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2010年7月31日 (土)

① 敗戦間近のとき、群馬の女性、松井かず、前橋をたって満州へ

  彼女は現在、前橋市広瀬町の市営住宅団地の一角に住んでいる。72歳になるが、かくしゃくとして年を感じさせない。私が帰国者協会のことで連絡すると、それは常に、正確に役員に伝えられ、答えを要するものは、約束通りに的確な答えが返ってくる。複雑な問題でも筋道を通して分かりやすく話すことができる。彼女の体験が語るように満州では大変な苦労をしたに違いないが、その暗さはない。彼女が満州に向けて前橋を立ったのは22歳の時であるが、さぞかし美しい娘であったろう。現在の姿からも、当時の面影をしのぶことができる。

 松井かずの家を訪ねると、壁に一人の老人の写真が掛けてある。いかにも風雪を刻んだ逞しい男の顔である。私がそれを見ていると、彼女は言った。

「私の主人です。平成2年に日本に来て、次の年に亡くなりました。40年間、撫順の炭坑で働いていました。自分の名前も書けない人でしたが、良い人でした」

 彼女は写真の方をちらっと見て、視線を私に移し、50年前の出来事を静かに語りだした。

 松井かずは、既に敗色の濃い昭和20年5月、勤労奉仕隊に参加して満州に向った。彼女が22歳の春であった。彼女は、大正12年、10人兄妹の3番目の子として、吾妻郡原町の農家に生れた。小学校を卒業すると同時に、前橋市岩神町の製糸工場で働いた。彼女の青春は、まさに、険しい戦雲のただ中にあった。ここで十年近く働いた後、6ヶ月間の勤労奉仕ということで中国・黒龍江省に渡ることになった。

 この頃、戦局は、既に日本に極めて不利に展開していた。この年、3月には硫黄島の日本軍は全滅し、東京の空襲もこの3月に始まり、日本中が緊迫した雰囲気に包まれていた。このように、日本の敗戦が間近に迫っている時、敢えて中国満州に渡ろうとする松井かずの行為は、今日の私たちには理解できないことであるが、それが当時の庶民の姿であった。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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2010年7月30日 (金)

人生フル回転「最後の調査は新エネルギー。千葉法相死刑に立ち会う」

◇愛知県の新エネルギー実証研究を視察した。愛知県の目的は、「環境・エネルギー産業」を育てることである。太陽光・風力・バイオマス、その他新エネルギーを生む様々な素材と原理に目を見はる。そして、それらを活かすアイディアは限りないと感じた。トヨタを持つ自動車王国だが自動車の次の産業を目指している。科学技術の可能性は無限である。勇気を得て最後の視察を終えた。

◇出張先で2人の死刑囚の執行が行われたことを知り衝撃を受けた。サインした千葉法相は、先日の参院選で落選した後の民間人法相であり死刑廃止議員連盟のメンバーである。信念に変化があったのか。又、死刑の執行に法相として初めて立ち会った。今後、死刑の刑場を公開すること、死刑制度をその存廃も含めて議論するための勉強会を設けることも記者会見で明らかにした。

 死刑を執行されたのは篠沢(59)、尾形(33)という2人の男である。篠沢死刑囚は、宝石店を襲い6人をガソリンで焼死させた。尾形死刑囚は交際していた少女をめぐるトラブルで2人を殺し他に2人に重傷を負わせた。

世界の大勢は死刑制度廃止の方向であるが、日本は、文明国の中ではアメリカと共に死刑大国とも批判され、国民の85%以上が死刑制度を支持している。

千葉法相の発言を期に、死刑制度が国民的議論の対象になることは間違いない。その場合の主な論点は、死刑の犯罪抑止力、死刑は残虐な刑罰か、冤罪の恐れなどである。

 憲法は残虐な刑罰を禁じているが最高裁は現行の執行方法は残虐ではないと判決した。冤罪の恐れは深刻である。死刑確定後の再審で無罪となったケースは少なくない。例として免田事件、財田川事件、松山事件、徳島ラジオ商殺し事件、島田事件などがある。

 執行された後に無罪が明らかになった場合は取り返しがつかない。そういうことがないとはいえないのだ。08年に死刑が執行された飯塚事件では、死後再審の準備が進められている。

◇現在、死刑が国民の前に大きく立ちはだかる理由の1つに、裁判員制度との関係がある。制度がスタートして1年が経った。この間、国民の上に絶えず重くのしかかった問題は、自分が裁判員に選ばれて死刑と向きあったらどうしようということだ。

 人の命を奪うことに関わる重圧は測り知れない。間違いがあるかも知れないと思えばなおさらだ。死刑制度について国民的論議が十分になされることによって、国民各自が死刑を考える基礎をしっかりと持つことが少なくも必要である。法相が提案した「勉強会」はそのための契機になるかも知れない。(読者に感謝)

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2010年7月29日 (木)

人生フル回転「デンソーに日本の物作りの実力を見る。浮上する電車」

◇㈱デンソー大安(たいあん)製作所を訪ね、自動車部品等の生産に関する先進的な取り組みを調査した。従業員は約12万人である。そして16の製品で世界シェア1位を占め、売上高は年間約3兆円を誇る。「物作り群馬」を掲げる私たちは、日本を代表するこの物作り産業から学ぶ事が多いに違いないと思われた。

 生産現場を見て先ず感じた事は、日本も捨てたものではないということである。高い理念とそれを実践する現場がよくかみ合っていることが分かった。巨大産業も現場の小グループが支えている。生産管理は考え抜かれ徹底していた。

 クルマが人や地球に負担をかけることのない先進的なクルマ社会に貢献する。これがデンソーの経営理念である。これを実現するための第一の要素は技術である。

 デンソーは、連結売上高の約8%の研究開発費を投じ、環境、安全、快適、利便の4つの分野を中心に新技術、新製品の研究や開発を行っている。

 研究所では、常に8~10年後の製品化につながる基礎技術を研究している。その典型例がIC(集積回路)の研究である。

デンソーは、ICがクルマに不可欠な技術になることを予測し研究に力を入れた。デンソーが得意とする制御技術はかくして培われた。

工場ではロボットが大きな役割を果たしていた。ロボットといっても人型のものではない。四角い枠の中で、ガッチン、ガッチン黙々と機械たちは作業に従事していた。これを全て人間が行ったなら何十倍の人手が必要だろうと思った。

 「あれはデンソーが開発したムービングロボットです」と案内の人が指差した。機械が移動しながら作業している。ロボットは、上下の部分から成り、下は動く部分、上は作業する部分なのである。少子化が進む中で、ロボットは、今後増々重要になるだろうと思った。

◇視察後に感じた事は大企業だから巨費を投じた研究が出来るということだ。群馬の県行政は中小企業のために研究を行わねばならない。大学、産業技術研究所、原子力研究所(

高崎市

)などが、中小企業との連携を一層強めるべきだと痛感した。

◇愛知万博で使われた「リニモ」が閉幕後も地域路線として利用されている。未来の乗り物として調査した。磁気の原理で8ミリ空中に浮上して移動する。日本ではここだけ、そして、世界では中国の上海で利用されている。騒音や振動がすくなく、急な登り坂、急カーブにも対応出来る。群馬でも将来の公共交通機関としてまた、観光に活かす事が出来ると思った。(読者に感謝)

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2010年7月28日 (水)

人生フル回転「伊勢神宮の『おはらい町』に見る町興しの力」

◇産経土木常任委員会の県外調査の第一日目、

伊勢市

で受けた感動の一、二をお届けしたい。

 古来、神宮といえば伊勢の神宮をさした。伊勢のまちは、神宮御鎮座のまちとして繁栄し、古くから日本人の心のふるさとだった。「伊勢にゆきたい、伊勢路がみたい、せめて一生に一度でも」とうたわれ、日本人の誰もがお伊勢参りに憧れた。

 かつての日本は、娯楽もなく、交通手段も未発達で時はゆっくりと流れていた。人々は純朴で単純な信仰が人々を支配していた。一生に一度、最も尊い神宮にお参りすることは人々の最高の願いであったに違いない。

 江戸時代、伊勢参りは庶民の間で爆発的に流行した。中でも文政13年のおかげ参りには、500万人の人々が伊勢に押し寄せたといわれる。当時の日本の総人口は2500万人と推定されるから、日本人の5人に1人が参拝したことになる。

 この伊勢に「おはらい町」がある。全国から集まる参拝客のために御師(おんし)と呼ばれる神職が「祈祷おはらい」をしたことが町の名の由来である。

 ところが、明治になって、近代化の波の中で御師も廃止され、「おはらい町」は衰退の一途をたどる。町は土産物屋や旅館が立ち並ぶだけの通りになってしまった。

 この町に変化が起きたのは、昭和54年のことである。地域の30代~40代の約20人が町の再生に立ち上がったのだ。彼らは、次の「遷宮」までに昔のように活気あるおはらい町にしようと、「

門前町

再開発委員会」を発足させ、目的などを決め決議文を採択した。住民主導の動きは、行政や議会を動かし、

伊勢市

まちなみ保全条例を作らせ、「お払い町」は見事に再生した。私たちは、町を歩いて地域の人々の工夫と知恵に接して多くのことを教えられ勇気づけられたのである。若者達の合言葉は、次の御遷宮までに「なんとかせないかん」であった。前橋の衰退もなんとかせないかんと思った。

◇「次の遷宮」という表現があるが、ここで遷宮とは、1300年の昔から20年毎に正殿、門など全ての建物などを新しく作りかえ、この新宮に、神が移ることを指す。

 現在は、この遷宮に総額500億円かけるというから驚きである。ほとんどの木材はヒノキを使う。次の遷宮のとき、解体した古い木材などは、多くの末社に払い渡されて使用されると聞いた。

 この遷宮に群馬県との関わりを発見して驚いた。数百年を経た杉の巨木の間の石段は、

鬼石町

の三波石で作られている。わが委員会の一員である関口県議がかつて

鬼石町

長だったとき町の業者が契約を交わしたものだという。群馬をピーアールするためにこの事実を広めたい。(読者に感謝)

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2010年7月27日 (火)

人生フル回転「口蹄疫が終息、学ぶことは。国技の意味」

◇人類とウィルスとの戦いともいうべき口蹄疫の騒動が終息に近づいた。28万頭を超える牛や豚が殺処分された。一時は日本中に被害が及ぶかと心配された。宮崎県だけで終わったことは奇跡に思える。私たちは、忘却の達人であるが、いつか必ず再来する同種の事件に備えてしっかりと記憶に刻み教訓としなければならない。

 振り返って、反省すべき最大の問題点は対応が遅れたことである。政治と行政が的確で迅速な決断と対応が出来なかった事が悔やまれる。口蹄疫が国の検査により確認されたのは4月20日であるが、実際は3月末に疑わしい例が多く現れていた。「疑わしきは罰せず」でなくその逆の行動を取るべきだった。この間にウィルス軍団は勢力を増大させ取り返しのつかない事態を招いてしまった。

 JA宮崎中央会は家畜処分に伴う損失額を少なくとも800億円と試算する。しかし、損失は畜産業に限らない。例えば旅行業者は大きな打撃を受けた。県の調査によると、5月末までに出た宿泊キャンセルは1万8千人にのぼり、会議・宴会のキャンセルは3万人を超えた。物流業界は風評被害に苦しんでいる。例えば、県外の取引先がウィルスの持ち込を恐れ宮崎県内のトラックを敬遠するケースが出ているというのだ。

◇野球賭博、暴力団の関与などで揺れに揺れた大相撲名古屋場所は25日閉幕となった。相撲協会は、「ごっつあん」体質に象徴される古い伝統にどっぷりつかり自己改革能力のないことが明らかになった。

 相撲協会の実態は公益法人に値しないと批判され、また、国技といえるのか問われた。「相撲は国技」と私たちは当然のように受け止めてきたが、このような事態になって改めてその根拠を調べると、文科省によれば、「法令で国技と認めているわけではない」という。

 力士修業心得の第一条には、「相撲は日本の国技と称されていることを忘れないこと」とある。ここに、「称されている」とは、習慣的にそうなっているということを示しているらしい。

 私は、国技という事が法令によってではなく社会の習わしによって支えられている事は、伝統文化の在り方として良い事だと思う。一片の法令によって作られた「国技」よりずっと重みがある。そのかわり、国技の名に値しない実態が続くなら、かえって軽蔑の対象となってしまうだろう。大相撲は今、そういう意味で曲がり角であり、試練の場に立たされている。

◇今朝、県外調査に出る。調査先は、三重県伊勢市役所、株式会社デンソー大安製作所、愛知高速交通株式会社、あいち臨空新エネルギー実証研究エリア等。報告するつもりだ。(読者に感謝)

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2010年7月26日 (月)

人生フル回転「異常気象の中で虹を見る。赤城林道に見る行政の怠慢」

◇ある町内で夏祭りの慰労会が行われていた時のこと。外からざわめきが伝わってきた。その中に、「ほらごらんよ」、「わぁー」そんな声が交じっている。外へ出ると、見事な

虹だった。

 連日のように空の異変が続いていた。前日(24日)の夕刻は、空の堤防が決壊したかのように激しい雨が地上の夏祭りをおそった。

 今日も又かと思っていた人々をほっとさせるような色鮮やかな虹だった。そこは、利根の西岸に立つ公民館で、眼下の利根の濁流の音が足もとまで響いていた。よく見ると、鮮やかな虹の外側にもう一つの大きな薄い虹がかかっている。二重の虹は珍しい。酷暑のうっとうしさを吹き払うような希望の光景であった。人々の「わぁー」は、それを示していた。

◇異常気象は地球的規模でおきている。南米各地は大寒波、ロシアは酷暑、そして、中国では大雨に見舞われている。南米では、降雪記録のない地域に雪が降った。アルゼンチンでは寒さで多くの死者が発生、ぺルーではアンデスの高地で零下24度となり、ブラジルも記録的な寒さで多くの家畜が死んでいるという。

 一方ロシアでは、シベリアの気温は例年より10度も高く、モスクワの最高気温は36.7度に達したという。

このような異常気象は毎年続くのだろうか。ツンドラの凍土は既に溶け始めているがそれが更に進み、各地の氷河も溶けるだろう。地球は、今、大変な時をむかえようとしているのかも知れない。秋の台風がきがかりだ。

◇先日(16日)、赤城山南麓を東西に走る林道の調査をした。県側は稲山副知事や環境森林部長等、前橋市側も林道の担当者等、それに宮城地区の議員等が加わり、総勢30人近い調査団となった。

 目的地は、閉鎖された1・2キロの区間である。がけ崩れの危険があるということで平成9年から車を通さない状態を続けている。

 自然が美しく、眺望は絶佳。私のお気に入りの散策場所である。堅固な擁壁と鉄さく、むき出しの岩が迫る急斜面には鉄の網が張られている。この安全対策には3億円もの予算が使われた。地元の人たちが怒る理由は、この箇所は、工事前はもとより、工事後の10年以上の期間、一度もがけ崩れの事実がないことである。

 管理は市の権限だというが、県の観光事業(DC)に重要な関わりを持つ地点なのだから、県は市に積極的に要請すべきである。膨大な金をかけてそのまま放置し時は過ぎる。典型的なお役所仕事と批判されても仕方ない。(読者に感謝)

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2010年7月25日 (日)

第五章 地獄の満州 ① 敗戦間近のとき、群馬の女性、松井かず、前橋をたって満州へ

725 一九四五年、昭和二十年八月十五日は終戦の日である。これに先立つ八月八日、ソ連は日本に宣戦した。そして、八月九日未明、雨に煙る地平線に突如姿を現した数千の戦車は、国境線を突破して一斉に進撃を開始した。

 また、空の一角をおおうように飛来したソ連機は、頭上の空から南の地平線に突っ込むように南下してゆく。大地を揺るがす戦車の号音と天空を裂くような飛行機の爆音はしばらく前から、不気味にくすぶっていた満州の曠野の不穏な空気に火をつけた。ちょうど、ガスのこもる部屋にマッチを投げ込んだように。

 長いこと、日本人によって土地を奪われ、差別を受け、支配されてきた中国農民の不満、恨み、屈辱感は、もうほとんど限界に来ていた。日本の敗戦とソ連の参戦は、これらの人々を刺激し、その一部は理性を失って暴徒と化した。そして、若い男はほとんど全て兵隊にとられ、女とこどもと年寄りだけの開拓村は大混乱に陥った。

 満州の開拓は、これまで触れてきたように、強引に無理を通すやり方で進められてきた。日本は先ず、満州を武力で支配する意図で満州事変をひき起こし、その延長戦で日本の傀儡、満州国を建国した。そして、これが開拓移民の受け皿となった。だから、満州の開拓は、始めから正当性のないものであった。しかも、移民の進め方は、武装開拓団を先頭に立て、中国農民の土地や家を有無を言わせず取り上げてゆくというやり方であった。

 だから、中国農民を無理に押さえ込んでいた力がなくなったとき、押さえ込まれていた不満が爆発するのは当然であったが、そこに、支配者と被支配者の関係が敗戦によって逆転したという特殊な事情や原住農民の極端な貧しさなどが加わって事態を一層深刻にしたと言えるだろう。

満州の惨状を伝える記述は無数にあるが、私は、私が親しく接している一人の女性の体験を通して、当時の状況を振り返ってみたい。それは、国策の犠牲となり、国際関係に翻弄された数奇な一女性の姿である。

 女性の名は松井かずという。彼女は、群馬県中国残留帰国者協会の前橋支部長である。私が同協会の顧問であることから彼女とのつき合いが始まった。(読者に感謝)

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2010年7月24日 (土)

② 敗戦、原爆、玉音放送

「世界人類の真の繁栄と平和が、斯かる悪魔的凶器凶薬の保障に依って促進され得る筈はない」と言っているが、まさにその通りである。

 戦後五十年の歴史を振り返ると、人類は、その間、核の恐怖に怯えながら生きてきた。米ソ2つの超大国が、地球を何回も壊滅させる程の核をもって対立するなかで、キューバ危機にみられるような核戦争勃発の瀬戸際に立たされながら、全人類は、まさに、核のない真の平和を模索してきたのである。この緊迫した冷戦の五十年を通して、人類の真の繁栄と平和は、核を廃絶することによってのみ可能であることを、人類は身をもって学んできたはずだ。

 しかし、現実には、二十一世紀を目の前にした現在においても、新たに核実験を行って、核をもつことによって国威を示そうとする国が存在するのが現実である。それだけに、被爆当時の生々しい衝撃の中で記された木下日記の表現は強い重みをもって私たちに迫るものがある。

 また、この日記は、「生活と文化の戦い」という、「新しい形の戦いが、そして真に世界の平和と人類の繁栄を招来すべき戦が、今日、厳粛に開始せられた」としている。これは、やがて、平和憲法をもって復興に立ち上がった日本国民が目指すべき姿であったし、五十年後復興を成し遂げ、経済大国となった私たちが、新たな視点として世界への貢献を考えるとき、やはり、常に念頭におかなければならない言葉である。

 このようにして、日本は終戦を迎えた。県会議長は、「戦時中に数倍、数十倍する」苦難が日本国民の上に山積するだろうと言ったが、予想されたような混乱はなく、ほどなく日本は順調な復興の道を歩み始める。しかし日本国内の人々と比べ、中国大陸、満州に取り残された人々は、敗戦を機に、まさに、地獄へと落とされていった。(読者に感謝)

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2010年7月23日 (金)

人生フル回転「犯罪国家北朝鮮の動きと金元死刑囚。尾身事務所を訪ねる」

◇元北朝鮮工作員で元死刑囚の金賢姫が国賓のような扱いをうけているのは不思議な光景だ。拉致問題解決の手がかりを求めて日本政府が招いたものだ。

 日本人拉致は、重大な犯罪であると同時に北朝鮮による日本の国家主権の侵害である。私たちは、金賢姫元死刑囚の動きを好奇の目で追うだけでなく、この際、北朝鮮の戦慄すべき犯罪行為に改めて注目すべきだ。

 金賢姫は、金正日の直接命令で115人乗りの大韓航空機を爆破させた。ソウル五輪前年の1987年の事件である。また、北朝鮮は、1983年ラングーン爆破テロ事件を起こし韓国高官17人を死亡させた。そして、最近の韓国哨戒艦攻撃沈没事件である。

 国民に対して恐怖政治を行う北朝鮮国内に重大な動きが感じられる。金正日の時代を終わらせよう我々は飯が欲しいなどと書かれたビラがばらまかれたという。治安当局は徹底的な捜査を開始した。北朝鮮だけが封建時代の化石として存在することは不可能だ。追い詰められた北朝鮮の最期のあがきを注目すべきだ。抵抗する国民には声援を送りたい。

◇麹町の尾身幸次事務所を訪ねた。ビルの四階では3人の事務員が動き、尾身さんは出版が迫った著書の原稿に取り組んでいた。昨年8月30日の衆院選の悪夢のような大敗は過去のものになっていた。尾身さんの爽やかな笑顔はかつての凄まじい政治活動を貫いた精神が本物であったことを示している。「心と身体は不可分ですか」食事の箸を運びながらきくと、「そうです」と深くうなずいた。それは、心身一如を揚げる財団法人天風会理事長の顔であった。

 尾身さんは若き官僚の時に大病を患い、天風会と出会って危機を克服した。以来46年間の実践が現在の理事長を支える基礎になっている。「これが一番の教科書です」と言って、中村天風著「真人生の探究」を私にくれた。

 尾身さんのもう一つの顔は、科学技術の国際フォーラム・「STSフォーラム」の理事長である。自ら世界を飛び回って立ち上げたこの会議は今も尾身さんが中心になって毎年1回開かれている。今年は、菅首相に出てもらうことになっていると語っていた。尾身さんは科学技術の予算が大きく削られることを嘆いていた。

7年の歳月をかけ60億キロの宇宙を飛んで奇跡の帰還を果したはやぶさの快挙は、日本の科学技術のレベルを世界に示し、同時に、日本国民に限りない夢と勇気を与えた。

 このような「事業」に予算を使う英断が求められているのだ。今の「事業仕分け」にそれを期待することは難しい。尾身さんもそれを心配しているようであった。(読者に感謝)

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2010年7月22日 (木)

人生フル回転「異常な猛暑。冤罪の恐怖は身近に。菅家さん」

◇連日の猛暑は異常だ。刺すような太陽の熱線に恐怖を感じる。太陽にわずかでも接近したら私たちは焙り殺されてしまうだろう。太陽系の中で、太陽と地球の微妙なバランスの上で私たちは辛うじて生きている事を感じる。

 20日、館林市は、全国1の暑さで、38.9度を記録した。アスファルトの上の直射日光の下では40度を超すだろう。正に焦熱地獄である。

 この夏の最近の猛暑は、異常気象の一環だろう。異常は地球規模で起きている。中国では揚子江の三渓ダムが過去最大の貯水量に達し、揚子江流域には、大雨の被害が広がっている。

 伝えられるところによれば、死者・不明は千人を、被災者は1億1千を、超えるという。中国は何事もケタ違いだ。洪水対策は中国の長い歴史を通じての大きな課題で、水を治めるものは国を治めると言われてきた。

◇冤罪の恐怖は常に身近にある、明日は我が身に、と思わせるような事件だ。金沢地裁に窃盗罪で起訴された62歳男性のケースである。

 この人は、盗難のキャッシュカードで現金100万を引き出したかどで窃盗罪に問われた。コンビ二の防犯カメラの映像が証拠とされた。ところが、高度な技術で映像を分析したら、男性とは別人と分かった。

 検察は、この結果を踏まえて、裁判で無罪を求めた。検察の通常の姿は有罪を求めて弁護側と争うもの。検察側が無罪判決を求めるのは全く異例のことだ。検察官は、論告で、166日間拘留させたことを申し訳ないと謝罪した。警察署長も男性宅を訪ね謝罪したという。

 検察は証拠の見方が甘かったと反省している。この事件を通して思うことは、冤罪の恐怖は一般市民の間に常にあるということだ。

 検察側が自らミスを認めて行動した事は、民主国家日本の司法の救いではある。

◇16日、高崎市内のホテルで足利事件の菅家さんと支援者が同事件を振り返り思いを述べたことが報じられた。

 菅家さんは、無期懲役に服し17年半ぶりに釈放され、その後再審で無罪をかち取った人である。無罪の決めては、超精度のDNA型鑑定の結果であった。

 菅家さんは、ホテルで、強制的に自白させられた警察は聞く耳を持たなかったと語る。

 厳しく追求する側とそれを受ける立場、この構造的な仕組みは動かすことが出来ない。

その中で真実をいかに探し出すか、そして、冤罪を防ぐかが最大の課題なのである。司法には厳しさと同時に、行動の的確性が求められるのだ。(読者に感謝)

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2010年7月21日 (水)

人生フル回転「元死刑囚金賢姫の来日。中小企業振興条例。暴力団排除条例」

◇本県県議会には「拉致議連」が存在する。県議会も「拉致」に対して大きな関心を持ってきた。今回の金賢姫元死刑囚の来日は、この拉致につながる問題として大いに注目される。

 しかし、金元死刑囚が注目されるのは、何といっても、彼女が115人乗りの大韓航空機を爆破させた美人工作員だからである。

 事実は小説より奇なりというがこの事件は正にそうだった。この事件はソウル五輪の前年に起きた。金正日の「ソウルオリンピックの妨害のため大韓航空機を爆破せよ」という命令に基づいて実行されたことが明らかになる。実行犯が大変な美貌と言うことも世界の関心をかき立てた。

 金賢姫は死刑判決を受けたが大統領により特赦された。滞在地は、軽井沢の鳩山由起夫前首相の別荘で、ここで拉致被害者の関係者等と会うという。拉致問題に進展はあるのだろうか。

◇中小企業振興条例を検討する第三回セミナーが昭和庁舎で行われた(20日)。今回は、私や関根議長を含めて8人の県会議員が出席し、県産業政策課長も初めて参加した。

 条例案の説明は私が行った。条例案の骨子は、本県を「中小企業立県」と位置づけ、本県が中小企業を大事にする県であることを示す点にある。今回の参院選におけるマニフェストには、中小企業対策として、この中小企業振興条例作りが揚げられていた。県産業政策課は、この条例案に対して冷やかであるが、議会の決意を示すべきだと思う。

◇私が訪問した富士見地区のある老人は、赤城山の整備に関して県のやり方を強く批判した。私は海の日の休日、この老人に案内されて現地を見た。

 自然を壊してはいけない、歩道の整備も自然を活かしながら工夫すべきだという老人の訴えには傾聴すべきものがあった。

 案内されて特に感じた点は小沼の惨状である。美しい沼に下りる一画がかなり広い範囲にわたってえぐられ赤土が露出していた。放置するとますます酷くなる。周囲の景観と調和する形で土がくずれるのを防止すべきだと老人は主張した。20日、赤城山振興に関して大澤知事と話した際、この問題を伝えておいた。

◇県はこの9月議会で暴力団排除条例を作ろうとし、条例案の概要を示して県民の意見を求めている。このパブリックコメントの期限は今月26日が締め切りとなる。

 私は1県民として意見を述べることにした。この条例は、暴力団に利益を提供すること(みかじめ料など)、及び、暴力団がこれを受けることを禁止しているが、罰則がない。私の提案は罰則を設けるべきと言うものである。(読者に感謝)

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2010年7月20日 (火)

人生フル回転「角膜を提供した母。改正臓器移植法。千葉景子」

◇生前の本人の意思が不明でも家族が承諾すれば臓器提供が出来ることになった。改正臓器移植法が17日に施行された。改正法の下では臓器の提供が容易になり救われる人が多くなると同時に様々な問題が私たちに突きつけられる。

 臓器提供といえば、私は母の角膜提供を思い出す。(角膜も臓器に当たるのである)母は角膜の提供をアイバンクに登録していた。貧しい時代を生きた母の哲学は、何事についても、「もったいない」を尊重することであった。角膜の提供は、「もったいない」と同時に盲目の人に光を与えたいという一念に基づくものであった。

 母は忘れられない時期に人生の幕を閉じた。平成17年9月17日、私の議長就任祝賀会が行われ、翌、18日が母の告別式であった。告別式では、アイバンクから感謝状が贈られた。その後、尾辻厚労相(当時)からも感謝状が届けられ、感謝状を届けた人は「お母さんのお陰で2人の人が救われました」と言った。両目を失明している2人の人の一方の目に、母の角膜は移植されたのだ。母の角膜が今でも活かされていると思うと不思議だ。改正法の下で何が出来るか考えねばと思う。

◇これ迄は、母がドナーカードに登録していたように、書面で提供の意思を表示しておくことが提供の条件であった。しかも15歳以上の者に限られていた。

 改正法では、本人が否定していなければ、家族の承諾で0歳から可能になった。また、改正法では、虐待を受けた18歳未満の者からは提供出来ないとした。

 本人が拒否の意思を表明していないとき、家族の負担は大きい。時には、家族は重大な決断を迫られるからである。角膜などは、比較的簡単に摘出されるが、心臓などとなれば、大手術になる。家族は、簡単には結論を出せない。この種の問題は、普段から家族間で話し合っておかないと、いざという時、混乱することになる。

◇「落選した法務大臣がそのまま大臣を続けるのはどういう事か。憲法違反ではないのか」と地域の人から質問を受けた。

 憲法違反ではないが、民主主義の観点からおかしいと思うと答えた。憲法は、内閣総理大臣を任命するとき、その過半数を国会議員の中から選ばなければならないと定めている。

 だから、落選して民間人となった千葉景子をそのまま大臣とすることは憲法違反ではない。しかし、この参院選で国会議員の資格を主権者から否定されたばかりの人に、法務大臣を続投させることは、国民の意思を無視することではないか。前例がないという。民主主義の精神に反するのではないかと思った。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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2010年7月19日 (月)

②敗戦、原爆、玉音放送

 同じく群馬県史七巻には、西郷俊雄が、妙義町に疎開していた五年生の時を振り返る次のような手記が見られる。

「広間には、古びたラジオがポツンと置かれていた。私たち学童は正座してこの後に来るものを待った。寮の先生たちのコワバッタ姿勢から″なにか重大なことだ″と子供心で直感した。陛下のお言葉が随分長々と続いたように記憶している。しかし、その言葉の意味を理解することは難しかった。女の先生の目に涙を見たのもその時だった。寮長先生から『戦争がきょう終わりました』と知らされて初めてラジオの前に集まったわけが分かったし、先生の涙の意味に合点がいった。その瞬間、私の脳裏をよぎったのは、敗戦のくやしさでもなければ、哀しみでもなかった。両親の元に帰れるうれしさであった。

(旭丘小学校昭和二十四年卒業合同クラス会編『えごの花』より)

 また、群馬県史資料編21には、当時高崎市檜物町在住の木下武夫の日記が見られるが、その八月十七日の所の所に次のような記述がある。「昭和廿年八月十七日 金曜日 曇 十五日、大東亜戦争終結の大詔を拝してより今日まで、私はまるで夢みる心地であった。否、今も尚、呆然たる心境である。併し、徐々に冷静を取り戻し、兎に角、日誌を記してみようという気持ちになった。日本が敗ける時は、一億が潔く玉砕するときだと信じ、確く日本の必勝を信じて来た私にとって、此のような戦争の終結の仕方は、全く意外と思うより他はない。大詔は煥発せられたのである。戦争終結の止むを得ざる理由の一つに、原子爆弾の出現を詔せられて居るのは誠に畏き極みである。原子爆弾が先ず、敵、米によって発明せられ、且つ使用去せられたという事実は、日本にとって必ずしも不幸ではなかったように感じられる。

 科学が遂に全人類の破滅を可能にしたのである。原子爆弾の発明は、そして其の戦争への使用は、全く人類滅亡のための悪魔である。此の様な怖がるべき悪魔を、日本が創出し、日本がしようしなかったことを、私は、今は喜びたいと思うのである。世界人類の真の繁栄と平和とが、斯る悪魔的凶器凶薬の保障に依って促進され得る筈はない。却って無条件降伏した日本の態度、大御心の深き大慈が、必ずや世界人類の真の繁栄と平和との基調となるに違いないと思うのである。大東亜戦争の目的である『八紘一宇の大精神、共存共栄の聖なる理念』は是を武力によって貫くには、未だ世界も日本の共に稚な過ぎたのであろう。併し今や敗戦国としての忍苦と屈従の恐るべき試練を通して、戦後の復興と建設に於いて、生活と文化の戦いによって、我等は、此の大東亜戦争の目的を貫徹すべきなのである。敗けたのではないと考えたい。新しい形の戦いが、真に世界の平和、人類の繁栄を招来すべき戦いが、今日、厳粛に開始せられたのである。ああ、然利といえども、今後我等日本人の受く可き苦難と屈辱が如何計りであるか。思えば戦りの汗全身に流るるを覚ゆるのである。苦難の重きに泣いてはならぬ。屈辱の深さに敗けてはならぬ。耐え難きを耐え忍び難きを忍び以にて万世の為太平を開くと大詔にも仰せられてある。色々と想念は廻る。今日は一日寝て暮らして了った。朝、入野へ行こうと駅まで行ったが、切符売り場の行列を見、その人々の茫然たる姿を見ると、急に行くのが嫌になって、すたすた家にかえってしまった。人々の姿に、戦いつつありし日の溌剌さは既に無い。笑顔は消えて、何処を見るともなうつろな眼、だるそうな姿勢、黙々としている立ち姿、戦いに敗れた国民の陰影が既に覆うべくもないではないか。是から続き、是から開始せられる我等の生活の苦難を想う。暴虐なる敵は、我等に辛うじて生存するを許すであろう。否々、その生存さえも不断の脅威に曝されねばなるまい」

 かなりな長い文を敢えて全文紹介したのは、当時の想像を絶する混乱の中で、一市民が人類の平和や戦後の復興につき客観的なみかたで、しかも本質を衝いた把え方をしている点が注目されるからである。

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

手違いで、昨日(18日)掲載分を抜かしてしまいました。続けてお読み頂けるよう、今日は18日分、19日分と掲載致します。(19日分が重複する結果となっています)。

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2010年7月18日 (日)

②敗戦、原爆、玉音放送

 科学が遂に全人類の破滅を可能にしたのである。原子爆弾の発明は、そして其の戦争への使用は、全く人類滅亡のための悪魔である。此の様な恐るべき悪魔を、日本が創出し、日本が使用しなかったことを、私は、今は喜びたいと思うのである。世界人類の真の繁栄と平和とが、斯る悪魔的凶器凶薬の保障に依って促進され得る筈はない。却って無条件降伏した日本の態度、大御心の深き大慈が、必ずや世界人類の真の繁栄と平和との基調となるに違いないと思うのである。大東亜戦争の目的である『八紘一宇の大精神、共存共栄の聖なる理念』は是を武力によって貫くには、未だ世界も日本の共に稚な過ぎたのであろう。併し今や敗戦国としての忍苦と屈従の恐るべき試練を通して、戦後の復興と建設に於いて、生活と文化の戦いによって、我等は、此の大東亜戦争の目的を貫徹すべきなのである。敗けたのではないと考えたい。新しい形の戦いが、真に世界の平和、人類の繁栄を招来すべき戦いが、今日、厳粛に開始せられたのである。ああ、然利と言えども、今後我等日本人の受く可き苦難と屈辱が如何計りであるか。思えば戦りつの汗全身に流るるを覚ゆるのである。苦難の重きに泣いてはならぬ。屈辱の深さに敗けてはならぬ。耐え難きを耐え忍び難きを忍び以て万世の為太平を開くと大詔にも仰せられてある。色々と想念は廻る。今日は一日寝て暮らして了った。朝、入野へ行こうと駅まで行ったが、切符売り場の行列を見、その人々の茫然たる姿を見ると、急に行くのが嫌になって、すたすた家にかえってしまった。人々の姿に、戦いつつありし日の溌剌さは既に無い。笑顔は消えて、何処を見るともないうつろな眼、だるそうな姿勢、黙々としている立ち姿、戦いに敗れた国民の陰影が既に覆うべくもないではないか。是から続き、是から開始せられる我等の生活の苦難を想う。暴虐なる敵は、我等に辛うじて生存するを許すであろう。否々、その生存さえも不断の脅威に曝されねばなるまい」

 かなりな長い文を敢えて全文紹介したのは、当時の想像を絶する混乱の中で、一市民が人類の平和や戦後の復興につき客観的なみかたで、しかも本質を衝いた把え方をしている点が注目されるからである。

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2010年7月17日 (土)

②敗戦、原爆、玉音放送

次に群馬県史から庶民の声をいくつかピックアップしてみる。

群馬県史七巻は、当時、中之条町に在住の新聞記者関喜平の日記をの載せているが、それによれば、関喜平は、重大発表を町役場で聞いた時の様子を次のように記している。

「重大発表とはなんであろうか。日本の都市はあらかた米軍のB29の焼夷弾攻撃にあった。前橋もB29に襲われた。東京も焼かれた。原子爆弾は長崎・広島におとされた。日本人の一人一人が敵兵の上陸してくる海辺で、竹槍をふるい抗戦する作戦で、その勇躍を鼓舞する決意の発表なんだと心の中で思った。町役場のラジオの前は重大発表を聴かんとする者がならんだ。刻々と時はせまる。だれの胸にも不安と希望の入り混じった複雑な表情だった。放送は、意外にも天皇おん自らの声ではないか。重大な発表とは天皇のお声なのだ。

『かしこくも、本日正午、天皇自ら、放送あそばされます。国民は一人残らず謹んで拝しますよう……』とのアナウンスだった。

玉音第一声は流れてきた。突然のことだ。そのころから雑音が入り始めてよく聴き取れない。町長小暮寿雄も重大発表をききに宿直室に入ってきた。どうもよく判らない。誰にもいらだちの表情がみなぎる。私は、玉音の放送が始まったとき、私の肉体は感動のため震えた。私の全身の細胞は耳に集中した。だがお言葉の一つ一つは聞き取れないが、大体終戦のお言葉であることは想像された。終戦というお言葉だけは各所で使われていることが分かった。小暮町長も敗戦だと言ったきり黙然としていた。銃後の国民の一人一人が戦ってきた。それがすべて終わったのだ。黙然とするのも無理はない」(中之条町民の日記にみる、明治・大正・昭和の歴史・下より)

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2010年7月16日 (金)

人生フル回転「振り込めの新たな手口。娘を洗濯機で回す。口蹄疫」

◇新たな振り込め詐欺が増えている。先月25日前橋市内の女性が銀行協会を名乗る男にキャッシュカードを詐取され現金を口座から引き出された。

 手口は、先ず次のような電話がかかる。「あなたのキャッシュカードが偽造され被害にあっている。被害額を返還するため銀行協会の者があなたの自宅に行くからカードを渡して下さい」。

 被害額を返してもらえると思わせる点がポイントなのだ。現金をもらえることに弱い人間の心理を巧みについている。子ども手当をもらえることで一票を投じる有権者の心理もこれに通ずるところがあるかも知れない。

 警察庁の発表によれば、この種の詐欺が急増している。1月は35件だったが6月は163件になり被害総額は累計約8億円に達し、計53人が逮捕されたという。現代社会の危なさを象徴するこの犯罪はどこまで続くのか。

◇5歳の長女を洗濯機に入れて回すという虐待事件にはあきれる。福岡県の女が殺人容疑で逮捕された。テープで口をふさぎ、水を入れた洗濯機に座らせたり、水を入れてフタをしてスイッチを入れて回転させたこともあるという。密閉された狭い空間で水と共に回転させられる女の子の姿と心を想像するとたまらない。ストレスと孤独に押しつぶされながら生きる女の犯罪であり、歪んだ現代社会を象徴する出来事である。

 愛憎の果てに離婚し絶海の孤島に取り残されたような孤独な母と子。母の愛憎は唯幼い娘に向けられる。母の平衡感覚が狂ったとき世間に対する怒りと別れた夫に対する恨みは娘に向けられ黒いエネルギーは洗濯機のスウィッチにかけた指を動かす。

 表に現われない児童虐待は非常に多いに違いない。背景には冷たい格差社会と連帯感を失った地域社会の現実がある。毎年3万人以上を自殺に追い込む要因と共通のものがあると思う。

◇日本中を震撼させた口蹄疫が終息に向かっている。3月末からの宮崎県農家の惨状は、人類とウィルスの戦いの深刻さを示していた。本県の畜産業者も固唾を呑んで見守っていた。

 そんな折、宮崎県では、口蹄疫発生の新たな例を隠ぺいするような事件が起き大きな問題となっている。典型的な症状を示す牛に対し、宮崎県は、検査も国への報告もせず殺処分、埋却処分を行った。宮崎県は一刻も早く終わらせたかったのだろうが、その対応は本末転倒と批判されている。

 問題の牛が感染していたとすれば、その農家にはウィルスが撒き散らされていた可能性があり、何も知らずにそこに出入りする人々を通してウィルスが広がる恐れがあるからだ。(読者に感謝)

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2010年7月15日 (木)

人生フル回転「中曽根、舛添、堀内、中畑、鳩山。天国と地獄」

◇朝8時、選挙後初の県議団総会が開かれた(14日)。中曽根弘文さんは、県連会長として挨拶し、その中で皆さんのお陰で勝利することが出来ましたと謝辞を述べた。参院では珍しい5期目の当選である。これまで、参院議員として文部大臣及び外務大臣を務めたことも例がない事である。選挙中は、その体験を語っていた。

 この人は切った張ったを得意とする乱世がたの政治家ではない。はったりはなく、また威張らず誠実な人である。腰の痛みはかなりのものであった筈だが、それを感じさせずに激戦を貫いた姿は、芯の強さを示すものであった。政治に対する不信が渦まくなかで、多くの有権者に安心感を与えたであろうことも大量得票を得た要因であった。

◇戦いが終わって全国で様々なドラマが展開している。選挙は結果で判断される。負ければ地獄である。戦国時代のように首を取られる事はないが、計り知れない精神的痛手を負い、経済的な打撃をうけ、中には社会的に再起不能に追い込まれる。現代社会の打ち首である。

 今回、私が、注目する落選候補の中に元巨人軍の堀内と中畑がいる。2人とも巨人渡邉恒雄球団会長からお墨付きを得て立候補しながら落選した。堀内も中畑も野球では名選手だったが政治家に向いているとは思えない。

 堀内は極度の高所恐怖症で選挙カーの上に登るのを怖がったという。中畑は長島茂雄との2ショットのポスターの使用を、一茂、三奈の兄妹から、父を政治に利用しないで欲しいと拒否されたといわれる。こんなことは小さな事だが、読売新聞をバックにした勢力が、このようなタレントを国政に送ろうとした事自体が問題ではないか。

◇新党改革は自民党を飛び出した舛添要一が立ち上げた党。総理に1番近いといわれた男は、1人しか当選させられなかった。かつて東大法学部助教授だったこの男は政界を泳ぐことは下手らしい。政治の世界では、他と協調し仲間をつくることが出来ないと何も出来ない。舛添は人生最大の地獄を味わっていることだろう。脱皮して次のステージに立てるか見守りたい。

 舛添の新党改革から出て注目された落選候補に鳩山太郎がいる。元総務大臣鳩山邦夫の長男である。鳩山の名と金をもってしても約2万4千票しか取れなかった。鳩山一郎や威一郎があの世で嘆いているだろう。名門鳩山家の命運も終わりに近づいている感じだ。

◇午後、高木市長と会った(14日)。県に対する重点要望の打ち合わせである。8項目の要望の中に赤城山振興策と子宮頸がん予防ワクチンの問題があった。高木市長は今回の選挙では敗軍の将の1人である。中心となって支援した選挙区の富岡氏と比例区の小寺氏が共に敗れたからだ。図らずも勝者と敗者が対面する形となった。(読者に感謝)

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2010年7月14日 (水)

人生フル回転「大相撲はプロレスと同じか。文京区長の育休」

◇中井国家公安委員長は13日の会見で、先日、警察が押収した力士の「携帯」について発言した。暴力団関係者らしい名前が何件かあったこと、及び、立件できるものは早く立件して欲しい等のことだ。

 国家公安委員長がこのような発言をすることは異例である。これは、相撲と暴力団との関係をいかに重大視しているかを示すものだ。国技である相撲に暴力団が構造的に深く関わっていることは、法治国の治安と権威を脅かす象徴的な出来事だから、これは当然といえる。

 これまでの相撲協会には自浄能力がないことが明らかとなった。従って、八百長相撲の存在を否定した協会の結論も信用できないことになる。

 今回の野球賭博をスクープしたのは週刊新潮だったが、八百長問題については週刊ポストなどが度々とり上げていた。今となって、多くの国民は八百長も事実だったのかと思っているに違いない。

 先月の記者会見で仙谷官房長官は、相撲が野球賭博に汚染されているとすれば、八百長相撲もあり得ると発言した。

 琴光喜はギャンブルで有名だったといわれる。ある大相撲担当記者は、彼の実力からして納得がいかない取り組みがあった、借金のために星を売ったのではないかと述べている。そう思われても仕方がない客観的状況があったと思われる。

 構造的な賭博や八百長が事実だとすれば、国技といってもプロレスと変わりがないではないか。国技という衣装をまとっているだけに悪質である。偽装ブランドで国民を欺いていることになるからだ。

 今日の日本は、規範意識が地におちてだましあいの社会になっているが、相撲界の現状は、このような日本を象徴するものだ。公安委員長が躍起となっているのが分かる。相撲界の問題を解決できなければ、日本の治安問題も解決出来ないという危機意識をもっているに違いない。

◇今月5日のブログに改正育児・介護休業法の施行に関して、夫の協力が出生率向上の一つのカギだと書いた。そこで現役の文京区長が育休を取ったことに触れたら私の周辺でもっと知りたいと話題になった。

 成澤廣修文京区長は、今年の4月に約2週間の育休をとった。その動機として「結婚9年目に授かった我が子に力一杯の愛情を注ぎたかった、母体のケアが最も必要な産後8週以内に妻のサポートがしたかった」と述べる。

 日本の社会が大きく変わりつつあることを示す出来事である。この区長の「育休」に対し「ニッポンの母」を名乗るある女性が「女々しい」と批判したらしい。私は勇気ある行動だと思う。(読者に感謝)

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2010年7月13日 (火)

人生フル回転「タレント候補の動向。三原じゅん子、子宮の訴え」

◇「タレント候補という事でマイナスからのスタートでした」元女優の三原じゅん子が当選後テレビで語っていた。タレント候補と見られる人の中にもいろいろあるらしい。彼女は子宮頸がんになり子宮を失った。残りの人生を若い女性の命を救うためにと決意して立候補したと語る。彼女の訴えは、タレントという壁を越えて人々の心を打ったのだろう。自民比例区5位で当選を果たした。

 タレント候補とされる中畑清、堀内恒夫、神取忍、池谷幸雄、桂きん枝などは落選した。国民の目が厳しくなっていると思える点は救いである。

 池谷幸雄は、ソウルやバルセロナ五輪でいくつものメダルをとった有名な体操選手である。彼は、選挙カーのところでトンボ返りをして見せた。それを見た近所の女子高生が「ああいう人には国会議員になって欲しくない」と語っていた。トンボ返りは政権の訴えと無関係で、単に関心を引くための手段であることを女子高生も見抜いていたのだ。有権者を愚弄(ぐろう)する猿芝居で、演技は逆効果だったと思える。

 幸福実現党は、ユニークな発明家・ドクター中松を立てたりして頑張ったが選挙区、比例区とも議席獲得に遠く及ばなかった。女性党や創新も議席ゼロ。「たちあがれ日本」と「改革」がやっと、それぞれ議席1を得た。

 これらを見ると、1つの議席を手に入れることの難しさが分かる。比例区で、1議席を獲得するには2%以上の得票が必要であった。「たちあがれ日本」は、2、11%の123万2千票余を、「改革」は、2、01%の117万2千票余を、それぞれ得て1議席の分け前を得た。

◇三原じゅん子は、子どもが欲しくて不妊症治療まで試みたが今度は決定的に命を宿すことすら出来なくなったと、子宮頸がんで子宮を失った悲しみを語った。

 毎年約3500人が子宮頸がんで亡くなっている。主な原因は性交によるウィルス感染である。昨年の国会である女性議員は若い女性に子宮頸がんが爆発的に増えている、学校で検診手帳を活用すべきだと訴えた。

 検診手段には、子宮頸がんは検診が最も有効でいたって簡単、検診は命を落とさないための特効薬ですとある。そして直接の特効薬はワクチンだ。

子宮頸がんは、がんの中で唯一のワクチンで予防が可能である。日本でも昨年発売された。

 ワクチンの対象は10歳以上だが、性交体験前の11~14歳の接種がもっとも有効だと言う。現在ワクチン接種費用は全額自己負担であるが、最近は公費で助成する自治体が増えている。前橋市は本年度から中1女子を対象にワクチンの全額補助を始める。前にもこのブログで書いたが、県は、この問題を性教育の一環と位置づけるべきだ。(読者に感謝)

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2010年7月12日 (月)

人生フル回転「参院選挙に見る天国と地獄・民主の大敗」

10日午後8時、事務所の総勢が拍手と声援で迎える中、中曽根候補は、この日の過密なスケジュールをこなして、選挙事務所に着いた。

 続いて行われた打ち上げ式では、戦勝ムードを戒める発言も出た。事務長の元総理大臣福田康夫さんは、普段の冷静な顔を幾分上気させて、これからの中曽根さんの大きな役割にふさわしい票を獲得するために、残された時間を頑張ろうと訴えていた。

 明けて、11日、早朝6時半から町内の公園の草取りに出た。「いよいよですね」、「大丈夫ですよ」などと私に声をかける人もいた。こんなところにも全体の社会の風が流れ込んでいると感じた。

 私は、初めて中曽根弘文と書いた。長く続いた福田、中曽根の派閥の流れの中で、中曽根候補の名を書く機会はなかったのだ。

◇午後7時半に、選挙事務所に集まるよう選対本部から要請が出ていた。この時間、中曽根事務所では、既に物々しい報道陣のカメラが来たるべき瞬間を待ち受けていた。

 午後8時1分、ドッとどよめきが起きた。全国で一番早い中曽根弘文の当確が出たのだ。選挙につきものの天国と地獄のドラマが、この報道を契機に全国各地で繰り広げられる事になった。

 深夜、続々と当選と落選がテレビで報じられる。それは、昨年8月の衆院選の逆転劇であった。民主党は当初の予想を大きく下回って44議席、逆に自民党は予想外に伸びて51議席であった。そして、中曽根さんは、55万8千余票を得て、富岡由紀夫氏に27万票余の大差をつけた。

 比例区では、昨年の衆院選で、土下座までしたが落選し「地獄を見た」といっていた自民の片山さつきが上位で当選した。また、我々が比例区で注目していたのは小寺氏の動向である。ポスターの量は夥(おびただ)しかったが及ばなかった。ポスターの表情は老け込んで精彩を欠いていたが、落選のダメージは大きいだろう。

◇みんなの党の躍進ぶりは驚きである。10議席の獲得はただ事ではない。風に乗って本県の御当地候補上野ひろし氏も当選を果たした。運動期間が極く短かった事を考えると凄い結果だと思う。

 舛添要一率いる新党改革は辛うじて1議席を獲保した。首相候補としてダントツの人気があった舛添氏には大きな誤算があったのではないか。平沼氏や与謝野氏が自民党を飛び出して立ち上げた「たちあがれ日本」も1議席のみの獲得に終わった。亀井静香の国民新党は、ゼロだった。彼の勇ましい攻撃的な論調が、今後どう変化するのか注目したい。政治家の喜びと苦しみが痛い程伝わる嵐の時間が去っていく。(読者に感謝)

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2010年7月11日 (日)

②敗戦、原爆、玉音放送

玉音放送に対するマスコミや国民のこのような反応を見て、私たちは、天皇の存在がいかに大きいものであったかを改めて知るのである。天皇に対する尊敬の念は、日本の歴史を貫いて、日本国民心の中を脈々と流れている。それは、敗戦によって変わらないどころか、“朕は、なんじ臣民と共にあり”という玉音放送の言葉にあるように、敗戦で天皇が身近かな存在になったことにより、より深い物の尊敬となっていった。戦後、天皇制をどうするかということが問題となり、心配されたが、結局天皇は国民の象徴として位置づけられ、天皇制は残されることになった。こうなるについては、玉音放送に対する国民の反応にみられるような、天皇に対する国民の変わらぬ熱い心があり、アメリカもこれに動かされたというも見逃すことができないと思われる。また、戦後の目覚しい復興に示した国民のエネルギーも、一面、このようなところから生み出されたと言えよう。

ところで、群馬県民は、敗戦をどのように受け止めたのか。まず、昭和20年11月県議会では、議長の菅家勘三郎は開会の挨拶で次のように述べている。

「我等日本国民は支那事変より引き続き大東亜戦争に至るまで8年間、必勝の信念を堅持して凡ゆる困苦欠乏に耐え忍び、国家の総力をあげて戦い続けたが、一億敢闘も空しく、大御心に副い奉ることが能わず敗戦の屈辱を見るに至ったことは、まことに悲憤慷慨の至りである。今後、日本民族の上に山積みする苦難窮乏は想像以上に深刻であろうことは、恐らく戦時中に倍数、数十倍することと存ぜらるるが、如何なる事態に立至っても我等国民は、平和日本再建のため凡ゆる苦難を突破し、茨の途を切り拓き民族永遠の発展を企図せねばならぬ。通常県会の招集に当たり、各位と共に、更に覚悟を新たにし、県当局と渾然一体となり、戦後県民生活の安定に邁進せねばならぬ」と。

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2010年7月10日 (土)

②敗戦、原爆、玉音放送

 続いて、社説は、「耐え難きを耐え忍び難きを忍び」あるいは「五内ために裂く」(五内とは内臓のこと。国民のことを思うとはらわたが裂ける思い)という天皇の言葉をあげ、このような玉音に接したなら、何人といえど魂の底から我を忘れ、神を求め、御言葉の一言一句をも決して忘れまいと誓わないものはいないと述べ、問題は将来の新日本にあるとして、新日本は、人間の正しい一念、慎ましい悲願にその基礎を置くべきだ。そして、新日本の建設は、恐らく、先人が歴史上かつて経験したことがないほど難しいことであろうが、「篤い道義とかたい志操」をもって全ての国民が力を合わせることによってのみそれは可能だと主張する。また、天皇の言葉、「常になんじ臣民と共に在り」をあげ、「これを聞いた瞬間、痛切なる切実感をもって畏多くも、御上の御側に我等もありと覚えたのである。顧みれば、いかに遥けくも遠き御存在なりしぞ。いまこそ、臣民一体の大道についたのである。この大道こそ国威の恢弘を将来に約束する」と、今まで雲の上の存在であった天皇が国民と一体となって大道を進むことになったことの重要性を強調し、社説は、次のように結ぶ。「功を焦らず、一歩一歩進んでゆこう。平和の師表、文化の源泉、精神の精髄たらんことを期して進もう。眞の力は、斯の如き道から生まれるのである。」と。

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2010年7月 9日 (金)

人生フル回転「最後の大集会。大相撲・名古屋場所。脱北兵士」

◇県都前橋最後の集会は、「企業・団体・働く者の集会」として8日夕刻行われた。亀里町の農協ビルの大ホールは立錐の余地もなく入り切れない人々が場外にもあふれた。中曽根弘文候補は嬉しそうであった。

 候補者は疲れ切っている。中曽根弘文さんは、幾日か前から背骨の痛みを隠して強行軍に耐えていた。疲れた候補者にとって何よりの栄養剤は、会場にあふれる支援者の声援である。中曽根さんは今日の会場の雰囲気の中で勝利を確信したことであろう。

 福田康夫さんは、選対事務長として登壇し、この選挙は非常に重要である、なぜなら民主党政権の暴走に歯止めをかける選挙だからだ、これからは参議院が重要な働きをする、その先頭に立つのが中曽根さんである、だから、この選挙は負けられないのですと訴えた。

◇これからは、参議院が重要な働きをすると訴えた福田さんの発言には深い意味がある。これまで、参議院は衆議院のコピーだといわれ、参議院の存在に疑問を投げかける声もあった。

 参議院は、本来、「再考の府」あるいは、「理性の府」であるべきだと言われる。政争の中で行き過ぎた結論や誤った方向を出す衆議院に対する歯止めの役割である。今回の選挙で野党が勝てば、初めて、参議院は、その役割を果すことが可能になる。

 この点からして、首をかしげたくなるような候補者が多く出ている。政治以外の事でただ名前が売れていることを利用して、政治家にふさわしくないような候補者を立てることは有権者を馬鹿にするものであり、邪道というべきだ。今回の選挙で有権者がこの点にどのような審判を下すのか大いに興味ある点である。

◇大相撲名古屋場所が大変な事になっている。天皇賜杯の授与がなくなり、力士等は、警察の捜索で、通帳、ケータイ、パソコンなどを押収されている。NHKの生放送の中止や有力人気力士の登場もないなど、淋しい名古屋場所となる。公益法人返上も有り得る。これまで、たかをくくっていた協会幹部も真っ青に違いない。これを機に真の改革が出来なければ、国技の未来はない。「ごっつぁん」体質がどう変わるか注目したい。

◇今回の選挙では日本の安全という事も論点になっている。そこで気になるのが危険な隣国北朝鮮の動きである。北朝鮮は韓国を火の海にするといって興奮している。

 北朝鮮では、経済の混乱、食料不足、戦争への恐怖などで国民は追いつめられている。脱北者が増え、最近は兵士の脱北も増えている。「先軍」といって軍が最優先の国で、軍そのものが腐敗で崩れようとしている。追いつめられた国は何をするか分からない。恐怖だ。(読者に感謝)

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2010年7月 8日 (木)

人生フル回転「比例投票・市職員のミス。角界一斉捜索」

◇比例代表の投票の仕方を理解していない人が以外に多いようだ。投票に関わる市の職員の中にも誤解している人がいるというのだから、一般の有権者の多くが理解出来ないのは当然というべきかも知れない。民主主義の根幹に関わる事だから、選管は、正しい知識が普及するよう、最大限の努力をして欲しい。

 高崎市の期日前投票所で、担当の職員が、比例代表の投票用紙には政党名を記入してくださいと説明したことが問題となっている。昨日(7日)、あるところで、参院選のしくみを話していたら、その場にいた人が、前橋市の期日前投票所でも、政党名を記入するように言われたと話していた。その人は、理性派のしっかりした人である。冗談を言っているとは思えなかった。そして、この誤りは、どこでも起り得ることなのだと感じた。期日前投票所だけの問題ではない。11日には、本格的な投票が行われる。選管は、問題を重視して、このような誤りが11日には起きないよう徹底すべきだ。

 比例区は、政党名を書いても、個人名を記入してもいい。ただ、その政党の中の順位は、個人名の数で決まる。だから、比例区候補は個人名を書かせることで必死になっている。

 まちにあふれる比例区候補のポスターには、政党名ではなく個人名を書いてくれと書かれている。有権者は混乱してしまうだろう。

◇角界に対する一斉捜索が始まった。力士の携帯も捜索押収の対象となるが、力士の中には、関係あるメールを削除した者もあるらしい。携帯が野球賭博の手段に使われたのだ。

 警視庁は、野球賭博にかかわった力士の相撲部屋などを家宅捜査した。容疑は、賭博開帳図利罪、単純賭博罪、常習賭博罪などだ。

 賭博開帳図利罪は、賭博所を開いて賭博の利益を図ることで罪は重い。3ヵ月以上5年以下の懲役となっている。

 繰り返し賭博をしていた事実が分かれば、常習賭博罪が適用され3年以下の懲役である。新聞や週刊誌が報じるところからすれば、常習的に賭博をやっていた者が多いように思われる。身に覚えがある力士は戦戦恐恐として土俵に力が入らないのではなかろうか。

 日本の社会では賭博罪が厳密に適用されていない点に一つの問題がある。マージャンでもゴルフでも金をかければ原則的には賭博罪のはず。どこからが罰せられるのかあいまいなことから賭博行為が広がり罪の意識が薄れることになる。

◇サッカーワールドカップが決勝を迎える。オランダ対スペインという欧州対決となった。

 今回のワールドカップの特色は、アフリカと南米が身近になったことだ。アフリカ勢が先進国と互角に戦った事に感動した。サッカーが世界の心を一つにつなげたことを実感した。(読者に感謝)

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2010年7月 7日 (水)

人生フル回転「警視庁も暴力団排除条例を目指す。NHKの中継中止」

◇今回の相撲界の出来事は、歴史に刻まれることになるだろう。国技がその存続を問われる崖渕に立たされた事、及び、暴力団の関わりが重要な点である。

 相撲界の数々の不祥事は、国技の名に値するのかという疑問を生じさせ、その腐敗の実態は今日の日本の混乱を象徴するといえる。だから、その再建は、国民的課題である。

 改革を阻む最大の要因は閉鎖的な体質にある。「相撲界のことは相撲の世界に生きた者しか分からない」といって外部理事の参加を否定してきた。しかし、これでは改革は不可能という事で村山弘義氏が初の外部理事に就き、今回、理事長代行に決まった。

 長く続いた体制は自浄能力を失い改革と発展のエネルギーを失う。政治の世界も同じだとつくづく思う。昨日早朝の中曽根の選対会議に出席して、政界も必死で改革に臨まなければならないと思った。

◇暴力団が芸能界やスポーツ界に触手をのばし資金源としていることは何としても阻止しなければならない。今回の相撲界と暴力団の関わりは、その事を改めて世間に示した。

 警視庁が暴力団排除条例の制定へ向けて動き出した。社会から暴力団を排除する目的である。5日有識者会議を開いた。この会の冒頭、組織犯罪対策部長は「暴力団の資金源を絶つなど社会全体から暴力団を孤立させることが必要だ」と述べた。

 相撲界に深く食い込んで巨額の利益をあげていた実体が、今回の事件で明らかになった。国技が、暴力団という反社会的な勢力を、結果として助けていたと言われても仕方がない。暴力団排除条例の制定は、タイムリーであるが遅すぎたということもいえる。

本県は暴力団排除条例を9月議会に上程する予定。県民の声を反映させるために、パブリックコメント(意見募集)を実施する。その期間は6月25日(金)から7月26日(月)までの32日間。その結果は8月上旬に公表する。

 県民が意見を述べるには資料が必要である。「群馬県暴力団排除条例(案)の概要」は、県警のホームページで見られるし、県警本部の資料コーナーで入手できる。

◇NHKが名古屋場所の中継をしないことに決めた。前代未聞の事だ。NHKが相撲協会に払う放送権料は、年25億を超えるというから相撲協会の痛手は大きい。

 NHK会長は「野球賭博は暴力団との関与が指摘されるなど極めて重大で遺憾」と語った。今年の新弟子入門審査に応募した少年は一人だったといわれる。黒い雲で覆われた相撲界は少年の夢も奪っている。(読者に感謝)

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2010年7月 6日 (火)

人生フル回転「相撲界崩壊の危機。暴力団排除条例」

◇週刊誌が書いているうちは、いつもの事なのでまさかという思いであった。相撲界の野球賭博などの不祥事の事である。それが、最近は、NHKや大新聞が週刊誌以上の生々しい事実を報じるようになった。

 その内容は、各週刊誌が書いている事と大体同じである。とすれば、過去に某週刊誌が執拗に食いついていた八百長問題も事実だったのかと思ってしまう。相撲協会の体質の中に溜まった積年のウミが一挙に吹き出したがそれは驚くべきものだ。

 大相撲は国技であり、また、相撲協会は公益法人である。そして、日本の伝統文化を担っている。相撲協会は、正に社会的存在である。それが暴力団という反社会的存在とつながり、多くの力士が野球賭博という犯罪行為を行っていることが判明した。

 協会幹部は、「歴史始まって依頼の危機だ」、「大相撲が存続出来るか瀬戸際だ」と語っている。

 これ迄も、相撲部屋の暴力事件、大麻問題、暴力団に特別席を利用させた等様々な不祥事が発生したが、協会は解決できなかった。これは、協会が体質的、構造的な問題を抱えている事を示すもので、このままでは協会は自滅してしまう。幹部が語るように「瀬戸際」に来ているのだ。

 原因の一つに「ごっつあん体質」があると指摘されている。何でも簡単にもらってしまう習慣だ。そこに暴力団が巧妙に入り込む。暴力団であることを隠して接近しご馳走したり金品を提供する。相撲取りはタニマチが現れたように喜びつつ術中に陥ってしまう。

 「番付け上位の力士は1日に数百万円を張る。相撲取り相手はもうかる」、「野球賭博の胴元をすれば、多い日には5千万円稼げる」などと暴力団は語っているそうだ。また、相撲取りたちは背後に暴力団がいるとは知らなかったと言っているが、暴力団関係者は、知らない筈はないと告白している。

 相撲取は世間を知らず、幼稚な人が多いのだろう。これらの人をいかに教育していくか、そして、その体制をつくることが協会の最大の課題である。

◇今回の相撲協会の出来事は、暴力団問題を大きく浮き彫りにさせた。暴力団排除の気運が全国的に加速するに違いない。

 その動きの中に暴力団排除条例の作成がある。福岡県は、昨年10月全国に先がけて、この条例を成立させた。主要点の1つに、暴力団への利益供与の禁止がある。東京都にはこの条例がまだないが同条例があれば、この条例違反も問題になった筈だ。

 全国が福岡の例に続こうとしている。私は、条例成立直後の福岡県警を視察し、本県でも同条例をつくるべきだと主張してきた。そして本県もついに9月議会に条例案を提出する。県民の意見を聴くパブリックコメントを6月25日から7月26日まで実施する。(読者に感謝)

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2010年7月 5日 (月)

人生フル回転「選挙は終盤。イクメンとは。南米勢敗れる」

◇ある家を訪ねたら、「自民党には入れません、さんざん悪いことをして反省していないから」と言われた。終盤戦に入って、緊迫感がただようのを感じる。比例区候補の立て看板が急に増え出したのも戦いの厳しさと激しさを物語る。一夜明けるごとに増えている。これは、各陣営が、夜作業していることを示しているのだろうか。

 選挙戦が激しさを増す中で、選挙に無関心な若者たちの無気味な海を感じる。サッカーのワールドカップで見せるあの熱狂的なエネルギーはどこへ行ったのかと思う。

◇人口減少社会に突入した。その中で、高齢化と少子化が同時に進む。若者たちの未来には重い暗雲が垂れ込めている。彼らの肩にかかる負担は、このままでは、増々重くなる。

 「イクメン」と言う言葉が広がっているといわれる。育児に積極的に関わる父親のことだ。

 育児休業の取得を支える改正育児・介護休業法が先月末に施行された。夫の育児への協力が出生率向上の1つのカギであるといわれる。改正法は、イクメンの増加を期待しているのだ。

 しかし、現実は至って低調である。本県男性職員の育児休業の取得状況を調べたら、平成20年度、21年度は、各1人であった。そして、市町村全体では、平成20年度3人、21年度は0人であった。職場のムードがネックになっているのだと思う。管理職が意識改革をし、それを行動で示すことが重要である。

 職場の上司がすすんで育児休暇をとれば、そこで働く人々はとりやすくなる。長野県佐久市長、東京都文京区長は、育休を取ったとされる。こういう例が広がるといい。

◇サッカーワールドカップをみていて、このスポーツには国民性がよく現われると思った。特に南米の国々の反応振りは異常とも思える。

 ブラジルは隣国のアルゼンチンが敗退したことを大喜びしているらしい。また、アルゼンチンでは、マラドーナ監督を批判する声が上がっている。

 私は、05年8月にブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの群馬県人会を議長として訪ねた。そこで、この3国の戦いを特別の思いで見ていた。特に日本と戦ったパラグアイには勝って欲しいと願っていたがスペインに敗れてしまった。アルゼンチンは、奴隷制の歴史がない南米では特別の国だが、経済が不安定な国だ。県人会の人は、この国の通貨を全く信用していないと語っていた。かつて、スーパーで人々が買い物をしている時、今から20%値上がりしますと放送があり、大騒ぎになったという信じられないようなことが現実にあったという(1988年)。

 今回のサッカー敗戦は、彼らの心と経済にどんな影響を与えるのか。それにしても日本の大相撲の腐敗ぶりは、恥ずかしいことだ。(読者に感謝)

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2010年7月 4日 (日)

②敗戦、原爆、玉音放送

また、8月16日の毎日新聞は、皇居前にひれ伏す人々の写真と並べ、「阿南陸相、自刃す」という記事を載せている。それによれば、阿南陸軍大将は輔弼(ほひつ)の責を十分に果せなかったことを天皇にお詫び申し上げるといって、次のような遺書を残して自刃した。

一死以って大罪を謝し奉る

昭和20年8月14日夜

 陸軍大臣 阿南惟幾 花押

 神州不滅を確信しつつ

 大君の深き恵みにあみし身は

 いい遺すべき片言もなし

 昭和20年8月14日夜

 陸軍大将 惟幾 花押

 これらの記事をみて驚くことは、天皇を非難するような記事や国民の様子は、一かけらも見られないことである。どの紙面にもあふれているのは、国民の忠誠が足らなかったことを天皇にお詫びする記事ばかりである。宮城前では、天皇に申し訳ないと言って腹を切った軍人も少なくなかったという。

さらに、8月16日の朝日の社説から私たちはこのような玉音放送の影響を知ることができる。社説は、「臆(ああ) 玉音を拝す」と題して次のように始まる。

まず冒頭、「これ如何なる日ぞ。皇紀二千五百五年八月十五日。この日、われら一億国民は畏多くも(おそれおおくも)、玉音を拝したのだ」と。天皇の生の声を聞くということは、当時の人にとって、どんなに大変なことかがわかる。

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2010年7月 3日 (土)

②敗戦、原爆、玉音放送

玉砂利に額を押しつけて、きのうまでの輝かしき民族の歴史、きょうは悲しき民族の歴史の日を慟哭する赤子(せきし)われ。大東亜戦争は終わったのだ。(中略)英霊よ許せ、我らは戦った。戦い終わってしかも忠誠なお足らず、遂に聖断を仰いで干戈(たてとほこ)をおさめねばならなくなったのである。胸を灼く無念の痛恨、しかも大君は宣わせ給う“時運のおもむく所、耐え難きを耐え忍び難きを忍び以て萬世のために太平を開かんと欲す”と。無辺の聖慮にしみて自ら垂るる頭。すすり泣く声あり。身を距たる数歩の前、ああ、そこにも玉砂利に額づいて、大君に不忠をお詫び申し上げる民草の姿があった。私は立ち上がって“皆さん・・・・”と呼んだ。“天皇陛下に申し訳ありません・・・”それだけ叫んで声がでなかった。ただ私は一つの声を聞き、二つの声を耳にした。“わかります”“私も赤子の一人です。”“この上どんなことが起ころうとも”この声はそれだけ言って、もうあとは嗚咽にかき砕かれた。日本人、ああわれら日本人、上に萬世一系、一天萬上の大君の在します限り、われらの心は一つ、いかなる苦しみにも耐え抜き、いつの日か、きょうこの日の歴史の曇を拭い去り清め掃い、3千年の歴史を再び光輝あるものたらしめるであろう。天皇陛下には畏くも“ここに国体を護持し得て忠良なるなんじ臣民の赤誠に信倚し”と仰せられている。ああ、聖上を、暗き世の御光と仰ぎ進むことこそ我ら一億の唯一の道ぞ、涙のなか、その喜びに触れて、私は、“やりましょう”と大きな声で叫んだ」これが、冷静である筈の記者の文である。このことからも、いかに、この日、国民が興奮のるつぼにあったかがわかるのである。

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2010年7月 2日 (金)

人生フル回転「参院選は中盤。自民党の公約。中小企業振興条例」

◇参院選が中盤に入った。昨年の衆議院選の時とは空気が全く違うことを感じる。いろいろな調査でも、群馬選挙区は中曽根有利となっている。しかし、そういう調査は当てにならないのだ。まだ、態度を決めない人が非常に多いこと、また、不気味な無党派層の動向がつかめないことなどがあるからだ。

 毎日のように選対会議が開かれる。参院選は範囲が広いから戦略が難しい。戦略を間違えると何もしないうちにいたずらに時を過ごすことになる。それを避けるため各陣営は必死である。

◇自民党は、2種類のマニフェストを用意した。党本部のものと、地域マニフェストである。党本部のそれを見ると、「マニフェスト」という表現を意識的に避けていることを感じる。「マニフェスト」という言葉の悪いイメージが定着してしまったからだ。

 民主党は、昨年の衆院選で、マニフェスト作戦を最大限に展開した。勝ために大盤振舞をした感があった。結果として公約を守れないことになった。沖縄の基地問題、八ツ場ダム、子ども手当などなどだ。そして、マニフェストという言葉までが悪者にされてしまった。

 自民党本部が出した今回の公約パンフレットの表紙は、「いちばん。自民党」と表示し、その下に人差し指を突き出した拳が描かれている。そして、下の隅に、小さく「日本を守るマニフェスト」とある。

 そこには次の8項目が打ち出されている。

①信頼あっての政治です。②成長あっての雇用です。③安心あっての暮らしです。④教育あっての将来です。⑤地球あっての未来です。⑥地方の元気あっての景気回復です。⑦平和と安全あっての明日です。⑧指針あっての日本です。

 そして、それぞれの項目の下に「自民党はこうします」として、具体的な政策を掲げる。例えば⑥のところでは、「地域に雇用を創出する企業活動を支援するとともに、地方経済を支える中小企業の活性化につながる人材を育成・確保します」と。

◇自民党群馬県連は、党中央の公約「いちばん。自民党」に対応する「地域マニフェスト」を作った。公約の実現には、中央と地方の連動が必要なのだ。

 例えば、前記⑥の「中小企業の活性化」に対応するものとして、「中小企業振興条例を作って、県庁一丸となって地域の商売や仕事を応援します」と記述した。

中小企業振興条例作りは、私と中小企業の経営者たちが中心となって条例づくりの作業を進めてきた。この条例を求める請願は議会でも採択されている。自民党のマニフェストに掲げることによって、中小企業を大切にし、中小企業立県を目指すことが正式に公約となった。(読者に感謝)

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2010年7月 1日 (木)

人生フル回転「パラグアイ戦を振り返って。子宮頸がん急増」

◇国を挙げて熱狂する様を見て、たかがサッカーという思いが心の隅にあった。パラグアイの人にサッカーとは何ですかと聞けば、全てだと答えが返ってくるようなムードだった。

 昨日の早朝、前橋在住のパラグアイ出身者に電話して「おめでとう」と祝意を伝えると、故郷から多くのメールが来ていますと興奮気味に言った。

 パラグアイの首都アスンションでは、日本に勝って熱狂した市民が衝突し機動部隊が出動し20人の逮捕者が出たという。ルゴ大統領は、試合を観戦するために公務員が仕事を休む事を許可する大統領令を出したというから驚きだ。

 パラグアイに「国技」という制度があるのかどうか知らないが、サッカーはパラグアイ国民にとって正に国技なのだろうと思った。日本の国技・大相撲は今、醜態をさらしている。パラグアイのサッカーと比べ情けないことだ。

◇今回のパラグアイとの対戦は、日本人の目をパラグアイに向けさせ、両国の親善を進める効果を上げた。私は05年、議長として同国を訪ねた時、パラグアイは南米一の親日国なのに日本人はこの国を知らなすぎると思った。

 パラグアイの日系人に対する評価は非常に高い。それは、正直、勤勉、教育熱心、そして能力があるからだという。日本人を語るこれらの要素が、今、過去のものになりつつあるのは誠に残念だ。

 私は、05年、パラグアイの他にブラジル、アルゼンチンを訪ねたが、これらの国は全て今回、8強入りを果した。ブラジル、アルゼンチンでも日本人に対する評価は高い。南米諸国との関係は今後ますます重要になる。日系移民の人たちの活躍が、日本のイメージアップのために大きな役割を果たしているが、今後は、サッカーも、その一端を担うことになる。日本選手の活躍に対して心からご苦労様といいたい。

◇前橋市は本年度から、中一女子を対象に子宮頸がん予防ワクチン接種の全額補助を始める。若い女性の子宮頸がん対策は非常に重要かつ深刻な問題なのに一般の関心は薄い。前橋市の今回の対策を機に、県は、この問題に本腰を入れるべきだ。

 昨年の国会討論である女性議員は、女性に子宮頸がんが爆発的に増えている、それは性交によるウィルス感染が原因だ、検診手帳を学校教育の場で活用すべきだと訴えた。

 検診手帳では、子宮頸がんは検診が最も有効で検診はいたって簡単、これを受けることが、がんで命を落とさないための特効薬ですと呼びかけている。前橋市の今回の対策も、学校での「性教育」と連動させなければ十分な効果を発揮できないのではないか。(読者に感謝)

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