文化交流の重要性を訴えるメッセージを送った。(読者に感謝)

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2010年9月26日 (日)

第五章 地獄の満州

③各地の惨状。-井戸は女の死体で埋まったー

この兵士は、これまでも、何か障碍(しょうがい)に当ると子供を殺せと迫った。兵士の鬼のような形相と、次第に大きくなる戦車の音に急き立てられて、子供の首を絞める女もいた。

三人の子供を抱えた女は、兵士の目を掠めるようにして一団から離れていった。女と子供が仲間から離れることは、即、ソ連兵の餌食になるか、又は死を意味していた。彼女も、そのことは長い逃避行の体験でよく承知していた。しかし、今度は、兵士に子供の助命を嘆願する気になれなかった。死ぬなら親子一緒という気持と共に、もうどうなってもよいというあきらめがあった。そして、兵士が憎かった。

山中で、日本兵に出会ったときは、地獄に仏とはまさにこのことかと思われ、嬉しかった。しかし、行動を共にするうちに、兵士は、とかく子供を邪魔にするようになった。敵に見つかる。進むのが遅れると口癖のように兵士は言った。そして、中国人を見つけるとすぐに殺した。

女は、これが橋を壊していち早く逃げた関東軍なのだと思った。また、うまいこと欺して自分たちを満州に送りこんだ日本国の正体がこの兵士に現われていると思えてならなかった。

親子は、一団からすっかり離れ、トウモロコシの芯をかじりながら歩き続けた。そして、夕暮頃、はるか前方に中国人の農家を見つけた。親子は、もうほとんど倒れ込むよう戸口に辿り着いた。

 

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2010年9月25日 (土)

第五章 地獄の満州

③各地の惨状。-井戸は女の死体で埋まったー

ある日、逃避行を続けるこの人たちの所へも、ついに女を求めるソ連兵が現れたのだ。その端麗な容姿の故か、この娘は真っ先に目を付けられ、変装は見破られ、他の2、3の女と共に連れ去られ、二度と帰って来なかったという。

松井かずは、逃避行の中で子供を殺した人、あるいは、子供を放置した人のことをよく耳にした。こういう人たちは、飢えや病気に苦しみながら進む道すがら、仲間がばたばたと倒れて死んでゆく様や、行く先々で同じような避難民の死体が至る所に転がっているのを見て、自分もやがてはこうなるのだという思いが意識の底にあって、子供の首を絞める手にゴーサインを下すことができたのかもしれない。

特殊な極限状態に置かれて、正しい判断を下せなかった人も多かったであろう。子供を殺すことに比べたら、殺そうかどうしようかと迷いながらも、何とかその場を抜け出して中国人に子供を預けられた人などは、その親にとっても、子供にとっても、幸運というべきである。いろいろな偶然の重なりや運命のいたずらによって、多くの人生と死、幸と不幸が分けられた。

松井かずが聞いた話の中には、子供を殺さずに共に逃げて、中国人の妻となった人がいる。このような例は、当時、無数にあったのだ。

奥地から方正(ほっせい)県を目指して逃げる一団の中に、三人の幼い子供を抱えた女がいた。一人は背負い、二人は手を引いて、もう1ヶ月も歩き続けていた。この一行、途中で出会った一人の日本兵と共に行動していた。ある時、ソ連軍が迫ったとの情報と共に、戦車の音が聞こえた。

「子供が泣くと敵に知られる。それに足手まといだから殺せ」兵士は怒鳴った。

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2010年9月24日 (金)

人生フル回転「検事の改ざん疑惑の恐怖。代理母産業」

◇検事が証拠資料を改ざんしたことが事実とすれば実に大変なことだ。この事件は、検察に対する不信、そして、司法全体に対するぬぐい難い不信を生み、正義を守る砦が音をたてて崩れる端結になってしまう。私たち市民にも身近かな歴史的大事件なので、再度、このブログに記したいと思う。

 これまでも、警察や検察が被疑者に有利な証拠を隠すとか出さないとかという話は聞いていた。そういう事が冤罪につながるとすれば大変だと思いつつも、国家権力が故意に冤罪の原因をつくるとは信じられなかった。ほとんどの国民が同じ思いに違いない。

 戦前の思想犯を取り締まった特高警察なら、証拠のデッチあげなどは日常茶飯事だったろう。小林多喜二は、特攻の拷問で虐殺された。残忍極まる殺し方で死体は全く正視できない状態だった。老母は多喜二の屍に抱きすがって「ああっ、いたましい、いたましい、よくも人の大事な息子を、こんなになぶり殺しにできたもんだ、おおっ、兄ちゃ、どこがせつなかった?どこがせつなかった?」と、体中の傷あとをなでさすりながら声をあげて泣いた。

 これは個人よりも国家を重視する全体主義の下で起きたもの。もとより、今回の事件とは全く異質であるが、国家権力の濫用として共通なものがある。現代は、個人の人権を最大限に尊重する民主憲法の基盤の上にある。国家権力が故意に冤罪の原因をつくることは本来有り得ないことだ。逮捕された主任検事は、長年の慣れで人権感覚が麻痺していたのではないか。そして、これは、この主任検事1人の問題ではなく、検察が抱える構造的な問題だと思われる。最高裁が異例の早さで行動を起こしたのは、自らの問題として「はっ」と気付くところがあったからに違いない。対応をあやまれば、国家を支える正義が崩れ去る。正に日本の危機だ。

◇車で放送大学を聞いていたら「代理母産業」というショッキングな話をしていた。子宮を貸して他人のため赤ちゃんを産むビジネスである。インドでは政府も支援していて、海外からの客にメディカルビザを出す。民間ではこの目的の客を対象にメディカルツアーを行っているとのことだ。女性が得る報酬では平均的な家庭で四年間生活できるといわれる。

 代理母を望む女性は貧困で疲れた人々である。近代化への飛躍がめざましいインドでこのような事が広く行われていることに驚く。「命」を創ることをビジネスにしてよいのか。依頼した夫婦は真の愛情を注げるのか。障害の子が生まれ引き取りを拒否した例があるという。子の命をもて遊んでいることだ。(読者に感謝)

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2010年9月23日 (木)

第五章 地獄の満州

③各地の惨状。-井戸は女の死体で埋まったー

 満州の奥地から逃げ出した人々は、南へ南へと向かい、目指す所はチチハルやハルビンや牡丹江などの都市であった。そこで汽車に乗り、海へ出て、故国日本に帰ることを夢見ていた。彼らの行く手を妨げ、苦しめるものは、雨や酷暑や病気、それに暴民の襲撃など実に様々であったが、中でも女たちが恐れたものはソ連兵の暴行であった。松井かずの身近かで起きたような事件が、至る所で繰り広げられていたのである。

 ソ連国境に近いある開拓村では、女たちは、ソ連兵が襲撃してきたらどのように死のうかと、そのことばかり話していた。そして、避難行の途中でソ連兵に追い詰められたとき、女たちは皆井戸に身を投じ、井戸は女たちの死体でいっぱいになったという。

 情報の乏しい避難途中の人々にも、このようなソ連兵の目にあまる暴行の話が次々と伝わっていた。怯えた女たちは、髪を切り、顔に泥を塗り、胸のふくらみはぴったりと布を巻いて押しつけ男に変装して逃れようとしたが、飢えた野獣の嗅覚を欺くことは至難のことであった。

 ソ連兵は汚い女は嫌がるという噂を聞いたある娘は、幾日も顔を洗わず、衣服の汚れも落とさず、そして、衣服の縫い目や髪の中に蠢く虱を取ろうとしなかった。肌を這うソ連兵の手を創造すると、この白い小動物は、自分の身を守ってくれる可憐な生き物とすら思えるのだった。

 しかし、娘の願いは無惨にも踏みにじられた。

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2010年9月22日 (水)

人生フル回転「暴力団排除条例議会に。出会い系喫茶。検事の犯罪」

9月議会が始まった(21日)。知事は「提案説明」で、補正予算については、特に厳しい環境にある雇用対策、景気回復、子育て支援などに緊急に対応することを基本として編成したいと述べた。また、事件議案については、暴力団排除条例をこの議会で制定しようとしていることを述べた。

◇「暴力団排除条例」の先例は福岡県が作ったものである。福岡県は市民に銃口を向ける指定暴力団・工藤会対策を主眼として、全国に先がけて、昨年10月13日、この条例を成立させた。

 その直後、私が属する文教警察常任委員会は、福岡県警を視察し、この条例の意義を実感した。私は、以後、議会で、本県もこの条例を作るべきだと主張した。

 そして、本年2月の定例会では、「群馬県では暴力団に対する県民の危機意識が薄い。

しかし、福岡県のようになってからでは遅い。三俣事件を忘れたのかといいたい」と述べ、再度、同条例の制定を主張した。

 これに対して、県警は、調査し、本県の実態に促した暴力団排除条例を作りたいと答えた。やっと、この議会で、条例成立の運びとなった。

 条例の主要な点として、暴力団に利益を供与することを禁じている点がある。いわゆるみかじめ料・用心棒代を払うことが違法とされることにより、要求される市民は断ることが容易になるのである。

 なお、学校周辺など一定地域に暴力団事務所を設けることが禁止され、違反者は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される。

◇もう一つ、今議会では注目すべき条例づくり(改正)がなされる。群馬県風営法施行条例の一部を改正する条例である。内容は、出会い系喫茶の営業地域を規制しようとするもの。

 出会い系喫茶の定義を次のように定める。「店舗を設けて、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際(会話を含む)を希望する者に対し、店舗内においてその者が異性の姿態等を見てした面会の申し込みを当該異性に取り次ぐ又は面会する機会を提供することにより異性を紹介する営業」県内にはまだ実態はないといわれる。

◇検事が証拠をでっちあげたことが判明して逮捕されるという衝撃的な事件が起きた。検事が自ら泥棒して逮捕されることと比較にならぬほど悪質である。検事が有罪の証拠を作ってしまうからだ。村木元局長だから耐え抜くことが出来たといえる。普通の弱い人なら検事の証拠にすぐまいってしまったろう。冤罪はこのようにして作られるのか。ぞっとする。(読者に感謝)

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2010年9月21日 (火)

人生フル回転「白根開善学校の危機。質問者なしの村議会とは」

◇白根開善学校の理事会に出た(18日)。会場は高崎の駅ビルである。創立の歴史は、厳しい自然環境、資金難、スタート直後の入学金返還訴訟等を振り返れば正に一大ドラマだった。

 この学校の特色を現す行事として恒例の百キロ競歩がある。24時間かけて行程を歩き通す姿は苦難の人生に似ている。私は、息子と共に参加して、限界に挑む苦しさと充実感を味わった。拙著・「遙かなる白根」に詳しく書いた。

 創立者・本吉修二氏の教育に寄せる夢と情熱と執念でスタートした開善学校は、今、本吉氏の病状と共に危機にある。

 私は、理事会で敢えて発言した。「この学校の存在意義は、むしろ大きくなっている最大の課題は学力を伸ばせないことだ」と。数年前、山の学校へ登って、講演したことがあるがその時、多くの生徒は床に寝そべっていた。授業の光景がうかがえる気がした。この学校は進学校ではない。知識の量ではなく、その質が問題なのだ。学力の本質を生きる力に求める時、これ程条件に恵まれた環境はない。「山の学校の体験がなければ今日の自分はない」と胸を張る立派な卒業生が多いことも知っている。全ての卒業生に、白根で学んだ誇りを持たせたいというのが私の発言の狙いだった。

 来年1月23日に予定されている父母会・後援会共催の「開善セミナー」では、私が講演することになっている。県議選の直前で極めて忙しい時であるが引き受けることにした。本吉氏の松明(たいまつ)を力を合わせて守り抜くことを訴えたいと思う。

◇「地方議会はこれでよいのか、情けないことだ」南牧村村議会で、3定例会連続で一般質問する議員がいないという報道に接し、私は、こう思った。

 議長は、「各委員会でしっかり話し合っている証拠。演技的に質問する必要はない」と説明したといわれる。

 この発言には、基本的な2つの論点が含まれている。まず、第一は、委員会と本会議は異なる役割をもつから、「委員会でしっかり話し合う」のは当然であり、本会議の質問が不要ということにはならない。本会議は委員会と異なり有権者に対して開かれた場所である。議会の質問によって有権者は政治に対する判断材料を得る。質問は民主主義を支える柱なのだ。

 第二は、演技的に質問する必要はないという点。「演技的でなく真剣にやれ」と、中学生でも直ちに反論するに違いない。地方の時代の議会の役割を真剣に考えねばならない。(読者に感謝)

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2010年9月20日 (月)

第五章 地獄の満州

③各地の惨状。-井戸は女の死体で埋まったー

「かあちゃん」

後ろでかすかな声が聞こえた。

「振り向いてはだめ」

腕をかかえている一人の女が言った。

誰かが、子供の口に薬を注ぎ込んだ。子供は、ひくひくとけいれんし、直ぐに泥の中に顔を埋めて倒れた。振り返った女の目に、この光景が飛び込んだ。

「わあー。かあちゃんも、後から直ぐ行くからねー」

泣き叫ぶ女の声を打ち消すように、ひときわ大きな雷鳴が轟いた。

 人々の行く手には、大きな川が待ち受けていた。あるべき筈の橋は爆破されて、崩れ落ちた橋の残骸を黒い濁流が洗っている。人々は浅い所を選び、胸まで水につかりながら、流されないようにお互いに手をしっかり握りしめて水の中を歩く。川底には、石があり、穴があり、深い所もあった。鎖になって進む前の人がすっと見えなくなる。はっと立ち止まると、次の瞬間、数メートルの先の急流を叫びながら流されてゆく姿が見える。手の鎖にひっかかるように、上流から死体が流れてゆく。淀に漂っている兵隊の死体もある。子供の手を放してしまって半狂乱になっている女、水を飲み、もがき苦しんでいる人。川は何かに怒っているように流れている。一団が川を渡り終えたとき、三分の一ほどの人が姿を消していたという。

 2ケ月ちかくも雨が降り続き、それが止むと今度は、うだるような暑さがやってくる。毎日、大陸性の強い日射しに照らされて、先日までのぬかるみは干上がって固まり、人の足跡やわだちや自然の凹凸は素焼きの焼物のようにかちかちになっていた。その上を裸足で歩くことは大変な苦行で、足から血を流す者も見られた。

※土・日・祝日は中村著「炎の山河」を連載しています。

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2010年9月19日 (日)

第五章 地獄の満州

③各地の惨状。-井戸は女の死体で埋まったー

道には、至る所、死体があった。草の中にうつぶせた死体、首を絞めた布が首に巻きついたままの子供の死体、目を開き口から泡を出した死体等、様々な死体がどこまでいっても尽きることなくあった。人々は、死体をみてももはや驚かなかった。人々の目には、それらは単なる物体と映った。

背中に子供を背負い、もう一人の小さな子を引きずるようにして歩いていた女が、リーダーの袖をつかんで言った。

「少し待って下さい。お願いです。子供がもう歩けないんです。熱が出て具合が悪いんです」

「だめだ、1人の子供のために、みんなを犠牲にできない。子供を置いてゆくか、それができなければ始末しろ」

血走った目を向けて、リーダーは怒鳴った。女はなおも哀願するが、リーダーは耳を貸そうとしない。女は、石のように動かない子供を抱いて道端に座りこんでしまった。

「こんな所に止まったらソ連兵に連れてゆかれる。ソ連兵が近づいているのよ。歩ける者だけが行くのよ。しょうがないでしょ」

仲間の女がヒステリックに怒鳴った。その時、また、キュルキュルと戦車の音が近づき、そして遠ざかって言った。

「何をしている。お前の子供のために、みんなを犠牲にするのか」

リーダーは、もう我慢ならぬとばかり血相をかえて叫んだ。リーダーの目に促されるように、そばにいた2人の女は、両側からうずくまる女の腕をとって早く早くとせきたてた。もう、子供はすがりつく力もなく、空ろな目を母に向けている。

※土・日・祝日は中村著「炎の山河」を連載しています。

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2010年9月18日 (土)

③各地の惨状。-井戸は女の死体で埋まったー

 ある開拓団は、全員18名。1人の若い教師の他は全て女と子供であったが、まわりを数百人の中国農民に囲まれて、包囲網がちぢまる中で人々はパニックに陥った。1人の子供が急に泣き出すと、連鎖反応のように他の子供も泣き出す。子供たちの泣き声と外の暴民の奇声とは、女たちから理性と平静さを奪った。ある女は、髪を振り乱し、泣き叫ぶ子供を抱え、井戸に手をかけてのぞき込み、今にも飛び込もうとしている。また、ある女は、何かを叫びながら子供の首に手をかけている。狂乱の中を血走った目で走り回っていた教師は、どこからか日本刀を持ち出してきた。彼は、既に逆上していた。阿修羅のような形相で女、子供を刺し殺し、赤い血の海の中で最後に自分ののどを刺して自決した。

 また、ある開拓団では、人々は、わずかの必需品を持って避難を始めたときに暴徒に襲われた。暴徒は逃げ惑う開拓民を殴り、荷物を奪い、人々の衣服を剥いだ。手を合わせ哀願する女にも彼らは容赦しなかった。女の下着の最後の一枚まで剥ぎ取る彼らの行動は、単に困窮から物を盗る賊の範囲を超えていた。女たちは、恐怖のあまり、トウモロコシ畑に入りただうずくまるだけであった。

 次の話は、ソ連との国境に近いある開拓団の人々の姿である。

 満州の夏は、毎年よく雨が降る。敗戦の夏もよく雨が降った。黒龍江省松花江沿いの一帯は、二ヵ月近くも雨が続き、本流も多数の支流も増水していた。奥地の開拓村から逃れてきた人々は、この辺りの膝までつかる泥の中をいく日も歩き続けていた。平原の上を厚くおおった黒い雲の中を閃光が走り、雷鳴が轟く。人々が身を伏せる所からほど近い丘の上をソ連の戦車の音が近づく。その時、またひときわ大きな閃光が走り、黒い戦車の姿が大きく空間に浮き出た。それをやり過ごして人々は、また無気力に足を引きずるように歩き出した。

※土・日・祝日は中村著「炎の山河」を連載しています。

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2010年9月17日 (金)

人生フル回転「農業の大きな可能性。映画・眼下の敵と地底の人々」

◇赤城南麓の農業を語り合う有意義な会が私の呼びかけで開かれた(16日)。閉塞感がおおう日本で、農業こそ最も大きな可能性を秘めた分野であると思った。

 生産農家の農産物を都会の消費者につなげることに成功し時代の脚光を浴びている事業家、元県農政の幹部、有機肥料の生産者、ブランド農産物の工夫に情熱を燃やす人、中央省庁の政策を呼びこんで地域農業の活性化を図ろうとするコンサルタントなどメンバーは多彩だった。

 関東平野の北部は農業の最適地なのだ。主都圏の大消費地に近いからである。消費者が求めるものは、農産物の質であり、質をきめるものは、安全、味、鮮度であると、皆の認識は一致した。

 社会が必要とする産業は必ず伸びる。人の健康と命を支える食料生産ほど社会にとって必要なものはない。力を合わせれば耕作放棄地を甦らせることは可能だ。時々この会議を開こうということになった。

◇辛く苦しい事がある度に、チリの地底に閉じ込められた人々と比べたら自分は何と幸せかと思う。

 昔、「眼下の敵」という映画を見た。ナチスドイツの潜水艦・Uボートとアメリカの軍艦との闘いである。爆雷攻撃で深い海底に閉じ込められた潜水艦の中は極度の緊張感が支配し、狭い空間の死の恐怖は人々を押し潰そうとしていた。発狂寸前の若い兵士がいた。クルトユルゲンス演ずるUボートの艦長は全員で国歌を歌う。この優れた指導者の下で海底の潜水艦の兵士たちは勇気をふるい起こし心を一つにして闘い抜く。ロバートミッチャム演ずる米軍艦長はUボートから最後に助け出される眼下の敵・クルトユルゲンスを挙手の礼で迎えた。あの最後のシーンは感動的だった。

 私はこの映画を、チリの落盤事故と重ねる。地底の人々は潜水艦の兵士と似た境遇にある。地底にも優れた指導者がいるといわれる。人々は国歌を歌って励ましあっている。

◇地底の33人の貴重な経験を活かしたいという動きがある。ぜひ我が社で働いて欲しいという申し出が多く寄せられているという。ある鉱山会社は「危険防止専門家」というポストを用意した。

 世界の励ましの声も届く。ギリシャの鉱山会社と航空会社は、「地底での長い疲れを太陽とエーゲ海で癒して欲しい」と33人に一週間滞在の招待状を出した。

 天変地異も地球の地殻活動も、しばし休止して欲しいと祈る。チリは世界でも有数な地震国なのだ。わずかな地震でも地底の人をパニックに陥れるだろう。神の御加護を。(読者に感謝)。

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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2010年9月16日 (木)

人生フル回転「押尾に6年。18年の求刑に20年の懲役。地底の人と地震」

◇裁判員制度がスタートして一年が経ち、順調であると言われている。それは、比較的無難な事件を対象としてきたことにもよるだろう。しかし、死刑が問われる事件に裁判員は冷静に向き合えるのかという事は、最初からこの制度につきまとう難題であるし、死刑以外でも難しい社会的背景のもとに裁判員を悩ますケースはいくらでも現れるのではないかと私は思った。

 合成麻薬MDMAを飲んでセックスをし、死亡した相手を放置したとして罪に問われている押尾被告に検察側は懲役6年を求刑した。

 検察側と弁護側は保護責任の発生をめぐり対立している。新聞、テレビ、週刊誌は、いやという程取り上げてきた。裁判員の頭には裁判員になる前に既にそれらメディアから得た情報がいっぱい入っているだろう。

 しかし、本来、裁判員は、法廷に出された資料に基づいて有罪無罪及び量刑を判断しなければならない。かなり難しいことだ。

 著名人が被告となった初の裁判員裁判で、裁判員たちが、どのように判断するか注目されている。判決は17日午後だ。裁判員の現在の心境はいかがであろうか。

◇もう一つ、注目される裁判員裁判の判決が14日、横浜地裁で言い渡された。模型店の主人を殺した被告に、検察側は懲役18年を求刑したのに対し、判決は20年を言い渡した。

 検事の求刑を上回る判決は通常珍しい事だ。残忍な殺し方が、裁判員の感覚を刺激したに違いない。

 検事が求刑したものを基準にしてそれを何割か値引きして判決を下すというのが従来のパターンであった。これは、検事側に主導権を認め、それに引きずられる硬直した刑事裁判の構図とも思えた。その意味では、求刑を上回る判決を下したことは裁判所が自主性を示したことであり、裁判員裁判が市民の新鮮な感覚を活かしたと評価できるのではないか。

◇チリの地底に閉じ込められた人々に世界の目が集まっている。高温多湿の地底の空間を想像するだけでも恐ろしい。「うつ」の人も出ていると聞く。

 現在世界各地で天変地異が頻発している。チリは有名な地震国である。過去には巨大地震が何回も起き巨大津波は日本にまで及んだ。

 最近のチリ巨大地震は今年2月27日に起きた。私は、地底の人々が救出される迄、地震が起きないことを祈る。地震の揺れと轟音に人々はパニックを起こし発狂するだろう。

 地上の妻が女児を出産し、その名はエスペランサ(希望)だという。08年5月の中国四川大地震の時、地震の中で生まれた赤ちゃんに“震生”と名付けられたことが思いだされた。(読者に感謝)

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2010年9月15日 (水)

人生フル回転「村木元局長は語る・改めて検事とは」

◇逮捕とは、拘留とは、検事の取調べとは、このようなものか。村木元厚労省局長への週刊誌のインタビューから、権力にからめ捕らえた被疑者の実態がかいま見える。自分だったらという思いで読んだ。

 村木元局長は、実体のない障害者団体のために偽の証明書を発行したとされて逮捕された。

 「拘置所の車に乗ったとき初めて手錠をかけられ腰縄をきゅっとしめられた、手錠をかけられた右手首が我慢できないくらい痛くてかけ直してもらう。不自然な格好でかけられたから痛いので、お縄をちょうだいする姿勢で手を差し出すと痛くないんですよ」「移送の時、マスコミがたくさん来ているが顔を隠すためのマスクを使うかときかれ、平気な顔をして出て行こうと決めました」。このようなことが淡々と語られていく。

 また、検察はストーリーを作って、こうだろうとサインを求めるという。村木氏はサインを否定したが、サインしてしまうと大変なことになる事が生々しく示される。

 現に共犯者とされた関係者は、村木氏が事件に関与したことを認める供述調書にサインしてしまった。当時、村木氏の上司だった人は、「国会議員の先生から頼まれて村木へ指示した」また、部下だった人は、「村木さんから指示を受けた」と。

 これらの人は、その後、供述調書の内容を否定するのだが、これらの事実は、検事にくりかえし求められて、多くの人が事実と違ってもサインしてしまう事を示している。意志の弱い人はなおさらだ。冤罪は、このようにしてつくられるということを感じた。

◇村木氏は、突然の逮捕から5ヶ月以上拘留された。よく耐えたと思う。この間、150冊以上の本を読んだと語る点は、暗い拘留生活の中の救いだと思った。私も同じ境遇に置かれたら本を読むに違いない。

◇テルサの会場で「NPOの社会的役割」と題した講演をした(14日)。1万5千円の謝礼は臨時の収入であった。

「1995年、平成7年の阪神大震災が今日の私の話のスタートです」と切り出した。1年間にのべ130万人の人々が救援活動に参加した。驚くべきボランティア活動のエネルギーであった。これは、ボランティアの動きを法的に支えるNPO法案が生まれるきっかけとなった。

 主に、NPOと行政、NPOと企業などについて話した。話を聴く人々は「NPO」で活動したい人なので、行政とのかかわり方、行政から情報を引き出す方法などを説明した。県庁は敷居が高いと発言する人がいたので、県庁の真の主人は皆さんだから先ず来庁するようにと話した。(読者に感謝)

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2010年9月14日 (火)

・人生フル回転「銀行の破綻とペイオフ。村木元局長と冤罪の恐怖」

◇日本振興銀行が破綻し、初めて「ペイオフ」が適用された。預金者1人につき元本1千万円までとその利息分が保護される。預金者は計12万6779人で、1千万円を超える預金者は3423人とのことだ。

 ある高額預金者は、振興銀の前会長が逮捕されたとき解約を申し入れたが、銀行から満期まで解約は待って欲しいと説得された。あの時解約しておけば全額戻ったはずだったと悔しがっている。この事件は、銀行と預金に関する知識の必要性を改めて教えている。銀行に預けておけば心配ないという時代は過去のものになったのだ。自己防衛の備えが必要である。

◇村木元局長無罪の大阪地裁の判決は、検察に対する国民の信頼を失わせるものだと思う。まだ、最終決着がついたわけではないが、村木元局長の姿、態度を注視していた人は、この人が、言われているような犯罪行為を本当に行ったのかと不審に思った筈だ。正義を実現することを使命とする検察は、そんなにもずさんなものなのかと思ってしまう。

 「凛の会」は郵便代が格安になる優遇制度を悪用しようとした。150円ほどかかるものが8円になるという。身障者などの弱者を保護する制度である。

 この格安郵便適用のための証明書を部下に指示して不正に作らせたとして村木厚子氏は、虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で逮捕された。

 法廷で村木氏は、国家公務員という職に誇りをもってきたこと、国会議員の依頼を受ければ法に反することも引き受けるなどということはありませんと、きっぱり答えていた。

 次々に明らかにされる検察による調書作成の過程は、冤罪はこのようにして作られるのかと思わせる。村木氏の指示で文章を作ったとされる元部下の上村被告は、「全部自分1人でやった。村木さんとのやりとりは検察官のでっち上げ。調書は作文です」と涙ながらに証言した。この場面を傍聴した村木氏の次女は、「ママ、わたしもう上村さんに怒ってないよ」と言った。ずい分怨んでいたことがわかる。

 東大卒だらけのキャリア組の中で、地方の国立大出身ながら局長にまで出世した女性エリート官僚である。清楚で真面目なイメージであった。

 この裁判は、裁判員裁判制度にも重要な影響を与えるものだ。司法に関して素人な一般市民は、検察が作った調書をチェックする力を持たない。この点は、警察段階の調書でも同じことだ。

 裁判員制度と共に導入された公判前整理手続きを十分に活かすことが重要だ。市民の前に重要かつ困難な課題が立ちはだかっている。(読者に感謝)

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2010年9月13日 (月)

「酒鬼薔薇聖斗の心の闇。敬老会の季節」

◇敬老会の季節になった。本県の百歳以上は715人ですと発言したら、実際に生きているのかと、会場から声が上がった。この声を受けて、私は、現在、所在不明の高齢者が増加している現実は、地域社会の敬老精神がないことの現れですと述べた。高齢者の知恵と体験を活かせる社会こそ敬老の基盤である。

◇最近、「少年A、酒鬼薔薇聖斗」の近況を伝える記事に接した。13年経つが、さすがに忘れた人は少ないだろう。それほど衝撃的な猟奇事件だった。平成9年6月のことであった。

 当時14歳だった少年Aも28歳になった。時々週刊誌で社会で働くAを追う記事を見かけるが、まだ、そっとしておくべきだと私は思う。

 関東医療少年院で7年半の矯正教育を受け平成16年3月仮退院。社会に出て6年余になる。仕事を続け、毎月、被害者の遺族に賠償金を送金している。Aにはサポーターがいて、秘密が保持され、職場でもAのことは知らないのではないかと思う。

 当時12歳の土師淳君の頭部を切断し中学の正門に置き、「僕は殺しが愉しくてたまらない」などと記した文章が新聞社に送られた。誰もが少年の仕業とは思わなかった。

 犯人が逮捕され名門中学の少年と分かり、社会は更に大きな衝撃を受けた。当時、検事調書なるものを読んだ私は、小説よりも奇なる生々しい事実に息を呑んだ。押収された資料から少年の文章力が並々ならぬ事も分かり、将来社会に出ることがあれば、この少年はどんな生き方をするのかと、私は興味を持った。

 素質的には優秀な頭脳を持っているようだ。事件当時からAは美術が得意だった。そこで医療少年院ではAの矯正にその特質を利用したらしい。

 当時の院長が語るところによれば、少年院にやってきた当時のAには、殺気ともいえる凄まじいエネルギーがあり、Aはそれをぶつけるように独房でもくもくと粘土細工に打ち込んだという。そして、当時の作品はどれも強烈で非凡、美術として価値があり、中には、ムンクの「叫び」より迫力があるものもあったと、元院長は振り返る。Aの心には、測り知れない狂気が渦巻いていたのだろう。

 Aの治療には特別の医療チームが当たり、Aを「赤ちゃん」から育て直すという徹底した取り組みがなされた。その成果によりAは普通の人間になって社会に出た。

 いずれAが社会の表面に姿を現わす日が来るであろう。その時、再び衝撃波が社会に走り、それは、今度は、彼の身に集中的にはね返る。彼はそれをどのように受け止めるか。彼は普通の人間が環境によって悪魔にもなるという実例である。(読者に感謝)

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2010年9月12日 (日)

第五章 地獄の満州

 この娘は、そのうち、おかしくもないのに、ヘラヘラと笑うようになり、撫順に着くころには、明らかにおかしくなっていた。娘は狂女になり、病を得て撫順で死んだ。

 戦争にこのような婦女に対する暴行は付きものと言われるが、一律に論ずることはできない。兵士の属する国の文化の程度やその戦いの目的や性格などによって、兵士の行動に大きな違いが生ずるのであろう。この頃、中国では、毛沢東の下で社会主義の国をつくろうという理想をもって戦っていた八路軍があったが、八路軍の規律は厳格で、婦女に対する暴行は一切なかったという。満州に侵攻してきたソ連の兵士の多くは、刑務所の囚人であったという。彼らに対し、スターリンは、日露戦争の仇を討てと号令したとも聞く。いろいろな悪い条件が重なって、満州の曠野を逃れる婦人たちの悲劇を大きくしていった。

 この頃、日本内地では、進駐軍によって婦女子がどんな被害を受けるかが大変心配されていた。ちなみに、群馬県史によれば、県から各市町村に対し、「進駐軍に対する県民へのご注意」が配布され、それには、「進駐地婦女子心得」として、次のように書かれていた。「服装は何時も正しく且つ地味なものを用い、薄着とか肌を見せる様な恰格はしないこと。特に、事故の未然防止はモンペ着用に限ることを忘れぬこと」と。心配されたような混乱は、おおむね起きなかったのである。

 松井かずたちは、この通北に45日間とどまった後、ハルビンに向かった。この頃になると、彼女たちの耳に各地からの情報が次々に伝わってきた。それは、どれもが常識では考えられないことばかりだった。その幾つかをここで取り上げたいと思う。

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2010年9月11日 (土)

②ソ連の参戦。-野獣のソ連兵―

女たちは、とっさに、かねて用意した所に身を隠した。女を求めあちこちと捜し廻ったソ連兵は、やがて大きな腹を抱えた女に目をつけた。この人は、産み月が近く、夫も、このような女がソ連兵の目に止まるとは想像もしていなかったのである。恐ろしいことが始まった。ソ連兵は、そこらにいた2人の中国人に命令して、女を近くの草むらに運ばせた。避難所の人々はどうすることもできなかった。自分たちの仲間が、気持ちの悪い大蛇に呑まれようとしている。それなのに、石を投げることもできない。酔ったソ連兵は、やがて立ち上がり、ふらつく足で去って行った。草むらは、惨劇の場を包んで静かだった。しばらくして、身動きできぬ女を助け起こし、泣きながら避難所に運ぶ夫の姿が見られた。

 松井かずは、事態の容易ならざることを改めて知った。この逃避行には、飢えや中国人の襲撃よりもっともっと恐ろしい危険が立ちはだかっていることを、この時知ったのであった。

ソ連軍は、頻繁に現れるようになった。ある時、逃げ遅れた若い娘が犠牲になった。娘は、ジャガイモをゆでる調理場の隣りの部屋に連れ込まれた。ソ連兵は2人で、1人は機関銃を持って戸口に立っている。ギャーという悲鳴が聞こえた。その声は息を殺して床下に隠れている松井かずの所にも届いた。

時間がたって、松井かずたちが娘を連れに行って、慰めようとしていろいろ話しかけるが、娘は口を閉ざして答えようとしない。

「私は、もう、みなさんと違うから」

しばらくして娘はぽつんとこう言って、また、石のように口を閉ざした。

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2010年9月10日 (金)

人生フル回転「小沢と菅の対決。宰相不幸社会。耐性菌と行政」

◇小沢と菅の対決がデッドヒートを演じている。OKの対決を「OK牧場の決闘」という人がいる。訪問先のある社長と議論した。この人は自民党員であるが、小沢が総理になってアメリカ一辺倒を改め、沖縄から基地をなくし中国と手を結んだ方がいいと言い出した。

 本気かと疑いの目を向けると、誰が総理になっても、すぐかわるのだから実現は無理だがねとこの人は笑った。国民の間に政治はあてにならないという思いが広がっているのだ。

◇「さいしょう不幸社会」とは何か。菅首相は「最少」不幸社会を目指すと言った。元財務大臣の塩川正十郎は、今日の日本を指して「宰相」不幸社会だと表現している。

 小泉元首相以降、安倍、福田、麻生、鳩山と短い在任期間で首相がくるくるとかわる事実を指している。塩川さんは、短命政権の連鎖は国民の政治不信を強め、外国との間でも確固とした外交を展開することは不可能と述べる。その通りだ。

 総理大臣がかわれば、政策の基本と重点の置きどころが変わるのだから、国民は政治の根本を信用できなくなるのは当然だ。政治を一本の樹にたとえれば、枝葉の部分に対する不信に対して、「幹」を信用できなくなることを意味するから事態はより深刻である。

 外交面では、例えば、サミットに毎回違う首相が出席することになり、各国首相との間で信頼関係など築けるわけがない。

 OK牧場の決闘はどちらが勝っても、真の勝利とはいえない。勝者は、またすぐに次の決闘で敗れ去るに違いないからだ。

 だから、政治の安定を期すためには、政界の再編は不可避である。遅かれ早かれその方向に動くことは間違いないが、国民生活と経済の実現はそれを待てない。国政に翻弄されない地方政治の役割が重要性を増している。地方分権とそれを突き進めた地方主権の重要性を痛切に感じるのだ。

◇薬が効かない病原菌(耐菌性)の広がりは市民生活にとって、新たなそして大きな恐怖だ。耳慣れない「アシトバクター菌」という言葉が今後頻繁に登場し定着していくに違いない。

 帝京大病院におけるこの菌の感染者は53人に達し多くの死者が出た。都内では他の病院でも感染者が出ている。近県では栃木県の独協医大病院で、ほとんどの抗菌剤が効かないスーパー耐性菌が見つかった。

 感染の多くは病院内で起きるから病院の感染拡大防止策が重要である。そのために医療行政の役割と責任は大きい。速やかに対応すれば命を救うことが出来る。口蹄疫の時も行政の不手際が問題になった。9月議会ではこの問題が取り上げられるだろう。(読者に感謝)

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2010年9月 9日 (木)

人生フル回転「群馬の一大観光事業始まる。鈴木宗男逮捕」

◇群馬の観光を売り出す一大事業は、来年7月1日から始まる。それに先立って、群馬各地の観光資源を宣伝し来客に結びつけるためのイベントがグリーンドームで行われた(8日)。

 無数ののぼり旗が林立し、おびただしい写真やポスターが貼られ、地域自慢の美味が並び、グリーンドームの一画は、さながらまちの祭りの会場であった。

 私は、間口の小さい静かなコーナーに足を止めた。自然史博物館をPRするもので、アンモナイトの化石や隕石が置かれていた。隕石は直径20センチ位のものだが持ち上げると非常に重い。係員の話では5キロはあるという。

 宇宙の果てから飛来した流星の燃え残りである。およそ6千5百万年前、直径10キロともいわれる巨大隕石が中南米のユカタン半島に衝突し恐竜絶滅の原因をつくった事などを係員と話した。

 私が隕石の話をここで書くのは、博物館や天文台などの文化施設も観光ルートのポイントに位置づけるべきだと思うからである。

 夜の歓迎レセプションの登壇者の挨拶には、いくつか耳を傾けるべきものがあった。先ず、国が重要施設として「観光立国」を打ち出していること、そして、中国人の観光客が著しく増加しているという指摘。これは、群馬の事業を成功させる重要なカギになる。最大限活かさねばならない。

 またある人は「元気な人に接すれば元気になれる。群馬の元気に触れて元気になりたい」と語った。これは、重要なことを示唆している。観光を売り出す時、たずさわる人は元気でなければならないということだ。客をもてなす真心と自信に支えられた元気でなければならない。自信と元気を失った日本人に対するさわやかな刺激剤にしたいものだ。

◇鈴木宗男の有罪が確定した。国会議員の資格を失い、収監されることになった。執行猶予がつかない2年の実刑は厳しい。全国民が息を呑む瞬間であった。号外も出た。絶頂の時の彼の姿を思うと、正に天国と地獄。幾多の政治の修羅場をくぐって内面を外に出さぬことには長けている筈の鈴木宗男の表情には、淋しさと悲しみが現れていた。

 華やかな生活に慣れた男にとって長期の刑務所生活は厳しい。鈴木宗男という男が、どのように耐えるのか大いに興味がある。プライドを維持して、人間として成長して出てくるのか、それとも罪人の重みに打ちひしがれてしまうのか。人間としての真価が問われる。

 過去には、刑務所生活に屈せずカムバックした政治家は多い。それは、確固とした信念を持った政治犯であった。鈴木宗男にそういう要素が果たしてあるのか。それも見物だ。(読者に感謝)

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2010年9月 8日 (水)

人生フル回転「世界の土地争奪。ギアリンクス。耕作放棄地」

◇最近の異常気象はただごとではない。地球的規模で年々深刻化している。異常気象が農業に影響を与えることは必然である。歴史的な大洪水に見舞われたパキスタンでは、農業に壊滅的被害が生じた。北朝鮮も洪水により広い農地が冠水し大きな被害が出たといわれる。のべ2億人が被災したとされる中国の農業被害はケタ外れに大きなものだろう。

 中国は、このような状況下で、アフリカと農業分野での連携強化を進めている。未開の農地に積極的に乗り出そうとしているのだ。

 また、スーダンなどから計約200万ヘクタールの農地を借りるなど、アフリカでの農地確保を進めている。

◇世界的な食糧事情の不安定な状況下で、自給率が40%以下の日本農業に危機感を抱く人は以外に少ない。

 そこで、「ギアリンクス」を紹介したいと思う。

 平成17年8月、アルゼンチンの群馬県人会二十五周年記念式典に私は議長として出席した。その時、私の隣りに座った飯田領事は、岐阜県は「ギアリンクス」という法人を立ち上げて1256ヘクタールの土地を購入したことを語った。

 領事の説明によれば、岐阜県の「ギ」、アルゼンチンの「ア」、そして、この2つを結ぶ、つまり、リンクさせるという意味で「ギアリンクス」と命名した、将来の食糧難等に備えていることであった。

 また、領事は、最近、土地の価格が上がっている、それは、中国が将来の食糧難に備えてブラジルとアルゼンチンで土地を買っているからだと語った。私は、これを聞いて事態はそこまで進んでいるのかと驚いたのであった。

 ㈱ギアリンクスは、平成12年12月に設立された。民間企業ではあるが、高い公共性を掲げ、平常時は安全食品の開発を、そして、緊急時には全力を傾けて食糧の増産と調達を行うことを使命としている。日本の食糧確保の一翼となるべく活動している。大豆を主な耕作物としており、大豆は国際作物で必ず売れるから損はないという。

◇海外にこのような、農産物の拠点を設けることも重要なことであるが、私は、国内の可能性を先ず活かすべきだと考える。その一つは膨大な耕作放棄地を甦らせることだ。

 赤城の南麓の私が住む地域では、広い耕作放棄地が広がり、もったいない事だといつも思う。これを何とかしなければと、私は仲間と研究している。所有者が遠く離れて連絡が難しい場合もある。農業の再生は、国民が生き抜くための最大の課題である。(読者に感謝)

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2010年9月 7日 (火)

人生フル回転「外国人に土地が買われる。土地争奪が加速」

◇中国などの資本が外国の土地を買い占めているという話は、平成17年に議長として南米各国を訪れた時にも耳にした。それは、「六千万円で買った土地が二億円になっている。それは、中国が将来の食糧難に備えてブラジルとアルゼンチンで土地を買っているからだ」というもので、アルゼンチンの飯田領事から聞いた話である。

 この動きがまさか日本に及ぶとは、当時、思いもしなかった。最近、香港の企業が北海道の森林57ヘクタールを取得したことが明らかになった。6月、北海道議会で取り上げられたもの。そして、道内のあちこちで外国資本が土地を買収していたことが明らかになった。

 大変なことが進行しつつある。人口爆発や異常気象によって、将来、水や食糧不足が進むと考えられ、世界的規模で現在、合法的な土地争奪の動きが加速しているといわれる。

 外国人や外国法人による土地所有を制限している国は多いが、日本にはこの規制がない。群馬県でも現在、森林を持て余している人は多い。だから、良い条件を示されて外国人の手に所有権が移ってしまう事も有り得る。日本人の魂を育み、日本の文化を支える山や川を外国人の手に渡してよいものか。

◇北海道議会は、外国資本による土地売買に関する法整備を国に求める意見書を、今年6月に可決した。その中で次のように述べている。「(外国資本による)土地所有が無制限に拡大すれば、日本国民の安全保障や国土保全の視点から国家基盤を揺るがす問題に発展しかねない」、「我が国における現行の土地制度については、近年急速に進行している世界規模での国土や水資源の争奪に対して無力であるといわざるを得ない」、「国においては、外国資本等による土地の売買や適切な管理体制を構築するための法整備に取り組むよう強く要望する」

◇これは、北海道議会だけの問題ではない。全国の地方議会が国に対して法的整備を設けることを要望すべきである。外国資本による土地取得を規制する法整備は、国会の仕事である。それをしない不作為は、国会がその使命を果さないことを意味する。地元国会議員の意識を問いたい。

◇終身刑でアメリカの獄に居る郷隼人の母が亡くなったらしい。6日の朝日歌壇に次の入選歌が載った。「母逝きぬ父を介護し十余年父逝きやっと楽になったのに」

 郷の歌には母を詠んだものが多い。「十年の歳月を経て初めての母の便りに胸がつまりぬ」、「老い母が独力で書きし封筒の歪んだ英字に感極まりぬ」。時が経って、「獄に読む老母の文こそ哀しけれ父の介護に疲れ果てしと」、「突き刺さる介護疲れの母の文獄の己れを憎悪するのみ」と、介護する母を獄中から詠んでいた。(読者に感謝)

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2010年9月 6日 (月)

人生フル回転「押尾学薬物とセックスの公判・アシネトバクターの脅威」

◇合成麻薬MDMAを共に服用して性行為に及び、錯乱状態になって死亡した女性に対し、救護措置をとらなかったとして罪に問われている元俳優・押尾学の事件は、身近かで重大な問題を私たちに投げかけている。

 一つは、性交(セックス)の手段として、刺激を高めるために薬物を使用した点である。このような薬物の使われ方が一部の人間の間で流行しているのであろうか。病める日本の底なしの深淵をのぞく思いだ。

 酒井法子の時も、週刊誌などは盛んにこの事を書いた。押尾学の場合は、新聞が正面から薬物とセックスの関係を取り上げている。

 それは、この点が犯罪の中心として公判で論じられているからである。検察側は、押尾被告が過去に複数の女性と、違法薬物を服用した上でセックスを行ったことを指摘している。

 薬物とセックスの問題で私が重視することは、その危険性もさることながら、性行為から人間性を消し去ってしまうことである。それは、セックスをプレイ化する極致であり、薬物に支配される人間の哀れな姿である。

 恐ろしい事だ。性行為を法律で規制することは出来ないのだから、違法薬物を厳しく取り締まることが必要だ。実態を把握することが第一である。

◇この事件で、もう一つ注目される点は、裁判員裁判の対象になっていることだ。裁判員は、裁判に対しては白紙で臨み、そこに出された資料に基づいて判断しなければならない。つまり、予断を持って臨んではいけないという事である。

 新聞、テレビ、週刊誌などで、あれだけ大きく取り上げられたこの事件である。裁判員の頭には、既に、有罪のイメージが作られているに違いない。それにとらわれないで、裁判することが可能であろうか。自分が裁判員に選ばれたらどうするかという視点でこの事件を見守っていきたい。

◇ほとんどの抗生剤が効かない細菌・アシネトバクターの感染が広がり始めた。剤は薬を意味し、多剤耐性とは、多くの薬(抗生剤)に耐える力をもつという意。人類は最近、口蹄疫、新型インフルエンザなど微生物の侵攻にさらされている。

 帝京大病院では46人が感染し、9人が死亡。愛知県の病院でも24人から菌が検出された。欧米では使える薬が全くないスーパー耐性菌が広まっている。今回の日本国内の集団感染は、スーパー耐性菌の大流行の予備軍と専門家は警告する。

 帝京大病院の対応の遅れが指摘されている。5月には異変に気付きながら9月まで公表しなかった。早く対応すれば、命を救えた可能性がある。警視庁は病院関係者から事情を聴く方針。本県の医療行政は、早急にこの問題に対応すべきだ。敵は足下まで近づいているかも知れない。(読者に感謝)

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2010年9月 5日 (日)

第五章 地獄の満州②ソ連の参戦。-野獣のソ連兵―

 真赤な太陽が昇り始めたとき、人々は目を醒ました。その時、彼方から中国人の引くマーチョ(荷車)が一台、近づいて来るのが見えた。驚いたことに、マーチョには、川の中で動こうとしなかったあの老婆が乗っている。

「親を捨ててゆくのか」

中国人は言った。息子は大変驚き、中国人にいくらかの金を渡した。老婆は、川にいたときはいっぱい着物を着ていたが、このとき、一枚の腰巻と一枚の襦袢だけになっていた。

 川を渡れば、目指す通北は近かった。この時、既に9月半ばを過ぎており、通北の町はソ連軍の支配下にあった。人々を町の入口に待たせ、代表が交渉に行った。一行は、日本人義勇軍の宿舎に非難することを許可された。

「ああ、やっと足を伸ばして寝られる」

松井かずは、先ず、こう思った。誰もが同じ思いであった。

 宿舎のそばには、義勇軍のジャガイモ畑があり、義勇軍の人たちは、松井かずたちがイモを掘って食べることを許した。温かいジャガイモは、長いこと飢えていた胃袋にとって何ともいえぬ美味であった。また、義勇軍の人々の温かい心は、彼女たちの心をいやした。

 一日、二日と無事な日が過ぎた。三日目のことである。他の開拓団の女がソ連兵に暴行されたという噂が伝わり、騒然となった。避難所の前に、ソ連兵が乗り降りする通北の駅があったのだ。女たちは、バリカンで髪を刈り、鍋底の墨を顔に塗って、新たな恐怖におののいた。

 この晩、列車が駅に入ると、酒の臭いをぷんぷんさせたソ連兵が、とうとう避難所にやってきた。

※土・日・祝日は中村著「炎の山河」を連載しています。

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2010年9月 4日 (土)

第五章 地獄の満州

「止まるな、先へ進むのだ」

幹部の怒鳴る声が迫る。そこは、先行の者が選んで歩いて行った川の中の細い通路だった。

「向こうに着いたら迎えに来るから」

息子の叫ぶ声が聞こえた。

 大きな川を命がけで越えると、すぐに、もう一つの川が待ち受けていた。川幅はそれほど大きくないが、やはり橋はなく、一本の丸太が渡してあった。太い紐を2本渡し、それを両手でしっかりと握って足が滑らないように注意しながら、そろそろと進む。

「決して下を見るな」

幹部の注意があった。

 下を見ないようにしているが、どうしても足元に目がゆく。丸太の下では、黒い水の塊がぐぐっと山を作って盛り上がり、その頂を月光で光らせながら消えてゆく。大きな黒い怪物がうねっているようで、松井かずは身を凍らせる思いで丸太の上を歩いた。何百人という人が1人も落ちることなく丸太を渡れたことは、不思議なくらいであった。

 川を渡り終えたところは、広い石の川原であった。みな、疲れ切っていた。人々は、あるいは石を枕に、あるいは砂の上に親子兄弟など重なり合うようにして眠った。人々は、それぞれが川原の石になったように動かなかった。月は西に傾き、辺りは白々と明けてきたが、疲れた人々は死んだように眠り続け、誰一人として起きようとする者はいなかった。

※土・日・祝日は中村著「炎の山河」を連載しています。

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2010年9月 3日 (金)

人生フル回転「暴力団と別宅問題。暴力団と公営住宅。暴力団排除条例」

◇兵庫県警は、暴力団組長らにマンションなど居宅を取得させた者を宅建業法違反や詐欺の疑いで逮捕した。暴力団員が民間取引で不動産(居宅)を取得することを直接規制する法律は存在しない。

 そこで次のようなマンション等の取引きが行われた。山口組系の暴力団組長が代表取締役を務める東洋信用実業という不動産会社が数個のマンションを購入し、これを暴力団組員に転売したのである。

 これは、民法上有効な取引である。だからこのようにして、市民が、知らないうちに、隣人が暴力団の組長宅であったという事があり得る。暴力団宅がお隣りということは抗争に巻き込まれる危険を有することになるから大変なことだ。

 今回、東洋信用実業は、知事の免許を得ずに不動産の購入・転売という不動産取引を行った。兵庫県警はこれに目を付け、宅建業違反の罪で関係者を逮捕した。また、マンションを購入した暴力団が管理組合費の引き落としに要する銀行口座を開設したことに詐欺罪を適用した。身元を隠して口座を詐取したからである。

 山口組の本部がある神戸市内に、組長たちがこのようにして、次々に別宅を設けている。別宅の増加に歯止めをかけることが兵庫県警の狙いである。このことは、他県の警察にも影響を及ぼすだろう。

 今や、暴力団は、法律を巧みに使って、合法を隠れみのにして、市民の日常生活を脅かす。警察は暴力団との知恵比べに負けてはならない。兵庫県議会では、住宅地や学校周辺での別宅新設を禁じる全国初の条例案を作ることを予定している。注目したい。

◇暴力団が法律を悪用して市民生活に浸透することに対して、地方議会が条例を設けて対応することは極めて重要である。

 群馬県議会は、07年6月議会で、県営住宅から暴力団員を排除するための条例改正を満場一致で可決させた。これは、広島県・福岡県に次いで三番目であったが、議員提案による政策条例としては全国初であった。私は、提案議員として本会議で提案説明を行った。

 最近の動きとして注目されることは、新たに暴力団排除条例が作られようとしていることである。この条例は平成21年に福岡県議会が全国に先かげて成立させたもので、暴力団に利益を提供しないこと、暴力団を利用しないことなどを基本理念としている。

 特に、不動産を譲渡する場合、暴力団事務所として使用してはならないことを契約内容として定めるべきという条項がある。県民の意見を聞くパブリックコメントも既に実施された。「別宅」規制も本県で問題となる日が来るだろう。(読者に感謝)

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2010年9月 2日 (木)

人生フル回転「遂に出た日赤答申。チリに見る国際協力。民主代表選」

◇遂に、日赤群馬県支部長(大澤知事)あての答申が出された。前橋赤十字病院の現地建て替えの可能性を検討した報告書である。現地建て替えは事実上難しいととれる厳しい内容になっている。

 結論は、前橋赤十字病院の現状は、既存建物の老朽化、狭隘化が深刻な状態であり、これを改善することは、この病院の機能を発揮するための喫緊の課題であり一刻も早い具体的な対応が望まれるとしている。

 報告は正門から50号までの用地を取得することによって現地に建て替えるという地元案につき可能性があるとしつつ、結局、それに伴う課題を解決することは困難だと分析する。

 それは①用地の早期取得。②用地取得に伴う資金の問題③将来の増築の場合の新たな用地取得の問題④ドクターヘリに伴う問題⑤大規模災害における医療機能の確保などだ。その中で、④のドクターヘリの問題とは、民家に近いことに伴う危険性と騒音などである。

 私は、日赤の経営審議員の立場から、多大な投資が、独立採算制をとる日赤の健全経営にどのような影響を及ぼすのかに関心を抱いている。

◇チリの落盤事故で地底に閉じ込められた人々に世界の救済の手が伸びつつある。アメリカのNASAから、4人の専門家が8月31日に到着した。国際宇宙ステーションなどの閉鎖空間で培った体と心の健康管理のノウハウをアドバイスするという。専門家は、誤った希望を与えないことが大切だと述べている。

 同じ閉鎖空間といっても正に天地の差であるが共通点はあるのだろう。NASAという人類の科学の最先端のパワーが現地で救済に関わること自体が地底の人々に限りない安心感を与えるに違いない。

 日本でも、かつて、炭坑などで生じる落盤事故は珍しくなかった。地底深く閉じ込められたまま死を迎えた人も少なからずあった筈。

 世界各地の災害で国境を越えた助け合いが広く行われるようになったのは人類の進歩である。各国が体面を捨てて人命優先に徹すれば、国際協力がもっと進む筈だ。今回のチリの出来事は、その事を教えている。

◇民主党の代表選が連日紙面を埋め、テレビもにぎやかだ。円高が急速に進み、経済が混乱している。経済ばかりでなく難問が山積している時に的確な政策を打ち出せないでいる。代表選の菅・小沢の対決は、民主党内の混乱と見える。どちらが勝っても、その後は協力し合うと言っているが、そうなるとは思えない。自民党はこの際敵失を喜ぶのでなく自力を養わねばならない。(読者に感謝)

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2010年9月 1日 (水)

人生フル回転「チリの救出に中学生の声。異常気象、地球は発狂状態」

◇「チリの事故に日本も技術援助を」という中学生の「声」が新聞に載った(29日)。「もし自分がそこにいたら数日で気がおかしくなるような気がします。それなのに救出するための穴を掘るのに4ヵ月もかかるという話を聞いて気が遠くなりました。」中学生は地底に閉じ込められた人々に対してこのような感想を語る。この点は、全世界の人が同感だろう。そして、次のように提案する。「日本はトンネルなどの掘削技術では世界のトップレベルにあると聞いたことがあります。こんな時こそ日本の技術を結集して助けてあげなくちゃいけないと思いました」と。

 全く同感だ。既に地中に閉じ込められて20日以上が過ぎた。直径70センチの救出の穴を掘る作業にやっと着手したという(31日)。

 日本のトンネル技術をもってすれば、中学生がいうように、もっと早く救えるに違いない。どんな事情があるか分からないが、4ヶ月もかけてはならない。地球の反対側のことだから、日本が応援するにも大きな支障があると思う。しかし、現場に人を派遣して、アイデアを提供するとか、技術指導をするとかなすべきことはいくらもあるのではないか。

 今日の人類の土木工事の技術からすれば、全くの素人考えだが、1ヶ月で救出すべきだと思う。

 地底の狭い空間にひしめく33人の人間関係が心配だ。パニックに陥って発狂する人が出なければいい。緊張とゆとりを人々はどのように調整して生き抜くのか。猛暑で苦しいとあえぐ毎日だが、地底の人を思えば、地上の私たちは、限りなく幸せな存在である。

◇記録的な酷暑が続く。熱中症で死んだ人が少なくも2百数十人にのぼるという。命を落とす牛などの家畜の被害も深刻らしい。

動物も熱中症に罹るといわれる。我が家の秋田犬ナナもこのところ食欲がないので心配である。私たちは、薄着になれるが、ナナは厚い毛皮を脱ぐことが出来ないのだ。

◇地球が発狂状態にあるようだ。ロシアでは前代未聞の猛暑の中、約3万ヶ所で森林・泥炭火災が発生し農業に甚大な被害を生じさせている。パキスタンの洪水では、被災者は2千万人以上といわれる。

 南米では逆に寒波に見舞われている。チリ、ペルー、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチンなどでは、7月だけで200人以上が死亡したといわれる。通常の気温は20度位の地方が零下になり雪で埋まっている。

 異常な気象はどこまで続くのか。私たちは、コントロール出来ない文明の頂点に立って、破局の渕をのぞき込んでいるのかも知れない。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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