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2007年10月18日 (木)

「巨大な北京は変わりつつあった」(17日)

◇大連から約一時間で北京空港に立つ。空港から北京市中心に向う途中も既に数年前と異なる変化と活気が感じられた。中心街に入ると建設ラッシュで随所に「奥运」という文字が目につく。运は運の略字で、これはオリンピック運動会の略なのだ。歴史のまち北京が変わろうとしている。その歴史的瞬間に出会っているのだと感じる。林立する新しいビルの谷間にわずかに「四合院」が残っている。

 「四合院」とは、塀で囲まれたなかの共同居住の形態である。長い歴史をもつ北京の人々の生活の場である。隣の家でネギがないといえば、ハイと言って分けてやる、よその子どもも家族のように育て合う、そこには温かい人情と庶民を支えた生活の習慣があった。それが次々に取り壊されて高層のビルに変わりつつある。人々は郊外の高層アパートに移されている。歴史のまちが、ピカピカの近代都市になってしまう。ガイドが言った。「オリンピックが終わると北京は全く新しいまちに生まれ変わります」と。北京は中国の象徴である。北京が変わるということは中国全体が変わりゆくことを意味する。それは中国にとって何を意味するのであろうか。それにしても「オリンピック」の影響は凄まじいものだ。

 紫禁城の北方にオリンピックの建設現場はあった。近づいてその壮大さとあふれるばかりのエネルギーに度肝を抜かれた。巨大な建物がいたる所に生まれ、更に多くが建築中である。その中心に奇怪な怪物のような巨大な物体が姿を現した。人々は「鳥の巣」と呼ぶというが私には鳥篭をかぶせた形に見えた。篭は竹で編むが、その竹に当るものが太い鋼鉄である。篭のてっぺんに蟻のように動く人の影があった。ここ北京オリンピ

ックのメインスタジアムで開会式・閉会式・陸上競技が行われる。収容人数は9万1千人だそうだ。毎日2万人の労働者が建築の工事にたずさわっているといわれる。

 私たちは、果てしなく広がる工事現場を見た。ここに入れるのは特別の許可を得た人たちのみである。あちこちに、北京オリンピックのスローガン「同一个世界同一个梦想」が貼られている。「一つの世界・一つの夢」をいう意味だ。偏狭なナショナリズムがぶつかり合う場ではなく、全世界の人々が真実の姿で触れ合い、心を通わせる場にしなければならないと思った。中国が真の大国になるには、この課題を実現しなければならない。多くの競技場は今年末までに、そしていわゆる「鳥の巣」は来年3月迄に完成させるという。

◇北京市の市議会である。議場をみた。記者席は最後列にわずかに設けられていることと傍聴人席が極端に少ないことが印象的で北京市の民度を物語るとみた。

◇長安街を走る。道幅の広さには、いつも圧倒される。囲りの建物もオリンピックを前によそおいを新たにしているように見える。天安門広場は夕闇の中で夜の姿を現していた。人民大会堂の影がネオンに縁どられて浮き上がっている。第17回全国共産党大会が開かれているのだ。オリンピック後の中国の進む道、広がる格差、深刻な環境問題なども議論されているのだろう。毛沢東の肖像が見える。彼は今日の中国を天国からどう眺めているだろうか。

☆土・日・祝日は、「望郷の叫び」を連載しています。

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