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2007年12月27日 (木)

「現代の地獄・高齢者虐待と児童虐待」

◇政治家として最も辛いことの一つは、支援者から金を貸してくれと頼まれることだ。どうしても断れない場合があり、貸すと返してもらえないばかりかその人との人間関係も壊れてしまう。最近、ある家を訪ね悲惨な状況を目にした。60代の息子が高齢の母親と二人で暮らしている。部屋は汚く生活用品が散乱し異臭が鼻を突いた。襖の陰に母親の寝ている姿があった。息子は昔からの知り合いである。生活をのぞかれた事が恥ずかしい様子で、生きるのが限界だ、母親に辛く当たってしまう、生活に困ると愛情もなくなる、親の世話は負担だと話していた。

 豊かな社会に深刻な陰の部分がある。進む高齢化と格差はそれを生む要素だ。まばゆい程の豊かさが陰の部分を一層深刻にしている。ここに光をあてることが政治の役割だ。人間の平等を掲げる憲法の下で、不平等が広がっていることを感じる。中でも、高齢者の人権は焦眉(しょうび)の急である。

 この事態に対応するために昨年4月高齢者虐待防止法が施行された。被虐待者の保護と救済を目的とする。虐待は、身体的虐待、介護や世話を放棄する形の虐待、怒鳴ったりして心を傷つける心理的虐待、性的虐待、財産を不当に処分してしまうなどの経済的虐待の5つに分類される。

 私は、抑制廃止研究会に関わってきた。そして、介護施設などで、ベッドに縛り付けたりして身体的抑制が行われる現実を多く見てきた。これは施設内の虐待である。私の後援会の支部長が病院内でベッドに両腕を縛られている姿を見て愕然としたことがある。それでも、施設や病院の虐待には、法律や行政の目が届き易いが、家庭内の虐待は外から見えないので深刻だ。高齢者虐待防止法の重点はここに光を当てることにあると思う。民生委員やヘルパーの役割が重大である。06年度の厚労省の調査では、在宅で介護する家族などの虐待が1万2千件を超えた。虐待の種類では身体的な虐待が最も多く、加害者では息子が群を抜いて多い。夫や妻が介護に疲れて配偶者を殺してしまう例も多い。今年も暮れるが正月を迎えるどころではない人々も多いのが現実だろう。

◇児童虐待も深刻な社会の病理の一面を物語る。児童虐待防止法は平成12年11月に施行された。教師や福祉施設職員等の早期発見の努力義務も規定された。子どもを育てられない若い親の話が跡を絶たない。あるお婆さんが「昔は、女は子どもをとったけんど今は男をとる、イヌやネコの方がましだ」と言った言葉が印象的だ。12月県会でも問題になったが、児童相談所は、虐待の増加などで一時保護が飽和状態である。県内の児童相談所に寄せられる相談は04年度は約6千件、05年度は約7千件、06年度は約8千件と増加の一途だ。県は昨年、「児童相談所の在り方検討会」を立ち上げた。高齢者と子どもを守らないと日本はどんどん沈んでいく。

☆土・日・祝日は、「望郷の叫び」を連載しています。

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