« 「サイクロンの被害と政治の貧困」 | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(105)第5章 日本人が最初に意地を見せたハバロフスク事件の事実 »

2008年5月 9日 (金)

「ミャンマーの災害が教えるもの」

◇サイクロンの人的被害は、一説には10万人に達するだろうといわれる。もう一つ注目すべき災害はコメの産地が壊滅的状態となったことだ。ミャンマーは昔から米の産地である。同国のコメはほとんどが国内で消費されるから輸出の問題にはならないといわれるが、輸出食料の産地が天災に見舞われたら大変になることを示している。日本は食料自給率が39%を切り国民の食料の多くの部分を輸入に頼っているのだから、最近の世界各地の異常気象は私たちの胃袋の問題と結びついているのだ。 最近、世界の穀物産地は、干ばつ、洪水、ハリケーン、サイクロンなどに頻繁に見舞われている。今回のミャンマーの災害もその一例である。 最近、日本の小麦製品が相次いで値上がりしている原因は、小麦の主要輸出国オーストラリアが百年に一度の大干ばつに見舞われたからだといわれる。 ◇世界の食料事情は、また、原油の高騰とも結びついている。トウモロコシの最大の生産国はアメリカである。現在、アメリカは、ガソリンの代替燃料バイオエタノールの導入を大がかりに進めている。その原料がトウモロコシである。 アメリカの農家は小麦よりエタノール用のトウモロコシの方が高く売れるから小麦の作付けを減らしてもトウモロコシを作るという。その結果、人間の食料が減ることになる。現に私たちの食卓に大きな影響を与えている。 ◇これから原油は更に高くなるだろう。とすれば代替エネルギー源としてトウモロコシの需要は更に増え、人間の食料を圧迫するに違いない。もう一つ食料危機の原因をなすものは人口の増加である。現在世界の人口は65億人だが、40年後には90億人になると予想される。これは、地球が養える人口の限界を越えるらしい。私たちの子孫はどうなるのか。このような地球規模の食料危機がじわじわと迫っているのに、日本人は全く危機意識がなく相変わらず飽食の時代を生きている。このような時、私たちは日本の農業を真剣に考えなければならない。私が住む芳賀地域には有休農地や耕作放棄地が多い。このような状況は全国的にいえるのだろう。これをどのように生かすかが日本の食料問題・農業問題のカギになる。そして、食の安全や異常気象が大問題となっている今日は、私たちが「食」と「農」を考える好機である。 ◇中国の聖火隊がエベレストに登るシーンは迫力があった。エベレストはチベット語でチョモランマと呼ぶ。頂上に至る部分はチベット族の娘が聖火をにぎった。世界の批判が中国に寄せられる中の、最高の演出といえる。時を同じくして胡錦涛首席が日本を訪問し努力をしているのも同じ目的があるのだろう。早大での講演で、「中国は世界最大の発展途上国であることを認識している」、「発展の中で生じた矛盾や問題は規模も複雑さも世界でまれにみるもの」と語った。国家首席が日本へ来て、多少の謙虚さを示した事に私はホッとした。オリンピックを成功させたい悲願がそうさせていると思った。(読者に感謝) ★土・日・祝日は、中村のりお著「望郷の叫び」を連載しています。

|

« 「サイクロンの被害と政治の貧困」 | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(105)第5章 日本人が最初に意地を見せたハバロフスク事件の事実 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ミャンマーの災害が教えるもの」:

« 「サイクロンの被害と政治の貧困」 | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(105)第5章 日本人が最初に意地を見せたハバロフスク事件の事実 »