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2007年7月18日 (水)

「中越沖地震から学ぶことは」

◇3年前の「中越地震」の時は、ボランティアの仲間と山越村へ救援物資を持って手伝いに行った。倒れた遮音壁、大きく波打ち深く亀裂の入った車道など、関越道は地震のエネルギーの凄さを物語っていた。車からは、青いテントで屋根を覆った家々が多く見られた。小学校の体育館には避難した多くの住民が身を寄せ合っていた。このような生活はプライバシーもなく、長くなるとさぞ大変だろうと、その時思った。村内を回ると古い家々が倒れたり「危険」という表示が貼られた家がいくつも目についた。今回の中越沖地震でも古い家屋が多く倒れた。下敷きになって亡くなった人の多くは高齢者であった。

 そこで思うことは、中越地震の教訓は生かされているのかということである。古い家は耐震の補強策が施されていないものが多いらしい。

 打つべき手が分かっていても実行されないのは行政の責任である。2年程前、知人の前橋工科大学の教授が前橋市内の一画を挙げて、そこは高齢者が多くしかも木造の古い住宅が密集しているから危険だと指摘したことがある。この教授は前橋にも地震の恐れがあると科学的な根拠を示して説いていた。ほとんどの人は、前橋に大きな地震が起きるとは考えない。私もその一人だ。しかし、反省すべきは、人間の傲慢さである。自然の力の大きさに対して人間の力は微々たるものなのに科学を過信し謙虚さがない。地震に対する対策も自然を恐れることを基本にしてスタートさせるべきだ。

◇昨日、「緊急地震速報」について書いたら多くの反応があった。中学でも習う、地震のときの二つの波、はじめのカタカタとすこしおいてやってくるゆさゆさ、つまり初期微動と主要動、この二つの波の関係を研究して、主要動をいち速く事前に伝える仕組みである。大きな地震に限られるということだが、たとえ10秒でも最大限に生かす可能性がある。今年10月1日から開始されるという。

 この制度について気象庁の担当者と電話で話した。気象庁が一番恐れるのは、この速報によって混乱が生じることだ。人々が集る所に「間もなく来る」と速報が伝わり、損害が発生し訴えられることもあり得る。また、ラジオやテレビが使われるが、例えば車のラジオで「速報」を聞いて急ブレーキをかける人と知らずに走り続ける人がいて交通の混乱も生じるだろう。担当者は、このような例をあげて「緊急地震速報」を利用するに当たっての人々の「心得」が重大なのだと話していた。

 このような「恐れ」にいかに対応すべきかについての「検討会」が今年3月最終報告を出した。それによれば、速報開始前に、この制度について国民の理解を深めることが不可欠でそのモデル実験等の必要を強調している。

 阪神大震災などの惨状を考えるとき、何十秒か前に分かっていたら、多くの命を救うことが可能だろう。正に時は命なのだ。情報を生かす周到な備えが求められる。行政とボランティアの協力体制を作っておくことも必要だろう。

☆土・日・祝日は、「望郷の叫び」を連載しています。

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