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2009年11月11日 (水)

「山東省訪問を振り返って。師範大学で」

◇九日の山東省は突如寒気に襲われ私たちは大陸の冬につかまってしまった。10日の地元紙「今日済南」の一面は、大冷天の文字でこの冬一番の寒さを告げていた。済南駅で求めた新聞で日本の記事を捜すと「酒井緩刑3年」がすぐに見つかった。酒井法子のカラー写真つきである。ガイドの龍さんは、「執行猶予、日本の刑は軽いね」と即座に言った。

 10日夜、帰国すると、日本の新聞は、「酒井法子被告有罪」として、東京地裁が、懲役1年6カ月執行猶予3年の有罪判決を言い渡した事を報じていた。また、執行猶予とした理由として、「夫との離婚を考え、所属の芸能プロダクションを解雇されるという社会的制裁を受けている」という裁判官の発言を伝えている。繰り返しこのような事が行われている芸能界は困ったものだ。この際薬物の恐ろしさを徹底して青少年に教えなければならない。私は、薬物依存症にかかった人を救う群馬ダルクにかかわっている。依存症になると完治は不可能といわれる。

◇帰国した深夜のテレビは、イギリス人女性殺害にかかわる市橋容疑者の逮捕を大きく取り上げていた。日本の犯罪多発の空気の中で改めて曲阜師範大学のことが頭に甦る。

 この大学は山東省の重点大学である。9日の早朝、我々のバスは省政府要人の先導で市街を進み大学を目指した。林立する高層ビルの間に車が川のように流れ、足早に動く人々の姿があった。内陸の街の近代化の勢いを私たちに見よとばかりに先導車は進む。

 曲阜師範大学の正門は昔を思わせる二層の赤レンガの屋根を載せ、一方の柱には孔子文化大学の看板がかかっている。門から望むと左右の立木の列の中央に高い校舎を背景にした黒い立像があった。

◇近づくと、長いひげをたらし、両手を胸に当てた巨大な孔子像だった。これだけで、この大学が孔子の教えを基本にしている事を示すには十分だと思った。そして、孔子ゆかりの宥座の器の贈呈式とセットでこの大学における記念講演を計画した人民政府の意図が分かる気がした。

 会場を埋めた学生の服装は地味で表情は堅実に見えた。私語は全くなく私に集まる視線は彼らの思いを伝える言葉であった。私は原爆の惨状と日本国憲法も語った。瓦礫の廃墟から日本人を導いた新たな目標が平和と人権と国際協調だったと。

 講演の後、2、3の学生から難しい質問があった。中央集権と政治不信との関係は、民主党の政権になって不安はないか、閣諸島の問題をどう考えるか、等であった。最後の質問の時、前列に座っていた人民政府の人が後ろを向いて両手を軽くクロスする仕草をしたようであった。それは、人民政府が私たちを困らせないようにと気をつかった姿であったろう。私は、無難な政府答弁のような答え方をしたが彼らには不満だったかも知れない。また、このような機会を持ちたいと言ったら大きな拍手が起きた。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「遙かなる白根」を連載しています。

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