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2010年3月22日 (月)

遂に日中全面戦争へ

「そのとおりよ。歓迎どころか、皆、日本人を恨んだ。日本人は、私たちの土地や家を強制的に取り上げたよ。土地や家を取られて黙っている人はいない。抵抗するの当然よ」

「では、先生が書いている満州の抗日ゲリラの中には土地を取られた人たちも」

「そのとおり。私の祖父もそうだった」

李沢民は、こう言って、じっと私を見すえた。彼の言葉には何か異様な重みがあった。また、私を見つめる視線にも尋常でないものが感じられ、私も木村も黙って李の次の言葉を待った。少しの間、緊張した沈黙が続いたが、李は決意したように、ふっと柔らかい笑顔になって言った。

「日本のやり方があまりひどいので、謝文東という地主が中心となって抵抗運動に立ち上がったのです。私たち一家も土地を取り上げられ家を追われていたので、祖父は謝文東の仲間に加わり戦ったのです。そして、日本の兵隊に殺されました」

「えっ」

 私は思わず叫んだ。

李沢民は静かな笑みを浮かべ、じっと私を見ていた。

「先生がこれから満州のことをどのように書くか楽しみにしています」

「これは、責任重大だ。また、時々、大事な所で教えて下さいよ」

「承知しました。日中友好のために、また、犠牲になった祖父や日本の開拓の人たちの霊に報いるためにも」

「昔の中村塾の歴史の話より面白くなりそうですね。私も満州の歴史を勉強する気になりました。満州のできごとを正しく理解することが、50年前の戦争を正しく理解するためにすごく大切だと思うんです。先生、期待しています」

 久しぶりの会合は、有意義なものであった。そして、3人の心の中に、何か新しい出発点が生れたように思えたのであった。

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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