「歴史的な戦いが始まった。新型の恐怖第二波か」
◇歴史的な戦いの火蓋が切られた。長いこと選挙に関わってきたが、初めて選挙らしい選挙を味わう。それは、政権選択の選挙であることから選挙戦が相手のマニフェストを攻撃し自分のマニフェストを主張するという正に政策を闘わせる場になったからである。告示の日(18日)もいくつかの集会でマニフェストが語られた。目の前でうなずきながら熱心に耳を傾けるお婆ちゃんの姿が民主主義を学ぶ教室の模範的な生徒に見えた。
お婆ちゃんたちが大きく頷いていたのは農業問題である、農協幹部の弁士は、民主党が主張するように、アメリカとの間に貿易自由協定が結ばれるなら、安い農産物がどっと入ってきて、日本の農業は壊滅すると主張した。
また、同じくこの問題をとりあげた候補者は、アメリカから安い農産物がどっと入るようになれば、食料自給率は現在の40%から12%に低下するとして、民主党の農業政策を厳しく批判していた。食料自給率を上げることは、世界的な食料難が予想される中で、また、安全な食料確保の上で、焦眉の急である。戸別保障をして農家を救済しようとしても小手先の策で終わってしまう。私も、お婆ちゃんに合わせて頷いていた。
◇金大中元韓国大統領の死に衝撃を受けた。信じ難いような不屈な闘志で貫いた波乱の人生を、私は、ふるさと塾でも取り上げた。韓国のある老人が、これほどの人物は今後現れないだろうと語る姿をテレビは伝えた。金大中氏の姿は、韓国の政治レベルと国民のエネルギーを象徴するものであったと思う。
4度目の挑戦で遂に悲願の大統領に当選するが、そこに至る迄には小説よりも奇なる事実の連続があった。政敵である軍事政権の謀略によって日本のホテルから拉致され殺されかけた事があったし、光州事件に関わったとして軍事法廷で死刑の判決も受けた。
大統領として初めて北朝鮮を訪ねて金総書記と会談し北に対する宥和政策を進めノーベル平和賞を得た。命をかけた民主運動家金大中の姿に私は明治維新の男たちを重ね合わせることもあった。
◇やはり、新型インフルエンザは気にかかる。夏は新型インフルも減少する筈なのに増えている。第二波の新しい動きなのか。ここ一週間で全国では2千人位増加し、本県でも8月10日からの一週間で新型が疑われる患者が100人出た。
新型インフルによる死者も2例目が出た。先週15日、沖縄で57歳の男性が死に、この時専門家は、今後日本全国で重症化が多発すると予想した矢先、18日神戸市の70代後半の男性が死んだ。この2人はいずれも基礎疾患を有する患者だった。新型インフル感染者で糖尿病等の基礎疾患を有する者は現在18人いるといわれる。恐怖の影がじわじわと押し寄せていることを感じる。注目を続けねばならない。(読者に感謝)
★土・日・祝日は、中村紀雄著「遙かなる白根」を連載しています。
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