「非常識な110番、群馬の場合は」
◇「公衆トイレに紙がない」、こんな内容の110番が多くなったと報じられ話題になっている。常識の物差しを持たない人が増えている。モラルが崩れている、学校にイチャモンをつけるいわゆるモンスターペアレントが増えている。これらは共通な根を持つ社会現象だという人がいるが、同感である。
群馬県の実態はどうか。昨年の110番受理件数は約13万9千5百件。そのうち緊急性のない内容のものは、約3万2千3百件である。その具体的な例を挙げれば「遺失物・拾得物、免許の更新、電話番号・郵便番号等の紹介を求めるもの」。「酔っ払ってしまったので自宅までパトカーで送って欲しい」。「初めて携帯電話を買ったので試しに掛けてみた」。「生活が苦しいので生活保護を受けられるようにしてくれ」等である。中には、110番の制度をよく知らず相談窓口と誤解している者もあるかも知れない、しかし、群馬県の大体の状況は、伝えられるところの全国的なものと似ている。やはり、日本人の感覚が少しおかしくなっているのか。私は政治家だから、選挙で選ぶ判断基準もおかしくなっているのではと考えてしまう。
◇110番は、市民の安全を守る重要な制度である事をまず認識しなければならない。今は、携帯電話の時代であるから携帯からの110番が多い。群馬の場合、昨年は約63%が携帯からであった。携帯から通報する場合には次のような問題点がある。①自動車で移動しながらの場合はその通報場所の特定が困難になる。②地理的条件によって聞き取れない場合もある。③県境付近の場合、隣接県に接続することがある。この場合にはお互いに紹介しあうことにしている。
レスポンスタイムとは、警察が110番を受理してから現場に到着する迄の時間である。本県の場合の過去5年間の平均は、6分41秒から7分28秒の間であった。そして、平成19年は、7分11秒で、前年比5秒の短縮となった。ちなみに、全国平均は7分2秒である。本県の場合、担当者は緊急性がないと思っても話を良く聞くという。重要なメッセージ、やサインが含まれていることもあり得るからだ。しかし、余りに非常識であることが明らかな場合、毅然とした態度を示すことも必要だ。110番の役割を妨げることになるのだから。
◇去る8日、大澤知事も出席した市町村懇談会でドクターヘリの導入が説明された。ドクターヘリは救急医療用ヘリコプターのことで、県民の安全・健康・生命のために非常に大きな役割が期待される。国は、このヘリを地域の実状を踏まえて全国的に整備する方針を定めた。既に13道府県が配備した。来年度、群馬県は前橋赤十字病院に配備する。緊急災害時だけでなく一般の事故でも出動の基準に合えば出動できる。その基準はこれから検討することになる。ヘリは県内全域を20分で動ける。だから山間地の医師が不足する地域の人命を救うことも出来、今問題になっている医療格差の解消に大きな前進となる。ドクターヘリは安全安心な郷土づくりを支える心強い柱となるだろう。(読者に感謝)
★土・日・祝日は、中村のりお著「望郷の叫び」を連載しています。
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