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2010年5月20日 (木)

人生フル回転「職員のひげを禁止する伊勢崎市。裁判員制1年に」

◇伊勢崎市は、男性職員のひげを禁止する通達を出した。理由は、市民に不快感を与える恐れがあることだという。

 「クールビズの服装と合わせて公務員としてふさわしい身だしなみを考えてもらえるよう文書で禁止を示した」と市職員課は説明している。全国的にも、このような通達は極めて異例で注目を集めている。

 「市民に不愉快を与える恐れがある」と果たしていえるのか疑問だと思う。公務員の品位保持とひげは必ずしも矛盾しない。ひげをつけるかどうかは髪形と同様、個人の自由の問題である。

 罰則を伴わないとはいえ、一律に通達で禁止するとなると、職員はひげをつけることに大きな制約を受けることになる。これは、個人の自由を不当に制約するものとして今後、問題になるだろう。伊勢崎市の今回の通達は、個人の自由を尊重する憲法上の人権の制約として議論される可能性がある。このような問題点を認識できなかったとすれば、それ自体が問われるべきである。この問題は、公務員の品位は何かも問いかけている。

◇裁判員制度がスタートしたのは昨年5月21日で、今月21日で一年となる。一般市民が司法に参加するという画期的制度は、当初予想したよりも順調に推移してきたように思う。

 これまで、司法の分野だけ、主権者たる市民の参加がなく、それが当然と思われてきた。その結果、司法手続きは硬直し形式化し、結果として冤罪などの人権侵害が生じてきたと思われる。裁判員制度は、この弊害を打ち破ることを目的とした司法改革なのである。

 ある裁判員経験者は記者会見で次のように語った。「裁判官(の感覚)と生活感にはずれがあり、血の通った議論がされていない感じがした。裁判官は前例とか書面とか実体のない感覚で審理している」これは、従来の司法の実態を言い当てていると思う。

 今後の大きな課題は、市民が死刑判決と直接に向き合うことである。死刑制度自体にその存在を含めて大きな問題がある。一般市民がその大きな負担に耐えられるかということである。

 本県の裁判員裁判の第一号は、昨年12月8日、前橋地裁で始まった強盗致傷事件で、地裁前には266人が傍聴権を求めて列を作った。

 一年を振り返ってこの制度によって、私たちは刑事事件に対する関心を大いに高めた。裁判員にならない人も、もし自分が裁判員になったとすればという視線で刑事事件を考えるようになった。その事自体に大きな意義がある。この制度の下で、警察段階の捜査が一層重要になった。司法改革は、ここにまで及んでいるのである。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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