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2009年11月24日 (火)

「シネマまえばしが始まる」

◇娘のゆりが、夜、おちおち眠れないと言う。亭主の小見純一君が始める映画の事業がうまくいくかどうかが気になっているのだ。小見君は、かつての映画館・テアトル西友の後を継ぐ「シネマまえばし」を運営して名画を上映することを企画している。彼は、まちの文化について一つの見識をもっていて、特に映画によるまちおこしを主張し、弁天通りの寺でサイレント映画の上映などを行ってきた。今回の事は、彼にとって長年の念願がかかる人生の一大事業だが、資金繰りの苦労もあるので、娘は、女房として、はらはらしていると見える。

 開館記念作品は、「忠治旅日記」。これは、名画座を目指す「シネマまえばし」の開館記念の上映にふさわしい名作といえる。伊藤大輔監督1927年の作品で大河内伝次郎主演である。

 伊藤大輔は、時代劇映画の父といわれた。「時代劇」と言う言葉を作ったのも彼だといわれる。伊藤の戦後の代表作は坂東妻三郎主演の「王将」である。ある映画評論家は、市井の俗塵にまみれながら、将棋一途にわが道を行く三吉は、映画一途に生きた伊藤大輔の自画像だと評した。この伊藤大輔の代表作が「忠治旅日記」三部作だった。伊藤大輔のサイレント期の名作はすべて失われたといわれたが、その後「忠治旅日記」の一部が発見されたのである。

 私の周りには、「サイレントか」という人がいるが、映画作りに執念を燃やした気骨の人の作品を是非見て欲しい。これから、黒澤明の羅生門、溝口健二の赤線地帯を初めとして、山椒大夫、血煙高田馬場など面白い作品が豊富に用意されている。日本映画の歴史を知る上でも「忠治旅日記」は重要な作品なのだ。

 かつては、アメリカでも、日本でも映画全盛の時代があった。その頃は、映画に対する社会の期待が大きかったから、製作者は映画作りに、今とは違った情熱を注いだ。だから名画といえる良質の作品が多く世に送り出された。映画は娯楽の中心であり、精神文化を支える社会の基盤でもあったのだ。

 時が経って時代が変わっても人の心の本質は変わらない。昔、人々の心をとらえたものは、今も人々の心をゆり動かす筈である。その感動は、私たちが失ったり忘れたりしている大切なものを思い出させるに違いない。また、それはきっと、かつての前橋の中心街のにぎわいを取り戻す力になるに違いない。小見君の夢はそこにある。「シネマまえばし」の成功は、前橋中心街の発展につながると信じる。そのためにこの事業の成功を祈る。皆さんにも是非応援して頂きたい。

◇笹川さんを囲む会があった(22日)。自民党中央で総務会長を務め、県連では長いこと会長職にあった人はうまそうに、私たち杯を交わした。ノーネクタイのフランクな姿で現れた笹川堯さんは、あの悪夢のような敗戦の陰は感じさせず、元気で若々しかった。大澤知事を誕生させた選挙の厳しさを振り返り、来年の参院選、その次ぐ年の県議選にも触れ、もしもという事がいつ起きるか分からない時代だと語っていた。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「炎の山河」を連載しています。

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