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2009年4月13日 (月)

「北朝鮮に対する非難」「アマゾンの裸族」

◇テレビで見ていると、北朝鮮の代表は憤然として記者の示す書類を叩き落した。それは、議長声明に対する不満を表明するものであるが、同時に、国連安保理の成果を物語るものであった。私は、多少溜飲が下がる思いがした。

 日本の求める通りにはならなかったが、北朝鮮のミサイル発射は、安保理決議に「違反する」ものとして、「非難」されるという強い内容が全会一致で採択さえる模様だ。国連の北朝鮮代表の態度は、味方をしてくれると期待していた中国とロシアまでがこの声明に同調したことに対する不満を現すも現すのであろう。

 国際社会が正式に一致してミサイル発射を非難したことは、金正日の国防委員長3選の栄誉を傷つけることを意味する。なぜなら、金正日が国防委員長に就任するのに合わせ、彼の偉大さを示すメッセージとして、ミサイルが発射されたといわれるが、そのメッセージが国連により、つまり、国際社会の一致した意見として否定されたからだ。

 北朝鮮は、党よりも軍が上位にある国である。だから国防委員長が国の最高の地位にある。金正日は、総書記であるが、3たび国防委員長に選ばれた。私は、金正日は、発射されたテポドンのようなものだと思う。国際社会から非難を浴びて姿を消す運命にある。

◇NHKスペシャル「ヤノマニ」を見た。私は平成8年に南米アマゾンの支流に入り、いたる所、巨木についた黒い大きな塊を見た。アリの巣だと教えられた。アマゾンにはアリが多いのだという。

 文明と隔絶して生きるヤノマニ族の未婚の少女が妊娠した。家族は共同体から抜け出すが、しばらくして戻って来た。娘の身に起こる事を悩んでいる姿に見えた。14歳の娘は出産するが、赤ちゃんを人間として迎えるか精霊として天に帰すかは娘が一人で決めねばならない習わしである。じっと思い悩む娘の姿が映される。命を断たれた子どもは葉に包まれ白アリの巣に入れられ、巣は焼かれた。

 ヤノマニ族は、毎年20人ほどの子どもが生れ、半分は精霊として天に返されるという。娘は未婚なるが故に一人で決めねばならなかった。

 生れた子を天に返す習わしは人口を増やさないための知恵であろう。彼らの考えでは、人間は死んで精霊となり、虫となって地上に戻るという。1万年も前から同じ生活をくり返す人々。彼らを文明化させることが、彼らの幸せに通じるかは難しい問題だ。政府は、保護区域を設けて、彼らへの接近を禁じているという。呪術師が部落の中心にいる。遠い過去には私たちの祖先もあのような社会で生きたのだろうか。時間が止まったままのアマゾン奥地の人々の生活。楽しさと悲しさが両面から伝わる。上空にジェット機が飛ぶ場面が見られた。

 ヤノマニは人間を意味するという。少女が生んだ子どもは白ありに食べられて天に昇り、白ありは焼かれて天に昇る。ヤノマニの人々は、森で生まれ森で食べ森に食べられる、と解説者は語った。アマゾンの森が破壊されつつある。彼らの運命はどうなるのか。

(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村のりお著「遙かなる白根」を連載しています。

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