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2009年5月12日 (火)

「子を背負う若い夫、県内に新型発生のおそれ」

◇ゴールデンウィーク中、私が心で受け止めた一つの光景がある。友人と松代の大本営地下壕を見た帰りのコースで、とあるレストランに寄った時の事である。隣のテーブルに、若い夫婦が向き合って歓談している。私が「ほー」と思ったのは、男が背中に赤ちゃんを背負ってゆすっている姿を見た時である。若い父親は私たちを意識している風は全くない。私は友人と顔を見合わせてうなずいた。

 最近、若い男が赤ちゃんを乗せた乳母車を押す姿を見ることがあった。このように、男が子育てに協力することが若い夫婦の間に定着しつつあるのだと思われる。

 昔は、「男子厨房に入らず」といって、男は台所に入らないことが常識とされた位だから、公衆の前で赤ちゃんを背負ったり乳母車を押すことなどはもってのほかの事であった。時代は大きく変わったのだ。

 このような父親を法的にサポートする制度が育児介護休業法である。子どもの虐待が毎日のように報じられる。子どもを育てるのが難しい社会環境が広がっている。夫が積極的に子育てに協力することが少子化対策として重要である。

 ここで公務員の役割を期待したい。公務員は社会の手本を示すべきだから進んで育児休業を利用すべきであるが、利用者は非常に少ないのが現実だと思う。職場で、若いカップルが誕生し、奥さんが妊娠したら職場の上司は、育児休業の利用を勧めたらよいのではなかろうか。

◇新型インフルエンザが本県に近づいている。県内初の感染が疑われたのは、アメリカから本県に入った後に発熱した母子である。感染国、メキシコ、アメリカ本国、カナダからの入国者はリストに名がのって、追跡調査をすることになっている。母子はリストに名前があったが、電話番号が記入漏れで県は連絡がとれなかった。帰国者が急増する中で、このような記入漏れはかなり起こり得ることだ。水際対策としてこのような不備をチェックすることが非常に重要であることを母子の例は示している。

家族が県の発熱電話相談に連絡したことがきっかけで、前橋市下沖町の県衛生環境研究所が検査し、感染なしが確定した。もし感染していたら、この間県内にどっとウィルスが広まっていたかも知れない。他では現実にこのような感染が生じている可能性が考えられる。

次に、また本県で感染の疑いが発生した。国内初の感染者が4名出たノースウェスト航空25便の同乗者2名が本県在住者であることが判明したのである。この人たちは、感染者とは離れた席にいたので、検疫法に基づく宿泊施設での停留対象ではない。自宅で待機し、10日間の健康観察を受けている。朝夕体温も測っており、発熱などの症状が出たら検査することになるが、現在、異常はないという。このような状況の中、自治体や学校などの役割は極めて大きい。県教委は、各県立学校等に適切な判断と対応を求めて通知した。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村紀雄著「遙かなる白根」を連載しています。

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