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2009年11月20日 (金)

「江田島旧海軍兵学校の鈴木貫太郎」

◇「安全・安心なくらし特別委員会」2日目の調査先は、「海上自衛隊幹部候補生学校」と広島大学病院だった。テロを初めとした有事や大規模災害に関して自衛隊の役割は重要である。県内に自衛隊を持つ私たちとして、自衛隊の本質を理解する上で今回の調査は有意義であった。大学病院では、救急医療体制の現状と課題を調査した。ここでも医師の偏在と不足、特に婦人科医の不足が問題となっておりその対策に頭を痛めていた。

 そして、当面の重要な問題としてここでも新型インフルエンザ対策があることを知った。広島でも蔓延状況は深刻で死者が1人発生していること、また、1人の重症な感染者は、救急医療センターが総合力を結集して辛うじて助けることが出来たこと等が説明された。このような重症者が多数発生したらどうするのかという質問に十分な備えが出来ていないことを担当者は述懐していた。このような事態は、これから同じように本格化が予想される群馬県にもあてはまることだ。多くの人命に関わることだから何としても対策の道を見つけなければならない。

◇自衛隊幹部候補生学校は、かの有名な江田島の海軍兵学校跡地にあった。昔の江田島海軍兵学校といえば全国の少年達の憧れの的であり、また、入学試験は大学よりも難関で全国の秀才を集めていたと言われる。現在の幹部候補生学校は、昔の兵学校の伝統をどのように受け継いでいるのか興味があった。

 新憲法の下で全く異なる原理に立つ自衛隊であるが、国を愛する心とか、武士道とかが最も求められる存在ではないかと思われる。そこで、私は武士道をどのように教えているかと質問してみた。担当官は、最近、東大教授が来て武士道についての講演を行ったが、武士道を教えることを制度として決めてはいない、様々な歴史的事実を学ばせることで自然に身につけさせるようにしていると答えた。

 平和憲法、特にその9条との関係で自衛隊の存在は複雑だ。民主党政権になって一層難しい問題も生じている。しかし、有事や大規模な災害に備える上で自衛隊の役割が大きくなっていることは間違いない。

◇校内で鈴木貫太郎の資料に接し嬉しくなった。時々このブログで取り上げているように、前橋の桃井小を経て前中で学び、終戦時の首相として、本土決戦を避けることによって日本を救った男である。

江田島の兵学校では、第27代の校長を務めた。兵学校には、伝統というべき鉄挙制裁があった。上級生が躾の手段として殴るのである。鈴木は人格の向上は各自の自覚によるべきだとしてこれを禁止した。桃井小の碑には今でも彼の言葉、「正直に腹を立てずにたゆまず励め」がある。合理的な精神でまっすぐ人の道を歩んだ武人だった。自ら考えた戒名は「大勇院尽忠日貫居士」であると他で読んだ事がある。(読者に感謝)

★次の連載は拙著「炎の山河」です。「地方から見た激動の昭和史」という副題がついています。恩師の林健太郎先生が「すぐれた歴史叙述」と評価してくれました。どうか、ご覧下さい。

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