「完成間近の重粒子線装置を見た」
◇「光の速さの70%、一秒間に地球を5周する速さでがん細胞を照射します。加速器の電圧は約4億ボルト、機械にかかるお金は約90億円です」案内役の教授の説明は続く。熱さ3mのコンクリートの壁に囲まれて線形加速器とシンクロトロン加速器が並ぶ光景は、宇宙基地の実験場を思わせる。
1日、「安全安心なくらし特別委員会」は、群大の完成間近な重粒子線照射施設を視察した。人類を宇宙に送り出す程に発達した科学技術をもってしても体内の細胞に生じたモンスターを克服出来ないのが現状だ。がんは人類最大の敵である。重粒子線装置は、この敵に立ち向かう最前線きちものである。装置の物物しさは、がんが如何に強大であるかを物語る姿に見えた。
県と市町村が巨費を負担したこの銃粒子線施設は、今年3月に機械装置の搬入が終わり、間もなく加速器の試験を始め、来年3月には患者の治療に入る。1日60人から70人の治療が予定される。画企的な事だ。画企的であることの意味は、重粒子線の完成を機に群馬のがん治療の全体をレベルアップさせ、群馬をがん治療のメッカにすることが出来るチャンスが到来したということだ。
切らずに短期間で治療し、根治も可能なこの施設に期待する人は多い。重粒子線治療を受けるためには、がんであることをきちんと告知されていること、悪性であること、広い範囲の転移がないことが必要である。
重粒子線治療の効果が明らかながんとして次のものが挙げられている。肺がん(1期)、肝臓がん、すい臓がん、前立腺がん、直腸がん、骨腫瘍、頭頸部がん、眼腫瘍、頭蓋底腫瘍、等である。
なお、重粒子線治療に関する相談窓口がすでに開設されている。受付は平日の9時から16時迄で、「重粒子線治療相談希望」と申し出ることが求められる。電話は027-220-7891である。来年3月の開設までの期間、他の重粒子線治療センターへの紹介も行っている。私の知人は千葉の放医研で前立腺の治療を受け完治した。
群大へのこの施設招置に力を尽くした尾身代議士はハーバード大が提携を申し込んでいるとよく話に出すが、それは、群大が小型化に成功した最新施設として国際的に注目されていることを意味しているのである。
◇この日、特別委員会が最後に訪れた調査先は「人とくるまの科学館」。前橋市の「総合交通センター」の中にある。バイクにまたがってエンジンを吹かし映像の中を突っ走る。ケータイからの110番の体験、横断歩道で不注意があると車が迫ってドカーンとなる。親子で楽しみながら「交通社会人」を学べる穴場である。多くの人が訪れている。深刻な高齢者の交通事故の状況を視察した。認知症のテスト用紙を見た。本県最高齢者のドライバーは98歳の男性である。(読者に感謝)
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