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2010年5月26日 (水)

人生フル回転「ある葬儀の感動。口蹄疫は止まらない」

◇喪主は語る。「母は心臓の持病があり子どもを産めば死ぬといわれていました」ある葬儀の喪主の挨拶である。それでも命を残したくて2人の子どもを設けた。その後、心臓の手術を受けることになり、執刀医は、心臓外科の権威・東京女子医大教授(当時)・榊原仠。貧しい母は、お金がないのだけれど助けてもらえないかと手紙を書いた。それが榊原教授の下に届き、思いもよらずその手術が受けられることになった。このように喪主は訴えるように語る。会場は水を打ったように静かだ。

喪主は続ける。「ところが手術の直前大変な事が起きました」突然父が倒れてこの世を去ってしまった。その事を手術を目前に控えた母に告げることは困難であった。その時、教授は母の下を訪ね、「御主人はあなたのために亡くなられた」と話し勇気付けた。「母は昭和14年に生まれ、70歳で亡くなりました。私が有難うと呼びかけると、母は既に息を引き取っていたのに、ありがとうと頷き返したように見えました」喪主の話に私は身を乗り出すように耳を傾けていた。

 この母の人生のドラマは、続いて歌われた「千の風になって」と重なっているように感じられた。有名なソプラノ歌手の声は滔滔と場内に流れ、その声は、70年を熱く生きて去った女性の声のように響いた。

私のお墓の前で泣かないでください

そこに私はいません 死んでなんかいません

千の風になってあの大きな空を吹きわたっています

人の死に方は、その人の生き様の究極の姿である。私は、仕事柄、いろいろな葬儀に出る。そこでは、様々な人生が喪主によって語られる。群響の主席チェロリストがかなでる送葬の曲もよかった。

 ◇口蹄疫発生の現地を見た人の話を聞いた。家畜の死骸を埋めたブルーシートがいたる所に目に付き、強烈な異臭が流れている。敗戦による死のまちのようだというのだ。

 都農(つの)町から発生したとされ、川南(かわみなみ)町、高鍋町、新富町へと広がった。発生地から半径10キロ圏内の全頭殺処分とワクチン接種が決まった。対象となる牛と豚は32万頭(5月20日現在)である。

 獣医師と埋め場所不足のため殺処分が進まず、その間家畜の体内でウィルスが増殖され、その口から飛び出すウィルスによって感染が拡大する。ワクチン接種は、この体内増殖を阻止し計画的に殺処分を進めるための手段である。

 10年前に宮崎県で発生した時は、発生と同時に国が消毒薬を一斉に手配するなど国と県の迅速な動きが被害を食い止めたが今回は、逆にその不手際が爆発的な感染拡大を許した。

 本県は、宮崎の事態をつぶさに分析して万一の時の参考にすべきである。また、政治的な対応が非常に重要なのだから、県議会は口蹄疫対策の特別委員会を作るべきだと思う。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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