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2009年7月31日 (金)

「選対会議の光景。警察白書を読む」

◇実質的な選挙戦が進む中で、前橋新しい政治をつくる会の選対会議が行われた(30日)。この会議の注目点の一つは、天野洋一群馬日産社長と大澤知事が激励の言葉を述べた事だ。天野さんは選対事務長代行として、この大変な時局に尾身さんのような豊かな経験と信念を持ち国際的にも通用する立派な政治家が必要だ、是非とも勝ち抜きたいと挨拶した。大澤知事は、八ッ場ダム中止を主張する民主党は現実を無視していると批判した。

 尾身さんは、株価が7千円から1万円に上昇してきたことは、自民党の経済対策が除々に効果を出し始めたことだ、民主党が高速道路料金の無料化を打ち出しているが、それは、高速道に乗らない人が税金を負担することを意味する、また、インド洋の給油に協力しないあるいはアフガンのテロ対策に協力しないという民主党の姿勢では、北朝鮮が核を持とうとし、ミサイルを日本に発射しようとしているとき国際社会の協力の下で日本の安全を守るということが出来なくなる、国家の独立と安全を守ることは政治の第一の義務である、こんな民主党に政権を渡すことは絶対に出来ない、自民党は謙虚に反省はするが、正々堂々と最後まで戦い抜くと決意を述べた。尾身さんの言葉からは、国を憂う政治家の熱い決意と高い志が伝わってきた。

◇注文していた21年警察白書を入手した(30日)。今回の特集は、「日常生活を脅かす犯罪への取組み」である。日常生活を脅かす犯罪の中心は振り込め詐欺である。平成16年以降毎年250億円を越える被害が続いているというのだから驚くと同時に呆れる。

 白書は被害者、犯行グループ、手口等につき実態を分析しているが、背景には現代社会の特色があると思う。特に、金銭万能の風潮、欲望と刺激の氾濫、倫理観や規範意識の欠如といった状況がこの犯罪を生み出し助長している。罪の意識を全く持たない若者によってこれだけの被害が継続し、被害者は日常生活の中で絶えず簡単にだまされる。このままでは健全な社会が崩壊してしまうことを感じる。

 白書は次のような供述を照会している。「相手の顔が見えないのでかわいそうという気持にならず、うまく取れた時はガッツポーズした。罪の意識など一切なかった(だまし後)、」「とった金は必要経費を除き首謀者に渡り、メンバーには売上高に応じて月給として支払われ、現場責任者には、月給とは別に歩合制で売上高の2割が渡された。多額の売上があった時は臨時ボーナスが支給された(首謀者の供述)」

 犯人の特定が困難なことから他の犯罪と比べ検挙率が低い。白書は、20年7月神戸地裁から懲役11年の判決を受けた27歳の男の例を挙げている。白書が言う通り、社会全体が連携して取り組まなければならない。この犯罪の実態はだまし合いが常態化している社会に対する警鏡である。(読者に感謝)

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2009年7月30日 (木)

「道州制のマニフェスト・図書館協議会長になって」

◇28日のブログで、自民党はマニフェストで勝負すべきだ、そのためには「発想の転換」が必要である、マニフェストの中で道州制の早期実現を打ち出して欲しい、と書いたら、かなりの反響があった。29日の新聞は、自民党が道州制への移行をマニフェストに明記する方針を固めたことを報じた。我が意を得たりという感を抱く。

私は自民党の動きを知らな      いで書いたが、道州制は国会議員の権限を奪うことになるので、マニフェストに書くには「発想の転換」が必要だから無理かと秘かに思っていた。

一般の人は道州制をよく知らないと思うが、県庁内では職員の研究会が出来、本会議でもしばしば取り上げられている。過日、PHPの講師を招いて議員の研修会を開いた時は県職員も参加して大変な盛会だった。

道州制の目的は、中央に支配されない主体的な強い地方を作ることである。それによって日本中が元気になり、気概のある国民が生まれる。元気のない日本、行き詰った日本の原因は官僚支配による中央集権体制にある。これを破る道は道州制しかないと思う。自民党は道州制基本法を早期に制定し、その後6~8年を目途に道州制に移行することを明記するという。

◇県立図書館協議会の議長に選任され、第一回の協議会が行われた(29日)。少年の頃から県立図書館を利用してきたので、この立場に立つことに感慨を覚えますと私は挨拶した。

 県立図書館は県内図書館の中核として重要な役割を担う。図書館事業の1つである「相互貸借」ネットワークが話題になった。図書館同士がお互いに貸し借りする仕組みである。参加図書館113の中に六合村公民館図書室、育英短期大学図書館、県立高崎商業高校図書館など各種の図書館が名を連ねる。探している資料がどこの図書館にあるかを検索でき相互に借りることが出来る。参加数をもっと増やすべきだという意見が出た。私も同感である。また、県立高商の図書館は非常に素晴らしいという事も話題になった。良い司書がいるからだという。司書がいるといないのではその図書室運営に格段の違いが出ることを知った。学校の図書館が停滞している原因に司書がいないことがあるらしい。図書室の停滞はその学校の停滞を現わすといえる。県教委は、専門の学校司書を採用しようとしないという厳しい指摘もうけた。議長を引き受けて、形式的な協議会にしてはならないと思った。

◇今年も8月が近づいた。毎年8月の最大の行事は大戦の慰霊祭である。歴史的な敗戦から64年が経つ。戦場から辛くも生還した人も人生の終幕を迎えようとしている。毎年の形式的な慰霊のセレモニーにはうんざりするが、今年の8月は、敗戦を振り返りながら日本国の形と原点を真剣に考える機会になる。日本を再生させるために政治はどうあるべきか。今回の衆議院の選挙は、戦後64年の歩みを活かせるかどうかがかかった正に歴史的な出来事である。(読者に感謝)

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2009年7月29日 (水)

「八ツ場ダムの中止は生活者の無視だ」

◇民主党は八ツ場ダム建設中止をマニフェストに明記した。壮大な建設現場を見た人は誰でもまさかと思うに違いない。しかし、誰よりも、まさかと叫ぶのは地元の人たちである。

 県議会は八ツ場ダム推進議員連盟を立ち上げた。私もその一員である。過日この議連で現地を視察して驚いた。空前の大工事が進行中であった。深い谷に橋がかけられ、道路も高地に移され、温泉地までも移転の工事が進んでいた。そして、水没地域の人々は、代替地で生活を再建するために懸命である。視察の後で、地域の人たちと会った。皆、工事を早く進めて欲しい、一刻もはやく生活を安定させたいと訴えていた。かつては、八ツ場ダムに反対していた人たちも今は、皆推進派になっているとの事であった。この一大プロジェクトを中止しようとする民主党の政策は時代の歯車を大きく逆回転しようとするものである。

◇八ツ場ダム推進議連のメンバーである地元県議の南波幹事長から、参考資料「八ツ場ダムが中止になったら誰が困るのか?」が送られてきた。その内容を紹介したい。先ず、地元の長野原町、東吾妻町はダム建設に賛成している、群馬県知事、治水利水の下流受益者である1都5県の知事もダム建設に賛成している、そして水を利用する利水者はダム建設が必要だとしている、それなのになぜ中止しなければならないのかと指摘する。次に「水没関係者にやすらぎは来るのか」の項では、ダム建設が持ち上がって57年が経ち水没関係者は疲れ切っている、新たな法律をつくって再建計画をつくる時間的余裕はない、住民は代替地を前提に生活設計をしておりその完成を待っている、1年後には代替地や道路は大部分が完成する、と深刻な地元住民の実情を訴えている。

 その他、「浸水被害は防げるのか」、「中止したら、事業費はどうなるのか」等、数字を挙げ訴えている。事業費とは、東京都、埼玉県などが飲料水や工業用水の費用負担として、既に支出した1500億円、及び各都県が治水の負担金として支出した約525億円等のことである。ダムが中止になれば、これら巨額の金額の返還問題も生じる。

◇まるで民主政権が誕生したかのように日本中がヒートアップしている。八ツ場ダム中止の問題も、この突風の中ではほとんど注目されない状態だ。一番不安を抱いているのは、地元の生活者に違いない。生活者の視点を強調するといっている民主党が生活者を無視する例といえるだろう。

◇新型インフルエンザの集団感染疑い事例が、県内5つの高校で計28人確認された。こちらのニュースもほとんど注目されない状態だ。ほとんどが軽症だということもある。新型に罹りながら治ってしまう人も多いに違いない。新型も恐くないという意識が定着することが恐い。甘く見ないで、ウイルスが変異して再び勢いを盛り返す時に備えなければならない。(読者に感謝)

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2009年7月28日 (火)

「衆院選はマニフェスト選挙になる。高木市長と意見交換」

◇今回の衆議院選挙は歴史的に重要な選挙である。なぜなら二大政党の勢力が伯仲する中で行われる政権選択選挙だからだ。有権者は自分の一票の重みと意義を、8月30日が近づくにつれて実感する筈である。

 今回の選挙の特色は、「選挙は選択である」ことが明らかな点である。つまり、自民党か民主党かの選択である。その選択を実りあるものにする資料が、選挙公約、つまりマニフェストである。

 自民党は、かつてない逆風の中にある。しかし、この状況は、客観的に見れば、民主主義が進歩した結果であるといえる。追い詰められた自民党は、このことを認めた上で、堂々とマニフェストで勝負すべきだ。今回の選挙で勝つためには他に方法はないと思う。ましてや、民主党がマニフェストを掲げて挑戦しようとしているのだから、自民党はより優れたマニフェストを有権者に示さなければならない。二大政党の善政競争を展開すべきだ。

 自民党は、現実に長い間、政権を担当してきたから、豊富な材料を持っている。しかし、それを使って優れたマニフェストを作るには発想の転換が必要だ。それを為し得るかどうかに自民党の命運がかかっている。

 自民党のマニフェストは現在作成中であるが、私は、道州制の早期実現を打ち出して欲しいと思う。現在の日本の行き詰まり状態を打開する道は地方の活力を活かした新しい国づくりである。全国をいつくかのブロックに分けて州をつくり、州が大きな権限をもって州内のことを決めるのである。国は、金融、防衛、外交等国が本来担うべきことに集中するから、国会議員の数も中央官庁も大幅に縮減出来る。地方の人々は、政治への参加を実感し主権者たることを自覚することが出来る。結果として地方の活力を創り出し、日本の力を飛躍的に発展させることが可能になる。

◇久しぶりに高木市長と意見を交わす機会があった。県に対する11項目の要望に関することである。その中には、「赤城山」を活かした観光振興について、重粒子線治療に係る治療費負担軽減制度の創設等について、土壌汚染問題の早期解決について、等の重要案件がある。

 重粒子線治療については、300万円かかるといわれる治療費につき助成叉は貸付制度の創設、及び保険診療の適用を国に働きかけることなどが内容となっている。尾身さんは一年後位には保険診療が可能となるだろうと述べていた。「土壌汚染」は、市が県との交換で取得した前工跡地に予想外の土壌汚染が確認されたことに対して解決に向けた協議を県に求めるもの。

 この問題には複雑な背景がある。高木市長は県に対して訴えを起こそうとした事もあった。私は解決の道を探るために協議の場を設けることに賛成だが対立点につき基本的な考え方の違いがあることを改めて感じた(読者に感謝)

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2009年7月27日 (月)

「護衛艦イージスに入る。逆風下の街頭演説」

◇月一回のバスツアーを予定通り行った(26日)。各地で異常な雨が伝えられるなか、ラッキーなことに天気に恵まれた。主な訪問地は、横浜大桟橋、三渓園、サントリービール工場であった。

 大桟橋にはイージス艦きりしまと砕氷鑑しらせが接岸し一般公開している。炎天下に長蛇の列が出来ていた。整理係から30分待つと聞かされても人々から不満の声は出ない。最高技術で装備された軍艦に入れるという期待が大きいのだ。

 鉄の塊の偉容に圧倒されながら足を踏み入れた。イージスは、ギリシャ神話に由来する。最高神ゼウスが娘のアテナに与えた絶対的な防御力を誇る盾(胸当て)の名前である。

 女神の胸当ては驚くべき性能を持つ。高い塔の上でレーダー装置が回っている。接岸して一般市民を受け入れている時もレーダーは機能しているのだ。私は、北朝鮮の弾道ミサイルを想像しながら説明を聞いた。イージス艦の特殊レーダーは、400キロメートル以上離れた数百の空中標的を同時に追跡できる。日本を攻撃するミサイルをキャッチした場合この艦から、射程120キロメートルの対空ミサイル12発以上を同時に発射できるという。艦の大きさは、7600tで建造費は1359億円である。

 のどかな青い海に夏の太陽がそそぎ、対岸にはコンチネンタルホテルなど白いビル群が並ぶ。護衛艦を見る人々の表情に戦いを意識している様子はうかがえない。日本はどっぷり平和につかっているが、平和を支えるには力が必要だということを真剣に考える時が来ている。民主党はこの問題をどう考えるのか。

◇自民党の遊説車に乗ってマイクを握った(25日)。民主党を意識して街頭に立つと改めて無気味な逆風を強く感じる。百年に一度の大不況や北朝鮮の脅威など、内政外交両面にわたり難問が山積し日本は正に国難に直面している。このような時こそ、これまで日本の舵をとってきた自民党は、責任をもって政権運営をしなければならない。このような難い状況で、政権運営の経験がない民主党に政権を渡せば大変なことになる。自民党は国民の声に謙虚に耳を傾けて必死で頑張るから是非支援して欲しい。私は、このような事を訴えた。

 尾身、佐田両氏も参加してマイクを握った。2人は、自民党の景気対策でやっと景気が上向いてきた、景気対策を進めるのが自民党で景気対策の足を引っぱるのが民主党だと主張した。

 群馬一区はコスタリカ方式である。選挙区で尾身幸次と名前を書いてもらう尾身さんの話しには一層の熱がこもる。資源の少ない日本は科学の力で国を発展させなければならない、私は切らずにがんを治す世界一の施設を群大に誘置した。これを軸にして、ふるさと群馬に健康研究の拠点を築きたいと訴えていた。(読者に感謝)

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2009年7月26日 (日)

遙かなる白根(105)100キロメートル強歩序曲

第4章 白根開善学校の実態 ― いじめと父母会 ―  

子どもたちが抱えるこのような様々な問題に、子ども、学校、父母たちは、どのようにとり組んでいるか、そもそも彼らがよりどころにしている基盤は何か、それはどのようにして作られたのか。これらを、学園に関わる人々の生の声や実際の出来ごとを材料にして学園の内部から見ることにしたい。 現在(1999年)、教育の荒廃が叫ばれる中で、学校・家庭・地域社会、それぞれの役割の自覚とその間の連携協力の必要性が強調されている。白根開善学校は、学園全体が、家庭であり、学校であり、また地域社会でもある。その上で、全国に散らばった各家庭がこの学園と密接に結ばれ学園を支援するという特別の構造が白根開善学校を支える骨格となっている。 父母会は、父母立学校といわれるように白根開善学校を支える重要な柱なのである。昭和54年に学校がスタートすると間もなく、この父母会が誕生した。 そして、父母会広報紙「白樺」も同じ頃発行されることになった。この「白樺」は白根開善学校の実態を知る上で非常に重要である。 父母会初代会長の田村万司氏は、「白樺」の創刊号で、学校がスタートしたことの喜びと関係者に対する感謝の言葉に続けて、次のように述べている。「父母会の皆様には、常に学校のこと、子どもの将来のことを考えて、他人まかせでなく自ら率先して行動し、生徒の模範となるよう努力していくことを願うものであります。父母会は、学校に対し、圧力団体であってはなりません。しかしまかせ放しにするのではなく、いつも側面から援助し、参加して、学校の発展と進歩のために、労を惜しまないでやってゆきたいと考えます。これが、子どものしあわせを願う父母の心だと思います」 また、本吉校長は、この「白樺」創刊号の「父母会の発足にあたって」と題する文で、白根開善学校の一つの特色は、「多くの心ある国民と父母の力を集めて教育の理想を実現しようとしている国民・父母立学校であるということです」と述べている。更に、ある母親は、やはり「白樺」の中で次のように発言した。 ◆土・日・祝日は、中村紀雄著「遥かなる白根」を連載しています。

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2009年7月25日 (土)

遙かなる白根(104)100キロメートル強歩序曲

第4章 白根開善学校の実態 ― いじめと父母会 ―

父母会

 周平が入学した白根開善学校とは、どんな学校なのか。これまで、学校創立時の事情や、その後の学校のいくつかの状況、我が家がこれに関わってゆく様子などを、主に外からの目で書いたが、学園内の日々の現実はどうなっているのか。新たに山の学校を目指す子ども達を待ちかまえているものは何か。改めて、そういう目で見ると、山奥の緑につつまれた静かな学園は、やはりはじめのうちは不気味でもあった。

 白根開善学校の特色はいろいろな言葉で語られる。例えば、父母立学校、規則でしばられず一人一人の個性を伸ばす学校、受験戦争から開放された偏差値のない自由な学園、素晴しい自然の中で逞しく生きる力を身につける学校等々。しかし、子ども達の現実の生活は学校が掲げる美しい理想や理念とは別で、生易しいものではない。美しい自然も冬ともなれば過酷な厳しさに変わって子どもたちをこれでもかこれでもかと打ちのめそうとする。限られた空間の中でのぎりぎりの人間関係の難しさ、限りない都会への憧れ、肉親への思慕、これらは子どもたちの心の中でどろどろとした葛藤を生み、それがまた一つの原因となって学園内のさまざまなトラブルをひき起こす。例えば、脱走、いじめ、喧嘩、酒・タバコの問題などである。子どもたちは、これらの難問に遭遇し、とまどい、悩み、苦しみながらこれを必死で乗り越えようとする。時には打ちのめされ傷つきながらもまた立ち上がって懸命に頑張る。子どもを、遠く離れた山奥の学校に入れて、常に期待と不安、そして時にはうしろめたさが入りまじった複雑な気持ちで山の学校に熱い思いを寄せている全国の父母は、子どもたちの抱える問題を真剣に受け止め、力を合わせて解決しようとして、よく山に集る。多くの親と子が力を合わせる様は、100キロメートル強歩に臨む彼らの姿に似ている。また、このような事情は、一般の学校のPTAとは違った「白根父母会」の特色の背景となっているといえる。

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2009年7月24日 (金)

「天下大乱、衆院選の注目点、駒寄ICの改修」

◇正に天下大乱である。新聞や週刊誌が盛んに当落の予測をやっている。それは、まるで競馬の予想のようだ。選挙は民意を問う手段であるが、国にあおられるように簡単に動くのが民意かと思うと悲しくなることがある。候補者は、その民意を信じて必死に戦うのである。今回のような異常な暴風が吹くと、意外な新人が風に乗って当選し、そのあおりで重要な政治家が落選したりする。今回の選挙ではそのような光景が多く見られるに違いない。

 まぐれで当選したような人は続けて当選できないのがせめてもの救いだ。「早く料亭に行きたい」と言って注目された杉村太蔵氏は、今回は出馬しないらしい。誰もいない議場で天井をじっと見詰める姿が新聞に出ていた。29歳の若者は在職中何を体験したのか興味がわく。

 前橋市を走っていたらあるマンションの一階にある幸福実現党という大きな看板を掲げた事務所に気付いた。ははあここかと思った。つい先日、私の自宅の前を幸福実現党の車が、北朝鮮のミサイルに対して核をもって対抗しますと物騒な声を流していた。

 幸福実現党は、宗教法人・幸福の科学をバックにしたもので、日本で唯一300小選挙区全てに候補者を立てるという。都議選では10人の候補者を立てたが得票は最低で一人も当選出来なかった。供託金は300万円だから、300の選挙区の合計は9億円になる。宗教団体は金があるものだ。

 宗教団体といえば、オウム真理教が真理党を結成して25人を擁立し全員落選した事を思い出す。東京4区から出た教祖麻原彰晃は1783票しか得られなかった。幸福実現党の行方も注目点の一つである。

 今回の選挙で世襲が批判されている事も注目点である。世襲とは親の地位を受け継ぐことだ。民主主義は権力の世襲を否定することで成り立つ。人間は平等である。権力を持つ人はその平等な人の中から自由な意思で権力を任されるのである。親に権力を任せてもその子には任せていないという理屈なのだ。

 政治家の世襲といわれているのも、子はそのまま政治家になるわけではなく、選挙されるわけだから本来の世襲ではない。問題は親の後援会を子が引き継ぐ点にある。強固な親の後援会が組織を挙げて子を支援するから容易に当選出来る。この実態を指して世襲と呼び批判を受けている。当然だと思う。

 小泉元首相は改革を掲げ自民党をぶっ壊すといっていたが、磐石といわれる自分の後援会組織に次男の進次郎を位置づけた。なんだ小泉さんも唯の親かと思った人は多いだろう。私もがっかりした。神奈川11区も注目点である。

◇駒寄スマートICは私達が頑張って実現させたが予想外の利用者で一日5千台を超える。そこで更に、大型車も利用できるようにという要望がつよい。23日、促進同明会に出席し高木市長から、県会議長あての協力要請書を受け取った。(読者に感謝)

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2009年7月23日 (木)

「107年ぶりの8月解散と46年ぶりの皆既日食」

◇河野洋平衆院議員が、「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」と詔書を朗読した。すると、全議員が立ち上がって「万歳」を三唱した。すったもんだの末に衆議院が解散された瞬間である。歴史の歯車が大きく回ろうとする時、私たちは、その仕組みを理解する必要がある。

 憲法第7条には、天皇は内閣の助言と承認により衆議院を解散すると書かれている。これを根拠に解散決定権が内閣にあるとされる。内閣の決定には全閣僚の署名が必要だが首相は反対する閣僚を除名し首相か他の閣僚が、除名された閣僚を兼務して署名することが出来る。だから解散権は内閣総理大臣が握っているといわれるのである。

 解散の決定が天皇に伝えられると、天皇は「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」と記された解散詔書に署名押印する。この詔書が衆議院本会議上で議長によって朗読されるのである。

 今回の衆議院選挙では、国民の投票行動が自民党政権か民主党政権かを決めることになる。だから、今回の選挙は、国民がこの国の政治の在り方を決める主権者だということを端的に示せるチャンスなのだ。

 一度、民主党にやらせて見ればいい、駄目ならまた戻せばいい、という意見が多い。しかし、時のムードに流されてそう言うのは、白紙委任を与えるようなもので真の主権者の態度ではない。日本の安全をどう守るのか、教育や福祉の財源をどうするのか、行政改革をどう進めるか、地方の時代をどのように実現するか、国民はこれらを考えて選択しなければならない。そのために政党は判断材料を提供しなければならない。それが、マニフェストである。自民党は思い切ったマニフェストを打ち出さなければこの世紀の戦いに勝ち抜くことはできない。

 民主主義は人類が到達した理想といわれるが、いつまでたっても理想と現実の差はうまらず、民主主義は国民の信用を失いつつあるのが現実だ。民主主義の理想は自由と平等なのに、自由は名ばかりで格差という不平等が広がり閉塞感と不満が満ちている。こういう国民の感情に応えられるかが今回の選挙で問われている。

    選挙では毎回、県会議員が大きな役割を果たす。今回は、自民党最大の危機

に直面する中で、衆院選に向けた県議団総会が開かれた(22日)。

出陣式を8月1日午後2時に行うなど、重要な日程も決められた。8月の投開票は明治時代に2回あっただけで、実に107年ぶりだという。暑い中の熱い闘いが始まった。

◇46年ぶりの皆既日食で日本中が沸いた。奄美大島などでは、真昼間太陽がすっぽり隠れ夜になった。昔の人間は、不吉な前兆ととらえ怯えたに違いない。日本では平成21年夏の出来事として7月の皆既日食と8月の政変が歴史に記されることになるだろう。息を呑む瞬間が続く。(読者に感謝)

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2009年7月22日 (水)

「遂に解散、歴史的な選挙が進む。副校長が覚せい剤に」

◇遂に解散になった。「今の有権者は幸せだ」と発言したジャーナリストがいる。後世にのこる、そして、恐らく教科書にも書かれる歴史的な選挙に主権者として登場する機会を与えられるからだ。また、私のまわりには、「こんなに面白いドラマはない」という人がいる。昔、大野伴睦が「猿は木から落ちても猿だが政治家は選挙に落ちたらた

だの人」と言ったというが、今回は高い所から落ちる議員が多く予想される。政治に不信を抱く人の中には、ざまあ見ろという結果を期待する向きもいることだろう。しかし、事は、国民一人一人の生活と日本の未来がかかった重大事なのだから個人の感情は抑えなければならない。

 自民党の大敗が決まりのように叫ばれている。しかし、そう簡単にはいかないと思う。歴史的に追い詰められた自民党議員は必死である。小選挙区は後援会組織がしっかりしているから逆風が吹いてもそう簡単には飛ばされない。

 また投票日まで40日という長い期間があるから、戦略如何によっては死中に活路を開くことも不可能ではない。戦略として重要なことは、お笑いを担ぎ出すといった姑息な事でなく、思いきったマニフェストを作ることだ。

 例えば大胆な行政改革である。国民は天下り先として設けられているような数限りない団体に腹を立てている。このようなものは切り捨てるという強い決意を示すべきだ。政権の存続がかかっていると思えば、どんな事でも出来る筈である。自民党は、現在、マニフェストを作成中らしい。私が考えるようなことは、追い詰められた党幹部が当然に考えることだから、自民党は間もなく、思い切ったマニフェストを打ち出すに違いない。民主党のマニフェストとの比較が選挙の大勢に大きな影響を与えることになる。

 マニフェストは選挙の公約だから有権者は見比べて選んで投票する。今回の選挙では、特にこの選択が政権の選択につながる。マニフェスト選挙の潮流によって、国民が政治の主人公であるという理念が現実味をもってきた。民主主義の大きな前進である。

 私は北川正恭氏が代表を務める「せんたく議連」の幹事である。「せんたく」には日本を洗い直す洗濯及び「選択」の二つの意味がある。これを実現するため重要な手段がマニフェストである。

◇練馬区立中学の副校長が覚せい剤で逮捕されるという事件が起きた。先日、芳賀中学校で、クスリに手を出すなよと訴えかけたばかりである。中学生はこのニュースをどう受け止めているだろうか。副校長は、3年前にムシャクシャすることがあって覚せい剤に手を出した、見つかったものは仲間とやった残りだと供述している。子どもたちへの影響を考えると、県教育委員会は、薬物の害を、改めて、教育の現場で強調すべきだ。クスリは生きる力を奪うものであることを教えなければならない。(読者に感謝)

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2009年7月21日 (火)

「ダルクのスタッフ中学で薬物の恐怖を語る。衆院遂に解散」

P1010021 ◇「ドリーム、ゴーン(夢は失われました)

両手を広げてこう話し始めた2メートル近い金髪の外人に全生徒の注目が集った。17日、芳賀中体育館で行われた薬物依存症の恐怖を語る会の一コマである。

大麻取締法違反で逮捕される大学生や芸能人は跡を絶たない。先日も、群大工学部の学生が逮捕された。彼らの行為を格好いいと思う子どもがいるらしい。子どもたちを救うためには、体験者の生々しい話を聞かせることが効果的である。そこで私の呼びかけで、群馬ダルクの講演が実現した。

ダルクとは、薬物依存症救済組織で、スタッフは依存症の体験者である。金髪の巨人はポールといってグアム出身の米国人である。ポールは、自分の半生を振り返って語った。スポーツが得意でアメリカンフットボールの選手になることが夢だった。あるとき交通事故で入院しクスリがばれて奨学金をもらって大学へ行きアメフトをやる夢は消えた。クスリをやった仲間は8人いたが、4人は死に、2人は刑務所、1人は寝たきりになっている。ちょっと試すつもりが取り返しがつかないことになる。薬に支配されて自分では何も選択できなくなる。そして、刑務所、精神病院に行くことになる。薬物をやらない方が格好いいのだ。スポーツの夢を追いかけろ、胸を張って断れ、ヤバイときは、この金髪の白人を思い出してくれ、とポールは真剣に訴えていた。

P1010019 もう一人のスタッフ平山君の話も生徒の心をとらえていた。彼は薬に手を出した少年のころを振り返る。本当のことを話せる友だちがいなかった。中学生に戻れたら悩みを話せる友をつくるだろう。酒、タバコに手を出さないでくれ、ちょっとした悪いことに魅力を感じて手を出すとどんどん深みに入っていく。芳賀中に来れて光栄だ。ここにいることが素晴しい。自分が中学生のときこういう話を聞きたかった。当時は中学生にこういう話は早いと思われていた。今は違う。世の中には恐い薬がいっぱいある、絶対に手を出さないでと平山君はくり返し訴えていた。

校長は、生徒に感想文を書かせると言っていた。彼らがどのように受けとめたかを是非知りたいと思う。学校はこの講演の後終業式を行う。子どもたちの行く手には多くの危険が待ち受けている。薬に出会うときこの日の話を思い出すに違いない。

◇正に世紀のドラマが始まる。今日の午後1時過ぎ衆議院が解散される。8月18が公示で30日が投開票となる。実質的な選挙戦は既に始まっており、それが解散によって加速される。政治に無関心な人も今回の選挙は注目するだろう。全国の選挙区でサプライズが起こるに違いない。そして最大のサプライズは政権の行方である。交互に政権担当する二大政党の時代が近づいている。政策を訴える選挙、つまりマニフェスト選挙こそ選挙の理想である。その点を一つの基準として候補の戦いぶりを注目したい。(読者に感謝)

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2009年7月20日 (月)

遙かなる白根(103)100キロメートル強歩序曲

本吉氏と共に山に残った人々の覚悟と決死の姿を知って、世の人々は、次第に、これは本物に違いないと見るようになった。群馬県の行政も、そのような見方に変わっていった。「生徒諸君、君達の前には、新しい道が開きました。私たちの山の学校の希望は実現しつつあります。勇気と希望をもって前進しましょう」 開校式の晴れの場で呼びかける本吉校長の言葉を、生徒は目を輝かして一語一語受けとめた。そっと涙をふく父母の姿もあった。開校式のあと、草津のホテルヴィレッジで祝賀会が開かれた。地元の関係者も多く参加し、乾杯の音頭は、山口仙十郎さんがとった。和気あいあい、なごやかな雰囲気が続くなかで、本吉氏は、自分の父親を紹介する。窮地を脱した息子のことを目を細めて喜ぶ老人の姿を見て、本吉氏を裏で支えた家族の苦労に、人々は胸を熱くするのであった。昭和56年4月から5月にかけて、東京地裁に係属していた二つの訴訟は解決に向って動いていた。裁判長は、双方に和解をすすめたのである。このような事件は、一刀両断、判決で白黒をつけることは必ずしも適当ではない。学校も良い方向に進み出していることだし、双方が歩みよるかたちで争いを終わらせる方がよい。これが和解勧告の趣旨であった。学校側が返すのは納入金の45パーセント、しかも3年間の分割払いという、学校側にとって有利な和解であった。「良い学校なのだから頑張って下さい」裁判長は本吉氏に言った。本吉氏の胸には、万感迫るものがあった。訴訟の場で、和解という形であるにしろ、自分が貫いてきたものを評価してもらえた、という思いがあった。「よし、これから、本当に、理想の学校づくりに全力を尽くさねば」本吉氏は身内に新しい力が湧くのを感じながら決意を固めるのであった。 ◆土・日・祝日は、中村紀雄著「遥かなる白根」を連載しています。

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2009年7月19日 (日)

遙かなる白根(102)100キロメートル強歩序曲

長く苦しい道のりであった。それぞれの生徒に、ここに至るまでのドラマがあった。都会の学校でのトラブルを思い出す者もいたし、辛かった親子の葛藤を振り返る者もいた。彼らの姿は、後にこの学校が始める100キロ強歩において、不安と孤独に勝って、完歩を達成した子どもたちのそれに似ていた。高等学校の認可がおりて、白根開善学校は名実ともに中高一貫の学校として動き出す体制が整った。この年、7月14日、白根開善学校高等部の開校式が行われた。前夜の激しい雨もあがり、学校は濃い緑に包まれ、初夏の陽光がまぶしい程にそそぎ、近くの谷から鶯の澄んだ声が響いていた。開校式には、多くの人が参加したが、生徒、父母、教師たちの感激は、ちょうど一年前の中等部の開校式以上に大きかった。誰もが、この一年間を振り返りそれを乗り越えた喜びをかみしめていた。理想の教育を求めて「冒険」を始めた本吉氏は、何度も迷路に踏み込んで危機に遭遇したが、今やっと出口に近い所まで辿りつくことが出来た。山を下りて本吉氏を強く批判する人も、「白根開善学校は必要だ、再生させねばならない」と語っていた。そして、下界では教育の混迷が続いていた。社会の工業化の促進、経済の発展、便利で豊かな生活の進行とあたかも符節するように子どもの環境は悪くなっていた。「自然を取り戻そう、自然の中で子どもを育てよう」 この声は、良い環境を理想として目指すという域をこえて、切実な要求としての叫びに変わりつつあった。 山を下りた人々の中には、「あんな山中で子どもを教育するのは間違いだ」といって本吉氏を非難する者があったが、本吉氏は、その意義を確信していた。 ◆土・日・祝日は、中村紀雄著「遥かなる白根」を連載しています。

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2009年7月18日 (土)

遙かなる白根(101)100キロメートル強歩序曲

 人々にとって、群馬県が認可の方向で学校を指導していたことが唯一の救いであった。本吉校長は、一方で、父母や生徒に、認可は近い、間違いない、と懸命に説明すると共に、他方、高等部設置のための課題の解決に必死で取り組んでいた。県学事文書課としては、事の重大性を十分に認識しつつも、これまでの白根開善学校の経緯を考えると簡単に認可を出すわけにはいかなかったのだ。

 昭和54年6月19日、やっと私学審議会が開かれ、同日付で高等部設置を可とする答申が出される。これを受けて、6月22日、県は、5項目の留意事項付きで認可を出したのである。この間4日であった。

「やったー」

「バンザーイ」

 飛び上がる者、廊下を走る者、にわかに信じられないで教師に何度もたずねる者など、山の学校は興奮と喜びに沸いた。

 本吉校長はほとんど眠れぬ一夜を過ごし、翌日県庁で認可証を受とった。この一片の認可証を得るためにいかに多くの人が苦しんだことか。認可証を手にする本吉氏の胸に様々のことが去来した。そして、山の学校でこの日を待っていた一人一人の生徒の顔が浮かんだ。一刻もはやく彼らの所へ帰りたい。本吉氏の心はすでに白根の山にあった。

 本吉校長は、飛ぶように白根開善学校に帰ると、生徒と教師たちの喚声で迎えられた。さっそく夜の高校入学式が開かれる。

「白根開善学校高等部へ入学を許可する」

 本吉校長の声が凛として響くと一斉に拍手が起き、喜びの声が飛びかった。

「バンザーイ」

「おめでとう」

「ついにここまで来ることが出来た。ぼくは高校生になることが出来た」

 18名の生徒はみなそう思った。

◆土・日・祝日は、中村紀雄著「遙かなる白根」を連載しています。

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2009年7月17日 (金)

「ぐんま天文台と科捜研で見たこと」

◇天文台と科学捜査研究センターを訪ね、タイムリーで有意義な勉強をした(16日)。常任委員会の視察である。ぐんま天文台は昆虫の森と共に議会から批判されてきた。宇宙好きな私は天文台の存在意義を認める1人である。古在台長は、元気がない様で気の毒に感じた。「宇宙は夢と謎に満ちている。天文台は子どもたちに感動を与えることによって深刻な理科離れに活路を開いて欲しい」私はそう発言した。「これで、126億光年彼方の光を観測しました。宇宙が出来たのが約137億年前といわれていますから、宇宙誕生間もない頃の宇宙の姿を見たことになります」案内役の研究員が大型天体望遠鏡を指して言った。この研究員は、ブラックホールが出来た時の大爆発の光だと話した。

「膨張する宇宙はいつか収縮に転じると思いますか」天文台の中を並んで歩きながら古在台長に尋ねた。「いまは、それはないといわれています」老台長は答えた。毎週、金土日の夜7時から望遠鏡で星を見ることが出来る。今の若者は星を見なくなったという事も話題になった。

◇科学捜査研究センターでは、DNA鑑定について説明を受けた。4兆7千億人から1人を識別できるという科学の力に圧倒されつつも、この装置を動かすのは普通の人間であると気付くと、人的ミスが恐いと思った。

Photo_2  この科捜研の一角に警察犬の訓練場がある。二頭のシェパードの賢さに舌を巻いた。担当官の言葉を聞き分けて命令に良く従うのである。二頭はメスのアカベ号とオスのヤルル号である。いずれも5歳である。我が家の秋田犬ナナと歳も大きさも似ている。ナナ号は余り賢くないのである。私はナナを想像しながらアカベ号の動きを見た。

 担当官が予め臭いをかがせた物をもって歩き、それを物陰に隠した。アカベ号は、担当官が歩いた跡をたどり苦もなく目的物を見っけるとくわえて御主人に差し出した。よしといって頭をなでられるのが嬉しいのだそうだ。アカベ号は担当官を見上げてしきりに尾を振っていた。

 次に、1から5までの枠が設けられ、同じ白い布が置かれている。その中の1つに臭いがつけられている。担当官がアカベ号に臭いをかがせて、それと命ずると、走り寄って見事に見つけ出した。どっと拍手が湧いた。うちのナナ号などは訓練しても駄目だろうと思った。

 犬の嗅覚は人間の何万倍といわれる。正に生きた科学検査器である。麻薬捜査に抜群の働きをする捜査犬の姿がよく報じられるが、この日の実験を見て、トランクの外から中のものをかぎ分けることなど簡単に違いないと思った。

◇今日(17日)は、芳賀中体育館で群馬ダルクのスタッフが薬物の恐怖を語る。私が仲立をして実現した。アメリカ人ポールには、アメリカで大麻が厳罰をもって禁じられていることそして薬物依存症の恐怖を自身の地獄の体験を通して話してもらう。(読者に感謝)

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2009年7月16日 (木)

「津島派の政経パーティに出る」

Photo_3 ◇忙しい一日だった(15日)。午前中、某私立校の理事会に出てから赤城大沼の会議を済ませ、午後は東京赤坂に飛び国会議員の政経パーティに出た。

 梅雨があけて、前橋の市街地はうだるような暑さだが、赤城の山頂は別世界であった。湖面を渡る風は、木々の緑に味付けされたように美味しい。首都圏から近い所にこんな素晴しい憩いの場があるのかと改めて思った。この赤城山を、自然を壊すことなく、群馬のシンボルとして売り出すことが県の新しい観光政策の課題なのだ。

 赤城神社の社務所で中村、中沢、山本、狩野の4県議は、富士見観光協会の役員と会い、大沼周辺の整備につき要望をきいた。また、塩原神官から赤城神社の由来と遷宮の話をきいて、この神社が名山赤城において果たす役割の重要性を知った。

 赤城神社は沼の東にあったが、県は、明治100年事業の一環として神社を小鳥ヶ島へ移転し神社跡地を公園化する計画を提案した。1200年近く続いた神社を移すことに神社や地元関係者は猛反対したが、山の観光開発のためと遂に移転を認めた。そして、当時の神田坤六知事と神社との間に移転に関する契約が交わされた。しかし、「その後公園計画は中止され、40年間も神社跡地は放置されて環境は悪化する一方です。これでは、神様の鎮座地を明渡した意味が解からなくなります。是非とも公園計画と神社敷地の整備をお願いします」と神官は訴えていた。

 大沼周辺の整備については、この問題を避けて進むことは出来ないと思った。

◇衆院議員佐田玄一郎さんの政経パーティに出た。津島雄二氏、笹川総務会長、中曽根外相、小渕少子化担当相、細田幹事長などが挨拶した。皆、緊拍した自民党の危機を訴えていた。優子さんは大きなお腹で壇上に立ち「少子化問題に貢献しています。選挙の頃臨月になるので親子で頑張ります。」と語っていた。

津島雄二氏は、佐田さんが属するグループの会長であり自民党税制調査会長を努める。この人は自民党の知性を代表する一人であり、良識の人である。津島さんは、保守の使命と役割をソフトに語っていた。私との関係は東大弁論部「縦の会」の先輩である。

神田の学士会館で行う総会で顔を合わせたこともあった。高齢だがかくしやくとして笑顔が若い。並んで写真をとりながら今度の選挙をどう戦うのかと思った。

◇スーパーで消しゴムを万引きした70歳の女性に岐阜地裁は懲役2年の実刑判決を下した。過去に盗みを繰り返していたためにこのような刑になったが、市民の感覚では首をかしげる。私の回りではこのようなケースが裁判員裁判の対象になれば市民は執行猶予にするだろうと言っている。女は息子に手紙を書くために「消しゴムがあれば便利」と思い消しゴムをポケットに入れた。裁判官の感覚はやはり市民感覚から離れているのかと思わせる。(読者に感謝)

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2009年7月15日 (水)

「臓器移植法の改正と児童虐待・新型は全国に」

◇生きているうちに心臓を摘出すれば殺人罪になる。だから死を認定してから摘出しなければならない。では何を基準にして死を認定するのか。機能しなくなった心臓では摘出しても役に立たない。ここに生命の尊重と心臓移植促進をめぐる難しい問題が存在する。

 日本で最初の心臓移植を行った札幌医大の和田教授が殺人罪で刑事告発されたのは1968年(昭和43年)のことである。その後およそ29年たって、臓器移植法が制定され、そしてこの度改正法が成立した。

 改正法の要点は、脳死を人の死としつつ、これまで認められなかった15歳未満の子どもの臓器提供が可能になったことである。子どもは脳死の後も長く生存する例があることから改正法のこの点に反対する意見がある。しかし、もっと重大なことは、虐待によって死亡した子供の臓器が摘出されることである。想像するのも恐ろしい出来事に通じる扉が開かれたという見方が存在する。

◇児童虐待が急増している。虐待相談は、08年度全国で、4万2662件に達したと厚労省が発表した。児童虐待は10年前の約6倍である。07年1月~08年3月に虐待で死亡した子どもは142人だという。群馬県の虐待相談は平成20年度で539件である。児童虐待は表に現われにくいといわれるから虐待による死者はもっと多いのであろう。家族が崩壊し、倫理観がおかしくなっている現代、児童虐待による死者の臓器が移植の対象になることを深刻に問題視する専門家がいた。

◇14日、また新型インフルエンザ患者が3名確認され、本県の感染者は30名になった。3名は小学生で、いずれも、今月10日及び13日に感染が確認された患者がいる2つの小学校である。伊勢崎市内及び太田市内のこれら小学校は、今月15日まで、学年休業を実施している。県感染症危機管理室は、感染者個人が特定されないよう住所地は公表しないで欲しいと報道関係者に要望している。

 県保健予防課から「新型」の全国発生状況を示す資料を入手した。14日、山形県で初めて感染者が現れた事で、全都道府県で確認された。5月16日に国内発生宣言が出されてから、あっという間の出来事である。国内初の感染は大阪府の高校生で、この時、市などには、誤解に基づく誹謗や中傷が殺到したのだった。

 14日11時現在の全国の発生数を挙げる。大阪府531(ここから始まった)、兵庫県268、愛知県270、東京都193、神奈川県312、このように東に広がって、近県では、千葉県169、埼玉県59、茨城県85、栃木県51となっている。現在、東北と北陸の各県は比較的少ない。

◇14日、地域の人々22名を本庁舎7階の危機管理センターに案内した。重要な情報が国から県、県から各市町村へと瞬時に流れる仕組みを人々は熱心に見ていた。

(読者に感謝)

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2009年7月14日 (火)

「麻生太郎の決断・臓器移植法改正・新型インフル急増」

◇ひょっとこ顔の軽薄な表情をマスコミはことさら選んで報道したように思える。そんなマスコミの姿勢が麻生首相の支持率低下に一役かっていたことは間違いない。しかし、現時点で世論調査をしたら首相の支持率は上がっているのではないかと思う。四面楚歌の中で遂に解散を決意した首相の表情には初めて見せる毅然とした一国の宰相の雰囲気があった。

 首相をとりまく与党には、「辞めて欲しい」とか「いま解散するのは自殺行為だ」という声が渦まいている。これら解散反対論者は、国民の目には自分の保身を第一に考えている志の低い政治屋と映るに違いない。私も同感だ。

 麻生首相の支持率が下がり続けた要因は、ぶれることのない一貫した信念を感じさせるものがなかったからだ。国民が首相に求めるものは国を任せるに足る人間力である。外から見てそう感じさせるものが必要なのだ。漢字が読めないと言った事は、枝葉のことである。麻生さんは追い詰められて死中に活を求める心境に至ったのではないか。右往左往している議員に比べ窮地に立つ首相の表情にはさわやかなものが感じられた。投票日までの1ヵ月半、正に自民党の力が試される。蓄積された政策をマニフェストとして謙虚に国民に示し必死で戦わねばならない。日本の武士道には「捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という諺もある。

◇麻生首相は重要法案が通ったとことと経済対策に力を入れたことを成果として挙げ、政権担当能力を訴えて戦うと決意を表明した。

首相がいう重要法案の一つは臓器移植法の改正である。要点は、脳死を人の死として、本人の生前の意思が不明でも家族の同意で臓器提供できるようになること、及び、現行法では認められない15歳未満の子どもの臓器提供も認められるようになることである。同じ年代の人から臓器の提供を受ける必要があるが、これまで、小さな子は外国で臓器の提供を受けなければならなかった。国会の傍聴席で涙を流す女性の姿があった。死の認定は人の命に関わる事だから激しい議論がある。昔、札幌医大の和田教授の心臓手術が殺人罪(不起訴になった)に問われたことが思い出される。

◇県内で新型インフルエンザが急激に増えていることに不気味なものを覚える。昨日、新たに14名の人が感染者と確認された。県内の感染者は、今月14日に最初に確認されてから24名となった。今回の14名は、6歳から29歳迄で、そのうち、同じ学校の生徒が多いのが特徴である。

太田市内の同じ小学校の7~8歳の女子生徒5人。富岡市内の同じ中学校の生徒5人。富岡市の中学は学年閉鎖から休校に切り替えた。今回の学生感染者には、高崎市の小学生と高校生がいる。学校は集団感染の場となる。全ての学校関係者は他山の石として注目すべきだ。大阪市では一度下火になった新型が再び急速に広がり始めたという。世の中の関心は逆に小さくなっているが、油断したら大変なことになるかも知れない。(読者に感謝)

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2009年7月13日 (月)

「体罰問題の行方・都議選の歴史的大敗」

◇謀商業高校の体罰に関する問題は解決に向けて大きく動き出した。それは、教育委員会と学校側が連携して、少女・Aが登校出来るために必要な努力を具体的に始めたからである。背景には、Aの母親が、Aが登校出来る環境が整えば、訴訟の場で損害賠償を求めることはしないという意志を明らかにしたこと及び、転校を考えていたAも、出来れば今まで通り母校で高校生活を続けたいという気持ちに傾いてきたこと、などがある。

 10日、校長と顧問がA宅を訪ね、全面的に謝罪し、Aのために出来ることは何でもすると表明、その対談の中で、約束された通り、12日、バレー部員と保護者の集会を設け、学校側は改めて謝罪し、Aの母親は、人々の前で次のように訴えたといわれる。「私は、二度とこのようなことが起こらない様、又、第二の被害者が出ないように、事実をうやむやにすることなく、今後に活かすべきだと思います」しかし、これからの前進は、学校側の誠意にかかっている。そのいかんによっては逆戻りの恐れもあるのである。

◇私は、体罰に関する今年4月の最高裁判決について、ブログで触れたが、意見が寄せられる中で、もっと知りたいと人が多いことを知った。群馬の教育を考える上でも重要な判決なので要点を紹介した。

主な登場人物は小学3年の男子A(当時)、体罰を与えたとされた男性教師B、Aの母親Cである。児童Aは、しゃがんで仕事をしている教員Bにまとわりついて注意しても止めなかった。Bが歩き出すと、児童AはBの後ろからでん部を2度蹴って逃げた。Bは追いかけ、Aの胸元の洋服をつかみ吊るし上げるようにして壁に押しつけ「もうすんなよ」と大声で叱った。Aは、夜中に泣き叫び食欲が低下し通学にも支障が生じ病院に通院し治療をうけたが、その後回復し元気に学校生活を送り家でも問題なく過ごすようになった。その間、母親Cは、長期に渡り極めて激しい抗議行動を続けた。ある時は、教育委員会に来庁し、4時間にわたり抗議をした。1、2審は、Bの行為は体罰に当たるとした。(1審の天草地裁で慰謝料等約65万の支払いを命じた)。最高裁は、今年4月28日、1、2審を破棄し原告を逆転敗訴させた。教員Bの行為について「本件行為にやや穏当を欠くところがなかったとはいえないとしても、本件行為は、その目的・態様、継続的時間から判断して、教員が児童に対して行うことが許される教育的指導の範囲を逸脱するものではなく、学校教育法11条ただし書にいう体罰に該当するものではない」

某商業高校の件が裁判になったらスポーツの指導という事情も踏まえ、この最高裁判決が規準となるであろう。

◇都議選で自民党が歴史的な大敗を喫した。衆院選への影響は大きい。特に都議会員に支えられていた東京の衆院議員は深刻に受け止めているだろう。大局的には欧米のような2大政党に向う過程だと思う。批判される官僚支配は政治家に力がないことの結果だ。地方分権の時代が進む中で地方議会の役割が増々重要となっている。地方議会は今回の結果を深刻に受け止めねばならない。(読者に感謝)。

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2009年7月12日 (日)

遙かなる白根(100)100キロメートル強歩序曲

③授業について。教師はすべて有資格者で、学校認可の基準に合致していた。群馬県の学事課の質と数が満足にそろっていなければ、群馬県知事が被告学校を認可するはずがない。開校後山形県から理科の教師が就職を希望して来校し、一泊したが就職の希望を撤回して帰ったことがあるが、多数の教師が次々に退職したという事実はない。

④学校の設立が認可された際、村の人と教職員がお祝いをしたが祝宴が終わって村人が帰った後、一人の教師が生徒と同席して酒を飲んだり、煙草を吸ったりした事実があったので、校長がその教師に厳重に注意した事実はあった。

 これは、原告被告間で問題となった点を列記したものであるが、実際は、このようなことに関して攻防がなされる中、本吉氏が激しく非難され、また追求されることもあった。裁判のある日は、本吉氏は、必ず出席した。彼は、裁判は辛いことであるが、耐えてこれに取り組むことが、山を下りた人たちに対する償いでもあると思った。戦うべきことは筋を通して争わねばならないが、自分にも反省すべき点はあるというのが本吉氏の腹であった。裁判の日には、それぞれの立場の父母たちも連絡をとり合って傍聴に出かけた。

ついに高等部認可・訴訟も解決

 裁判が続く間にも事態は大きく動いていた。昭和54年6月22年、待望の白根開善学校高等部設置の認可がおりたのである。この日の午後、白根開善学校にこの報が入ると学校内は騒然となった。中学を卒業して3ヶ月、高等部認可を信じて白根に踏みとどまった生徒たち18名は不安と焦燥の一日一日を過ごしてきた。それは、本吉校長をはじめとする学校側も子どもたちの父母も全く同じだった。

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2009年7月11日 (土)

遙かなる白根(99)100キロメートル強歩序曲

③被告学校は、学校法人としての認可は開校後直ちにおりる旨告知していたが実際は、なかなかおりず、やっと中学校の部がおりたのが前記の通り7月になってしまった(但し、高等学校の部は未認可)。これらの結果、原告らの子供は昭和53年8月に寮を出て退学してしまった。

④被告学校は当初理想的な教育をめざし、寮生活には十分な健康管理と生活指導をするとか、教育指導には村井実慶応大学教授他7,8人の大学教授が指導するとか広言していた。しかし、被告学校の実態は全くこれと相違していた。

 原告は、これらの事実をあげ、従って払い込んだ金は、要素の錯誤があり学校との契約は無効だから返せと主張しているのである。

 以上に対し、被告学校は以下のように主張した。

①寮について、全寮制であること、寮が個室ではなくて大部屋であること、2段ベッドであることは入学前に生徒の父母には説明してあった。冬には室外の気温が零下15度に下がることは最初から明らかであった。暖房設備は冬にならなければ必要ないのであるが、開校当初からFF式という灯油を燃料とする温風方式の暖房設備を完備していた。建物は鉄筋コンクリート造ではないが、本建築であって、仮小屋や掘建小屋ではない。

②衛生設備には最も留意していたし、保健所の指導を受けていたので、保健衛生上の欠点はなかった。ただ一度だけ、所轄保健所から洗面所に石けん液容器を取付けるよう勧告を受けたので、直ちにこれを取付けたことがあった。又昭和53年8月頃、草津で水泳の合宿を行って帰校した後に15~16名が下痢症状を起こしたが、保健所の調査では草津の合宿所のユースホステルの食事が原因ではないだろうかという結論であった。また原告らの子の退学後の10月頃にも若干名が下痢を起こしたことがあったが、保健所で調べてもらったところ風邪が原因であろうとの結論であった。

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2009年7月10日 (金)

「新型インフルの新状況、振り込め詐欺の実態」

◇2126人(7月9日現在)94512人(7月6日9時現在、WHO)。これらは確認された、それぞれ世界と日本の新型インフルエンザウィルス感染者数である。今度の新型はほとんど若い人が罹患しているが、日本で60歳以上の感染者は22人いる。因みに、世界の死者は、今月6日の時点で429名である。

Photo_7  WHOが4月26日に新型インフルエンザ発生を宣言してから約2ヶ月半の間に新型ウィルスの波は全世界に及び、今月24日遂に群馬県で感染者が確認され、9日現在、感染者はあっという間に11人に達した。多くの人はあまり関心を示さないが、私たちは、これが強毒性であれば、という事を想定して受け止めるべきだと思う。それは、過去の新型の例からしても第1波で納まるとは考えにくく、第2波、第3波と続くうちに、強毒性に変異する可能性があるからである。世界ではタミフルに耐性を持つ「新型」が現われ始めている。

 新型といわれているスペインかぜでは、本県において、一度治まって、また息を吹き返すという状況が繰り返された。そして、大正7年から9年までの3年間で本県の死者は4454人に達したのである。

上の表は、群馬県史7の590頁にみられる統計資料である。

          

◇急激に増え出した県内感染者の状況を示す。

確認日

62436歳日本人男性、カルフォルニアから一時帰国。

  2933歳日本人女性、カルフォルニアから帰国、無職。

7333歳日本人男性、前橋市在住、会社員、渡航歴なし。

  3(A) 33歳日本人男性、前橋市在住、会社員、渡航歴なし。

76(B) 49歳日本人男性、前橋市在住、会社員、渡航歴なし。

  7日  2歳日本人女児、ホノルル市在住、渋川市に一時帰国。

  917歳日本人女子高生、安中市在住、ニュージーランドから帰国。

  9(C) 14歳日本人男子中学生、富岡市在住。

  920歳日本人女性、吉岡町在住、店員、フィリピンから帰国。

  9(D) 15歳日本人男子中学生、富岡市在住。

上の感染者における前橋市の(A)と(B)は同じ事業所に勤務。同事業所は患者の所属する部署の人を7日間又は3日間外出自粛としている。又、(C)と(D)は、富岡の同じ中学校の同じクラスの生徒。同中学では、今日(10日)から学校閉鎖となる。

◇振り込め詐欺は病める日本社会の象徴である。汗を流して働く事を嫌う倫理感のない若者がゲーム感覚で取り組んでいるようだ。

口先一つでこんなぼろもうけになる仕事はない。徹底して取り締らなければ、真面目な若者の勤労意識に最影響を与えることになる。

◎ 群馬県の振り込め詐欺   

昨年の発生件数  325件  一昨年に比べて+68件

   昨年の被害総額  4億9,610万円

  ※昨年の全国   20,481件  被害総額275億9,440万円

○平成21年 上半期発生件数  総計70件  (前年同期比-117件)

・オレオレ詐欺・・・14件(前年同期比   -60件) 

  ・架空請求詐欺・・・14件(前年同期比   - 2件)

  ・融資保障金詐欺・・13件(前年同期比   -17件)

  ・還付金詐欺・・・・29件(前年同期比   -38件)

○平成21年 上半期被害総額・1億700万円

                       (前年同期比 -1億8,000万円)

上の表は本県の振り込め詐欺を主な4類型に分けたもの。還付金詐欺が急増している。

◇年齢による被害状況では、「オレオレ」は60歳以上が約86%、還付金詐欺では60歳以上が約90%、また、いずれも女性の被害者が圧倒的に多い。

◇被害発生の時間帯では、「オレオレ」は11時から14時の間が79%、「還付金」では、10時から14時の間が97%というデータもある。(読者に感謝)

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2009年7月 9日 (木)

「体罰を考える。某高校の問題解決に向けて」

◇某商業高校で生じた体罰と生徒の不登校に関する私のブログは、わずかな量の記述にもかかわらず反響を起こし、多くのメールが寄せられた。私は同校の体罰の有無と程度について確かめたわけではない。しかし、バレー部の中で起きた事が原因で精神的に傷つき登校出来ない状態の17歳の少女がいるのは事実である。高校も教育委員会もなぜ早くこの生徒を救えないのかという疑問と憤りが私の中にある。8日、教育委員会の責任者と話し合ったが私のこの思いは変わらない。静かにうつむいた少女の横顔にはバレー部のエースとして活躍したことを偲ばせものがうかがえた。私は、少女の側に立つ弁護士とも話した。事態は、少女を救うという教育的見地からぶれることなく解決に向うと信じる。推移を見守りたい。

◇教員は、小学2年生(当時)の胸元をつかんで壁に押し付け、大声で「もうすんなよ」と叱責した。男子児童は精神的障害を被ったとして裁判になった。一審、二審は「体罰」に当たるとしたが、最高裁はこれらを破棄し、「教員の行為は、その目的、態様、継続時間などから判断して教育的指導の範囲を逸脱するものではなく違法性は認められない」とした。これは、今年4月28日の最高裁判決であり、大変注目された。

 私は今年の5月の議会で、この判例を取り上げ、体罰の判断基準をつくるべきだと主張し教育長の考えを質した。教育長は、「今回の最高裁の判決で体罰の視点がしっかりと示されたので、スタンダードな体罰の基準を作っていくことが大切だと考える」と答えた。

◇私のブログに寄せられたメールで興味ある話が紹介されている。それは、「20年前の息子の話を少しさせてください」で始まる。息子は厳しい監督がいるバレー部にいた。手やスリッパでの愛の鞭が常だった。ある日生徒全員が自分たちは話してもらえば理解できるしそのように頑張ろうと努力するから鉄拳を減らして欲しいと言って先生と交渉した。先生は子どもたちと正面から向き合って自分が力で抑えていたことに気づいた。生徒と先生との間に、いっそうの良い関係が生まれたのであろう。メールの主は、先生は、現在も人生の生きたバイブルですと振り返っている。(良い話なので引用させて頂きました)

◇運動部の指導には特別の面があると思う。精神的にも肉体的にも限界に挑戦して練習に打ち込むことに意味があるのだから先生と生徒の間には厳しさは了解事項となっているのだろう。いわば信頼関係をベースにして契約が成立しているといえる。難しい時代なのである。部活を指導する先生は、体罰の規準を認識しつつ行過ぎを戒める心がけが必要だ。万一問題が起きたら直ぐに最善を尽すという謙虚さが求められる。

引用したメールの例は、部活は信頼関係に基づいて先生と生徒が一体となって築いていくものだという事を教えている。某高校は、部活の原点に立って頑張って欲しい。(読者に感謝)

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2009年7月 8日 (水)

「また、無差別殺人・新型インフルは県内6人に」

◇またやりきれない事件が発生した。大阪市のパチンコ店にガソリンをまいて火をつけ4人を殺した男が逮捕された。消費者金融に200万~300万円の借金がある41際の男は、仕事も金もなく人生に嫌気がさした、誰でもいいから人を殺したいと思ったと話しているという。防犯カメラには、バケツでガソリンをまいてマッチで火をつける様子まで映っていた。

 この男は、自分の行為が死刑に結びつくような重大な犯罪になることを考えなかったのであろうか。自分の意志で自分をコントロール出来ない人が増えている。自暴自棄になって自爆するような人にとって、死刑は犯罪の抑止力になってはいないと思う。この犯人も、裁判員制度の下で死刑が問われるに違いない。

◇県議会の商工議員連盟の勉強会で、講師として中小企業振興条例案について話した(7日)。講師は私の他に高経大大学院の河藤准教授、中小企業家同友会の石田さんである。私はこれらの人と条例案づくりに取り組んできた。5月議会に条例制定の請願を出したが「継続」となった。既に存在する「ものづくり、新産業創出基本条例」の他になぜ新条例が必要なのかを納得させなければならない。「中小企業立県」、「新しい時代の中小企業像」、「多様な中小企業の可能性」などの言葉を使って真剣に説明した。若い中小企業の経営者が現実の体験から必要性を感じて研究会を重ねてきた成果が問われている。今日の勉強会で目的が達成出来たとは思わないが第一歩にはなったと思う。

◇新型インフルエンザの県内確認が6人になったが、新聞の見出しは小さい。いずれも軽症なのでニュースバリューが低いのだろう。しかし今起きている事実は、歴史的事実の一環に違いない。

 新型インフルエンザは、30年~40年の周期で現われるといわれてきた。後の時代から振り返って、「平成21年初めに豚インフルから生じた新型は弱毒性で被害はほとんどなく人々はすっかり安心していた。ところがその年の秋から翌年にかけ、変異した新型は手におえぬ怪物に変身、死者は続出して社会は一大パニックに陥った」という事にならないとも限らないのである。

 私は県議会にあって、早くから新型インフルに対して警鐘を鳴らしてきた。今は、新型発生の状況を記すことで警鐘としたい。県内感染の例は次の通りである。第一例・6月24日、米国から一時帰国した高崎市在住の36歳日本人男性。第2例・6月29日、米国から帰国した伊勢崎市在住の33歳日本人女性。第3例・7月3日前橋市在住33歳会社員男性。第4例・同じく7月3日前橋市在住49歳会社員男性。第6例・7月7日米国から帰国した渋川市の2歳女性。日本全体では7日の時点で1,852人、その中で60歳以上は22名。世界全体では感染者94,512人、死者は429人となっている。(読者に感謝)

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2009年7月 7日 (火)

「臨時議会、県警のDNA鑑定、教育界は一人の生徒を救えないのか」

◇3日間の臨時議会が始まった(6日)。百年に一度といわれる経済危機に対して国が重ねて大規模な予算設置を講じたことに対応する県予算の審議が目的である。国からまわってくる予算は県の予算措置と結びつかないと活かすことが出来ないのである。

 代表質問に立った真下誠治さんは、「昭和51年の臨時議会以来予算審議では30数年ぶりの臨時議会です」と述べた。昭和51年7月から9月にかけて全国的な異常気象に伴う冷害で農家は深刻な損害を被った。今回の補正予算の総額は約311億5千万円である。

 その中には、敷島球場の大規模改修の予算もある。これに対しては有効な予算の使い方かという疑問の声もきかれる。真下さんはこの点を知事に質した。知事は、この球場は老朽化しており、空調、照明も悪い、近県でプロ野球の規格を満たしていないのは群馬だけだ、改修によりプロ野球の公式戦誘置も可能となり子どもたちの将来の夢を育てることが出来ると答えた。

◇午後の警察関係の常任委員会で私は、足利事件を例に引いて本県の科学捜査態勢について質問した。「17年も拘束された後に無実だと分かった、これは警察や裁判に対する国民の信頼を失墜させることです。本県のDNA鑑定の対策はどうなっていますか」と発言して4点について質問した。その結果次の事が判明した。(1)現在の県警の鑑定装置は4兆7千億人から1人を識別できる最新のものである。(2)この度、やはり最新のもの二基が国から配布され計3基の体制となった。(3)鑑識棟を新たに作る。(4)DNAの資料は、条件を備えたマイナス62度の冷凍庫に保存する。(5)鑑定に当たる技術者2名を募集したところ69人が応募し、そのうち39人は大学院卒である。

 (4)は次のような質問に答えたもの。「足利事件で警察はDNAを常温のロッカーに保存したと批判されたが本県はどうなのか。最高検はDNAの再鑑定の要求が増えることに備えて地方の検察にその保存を指示したが本県の保存の状態はどうなっているか」

◇某商業高校で女子生徒の登校出来ない状態が続いている。この生徒、クラス担任、母親等に会った。この生徒は中学校以来バレー部のエース的存在だった。顧問の体罰(竹刀による殴打など)やひどい言動があり、いじめも生じ傷ついたようだ。この女子生徒は、現在神経科に通院している。事情を知る教員は校長、顧問以外は移動してしまい、現在の副校長、教頭は何も事実関係を把握していないらしい。校長は県教委の指示で謝らないといっているという。事実とすれば情けないことだ。母親は娘の名誉を回復して欲しい、監督の責任をはっきりさせるべきだ、学校は不当な対応を反省し公の場で謝罪して欲しいと訴えている。苦しんでいる一人の女子生徒を学校、県教委はなぜ救えないのか。教育とは何かという本質が問われている問題である(読者に感謝)

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2009年7月 6日 (月)

「県民マラソン、10kmへの挑戦」

◇私のズボンの右のポケットに10本のマッチ棒が入っている。これをグラウンド1周ごとに一本ずつ左のポケットに移すのである。3,4,5の3日間、私は、早朝、芳賀グラウンドを10周した。1周約400mはあるだろう。

 今年も11月3日の県民マラソンの受け付けが7月1日から始まり、昨年同様、事務員の香織さんが午前9時前から上毛新聞社で待機して受け付けを果たし。このこだわりは、私の意気込みを示すものである。毎年、10kmを60分以内で走っている。昨年は、60分以内とはいえ、体調がベストでな、くかなり苦戦をして、タイムはよくなかった。私は健康管理がまずかったと反省した。今年は、期するところがあって、早くも県民マラソン10キロコースに備えた練習を始めたのである。私なりの記録を気にするのは、それが体調を示すものであることと、ここで達成感を味わえるか否かは心の橋頭堡 を築く上で私にとって重要な意味を持つからだ。

 マッチ3本までが苦しい。5本目で苦しさは消えてペースに乗れる。なぜマッチ棒かというと、単調に回るうちに何回目か分からなくなることがあるのだ。

 グラウンドのサッカーのゴールの鉄柱に秋田犬のナナをつなぐ。ナナは離れていく私にワンワンとほえる。私には、「頑張ってー」という声援に聞こえる。ナナのところに近づいて鉄柱にバンとタッチしてからマッチを移す。左のポケットが空になったときは、思わず「やったー」と快声をあげる。ナナも嬉しそう。苦しさに耐えて走ることは人生に似ている。私の場合、走れることは身体の錆を振り落として老化に挑戦することを意味する。走りながら今年4月、中国で泰山の3700段の石段を駆け下りたことを思い出した。

◇自民党1区の役員会が開かれた(5日)。前日、私は、中曽根外相が出席するという連絡をうけた。急いで、「次第」に来賓の項を設け、ここで挨拶を頂いた。外相の挨拶の中で次の点が注目された。「民主党の小沢さんは、米軍の配備を少なくして、第七艦隊だけでよいといっているが非現実的だ。北朝鮮をめぐる状況からしてもそれで日本人の命を守れるとは思われない」。

続いて尾身代議士も次のように語った。「民主党はインド洋の給油にも反対している。安保の基盤を壊していくように感じる。国際協力をしないでなぜ日本の安全を守れるのか」

とにかく迫る総選挙は民主党との天下を賭けた戦いとなる。政権を明け渡す結果になるとしても、死力を尽くすことが、民主主義の発展につながる。

◇県柔道界の出来事が2つあった(5日)。一つは山本崇夫さんの急逝で私は弔辞を読んだ。文武両道の人であった。数学者ピーター・フランクルと親交があり私のふるさと塾のメンバーで東方見聞録を原書で読んだ。死後、8段を贈られた。武士道を貫いたような人生だった。二つ目は3人の8段昇段祝賀式。「講道館の新館長は一本を取る柔道を世界に発信するといっているが、素晴らしい。たとえ負けても、それが本物の柔道、日本の柔道を世界に広めることになる」私はこう挨拶した。(読者に感謝

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2009年7月 5日 (日)

遙かなる白根(98)100キロメートル強歩序曲

かつて理想の教育を求めて山に上った人々がついに訴訟という手段に訴えて学校と争うことになった。理想は、星空に描く美しい絵に過ぎなかったのか。山に残った生徒はどうなるのか。派手なマスコミの報道もあって、世の関心はこの訴訟の行方と山の学校の存亡に集った。

この訴訟は、白根開善学校を産み落とす最後の陣痛であった。落胆して山を下りた人々の失うものは大きかった。寄付金や入学金、この間に費やしたその他の経費など、物質的な痛手以上に、失われた時間、理想の教育に対する失望、かつては見切りをつけたはずの下界の学校へ戻らねばならぬ苦痛など、人々には耐え難いことであった。「なぜか?」その答えの一つを訴訟の場に求めたのも無理はない。

この訴訟は約2年で和解となって終結するが、そこで、請求原因事実として主張されたこと、これに対する被告の答えなどは、当時の学校の混乱を語るよい資料なので、ここで紹介する。

原告は、請求の原因、つまり自分の請求を基礎づける事実として次のようなことをあげた。

    全寮制でその設備は充分ととのっていると言われていたが、現在は大部屋に2段ベッドが並べてあるだけで、冬には零下15度になるというのに暖房設備は全くなく、正に掘立小屋を大きくしただけである。衛生施設も完備されてなく生徒の中には中毒現象を続々起こすありさまであり、寮内での生徒に対する指導は全くなく、酒・タバコをのむ生徒も放置され、盗難が多発している。

    授業は教諭が満足に揃わず、新たに赴任した教諭は学校の施設を見て教育に熱意を失い、極めて短期間で辞めてしまい、残る教師の一部は生徒と共に酒・タバコをのむ状況である。又教諭の一部は生徒からその授業の間違いが指摘される程度の能力しかないものもいた。

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2009年7月 4日 (土)

遙かなる白根(97)100キロメートル強歩序曲

新たな展開・しかし、ついに裁判ざた

群馬県議会が動き出したころ、県の担当課である学事文書課は、次のように語っていた。

「すでに中学校の法人認可はおりており、手続きを踏んで高等学校設置の資金準備など進めてほしい。除雪、暖房など越冬対策について側面的指導も行っており、来年度予算に私立中学校として経常費補助も要求している」

 高等部設置が行き詰まっている主な原因は資金であった。本吉氏が当初あてにしていた事業家の支援は得られなくなり、一般からの寄付もなかなか集まらなかった。本吉氏は自分の預金をはたいた。そして、本吉氏の親族はぎりぎりまで支援した。大阪でホテルを経営しながらぎりぎりまで寄付を続けた本吉氏の実父、老後のために用意していた金の全部を出した本吉氏の義父など。そして、父母や新入生などの負担、民間からの借り入れなど、山の学校の財政はまさに火の車であった。

 このような状況の中、昭和53年12月18日、寄付金返還請求事件訴訟が東京地裁に提起される。そして昭和54年9月20日には、さらに入学金等返還請求事件訴訟が同じく東京地裁に提起された。

 昭和54年9月21日の各紙は、一斉にこの裁判ざたを大きく取り上げた。例えば、

「白根開善学校、ついに裁判ざた、退学生家族が訴訟」(上毛)

「入学金など返還請求・新教育つまづく」(朝日)

 そして、この訴えに対し、本吉氏は、記者の質問に答えて言った。

「真剣にこの問題を受けとめたい。日本の教育の現状の中で、理想の教育を少しでも実現することで訴えにこたえたい」。

また、学事文書課は、次のようなコメントを出した。

「県私学審議会の答申を受け認可したが、認可にあたり立地条件が厳しいので、安全のため地元と十分連絡をとるよう、また理科の実験材料などを充実するよう指導した。現在は新しい寮も出来、一室4人制になっており、55人いる生徒の父兄らは“だんだんよくしていこう”と話し合っているようだ。教育の見方の違いもあるようだ」

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2009年7月 3日 (金)

「国宝ハニワ、大魔神が群馬に」

Photo ◇明日(4日)から始まる埴輪展に県は大変な力の入れようである。「群馬県立歴史博物館開館30周年記念展」である。ポスターにその意気込みが現われている。冑(かぶと)を被り腰の刀に静かに手をかけた埴輪像に、「国宝、武人ハニワ、群馬へ帰る!」というタイトルが躍(おど)る。更に、サブタイトルは、「これが最後、東と西の埴輪大集合」となっている。「群馬へ帰る」というのは、現在、東京国立博物館の所蔵となっているが、今回、生まれ故郷の群馬に里帰りするという意味である。太田市の長良神社の境内から土木工事中に発見されたのである。完全武装の東国武人を表現するこの作品は極めて優れたもので、上毛(こうずけ)の名工が作ったものに違いない。埴輪では唯一の国宝である。海外へは一度出陳されたが国内で館外に出されるのは今回が初めてのことだ。

歴史的には、上毛国(群馬県)で埴輪文化が盛んであったこと及び私たちの祖先が高い文化を持っていたことを示すものだ。今日的には、物づくり群馬の原点に置いてもいいだろう。

◇冑の下にのぞく武人の表情は、誠に柔和でまだ少年のように見える。これが魔神になって生きかえる姿を想像すると不気味である。

 かつて映画会社大映が社運を賭けて作った特撮映画「大魔神」の中に登場する穏やかな表情の石像は、今回の武人埴輪をモデルにしたものだといわれる。戦国時代、悪人が民衆を虐げると、静かな優しい表情の石像は悪鬼の表情で甦り巨大化し大魔神となって破壊的な力を発揮する。大魔神シリーズは3作まで続いた。1966年(昭和41年)のことであった。

 武人は、九州の防衛につかされた防人(さきもり)かも知れない。防人は、当初、東国兵士から選ばれるのが慣例であった。武人埴輪は久しぶりに群馬に戻って何を感じるであろうか。世の中の変化にただ仰天するだけか、それとも現代の世相に怒り大魔神に変化してあばれ出すのか。そんな事を想像しながら今日はゆっくりと対面してみたい。午前11時からオープンニングのセレモニーが行われる。

◇認知機能検査の問題を見た。今月1日の特別委員会で総合交通センターを訪ねたのである。年月日、曜日、時間などを回答させたり、あいうえおを示して逆から記入させる問題などがあった。年は、西暦でも平成でもいいですと担当官は説明していたが、2009年とか、平成21年とかがとっさに浮かばない人は高齢者でなくもいるだろうと思った。

今月1日から施行された道交法で75歳以上の人に義務づけられた。県内の対象者は7万1千人。認知能力低下が原因とみられる高速道の逆走も多発。交通事故による県内の死者は念願の百人以下となったが、高齢者はその中で約4割を占める。

認知検査は一つの材料とされる。信号無視などの違反、専門医の診断と合わせて免許取り消しが行われる。車が頼りの高齢者は多い。今後、これは益々大きな問題になるに違いない。(読者に感謝)

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2009年7月 2日 (木)

「完成間近の重粒子線装置を見た」

◇「光の速さの70%、一秒間に地球を5周する速さでがん細胞を照射します。加速器の電圧は約4億ボルト、機械にかかるお金は約90億円です」案内役の教授の説明は続く。熱さ3mのコンクリートの壁に囲まれて線形加速器とシンクロトロン加速器が並ぶ光景は、宇宙基地の実験場を思わせる。

1日、「安全安心なくらし特別委員会」は、群大の完成間近な重粒子線照射施設を視察した。人類を宇宙に送り出す程に発達した科学技術をもってしても体内の細胞に生じたモンスターを克服出来ないのが現状だ。がんは人類最大の敵である。重粒子線装置は、この敵に立ち向かう最前線きちものである。装置の物物しさは、がんが如何に強大であるかを物語る姿に見えた。

県と市町村が巨費を負担したこの銃粒子線施設は、今年3月に機械装置の搬入が終わり、間もなく加速器の試験を始め、来年3月には患者の治療に入る。1日60人から70人の治療が予定される。画企的な事だ。画企的であることの意味は、重粒子線の完成を機に群馬のがん治療の全体をレベルアップさせ、群馬をがん治療のメッカにすることが出来るチャンスが到来したということだ。

切らずに短期間で治療し、根治も可能なこの施設に期待する人は多い。重粒子線治療を受けるためには、がんであることをきちんと告知されていること、悪性であること、広い範囲の転移がないことが必要である。

重粒子線治療の効果が明らかながんとして次のものが挙げられている。肺がん(1期)、肝臓がん、すい臓がん、前立腺がん、直腸がん、骨腫瘍、頭頸部がん、眼腫瘍、頭蓋底腫瘍、等である。

なお、重粒子線治療に関する相談窓口がすでに開設されている。受付は平日の9時から16時迄で、「重粒子線治療相談希望」と申し出ることが求められる。電話は027-220-7891である。来年3月の開設までの期間、他の重粒子線治療センターへの紹介も行っている。私の知人は千葉の放医研で前立腺の治療を受け完治した。

群大へのこの施設招置に力を尽くした尾身代議士はハーバード大が提携を申し込んでいるとよく話に出すが、それは、群大が小型化に成功した最新施設として国際的に注目されていることを意味しているのである。

◇この日、特別委員会が最後に訪れた調査先は「人とくるまの科学館」。前橋市の「総合交通センター」の中にある。バイクにまたがってエンジンを吹かし映像の中を突っ走る。ケータイからの110番の体験、横断歩道で不注意があると車が迫ってドカーンとなる。親子で楽しみながら「交通社会人」を学べる穴場である。多くの人が訪れている。深刻な高齢者の交通事故の状況を視察した。認知症のテスト用紙を見た。本県最高齢者のドライバーは98歳の男性である。(読者に感謝)

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2009年7月 1日 (水)

「セックスによる子宮頸がんの拡大は深刻だ」

◇先日国会の討論で、ある女性議員が若い女性に子宮頸がんが爆発的に増えている、それは性交によるウイルス感染が原因である、薬を早く認可すべきこと、検診手帳を学校教育の場で活用すべきこと等を真剣に訴えていた。

 この検診手帳は、「がん検診無料クーポン券」が同封されて今年度内に県内の対象者にも配布される。県下の市町村では現在準備中である。これは、本年度の国の補正予算で実施される「女性特有のがん検診推進事業」の一部である。

 女性特有のがんとは乳がんと子宮がんを指すが、性風俗とも関係していて深刻な社会問題となっているのが子宮頸がんである。

 私は県保健予防課から「検診手帳」の見本を入手した。手帳の主な内容は◎「はじめに」がんがまだ「他人事」のあなたへ、◎がん検診無料クーポン券の使い方、◎なぜ、乳がん子宮頸がんの検診は効果的なのか、7つの理由、◎がんと知ってがんと向き合うーがんに間する7つの誤解、等である。

 「はじめに」の項では、乳がんて何、「子宮頸がん」てなにとそれぞれを簡単に説明し、特に子宮頸がんはヒト・パピローマウイルスの感染が主な原因で20代~30代で急増していること、しかしこの子宮頸がんはがん検診が最も有効で検診はいたって簡単であり、この検診を受けることが「がんで命を落とさないための特効薬」なのですと呼びかけている。

 欧米では8割以上の女性が子宮頸がん検診を受けているといわれている。この点における日本の女性の受診率は非常に低い。群馬県の統計によれば、子宮がんの受診率は、平成16年は19.1%。そして、平成17年度は24.8%である。20歳代に急増しているといわれる子宮頸がんに限れば、受診率は更に低いに違いない。

 これに対する有効な対策は、学校教育の場で正面から取り上げることではないか。これは、がん対策としては勿論であるが、性教育の面からも有効な手段ではないかと思う。「群馬県がん対策推進計画」では、子宮頸がんは、HPV(ヒト・パピローマウイルス)との因果関係が明らかながんで、このウイルス感染は感染症の一つであること、若年層の啓発活動を行うことが目標であることが明記されている。

 目標は具体策によって実現しなければならない。その具体策を県は示していないのではないか。私は、具体策の一つとして、今回の「検診手帳を」アレンジした教材をつくり、学校で教えることを提案したい。

◇新型インフルエンザ感染が県内で2例確認された。世界的大流行の中にいるが人々はほとんど恐怖感を持たない。そんな中で、強毒性の鳥インフルエンザの最大流行地のインドネシアに「新型」が上陸した。ある専門家は二つのウィルスが混ざり合って強力な新しいウィルスが出現する可能性を指摘する。この秋冬に強毒性に姿を変えた新型が襲来する危険性は高い。県もそれに備えなければならない。(読者に感謝)

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