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2009年11月17日 (火)

「新型インフルの恐ろしさを改めて認識する時だ」

◇新型インフルの死者が遂に全国で57人に達した(1110日現在)。このうち、慢性呼吸器疾患とか糖尿病などの基礎疾患を持たない人は19名である。そして、全国の重傷者(入院患者)は6300人で、感染者の累計は738万人といわれるが、現在感染者数は、正確に摑めないので、実際は、遥に多いといわれる。

 私は、最近の中国視察で新型インフルに関して驚いたことがある。マスクをしている人はほとんど見かけず、新聞でも取り上げている風ではなかった。政府が情報をコントロールしていると言う人がいた。だとすれば、人命に関わる一大事が政治体制の違いによって大きく左右されることになる。新型インフルに関しては、正確な情報を少しでも早く手に入れて治療を受けることが助かる道である。

 青島市や済南市であふれるような人の波を見て、ここで「新型」が爆発的に増えたら人命も経済も大変な事になるだろうと思った。オバマ大統領が、14日の演説で、思う事を自由に話し、自由に情報に接することが出来ることは、安定を妨げることではなく、その礎石であると語った事が思い出される。

◇新型インフルエンザの対応に関する日本感染症学会の提言(第2版)を読んだ。その中で、これは重要だと思う指摘がいくつかあった。それを紹介したい。

 まず、今、はやっている「新型」は「弱毒」ではないということ。「弱毒」とか「強毒」とかいうのは、鳥インフルエンザに関するウィルス学の用語で、豚インフルエンザには当てはまらないのだと言う。マスメディアは、臨床的に軽いと言う意味で「弱毒」という言葉を使っているようだが、この点も誤りで、近い過去に人類が経験した「新型インフルであるアジアかぜや香港かぜの出現当時と同じようなレベルの重症度と考えなければならないというのだ。

 言われて見て、弱毒と言う用語は、人々の警戒心を失わせ対策を遅らせるマイナス効果があることに気付いた。現在急速に広がりつつある「新型」は決して軽症とはいえないという。

 次に日本における死亡率は、外国と比べ極めて低いが、それには理由があるというのだ。被害の大きな国々では、患者の多くが発症後1週間前後に初めて医療機関を受診している、そして、重症例や死亡例の多くが発症後4~5日目に呼吸不全を呈しているといわれる。一方、わが国では発症者のほとんどが2~3日以内に医療機関で受診し、ほぼ全例で直ちに抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ)による治療が行なわれている。南米でも致死率の低いチリではわが国に近い対応がとられ、致死率が高いアルゼンチンやブラジルでは、そのような対応がほとんど取られなかったといわれる。発症後2~3日の対応が重要な分岐点とすれば、情報を速く届けることの重要性が分かる。これからの本格的な流行期に、政治体制の差が何を意味するかが分かるかも知れない。人口13億の中国が再び気にかかる。(読者に感謝)

☆次の連載は拙著「炎の山河」です。「地方から見た激動の昭和史」という副題がついています。恩師の林健太郎先生が「すぐれた歴史叙述」と評価してくれました。どうか、ご覧下さい。

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