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2008年7月22日 (火)

「少子化は日本の教育の重大な曲がり角」

◇創世中等教育学校が来年度から生徒募集を停止する。同校は六年制の中高一貫教育の学校で2000年に、平方学園が開校した。私立では全国初の中等教育学校である。生徒不足が主な原因らしい。少子化の影響が背後にあるものと思われる。

 少子化は日本の教育界に重大な影響を与えている。一クラスの生徒が少なくなり、少人数で丁寧に子ども達を教えられるという面もあるが、私学の経営難、生徒の質の低下など深刻な問題が生じている。

 先日、板倉町の東洋大学を訪ねた時も私学が抱える重大問題を肌で感じた。全国の私立大学は、定員割れの危機に直面している、中には定員の半数にも満たないところも出ているというのだ。東洋大学の事務局の人は、私立大学一般の問題として、このような現象に伴って学生の質の問題が深刻であることを説明していた。

 少子化に伴う教育の問題は、私大だけのことではない。入試が広き門になれば学力低下は避けられないだろう。入試が易しくなっても入学後の教育に力を入れればよいという意見がある。アメリカのように、卒業を難しくするという考えである。私学などは、それも、なかなか思うようにはいかないのが現状らしい。

 最近、大学関係者と会ったとき、現在の大学生の学力は中学卒業程度だという話が出た。全部がそうとは思えないが事態は深刻らしい。

 高校も大学も特色ある校風の下で本物の力を身につけさせる学校でないと生き残れない時代になった。そして、名前だけの大学卒で中身を伴わない若者は社会で通用しない時代になった。

 小中などの段階から、子どもたちに本物の学力を身につけないと生きていけない社会が行く手に待ち受けていることを自覚させる必要がある。

 フリーターや働く気力のない若者の深刻な実態が問題になっている。この人たちのことを一概に論ずることは出来ないが、学校教育の無力さが一因となっていることは間違いないだろう。

◇先日のテレビで石工である父の跡を継いで石を刻む娘さんの生き生きとした横顔に打たれた。大きな石にまたがってノミを当て金づちを振っている。はち巻きをして見上げる顔が美しかった。父である親方の下には、二人の若者が弟子入りしている。その一人は大学を中退して入った。日本は、このような若者を支え、評価してやる制度や社会の風潮を育てるべきだ。物づくり日本を支える若者たちの受け皿をつくらねばならない。

◇15歳の少女が父を刺殺した。この事件は、最近の異常犯罪とは違うように思える。「勉強しろ」といわれたというが珍しい事ではない。「うっとうしいと思っていた」というが、それも普通の子がいう言葉だ。夜、もうろうとした意識の中に、最近の異常な事件の影が甦って少女をつき動かしたとしたら、現在の法は彼女をさばく事はできるのかと考えてしまった。虚と実がいっしょになって子どもたちを包む社会が進んでいる。(読者に感謝)

★土・日・祝日は、中村のりお著「望郷の叫び」を連載しています。

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