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2009年10月19日 (月)

「去り行く人、新たに発つ人」

◇松沢宅を訪れ焼香した(18日)。広い庭の豊かな緑につつまれた屋敷は松沢さんの生前と変わらない。仏壇の遺影に対面すると、重厚な笑顔から政治に貫いた志と信念が伝わり感慨深いものがあった。

 奥様と暫く話をする時間を頂いた。「康夫さんが当選しました、睦さんが亡くなりましたという事になるからと強く反対したのですが、男には命をかけてもやらなければならないことがあるといってきかなかったのです」奥様が話すことは今回の衆議院選挙のことである。それまでに、入退院を何度か繰り返していたので夫の健康を心配していたのだ。松沢先生のしっかりとした使命感と共に、今回の選挙について、先生が大きな危機感を持っていたことがうかがえる話である。

 直接の死因は肺癌であったらしい。稀な種類の癌で発見されたときは手がつけられない状態で、入院3日間で他界された。可愛がっていた孫の手を握ってしっかり勉強するんだよと言ったという。話題がキリスト教、救世軍のことに及んだ時、奥様は「政治と言う生臭い世界におりましたが、聖書はよく勉強しておりました」と語っておられた。

 松沢睦といえば、強烈な個性と策士をイメージする人が多いが、バックボーンには哲学と宗教的信念があった事を改めて感じた。その人生に於いて様々な困難や敵に立ち向かい克服してこられた先生が、人生の最大の課題である死と如何に向き合い、受け入れていったのか、私は厳粛な気持ちで想像をめぐらした。

◇尾身幸次さんの「感謝の集い」に出た(16日)。マーキュリーホテルのホールをおよそ千人の人々が埋め尽くした。政界を去る人に三千円の会費でこれだけの人が集まることに驚いた。私は挨拶の中で、自民党の敗因として官僚任せの官僚支配という事が指摘されるが、尾身さんは官僚を巧みに使った政治家だったと述べた。時の風は国家にとって有為な人材も吹き飛ばしてしまった。尾身さんは、選挙の結果について、時代の流れという見方もあるが、新しい生き方をせよという天の声と受け止めている。そういう目で世の中を見ると、まわりの景色が全て違ってきた。これからは、ゆとりとうるおいを楽しむ人生をつくっていきたいと語った。

 私の目からみて息つく暇もない疾風のような生き方であった。尾身さんが「これからは家族のことも考えて」と語るのを聞き胸が熱くなった。これからは、科学技術を中心にして人類の未来を開くことに全力を尽くすという。その事が天声だと考えているのだろう。尾身さんは、人類は自然をコントロールするのでなく自然の一部だと語った。76歳にして人生の再スタート。その情熱と志は、政治家時代の行動が本物であったことを示すことになるだろう。新天地での活躍と成功を心から祈る気持である。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「遙かなる白根」を連載しています。

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