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2009年6月13日 (土)

遙かなる白根(91)100キロメートル強歩序曲

 この開校式で、人々の頭に冷水を浴びせるような出来事が発生した。

 開校式の来賓として出席した群馬県学事文書課・木暮課長が意外な発言をしたのである。

「高等学校の認可は極めて困難です」

というものだ。これを聞いた父母たちは大きな衝撃をうけた。会場にざわめきが広がり、落胆のためいきがあちこちで聞こえた。

 県行政とすれば、中等部について、認可したくないのに、やむをえず、多くの条件をつけて見切り発車を許したというところであった。だから高等学校を続いて認可するなどとんでもないことで、それは、中等部認可に付けた条件が達成され、さらに、高等部設立の条件が整うのを見てという考えであった。

 しかし、父母や生徒たちにとって、高等学校まで進めるかどうかということは極めて重要なことである。中高一貫教育といううたい文句を信じてあつまったことであるし、中学校だけで、高等学校は、また、下界の学校に戻るというのでは、下界の学校を抜け出してきた意味がない。そんなことなら、はじめから山の学校へ入らなければよかったと人々は考えるのであった。とくに、翌年は高等学校へ進むという3年生にとっては、事態は深刻であった。

 53年7月9日、父母たちの不安にこたえるかたちで父母会が開かれる。そして、8月6日には3年生の父母会が開かれた。ここでは、高校設置の見通しとその問題点にしぼって話し合いがなされた。そこで、高校設置の最大の問題点は資金不足だということが父母たちにも明らかになった。しかも、高校設置のためには、校舎などの施設だけでも一億数千万円が更に必要であるのに、その資金計画はほとんど見通しがついていなかった。

 頭をかかえた父母たちの会が各地で開かれた。その中で本吉氏に対する非難の声も次第に強まってゆく。

◆土・日・祝日は、中村紀雄著「遥かなる白根」を連載しています。

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