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2008年3月17日 (月)

「北京を覆う暗雲、オリンピックは大丈夫か」

◇昨年10月歴史のまち北京を訪ねた時、その変貌ぶりには度肝を抜かれる思いだった。全てがオリンピックに向けて動いた。しかし、天安門広場の上空に青空はなく、中国の環境問題が深刻であることを肌で感じた。また、世界のメディアは中国の食の不安を連日報道していた。私は、オリンピックは大丈夫なのかと思った。

 最近、チベットの大規模な暴動が報じられている。中国は広大な国土に多くの民族を抱えながら一党独裁を通している。一党独裁は思想の自由を認めない。仮に単一民族であっても一党独裁は今日不可能であるのに、中国は無理の上にも無理を重ねている。その現われが、政府に反対する人に対する人権の抑圧である。1989年(平成元年)の天安門事件は、民主化を叫ぶ人々を戦車で弾圧し、数千人とも言われる犠牲者を出した。今回の、チベットの暴動も、中国政府の独裁政治がもたらしたものだ。

 チベットの抵抗は、漢民族が武力によってチベットを支配することに対する抗議である。1959年の動乱で宗教的支配者ダライ・ラマはヒマラヤを越えてインドに逃れたが、チベット民衆のダライ・ラマに対する信仰は今も厚い。

 ダライ・ラマがノーベル平和賞を受けたことはチベットの民衆をこの上なく勇気づけているに違いない。今回の大規模な暴動はチベット問題が解決に向っていないことを示すものだ。政府に対して積年の恨みを抱く分子がオリンピックを利用して過激な行動に出たら大変なことになる。政府がそれを防ぐことは難しいのではないか。

 オリンピックは平和の祭典である。昨年見た、オリンピック建設現場には、「ひとつの世界、一つの夢」というスローガンが掲げられていた。開会は、08年8月8日、午後8時8分である。「8」は中国人にとって縁起の良い数字なのだ。私には、オリンピックの序曲が既に始まっているように見える。中国政府が抱える問題は余りにも大きい。そして、隣国の問題は、私たちにとって決して他人事ではない。

◇秋田犬の第66回、品評会があった(16日)。あきたいぬと呼ぶ。私は保存会前橋支部の顧問である。秋田犬は代表的な日本犬であり、品格がある。国の天然記念物になっている。渋谷駅の忠犬ハチ公も秋田犬である。耳がピンと立ち、足が長く、尻尾は太くくるっと巻いている。私の愛犬ナナは約4才の雌で、スラッと伸びた足には白いソックスをはき、鼻のラインが上品である。人間なら仲々の美人だろう。

 この日の大会に、私はナナを連れて行った。直ぐ車に酔う癖があったが、いつしか直っていたのである。過日、赤城に登りナナを抱いて下界を眺めた感激は忘れ難い。私はナナを引いて次のように挨拶した。「先日、亡くなった高井支部長から頂いた犬がこんなに成長しました。古来、犬は人間の友です、秋田犬を保存することは日本の伝統文化を守る意義があります」ぎすぎすした社会状況の中で秋田犬を飼う人が少なくなってきた。動物との共存は社会の健全さとゆとりの証しである。

(読者に感謝)

☆土、日、祝日は、中村のりお著「望郷の叫び」を連載しています。

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