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2009年7月25日 (土)

遙かなる白根(104)100キロメートル強歩序曲

第4章 白根開善学校の実態 ― いじめと父母会 ―

父母会

 周平が入学した白根開善学校とは、どんな学校なのか。これまで、学校創立時の事情や、その後の学校のいくつかの状況、我が家がこれに関わってゆく様子などを、主に外からの目で書いたが、学園内の日々の現実はどうなっているのか。新たに山の学校を目指す子ども達を待ちかまえているものは何か。改めて、そういう目で見ると、山奥の緑につつまれた静かな学園は、やはりはじめのうちは不気味でもあった。

 白根開善学校の特色はいろいろな言葉で語られる。例えば、父母立学校、規則でしばられず一人一人の個性を伸ばす学校、受験戦争から開放された偏差値のない自由な学園、素晴しい自然の中で逞しく生きる力を身につける学校等々。しかし、子ども達の現実の生活は学校が掲げる美しい理想や理念とは別で、生易しいものではない。美しい自然も冬ともなれば過酷な厳しさに変わって子どもたちをこれでもかこれでもかと打ちのめそうとする。限られた空間の中でのぎりぎりの人間関係の難しさ、限りない都会への憧れ、肉親への思慕、これらは子どもたちの心の中でどろどろとした葛藤を生み、それがまた一つの原因となって学園内のさまざまなトラブルをひき起こす。例えば、脱走、いじめ、喧嘩、酒・タバコの問題などである。子どもたちは、これらの難問に遭遇し、とまどい、悩み、苦しみながらこれを必死で乗り越えようとする。時には打ちのめされ傷つきながらもまた立ち上がって懸命に頑張る。子どもを、遠く離れた山奥の学校に入れて、常に期待と不安、そして時にはうしろめたさが入りまじった複雑な気持ちで山の学校に熱い思いを寄せている全国の父母は、子どもたちの抱える問題を真剣に受け止め、力を合わせて解決しようとして、よく山に集る。多くの親と子が力を合わせる様は、100キロメートル強歩に臨む彼らの姿に似ている。また、このような事情は、一般の学校のPTAとは違った「白根父母会」の特色の背景となっているといえる。

◆土・日・祝日は、中村紀雄著「遥かなる白根」を連載しています。

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