« 「中学生の発言、人を殺したら死刑は当然だ」 | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(17)第1章シベリア強制抑留の真実を求めて »

2007年8月25日 (土)

シベリア強制抑留『望郷の叫び』(16)第1章シベリア強制抑留の真実を求めて

同じロシア人でも、モスクワは違います。モスクワとかヨーロッパロシアの人は、我々はヨーロッパ人だという意識が強いんですね。そして、日本は遥か彼方の国だと思っています。しかし、ここは、日本が身近ですし、日本とは仲良くやっていきたいという感じがすごく強いように思われます。

実際、ここで、去年一年間、日本文化フェスティバルということで、いろんな文化行事をしました。お茶、お花、書道、津軽三味線、琴、尺八、また、こういう伝統文化のほか、新しいジャズとかいろんな行事をしましたが、どれもすべて満員でした。私も出席しましたが、『総領事、ありがとう、ありがとう、日本の皆さんによろしくお伝えください』と、そういう感じでした。こういう点からも対日感情はとてもいいと言えると思います。」

「21世紀の日ロの関係はどうあるべきだと思いますか、そして、大切な課題は何でしょうか」

「ここの極東ロシアについて申し上げますと、皆さんの目は、北東アジア、日本、中国、韓国に向いています。特に日本の優れた技術と資本によって、経済開発をやっていきたいという気持ちがすごく強いんです。日本にとっても極東ロシアは、石油、ガス、石炭をはじめいろいろな資源が豊富です。そして、対日感情がすごくいい。だから、日本との間には、相互依存的というか、お互いにとって利益になる基盤があると思います。その方向で、ロシアと日本の関係を強化してゆくことが、これからの一番大きな課題です。ところが残念なことがありましてね」

 楠本総領事は、またここで言葉を止めて、私の顔を見詰め、そして、塩原、青柳さんの方を見た。

「それは、日本人からみるロシアは、まだ、怖い国なんですね。シベリア抑留のことが、重くかかっているのです。また、経済的に混乱している国とみています。ものすごく否定的な見方をしているのです。 ある調査では、日本人の80%がロシアに対して親しみを感じないとしています。これは大きな現実です。特に若い日本人の間で、ロシアはますます魅力のない国になっています。例えば、大学でロシア語の講座がどんどん閉鎖されているんですね。

 私はハバロフスクのまちを歩いていて、日本人の方にお会いする機会がほとんどありません。日本からわずか2時間で来られるのに、在留邦人は70人ですが、総領事館の人を除くと50人足らずで、留学している学生さんは数人しかおりません。日本人で昨年一年間に外国を訪問した人は1600万人、大連に行った日本人は60万人。それなのに、ハバロフスクには、たった8千人に過ぎません。日本人にとって、ロシアがいかに魅力のない関心のない国かということだと思います」

 ☆土・日・祝日は、「望郷の叫び」を連載します。

|

« 「中学生の発言、人を殺したら死刑は当然だ」 | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(17)第1章シベリア強制抑留の真実を求めて »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: シベリア強制抑留『望郷の叫び』(16)第1章シベリア強制抑留の真実を求めて:

« 「中学生の発言、人を殺したら死刑は当然だ」 | トップページ | シベリア強制抑留『望郷の叫び』(17)第1章シベリア強制抑留の真実を求めて »