« 「市議との朝食会、警察関係の常任委員会」(4日) | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(31)第2章 塩原眞資さんのシベリア »

2007年10月 6日 (土)

シベリア強制抑留『望郷の叫び』(30)第2章 塩原眞資さんのシベリア

そこで貴方は、次のように語られました。

〈家族の不幸、子どもたちに対する悩み、経済的な苦しさなどに出遭ったとき、これを着てあのシベリアで吹雪に叩かれたことを思えば、これくらいのことが何なんだと自分に言い聞かせました〉

私はこれを聞いて、シベリアの異常な出来事を、身近なものと感じることができました。そして私たちも、あの過酷なシベリア抑留の事実を皆さんと少しでも共有し、そこから大きな勇気をもらうことができるに違いないと思うに至ったのです。

これは大きな発見だと思いました。貴方たち抑留者は生きることが大変難しい極限の世界で自分の生命を必死で守り通したのですね。それに比べ、生きることが非常に容易な豊かな社会で、私たちは何と命を粗末にしていることでしょう。毎年3万人を超える人が自殺しています。また、身勝手な欲望のために簡単に人を殺す犯罪も増加の一途を辿っています。

同じ日本人が今から半世紀ほど前にシベリアの凍土で必死に生きたことを、私たちは、今改めて冷静に見詰めることによって、命の大切さと苦難に立ち向かう勇気を学ぶことができるのだと思います。そして、このように貴方たちの体験を現代に生かすことが、抑留された60万人を超える方々の労苦、そして命を落とされた6万人を超える方々の無念に幾分でもこたえることだと信じます。

シベリア抑留というと、暗いイメージばかりがつきまといますが、そこからこのようなプラスの面を発見することが、21世紀の新しい日ロの関係を築く上でも必要なことだと思います。

塩原さん、貴方は、人間は極限の飢えの前では動物と同じようになってしまう、と言われました。また、帰国したい一心で、日本人同士が密告したり吊るし上げをしたことは誠に恥ずかしいとお話になりました。願わくば、それらもすべてお話いただいて、私は、戦争を知らない人々に、戦争とはどんなに残酷な結果を伴うことかを知らせたいと思います。

「過去にを閉ざす者は、現在に盲目になる」これは、元西ドイツの大統領ヴァイツゼッカーが言った言葉です。私たちは、今こそ過去に目を向けて、そこから現在を直視する勇気を持つことが大切なことだと思います。そのために、貴方の貴重な体験を聞かせてほしいと思うのです。どうか、ご協力のほどお願いします。

以上、取材に関する私の気持ちの一端を申し上げました。

 私のこの手紙に対して数日後、塩原眞資さんから返事がきた。それには、「シベリアを離れるときは、こんなところに二度とくるものかと大地を蹴りつけたい気持ちだったのに、今、そのシベリアが非常に懐かしく思える。私の体験がお役に立つのなら、何でも喜んで話したい」と書かれていた。

☆土・日・祝日は、「望郷の叫び」を連載します。

そこで貴方は、次のように語られました。

〈家族の不幸、子どもたちに対する悩み、経済的な苦しさなどに出遭ったとき、これを着てあのシベリアで吹雪に叩かれたことを思えば、これくらいのことが何なんだと自分に言い聞かせました〉

私はこれを聞いて、シベリアの異常な出来事を、身近なものと感じることができました。そして私たちも、あの過酷なシベリア抑留の事実を皆さんと少しでも共有し、そこから大きな勇気をもらうことができるに違いないと思うに至ったのです。

これは大きな発見だと思いました。貴方たち抑留者は生きることが大変難しい極限の世界で自分の生命を必死で守り通したのですね。それに比べ、生きることが非常に容易な豊かな社会で、私たちは何と命を粗末にしていることでしょう。毎年3万人を超える人が自殺しています。また、身勝手な欲望のために簡単に人を殺す犯罪も増加の一途を辿っています。

同じ日本人が今から半世紀ほど前にシベリアの凍土で必死に生きたことを、私たちは、今改めて冷静に見詰めることによって、命の大切さと苦難に立ち向かう勇気を学ぶことができるのだと思います。そして、このように貴方たちの体験を現代に生かすことが、抑留された60万人を超える方々の労苦、そして命を落とされた6万人を超える方々の無念に幾分でもこたえることだと信じます。

シベリア抑留というと、暗いイメージばかりがつきまといますが、そこからこのようなプラスの面を発見することが、21世紀の新しい日ロの関係を築く上でも必要なことだと思います。

塩原さん、貴方は、人間は極限の飢えの前では動物と同じようになってしまう、と言われました。また、帰国したい一心で、日本人同士が密告したり吊るし上げをしたことは誠に恥ずかしいとお話になりました。願わくば、それらもすべてお話いただいて、私は、戦争を知らない人々に、戦争とはどんなに残酷な結果を伴うことかを知らせたいと思います。

「過去にを閉ざす者は、現在に盲目になる」これは、元西ドイツの大統領ヴァイツゼッカーが言った言葉です。私たちは、今こそ過去に目を向けて、そこから現在を直視する勇気を持つことが大切なことだと思います。そのために、貴方の貴重な体験を聞かせてほしいと思うのです。どうか、ご協力のほどお願いします。

以上、取材に関する私の気持ちの一端を申し上げました。

 私のこの手紙に対して数日後、塩原眞資さんから返事がきた。それには、「シベリアを離れるときは、こんなところに二度とくるものかと大地を蹴りつけたい気持ちだったのに、今、そのシベリアが非常に懐かしく思える。私の体験がお役に立つのなら、何でも喜んで話したい」と書かれていた。

☆土・日・祝日は、「望郷の叫び」を連載します。

|

« 「市議との朝食会、警察関係の常任委員会」(4日) | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(31)第2章 塩原眞資さんのシベリア »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: シベリア強制抑留『望郷の叫び』(30)第2章 塩原眞資さんのシベリア:

« 「市議との朝食会、警察関係の常任委員会」(4日) | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(31)第2章 塩原眞資さんのシベリア »