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2009年8月22日 (土)

遙かなる白根(112)100キロメートル強歩序曲

この文は間もなく紹介するように、いじめに関する父母の悩みを訴えるものであるが、父母たちがこの行動に出るについてはいきさつがあった。

 父母研修の時、学園にある事件が起きたのである。この学園でよく行われる父母研修とは、父母が学校に集って授業を観たり、講演を聞いたり、あるいは学校や子どものことを先生たちと話し合ったりしながら父母が学校に協力する大切な機会なのである。時には近くの花敷や草津のホテルに泊まり込んで行われる。

 この父母たちの研修会は、6月17日から19日迄の二泊三日の日程で行われた。研修の参加者は26家族、33名で、研修は和気合い合いの中に行われていた。そんな合宿気分が一度に吹き飛ぶ出来事が発生したのは、18日、金曜日の夜であった。その晩は研修2日目で、花敷温泉において、校長や担任など数人の先生を交えて懇談会がもたれていた。その最中、ある5年生(高2)が上級生に呼び出され暴力を振るわれたという話が伝わった。実は、懇談会に向かう前ある父母は、「上級生に呼び出されている」と数人の生徒から聞かされていたが、まさかという思いであったらしい。いじめが問題となっている時だけに父母たちの驚きは大きかった。懇談会を終えて、父母たちは父母会館に移り、この問題について話し合いを行った。

「うちの子は、親が寮のことに口を出すとおかしなことになるから、口を出さないでくれと言っています。寮監の先生を信用しろ、子どもをもっと信じろと言うんですよ」

「いじめと簡単に言いますが、世間で問題にしているいじめと、この学校で起きていることとは少し違うのじゃないかな。その実態を知ることが先ず大切なことではないですか」

 慎重派らしい二人の父母がそれぞれ発言した。

★土・日・祝日は、中村紀雄著「遥かなる白根」を連載しています。

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