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2008年11月10日 (月)

「中村進さんの偲ぶ会」「尾身さんの国政報告会のこと」

◇チョモランマ(エベレスト)の高所で死を覚悟した後、仲間に救出されるときの、声をあげて泣く中村さんの映像が衝撃的であった。雪煙りの中に屹立(きつりつ)する白い山は、全ての妥協を許さない峻厳で崇高な姿に見えた。この非情な山をチベットの人は古来、「母なる女神・チョモランマ」と呼ぶ。母なる女神は、容易に文明人を寄せつけない。過去に多くのクライマーを振り落としてきた女神は、文明人に何を示そうとしているのか。文明の驕(おご)りに対する戒(いましめ)か。自然破壊に対する怒りか。はたまた、生命の大切さを教えようとしているのか。

 私は、生前の中村進さんに会ったことはない。みるからに逞しい山男を想像していたが、文章や映像から伝わるものは、北極点、南極点、エベレストを征服したとは思えない、優しさとさわやかさであった。

 中村進さんは、いくつもの登山隊の隊長をつとめられた。偲ぶ会で登山の仲間が語っていた。隊長には、三つの条件が要る、それは、情熱、信念・哲学、規律を求める力、だという。これを備えた中村さんの評価が高いことを知った。

 中村さんは、「人間も自然の一部である」、「登山は人の心の中にある、人の心の中に自然がある」と語っている。命をかけて山と取り組んだ登山家として到達した哲学なのだろう。中村さんのこの言葉の真の意味を理解するために私もこれから山に親しもうと思った。また、中村さんは「赤城山は私のチョモランマ」といっている。赤城山を愛する私は、この山を通して中村さんとつながっていることを感じた。

◇旧前橋最北の町金丸で尾身さんの国政報告会が行われた(8日)。この冬一番の寒い夜に熱心な支持者が集った。人々は、尾身さんが語る少年時代のこと、そして、「人間としての趣味」の話しに、身を乗り出すように聞き入っていた。

 私は前座で次のような話をした。アメリカは日本よりも大変なときに黒人オバマを大統領に選び、力を合わせれば不可能はないといって国民が湧きたっているが日本も本物の政治家を選んで、心を一つにして力を合わせるべきだ」と。

尾身さんは政局と時局を語った。この人の話にはいつもはったりがない、この日も、ストレートな語り口が人々の心をとらえていた。尾身さんは、日本は頭脳で勝負する国にならねばならない。その為には科学技術の振興が必要だと持論を語った。

尾身さんはめずらしく自分の少年時代を語り始めた。それは、金丸町という、かつて開墾から始まったこの町の素朴な人たちを前にして、自分の政治の原点を語る気になったのだろう。「7人兄弟の長男として中・高生時代家業である下駄の行商をした」、「本来、家業を継ぐべきところを志を立て大学に進んだ」、そして「現在自分の全てをかけて国家社会のために活動することが私の人間としての趣味」などに話は及んだ。風の夜、ストーブが赤く燃える室内で久しぶりに政治家の良い話が聞けた。(読者に感謝)

★土・日・祝日は、中村のりお著「遙かなる白根」を連載しています。

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