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2009年6月 1日 (月)

「フランシスコの町理事会」

◇前橋カトリック協会で開かれた「フランシスコの町」の理事会に出た(30日)。これは、教会が母体となっている社会福祉法人で2つの施設を運営している。同名の「フランシスコの町」は、高崎市金古町にある児童養護施設で身寄りのない子どもを育てている。約60名の児童がいるが世相を反映して離婚孤児といわれる子どもが多い。また外国人ではフィリピン人の子どもが多い。フィリピンは伝統的にカトリックの国であることと関係があるだろう。

 もう一つは前橋市西大室町にある「あかつきの村」だ。ここでは、難民で精神障害を患っている人々のお世話をしている。現在、ベトナム国籍の方9名がおられる。難民という悲劇を背負ううえに異郷にあって言葉が通じないことによる精神的苦痛は大変なものであろう。この「あかつきの村」で週1回ボランティアで働くアメリカ人がいる。プロレスラーのような巨体で子どものような人懐っこい表情をしたショーンさんは「群馬ダルク」のスタッフである。

 私は理事会の席で、ダルクを手伝うことになったいきさつを説明した。群馬ダルクは、薬物依存症の若者を助けるNPOである。若者に広がる薬物の害は深刻だ。依存症の体験者の話では、脳の中や血管を虫がはうような苦痛だという。私が知りあったダルクのスタッフのポール、ショーン、平山君たちはみな薬物依存の地獄を体験した。彼らの体験に基づく話は説得力抜群である。来月、芳賀中学の体育館でこれらの人々は、薬物の恐怖を語る予定である。代表のポールは2メートル近い巨漢でイラクやクエートの戦場で傷ついた兵士の介護に当たった経験をもつ。銃の扱いが得意で自身も肩に弾の傷跡を持つ。中学生たちはダルクの人たちの話に引き込まれるだろう。国際理解教育にも資するに違いない。

◇社会福祉法人「フランシスコの町」の理事長は歯学博士大国勉さんである。大国さんは、県警の「警察医」である。死者の身元を歯で識別することで活躍してこられた。大国さんが警察医となった昭和47年ごろは、歯科医が「県警察医」になることは全国的にほとんど例がなかったという。大国さんは、この頃起きた大久保清の連続女性殺人事件(昭和46年)、連合赤軍集団殺人事件(昭和47年)の検死に参加し、その後、史上最大の航空機事故である昭和60年の日航機墜落の現場では大変奮闘された。その著書「歯や骨からの個人の識別」では、頭部や顔面が欠落、腹部臓器がシートの上に流れ出るような状況を見て惨状の凄絶さに衝撃を受けたと語る。大国さんの意識の底には流血の中で生きたかつてのカトリック殉教者の姿があったかも知れない。

◇31日、毎月1回のバスツアーを実行した。葛西水族館は人であふれていたが、マスクの姿は見えなかった。私はバスの中で「新型」の恐怖はこれからかもしれないと話した。ダルクのスタッフ平山君も参加した。楽しく有意義な「ツアー」への読者の参加を望んでいる(読者に感謝)

★土・日・祝日は、中村紀雄著「遙かなる白根」を連載しています。

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