« 「大連外国語学院との調印式が迫る」 | トップページ | 「最近の犯罪状況」 »

2008年11月12日 (水)

「農業に取り組む朝」

◇朝6時、農業生産法人・有限会社「シンセン」の会議があった(11日)。毎月第二火曜日の朝6時に行われる。無農薬・科学肥料なしで、ジャガイモ、サトイモ、ホウレン草、ブロッコリーなどを作ってきた。畑の西の隅に小さなプレハブ小屋が立ち、その前に小型のトラクターが置かれている。会議をしていると、東の森の上の雲間から、ピリッとした冷気を貫くように朝日が、ブロッコリーやホウレン草の上に差し始めた。

 自分たちが育てる野菜が朝日を浴びる光景に生命の躍動を感じる。朝の陽光は命の源である。私たちの夢は、太陽のエネルギーを吸収したこの新鮮な野菜を都会の人に届けることだ。農は社会の大本(たいほん)、命の基盤である。名山赤城の麓に広がる耕作放棄地を、私たちのささやかな事業をきっかけにして甦らせることも「シンセン」に託した夢である。

 この朝、二人の若者が私の農場を訪ねた。昭和村で農業生産法人を立ち上げて新しい農業に取り組んでいる人たちである。昭和村では、冬に野菜が作れないので、その間、赤城南麓の畑を使いたい、合わせて私たちとも協力したいと語っていた。昭和村では多くの農業生産法人が動いているという。日本の新しい農業の可能性を若者を通して感じた。最近、あるミュージシャンが、我が「シンセン」の農業に参加することになった。農と土に新しい夢を見つけようとしている。絶望的な農業にも朝日が差し始めたことを感じた。

◇県民マラソンの記録が上毛新聞に発表された(11日)。私は、「男子10キロ」で58分20秒、順位1572であるが、9秒後に同タイムの木村親子の名前を見つけた。実は父親の木村和雄さんは、今日の日記で書いている「()シンセン」の社長である。今年はどうしたのだろうと思いながらトラックに近づいたとき私の前を走っている姿に気付いた。私は死力を尽して追い抜き歯をくいしばってトラックを一周してゴールに駆け込んだ。最後のダッシュが9秒と12人の差をつけた事を知った。今朝、農場で健闘を讃えあった。

◇最近の葬儀で私の心に響く挨拶があった。それは、孫が祖父に別れを告げるもので、

「おじいちゃんがいなければ、お父さんはいなかった。そしてぼくもいなかった」というもの。大好きなおじいちゃんに呼びかける言葉は胸に迫るものがあった。私は、この言葉を聞いて、現在の人間が過去から未来へ途切れることなくつながる存在の一部であることを教えられた気がした。この子どもの言葉を借りれば祖先の一人が欠ければ僕はなかった、また僕がいなければ僕に続く子孫はない、と言う事になる。今日では、この人間の連続はDNAによって科学的に実証されている。仮にDNAを人間の魂と考えるなら、「肉体は亡んでも魂は不変」という思想も科学的に納得がいくように思える。また、祖先を敬うということも素直に受け入れられる気がする。孫の言葉を聞きながらふとこんなことを考えた。

(読者に感謝)

★土・日・祝日は、中村のりお著「遙かなる白根」を連載しています。

|

« 「大連外国語学院との調印式が迫る」 | トップページ | 「最近の犯罪状況」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「農業に取り組む朝」:

« 「大連外国語学院との調印式が迫る」 | トップページ | 「最近の犯罪状況」 »