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2009年4月14日 (火)

「薬物依存症の恐怖・群馬ダルクを訪ねる」

◇テレビが薬物依存症に患った人々の悲惨な状況を報じていた。薬物依存症は、その人の行き方、考え方などすべてが薬物によって支配されてしまう病気である。テレビは、最近の傾向として低年齢化と女性の増加をあげていた。

 大麻に関する事件が連日のように報じられている。特に大学生が頻繁に摘発される状況は、学園で大麻が日常化している印象を与える。これが大学生にあこがれる少年たちに強烈な影響を及ぼすことは当然である。大麻に限らず、薬物の害が広がっている。薬物に近づくきっかけは簡単であるが、そこには恐ろしい底無し沼に通じる道が隠されているのだ。

 最近、私が関係するカトリック教会の新聞に、過去の薬物依存症の生々しい体験を語る記事が載った。記事の主(Hさん)は、薬物依存症回復支援施設・「群馬ダルク」で働く。

 Hさんは、私立有名大学の付属高校の時、先輩からすすめられて薬物を使った。系列の大学ではやっていたせいか、高校でもまわりで薬物を使う者が多かったという。「薬がかっこよいもののような気がした」と語る。気がつくと薬がないと動けなくなっていた。仕事のために薬を使い、薬を使うために仕事をするという狂ったサイクルに陥っていく。仕事も続けられなくなり、離婚する。死ぬ事も考えた。犯罪を起こして捕まれば薬が止まるかも知れないと考えたが何も出来ない。ついに、Hさんは家族に助けを求め、たどりついたのが「群馬ダルク」だった。

 Hさんは、ダルクで助け合う仲間と出会う。「一人で薬を使い孤独だった僕に仲間が出来た、仲間に助けられ支えられて仲間から与えられたものを新しい仲間に渡していく、僕がもらったものは、薬物依存症でも笑える、楽しく生きられるという仲間の姿です、僕は薬を止めて生きていきたいと思い始めました」Hさんの手記は薬物の恐ろしさを全く知らない私の胸を打つ。

 私は群馬ダルクを訪ねた。Hさんは、今、この回復支援施設で働くスタッフである。穏やかで優しい表情から、地獄を通り抜けた過去を想像することは出来ない。

 カトリック教会の岡神父も関わるこの施設は民間の古い建物を利用したアットホームな雰囲気だった。Hさんを初めとした何人かのスタッフと話が出来た。依存症は脳に変化が生じたことが原因なので完治する事はないという。テレビのコメントも「脳の要求なので意志ではかてない」と語っていた。

◇倒産、転職などの苦しさの中で一時薬物に頼ったというⅠ君が訪ねてきた。薬がきれた時お花畑が見えて恐くなって止めたという。現代社会には薬に頼りたくなるストレスの原因が渦巻いている。刺激と不安の海を漂う少年たちが安易に薬物に救いを求める心理も分かる。しかし、薬物は彼らを暗い海に引きずり込む悪魔のささやきであることをしっかりと教えなければならない。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村のりお著「遙かなる白根」を連載しています。

      

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