「インターネットは社会の白蟻か」
◇私のある知人が「インターネットは社会の柱を食い荒らす白蟻だ、退治しないと社会が崩れてしまう」と言った。この言葉はインターネット社会の負の側面を衝いている。違法、有害情報が氾濫し社会に深刻な悪影響を与えている。容易にアクセス出来ることから青少年の心を蝕(むしば)む要因にもなっている。
社会のモラルが全般に低下しているから、インターネット利用者の中にモラルの低い人が多いのは当然で、それに、だれが書込みをしているか分からないという匿名性が加わって無責任な情報が洪水のように流れている。このような状況がまた社会のモラルを悪くするという悪循環が続いている。何とかしなければならない。
秋葉原の殺人事件ではインターネットに犯行の予告があった。これをまねる書込みが増えているという。秋葉原の事件の後、殺傷予告をインターネットに書き込む事件が多く18人が逮捕、補導された。書込みの内容によって業務妨害罪、威力業務妨害罪、脅迫罪などが適用され、いたずら目的であっても軽犯罪法の適用もある。殺傷の予告が特定の人に恐怖心を与えれば脅迫罪に当たるし、業務に対する妨げとなれば、威力業務妨害罪に当たる。
警察庁は全国の警察本部に、ネットに犯罪予告を書き込むことを厳正に取り締まり、摘発例を積極的に社会に知らせるように通達した。規範意識を持たない浮ついた風潮に警告を与える効果があるだろう。本県警察の対応を見たい。
◇殺人で逮捕されないまま時効になったケースが過去5年間で241件あるという。映画や小説の世界では、時効完成直前犯人が逮捕されるなどの場面がよくある。時効が完成すれば刑罰を受けないことになる。死刑に当たる罪については15年、無期懲役に当たる罰については10年で時効が完成する。
毎年、殺人事件は、1200件から1300件位発生している。未解決の事件は多い。だから社会の片隅で息を殺して時効の完成を待つ人がいるに違いない。時効はなぜあるのかと首をかしげる人は多い。その理由は、長期間経過すると、証拠がなくなってしまうこと。また、処罰感情が薄くなること、などである。
死刑に当る罪から拘留など軽い罪に至るまで同じ理由で時効が説明できるのかと素朴な疑問がわく。外国には殺人に時効はない国もある。三浦和義氏がサイパンで身柄を拘束されているが米国には殺人事件に時効はない。長時間たつと証拠がなくなるという事に対しては、DNA鑑定など科学捜査が進歩し数十年たっても立証できるという意見がある。
◇「居酒屋タクシー」などという言葉が登場した。公費でタクシーに乗る官僚とタクシー業との癒着がある。福田首相は悪しき慣習、金品の授受は言語道断と語った。朝のテレビでも攻撃の第1のまとに。優秀な官僚は、崩れていく日本を支える砦だ。志を取り戻して欲しい。(読者に感謝。)
★土・日・祝日は、中村のりお著「望郷の叫び」を連載しています。
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