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2007年8月24日 (金)

「中学生の発言、人を殺したら死刑は当然だ」

◇「ある中学生が人を殺したら当然死刑ですよね」といったら側に居たおとなも「そうだ」と言った。最近は殺人事件が多い。山の中には殺されて捨てられた死体がゴロゴロしているのではと思ってしまう。平和な一家が惨殺された事件などに対しては誰もが怒り、復讐したくなる。中学生がこのように発言するのも無理はない。

 しかし、死刑の問題は人間の歴史と共に根が深く複雑である。裁判員制度のスタートが約2年後に迫った。その時は、私たちは、死刑にすべきか否かと言う問題に向き合う可能性がある。だから死刑についての知識を深めることが必要ではないか。

 23日午前3人の死刑が執行された。死刑は監獄内で絞首して執行する。執行は法務大臣の命令による。この命令は、判決確定の日から原則として6箇月以内にしなければならない。命令があると5日以内に執行される。

 長勢法相が命令した。この法相は、計10人の死刑執行を命令した。最近20人の法相の中で最多である。杉浦前法相はサイン(命令)しなかった。クリスチャンとしての信念があったと聞く。これに対しては、個人の信念で左右されるべきでないという批判がある。

 最近、日本では死刑廃止論は勢いを失っているように見えるが、それは表面のことで実は深く激しい議論がある。かつて、死刑は、残虐な刑罰を禁じている憲法に違反するのではないかと争われたが、最高裁は現在の執行方法は残虐ではなく合憲だとした。

 世界の傾向として死刑廃止国が増えている。現在(06年)97カ国が法律上廃止し、25カ国が事実上廃止している。国連総会も死刑廃止条約を採択している。先進国では、英仏独伊が死刑廃止国で日米は存置国である。

 しかし、日本でも、国会の中に、死刑廃止議員連盟があり、また仮釈放のない終身刑を創設すべきだという議論もある。そして、世界の世論の中で、又、人間の尊厳をうたう憲法の下で死刑の適用を制限しようとしているのが現実である。法律上は一人でも死刑なのに、実際の判決は、二人以上殺し情状酌量の余地がないとき、下される。死刑は極刑といわれ最も重い。次に重い刑が無期懲役であるが、これは10年が過ぎれば仮釈放が認められる。死刑と無期では差がありすぎる。死刑の適用はなるべく避けたいから無期にする。すると10年で社会にでる。死刑にすべきではというような凶悪犯も仮釈放される。そこで仮釈放のない終身刑を創設すべきだという主張があるのである。

 死刑が適用される犯罪も限定されている。内乱罪、外患罪などを別とすれば、殺人、強盗致死、強盗強姦致死などである。先日、中国ではワイロをもらった高官が死刑になったが、日本では考えられないことだ。最近凶悪犯罪が多く厳罰化の傾向があり死刑因が増えている。現在、死刑の判決が確定している死刑因が103人いる。

◇明日(25日午後の時)の「ふるさと塾」は鳩山一郎を取り上げる。戦争中東條に反対し、戦後は公職追放になり、それが解除されたら今度は脳いっ血で倒れた。それでも首相となり不自由な身体でソ連に渡り日ソの国交を回復させた。これで日本は国連に加盟し、長期抑留者は帰国出来た。最近骨太で立派な政治家が出なくなった。講師は私。多数のご参加願いたい。

☆土・日・祝日は、「望郷の叫び」を連載しています。

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