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2009年4月16日 (木)

「闇サイト、控訴取り下げ、死刑確定」

◇名古屋市の女性(当時31歳)を拉致し殺害した闇サイト事件で、名古屋地裁は2人に死刑1人に無期懲役を言い渡した。それぞれの被告は控訴していたが、死刑を言い渡されていた被告の1人は、14日までに控訴を取り下げた。

 これで、元新聞セールススタッフ神田司被告の死刑は確定した。その心裡は全く理解できない。普通の人間なら死刑を免れたい、一秒でも長く生きたいと思うだろう。サイトという虚構を介して殺人までやってしまう短絡的精神構造は、自らの生も短絡的に断ち切ってしまうのか。そんな若者が増えているとしたら怖いことだ。病める現代社会の暗い渕がこの男を呑み込もうとしているようだ。

 この事件の特色は、被害者が一人であるのに死刑を言い渡した点、及び、闇サイト上で偶然知り合った男たちが、残虐極まりない犯行に及んだという事だ。この点は、サイトの呼びかけに応じて集った若者が集団自殺したケースとどこか似ているように思える。

 心に基盤があり、そこに基本的な道徳感が根を下ろしていれば、人間はぎりぎりの所で生や死について真剣に悩む筈である。現代の若者たちの異常な行動を見ると、基盤を持たない浮き草の漂うような心をもっているように思えてならない。そのような心しか育てられない教育の無力さを感じる。

そのような若者の心の世界に侵略者のように登場したのが、携帯サイトなどに代表される電子機器の世界である。新しい社会現象に対して法律も教育界も無力である。虚構と現実の闇をさまよう若者で犯罪におちる人は跡を絶たない。

◇振り込め詐欺のいわゆる「出し子」が逮捕された。杉沢忍容疑者は、昨年、女性から196万円をだまし取った。顔写真が公開された14人の中で、逮捕に結びついたのは初めてだという。アルバイト感覚で多くの若者が振り込め詐欺に関わっているとされ、各地で支給が始まった給付金を最大のターゲットにしているらしい。県警も注意を呼び掛けている。

◇行政委員の報酬が問題になっているが、私は、前から行政委員の資質を問題にしてきた。行政委員会には身近なものとしては、教育委員会、公安委員会、選挙管理委員会などがある。政治的な中立性が求められる合議制の行政機関である。法律上は極めて重要な役割と権限をもちながら、中には、形式化あるいは形骸化していると批判されるものもある。よく矢面に立たされるのが教育委員会である。最高意志決定機関であるにもかかわらず、実際は、事務局が動かしている。他の行政機関にも共通の問題があるのだろう。

教育委員長などは、名誉職的になっている面がある。事務局とすれば、委員長は、異議をとなえないイエスマンの方が楽である。しかし、それでは済まされない時代が到来している。報酬を論ずる前に、見識と信念をもった行政委員を選ぶことが本質的問題なのだ。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村のりお著「遙かなる白根」を連載しています。

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