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2008年11月28日 (金)

「調印式・講演の成功、晩さん会」

◇旅順郊外に移転した大連外国語学院の新しいキャンパスまで、大連のホテルからたっぷり一時間かかる。かつての日口戦の激戦地・旅順の上空には灰色の雲が垂れ込め雲間から差す薄い陽光がむき出した荒々しい岩肌を赤く染めていた。この冬一番の寒波が押し寄せていた。広大なキャンパスでは、登校する学生たちが、軍団が動くように、高い校舎ビルの間を右に左にと黙々と歩いている。私は、コートで身をおおい、まさかと思いつつも準備していたマフラーを首に巻いて車から降りた。恐らく2、3度位か、身を切る寒さに皆驚いている。

 午前中は学校の見学である。外国の大学で日本語を学ぶ数において世界一といわれるこの大学は廊下に日本語の用語例が貼られたり、いたる所、日本語学習の工夫で満ちていた。各教室の活気は廊下からも窺(うかが)えた。

 昼食は構内の食堂で食べた。大きな棟の各階はごったがえしていた。胃袋の大軍とも見える壮大な光景はこの大学の活気とエネルギーを現している。

◇私の講演は1時半から始まった。学生は集るのだろうかと多少気になっていたが、大きな教室は超満員で近くの教室から持ち込まれたイスが空いたスペースを埋めていた。学生の表情は私の話に敏感に反応している。スクリーンには群馬の人や自然やまちが写される。女子生徒が圧倒的に多い。「中国も女性が強いですか」私がたずねると「ハイ、そうです」とあちこちで声が上がる。上州の「かかあ天下」を説明するとどっと笑い声が起きた。最近の金融危機にも触れ、アメリカ中心の時代は終わりつつあり、中国と日本が重要な役割を果す時代が来たと話した時、うなずく学生が目についた。私の「ふるさと塾」のような雰囲気の中で予定された時間はあっという間に過ぎた。次々に握手を求める女子学生の温かい手の感触は講演の成果を物語っていた。

 須田事務局長によると、陳岩教授が次のように話していたという。「分かりやすい話で、さすが政治家ですね。学者にはああいう話はできません」。陳さんは晩餐会で同じことを私に話してくれた。

◇両大学の関係者が一堂に会して「大学間友好交流協定書」が交わされ、また、「交換留学生の条件及び付与される利益」の確認が行なわれた。

 富岡賢治、孫玉華、両大学学長が署名した協定項目は4つあるがその中の2つは次の通りである。1、両大学は、相互理解の精神に基づき、友好な関係を築くよう協力する。2、両大学は、学生の交流を通して相互の教育、研究及び学術文化の交流を推進する。

◇晩餐会で飲むばいかん酒はうまかった。私たち議員の都合で日程を変更したことが誤解を招き一時は険悪なムードを生んだこともあったが、全てを乗り越えて達成した成果に皆が酔っていた。小さな芽を大きく育てたい。(読者に感謝)

 

★土・日・祝日は、中村のりお著「遙かなる白根」を連載しています。

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