« 「秋葉原の惨劇で使われたダガーナイフの規制」 | トップページ | 「いよいよ、県議補選の出陣式」 »

2009年1月15日 (木)

「五人殺害、裁判員なら死刑か無期か」

◇家族5人を殺害した男に岐阜地裁は無期懲役を言い渡した。検事の求刑は死刑だった。裁判官は、「一抹の酌量の余地がある。極刑の選択にはちゅうちょが残る」と述べた。「酌量の余地」とか「ちゅうちょが残る」という点は裁判官によって判断が分かれると思う。

 5月から裁判員制度が始まる。対象になるのは、死刑もあり得る重大な刑事事件である。そして、裁判員は、有罪か無罪かだけでなく、どのような刑罰に処するかについても結論を下す。もし、5人を殺したこのようなケースの裁判員に選ばれたなら、その人は大変悩むに違いない。

◇事件は、05年岐阜県中津川市で起きた。原平(はらたいら)という男は、母や孫ら5人を殺害し1人に怪我をさせた。被告は、母チヨコさんが妻のことを泥棒扱いすることに耐えかね「母がいなくなれば楽になれる」と考え殺意を抱くようになった。85歳の母、33歳の長男30歳の長女、及びその2人の子(2歳の長男と生後3週間の長女)を殺した。生後間もない幼児は口を手でふさいで窒息死させ、他の4人はネクタイで絞殺した。被害の責任能力が問題になったが裁判長は完全責任能力を認めた。

 死刑は極刑であるから、酌量の余地がない場合に科される。通常は複数を殺し、更生の見込みも酌量の余地もない場合に言い渡される。

 この事件のような場合、裁判官によって結論に差があるのではなかろうか。そして、裁判員制度の下では、どのような人が裁判員になるかによって結論が大きく異なることになるのではないか。被告に運不運が生じるのは裁判員制度の下ではやむを得ないことなのか。一市民として素朴な疑問がわく。

◇昨年11月前橋市民文化会館の駐車場で3人の少年が集団で暴行を加えて少年を死亡させた事件について、私は、このブログで取り上げ、3人の少年は厳しく追及されるだろう、この少年犯罪の行方を注目したい、と書いた(昨年11月13日のブログ)。今月13日、前橋家庭裁判所は、3人の少年に対し、「刑事処分」が相当として前橋地検に「逆送致」する決定をした。

これはどういうことか。少年法は、少年については、保護と健全育成の見地から刑事事件を起こした少年を家裁の審判に付することになっている。しかし、近年、凶悪な少年犯罪が多くなったことから、01年4月、少年法が厳罰化の方向で改正されたのである。つまり、16歳以上の少年が故意の犯行で被害者を死亡させた場合原則として検察官に送致して刑事裁判にかけることになった。これが「逆送致」である。

3人の少年は、成人同様、起訴されることになり、公開の裁判で、傷害致死罪、監禁罪などの点につき刑事責任の有無を問われる。最近の耳を疑うような残虐な少年犯罪に対する警告となるであろうか。(読者に感謝)

☆土・日・祝日は、中村のりお著「遙かなる白根」を連載しています。

|

« 「秋葉原の惨劇で使われたダガーナイフの規制」 | トップページ | 「いよいよ、県議補選の出陣式」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/143329/43746095

この記事へのトラックバック一覧です: 「五人殺害、裁判員なら死刑か無期か」:

« 「秋葉原の惨劇で使われたダガーナイフの規制」 | トップページ | 「いよいよ、県議補選の出陣式」 »